著者
胡 潔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、蔭位制など律令官人制を軸にして形成された父系観念の形成過程を歴史的に考察し、その外来的、人為的な性格を明らかにすると同時に、居住面では訪婚、妻方居住、独立居住の三形態が内的連続性を持って段階的に移行し、夫方居住は不在であったことを明らかにした。古代日本社会に見られる制度上の父系的偏向と居住上の母方偏向は、父系社会の観念、制度が移入された後に現れた双系社会の反応であり、一種の複合的文化現象として捉えられる。
著者
木山 博資
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

慢性疲労症候群(CFS)や線維筋痛症(FM)などのモデル動物を用いて、病的疼痛の分子メカニズム、特にミクログリアの関与を明らかにすることをめざした。これらの慢性ストレスモデルでは末梢組織の明らかな炎症や損傷は見られないが、中枢の脊髄後角においてミクログリアの増殖と活性化が認められた。CFSモデルにおいてミクログリアの活性化を抑制すると病的な疼痛は抑制された。脊髄後角のミクログリア活性化の領域は固有感覚の入力部位に一致していること、抗重力筋や脊髄神経節の検索から、固有感覚の慢性的な過剰刺激がこれらの疾患の引金になっている可能性が示唆された。
著者
今西 貴之
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

Toll-like receptor(TLR)はマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞上に発現し、病原体に特有の分子パターンを認識することにより、自然免疫系を活性化し、その後の抗原特異的な獲得免疫の活性化を誘導することが知られている。しかしながら、獲得免疫系のT細胞におけるTLRの役割は明らかになっていないため、その機能と分子機構を解明することを目的とした。まず初めに、ナイーブCD4+T細胞を種々のTLRリガンドで刺激したところ、活性化の誘導は認められなかったが、TLR3(Poly I:C)とTLR9(CpG-DNA)リガンド刺激による生存延長の誘導が認められた。さらに、T細胞受容体(TCR)とTLRの同時刺激により、TLR2(リポペプチド)、TLR3とTLR9リガンドに反応して、増殖や生存延長、IL-2の産生、c-Myc、Bcl-xLなどの遺伝子発現とNF-κBの活性化が相乗的に誘導された。そこでTLRの下流で必須の役割を果たすアダプター分子MyD88とTRIFを二重欠損したマウス由来のT細胞を用いて同様の実験を行ったところ、TCR+TLR2刺激によるT細胞の増殖とIL-2の産生の増強はMyD88/TRIF二重欠損T細胞で認められなかった。しかしながら、Poly I:CあるいはCpG-DNA刺激による生存延長の誘導とTCRとの共刺激による増殖とIL-2の産生増強はMyD88/TRIF二重欠損T細胞でも正常に認められた。以上の結果から、リポペプチド刺激によるT細胞の活性化の増強がTLR2を介して行われるのに対して、Poly I:CあるいはCpG-DNA刺激によるT細胞の生存延長の誘導と活性化の増強はTLR以外の受容体を介して行われることが示唆された。
著者
山本 敏充 玉木 敬二 打樋 利英子 勝又 義直
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

ヒトY染色体上のDNAマーカーであるY-STRs (short tandem repeat)やY-SNPs (一塩基多型:single nucleotide polymorphisms)は、法医学で、同胞鑑定や性的事件などにおける男性由来の型を検出する目的として利用されつつある。アメリカ合衆国NISTが開発した10ローカス(DYS436、DYS439、DYS435、DYS19、DYS460、Y GATA H4、DYS391、DYS392、DYS438、DYS437)のY-STRをマルチプレックス法により型判定できるシステム(10-plex)及び市販のY-PLEX6キット(DYS393、DYS19、DYS389、DYS390、DYS391、DYS385)を用いて、日本人(名古屋207名、沖縄87名)及びタイ人(117名)について、共通な2ローカスを除く14ローカスのハプロタイプ解析を行った。また、非常に情報量が少ないDYS436をMinimal Databaseに含まれるDYS389Iに入れ換え、改良型の10-plexシステムを作製した。この改良型10-Plexによる14ローカスを用いて、父子関係が証明されている日本人の161組の父子DNA試料から型判定したところ、5例の突然変異が観察された。その内訳は、DYS389I、DYS439、Y-GATA-H4及びDYS389IIローカスで、1リピートの増加、DYS391ローカスで、1リピートの減少であった。このY-STR全体の突然変異率は、0.22%/ローカス/減数分裂(95%信頼区間0.09-0.51%)で、ヨーロッパ人とほぼ同じ値であることが示唆された。本研究での目的の一つである日本人におけるY染色体上のDNAマーカーの突然変異率を算定することは達成できた。
著者
佐藤 純
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

