著者
越後谷 淳一 菊池 弘昭 鎌田 康寛 小林 悟 村上 武
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

中性子照射材・模擬材について,動的磁気特性を計測し,ナノ欠陥と磁壁挙動との関係について考察を行うとともに,照射析出による溶質元素の濃度変化評価を目的としたモデル化と定量的解析を行った.また,ローレンツ電子顕微鏡や磁気光学カー効果顕微鏡により,照射モデル材・シミュレーション照射材の格子欠陥と磁壁とのミクロレベルでの相互作用挙動を調べ,欠陥と磁壁とのダイナミックスを解明するとともに,マクロ領域における照射損傷組織と磁壁との相互作用について検討した.
著者
沼田 徳重
出版者
岩手大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

[研究目的]小、中、高生の理科離れの対策として、これまで岩手大学技術部及びINS「岩手・ネットワーク・システム」等との共同で子供科学教室、ショッピングセンターでの科学展並びに大学祭での技術展に参加してきた。本研究では、次の段階として「理科」と「もの作り」は楽しいもの作るよろこびをより多くの人に体験して貰うために創意工夫した出前教室に取り組み、理科離れ対策に貢献した。[研究方法・実施結果]平成19年度は次の会場で以下の通り実施した。1.7月北上市で開催された、北上工業匠祭に「台所は電池でいっぱいのテーマで」飲料水・野菜・果物・調味料など身近にあるものを用いて出店した。子供からお年寄りまで多くの参加者から好評を得た。2.8月岩手県矢巾町煙山地区の小学生を対象に夏休み自由研究の参考として「どんなものが電池になるか試してみよう」家庭で身近にあるものを持ってきてもらい、電圧の測定を行った。同時に、電気回路は電子ブロックを用いた「うそ発見器」、「ラジオの製作」、指導者が作ったゲルマニウムラジオを農示した。楽しかったので、次回も開催して欲しいと要望があった。3.10月岩手大学祭に「台所は電池でいっぱい」並びに「電子ブロックを用いた回路作り」と「レゴブロック」を用いたおもちゃ作りを実施し子供だけでなく、大人も夢中になって作った。「実施して感じたこと」子供たちは興味を持って参加した、次に繋がる可能性があることを感じた。また、北上工業匠祭ではロボコンの全国大会に参加した小学生にモーターのこと、プログラムのことなどを質問された。どの会場でも親が子供達より興味を示し、色々な質問が出され楽しい一時であった。最後に出前教室は対象者を絞ること創意工夫に時間をかけ余裕を持つことが必要であると痛感し、次回の参考にしたい。
著者
矢内 桂三
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

平成6年(1994)を予備調査とし,平成14年(2002)〜平成17年(2005)に4回の本格的な隕石探査をモンゴル国南部のゴビ砂漠一帯で実施した.砂漠での探査を中心に,都市部の博物館,地方の資料館及び各学校の岩石標本もくまなく調査した.更に原住民からも隕石の情報を入手し,探査に活用した.本研究までに知られていたモンゴル産隕石は次の5個である.Adzhi-Bogdo II(隕鉄,582kg),同I(コンドライト,910g).Manlai(隕鉄,166.8kg),Sarigiin Gabi(隕鉄,17.5kg)及びTugalin-Bulen(コンドライト,〜10kg)である,今回の探査で確認した隕石は,モンゴル唯一のエコンドライトJalanash(ユレーライト,〜700g)とNartiin had(コンドライト,1,946g)の2個である.原住民が隕鉄として所有していたOliziitを現地では隕鉄と判断したが,帰国後詳しい分析の結果"人工鉄"と判明した.現地の博物館等で隕石として展示してあるものや"隕石"と称されている資料を全部チェックしたが,隕石でなく,多くは人工鉄(銑鉄など)や地球の玄武岩-ハンレイ岩であった.ゴビ砂漠の広範囲を調査した結果,ゴビ砂漠では数10年〜数100年間隔で,大雨-洪水が起こっている可能性が高く,この洪水により地表面が更新され隕石の集積(蓄積)には適していないと判断される.数万年〜数10万年あるいはそれより長い期間地表面の変動がない場所こそ隕石は集積するとものと考えられる.
著者
大河原 清 OOKAWARA Kiyoshi
出版者
岩手大学
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-78, 2004

