- 著者
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谷口 仁士
飯田 汲事
- 出版者
- 愛知工業大学
- 雑誌
- 愛知工業大学研究報告. B, 専門関係論文集 (ISSN:03870812)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.207-217, 1979-03-31
- 被引用文献数
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5
昭和23年(1948)6月28日福井県にM=7.3の地震が発生し,福井,石川の両県に甚大な被害を及ぼした。この地震の被害資料の収集および解析を行ない,被害の全貌を明らかにし,全壊率分布,被害率分布等を詳細に求めた。また被害率と全壊率との関係も明らかにした。特に断層からの距離と全壊率との関係を求めたところ,沖積層地盤では断層より約10kmまでの地域が全壊率30%以上の激震区域となっていることがわかった。さらに全壊率と半壊率との割合を調べたところ,全壊率が50%以上の地域においては,全壊家屋と半壊家屋を加えた大被害戸数が総戸数の9割近い値を示していることもわかった。なお震度分布を明らかにしたが,震度6以上の烈震区域の面積は約2,050km^2,震度7の激震区域の面積は約1,400km^2となり,如何に地震動の激烈地域が大きかったかがわかる。