天候変化に影響を受ける疾患(気象病)のメカニズムを,慢性痛モデル動物と気象病患者を被験者とする研究で明らかにしてきた。本研究計画では,メカニズムを明らかにする動物実験と慢性痛患者を対象とした臨床実験をさらに進めた.この連携研究により,気象病のメカニズムにおける内耳の重要性について明らかにし,効果的な予防治療法の糸口を見つけることができた.
著者
束村 博子
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究は、味覚の雌雄差をもたらす脳の性分化メカニズムを明らかにすることを目的とて行われた。味覚のうち、特に甘味に対しメスがオスに比べて高い嗜好性を示すことが報告されていることから、ラットを用いて過去の報告と一致した結果が得られるかどうかを確かめた。カロリーとは関係なく、甘味のみに対する嗜好性を確かめるためにサッカリン水溶液を用いた。雌雄ラットに、0.25、0.5、あるいは0.75%サッカリン水溶液および対照として水道水を与え、その後2週間、水摂取に対するサッカリン摂取の割合を得た。その結果、ウィスター今道系のラットを用いた場合、メスがオスより有意に高い甘味嗜好性を示す日があることが確かめられた。この嗜好性の傾向は、卵巣除去メスと精巣除去オスとを比べた場合にも認められた。一方、Sprague-Dawley(SD)系ラットを用いて、同様の実験を行った結果、これまでの結果とは異なり、オスがメスに比べて有意に高い甘味嗜好性を示すことが明らかとなった。さらに、Long-Evans系ラットを用いて同様の実験を行ったところ、雌雄の間に明瞭な甘味嗜好性の違いは認められなかった。これらの結果より、ラットの系統によって雌雄の甘味嗜好性には違いがあり、メスあるいはオスが高い甘味嗜好性を示す場合、さらに雌雄に大きな違いがない場合があることが明らかとなった。すなわち、「メスは高い甘味嗜好性を示す」というこれまでの研究結果は普遍的でない可能性が高いことを示す結果となった。現在、過去の報告との違いの理由を検討するとともに、本研究結果を報告するための準備を行っている。
著者
杉村泰
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, 2002-11-15
著者
梅村 浩
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

微分ガロア理論は,1次元加法代数群のなすHopf代数のmodule代数の理論とみなすことができる.この立場から,Hopf代数の専門家は余可換Hopf代数を作用域とする可換環上の線形方程式のガロア理論を一般的に扱うのに成功した.これを非可換化すること,つまり量子化することは困難な問題であった.我々は非戦形微分方程式のガロア理論の研究から生じたガロア鞘の概念を用いて,定数係数の線形方程式の一般の量子ガロア理論を確立した.
著者
北川 浩之 中村 俊夫 福沢 仁之
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.6, pp.27-42, 1995-03
被引用文献数
1

名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム(1994年度)報告 [タンデトロン加速器質量分析計を用いた14C年代測定の利用による火山噴火史研究の新展開] Proceedings of Symposium on Tandetron Accelerator Mass Spectrometer, Nagoya University "New Developments in Studies on the History of Volcanic Eruptions by Using 14C dates Measured with the Tandetron Accelerator Mass Spectrometer"
著者
鈴木 一悠
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.111-115, 1985-08-15

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