地元盛岡市内にある円光寺にまつわる伝説「お蓮女と首塚」を題材として、小・中・高校教員を対象に、物語の創作を3回実施した。第1回では、51名中約75%の教員が物語の創作が楽しかったと報告した。第2回、第3回を実施し5段階のアンケート調査結果も、「どちらでもない(3)」と比べると、「物語の創作が楽しかった」は第2回の44名の平均値が4.5、第3回の21名のそれが4.7と高く、その他の項目も3より大きく好意的な回答が多かった。創作活動を観察した結果からは、教員同士のグループ活動が活性化すると共に、地元の歴史的事象に対して関心を深めていることが分かった。地元伝説をネタに物語創作をする方法(一種の再話に相当)は、「総合的な学習の時間」における調べ学習に適用できるのではないかと思う。調べ学習において、課題として、調べた内容をネタに新たに物語を創作することを導入することで、深い調べ方が身につくのではないかと想定するためである。
著者
川田 浩一 押切 源一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

加法的問題に付随する例外集合の密度評価を与えるWooleyの方法を応用する際,DavenportのDiminishing range methodが効力を発揮する場面があることを発見した.この方法は,様々な加法的問題に適用することができ,とくに3乗数及び4乗数のWaring問題に付随する例外集合に対する新しい密度評価等の成果を得た.また,素数か,または2つの素数の積であるような8個の自然数の3乗の和として,充分大きい全ての自然数を表せることを示した.
著者
田山 典男 浅利 英吉
出版者
岩手大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

本研究は, 筆者の提唱する『コンピュータ人体解剖技術CAT』を実現すべく, 人体のような3次元ディジタル物体像(3D像)をコンピュータ上に再構成し, 領域分割等の3次元処理を施し, 人体解剖のように3D像を実時間で任意に切出して立体表示するという技術の開発研究を行うものである.1.3D像の再構成実験:高分解能のX線撮影装置を一時借用してX線射影データの収集を行なった. それを特殊なサンプリング方法でコンピュータに取込み, 座標系統の変換処理を行ない, 3D像の再構成を試みた. 種々実験の結果, 対象物体が均質なボクセルから構成されている場合には, 理論に近づくことがわかった. そこで対象物体の周囲を細かなボクセルで扱えるように理論の修正が必要である.2.3次元並列処理コンピュータPIPE-IIのハードウェア増設:3方向からの平面状の並列アクセス機能と, ブロック組立てによるメモリ容量増設機能をもった4次元画像メモリQMUの方式設計を行ない, 64メモリモジュールからなるQMUを製作し, 所期の動作を確認した. 更に, アドレスレジスタを3D像処理向きに自動カウントするように改造した.3.PIPE-IIの図式マイクロプログラム作成ツールの拡張と命令開発:PIPE-IIは, 3次元データの並列処理をする特有のハードウェア機構をもっており, 対角型の語長が長いマイクロプログラムで制御される. 今回, 64ビットのマイクロフィールドを追加増設したので, そのマイクロプログラム作成ツールFADETの機能を拡張した. これで10個の専用命令を作成した.4.3D像の表示:従来のZバッファアルゴリズムを3次元生データの探査用に拡張する方法により, プログラムを作成し立体画像の生成を試みた. 一応の画像が得られたが, リアリティに乏しい. 高速化の面からも, もう少し工夫が必要と思われる.
著者
三輪 譲二 佐藤 滋 川村 よし子 齋藤 伸子 稲葉 生一郎 山田ボヒネック 頼子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、ディジタル世代の学習者に対して、クラウドコンピュータ環境で、多段自律学習できるWebネットワーク型の日本語学習支援システム(e-Manabix)を構築し、地球規模での学習効果の評価を行った。特に、漢字手書き認識を用いた学習支援システムの公開運用評価を実施した結果、スマートフォンからのアクセスの割合が、当初より3倍の増加があり、 ディジタル世代に対応した自律学習支援システムの重要性を示す結果が得られた。