著者
植田 睦之 黒沢 令子 斎藤 馨
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.R1-R4, 2012 (Released:2012-10-25)
参考文献数
1

気候変動の鳥類の繁殖時期への影響をモニタリングする目的で,2011年から開始した埼玉県秩父および長野県志賀での鳥のさえずりのライブ音の聞き取り結果である.森林の鳥類のさえずり状況の連続データで公開されたものはなく,さまざまな研究を行なう上でも有用な情報と考えられるため,ここに公開する. データダウンロード:http://www.bird-research.jp/appendix/br08/08r01.html
著者
福田 道雄
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.S7-S11, 2013 (Released:2013-05-27)
参考文献数
6

1996年 3月から2012年 6月までのあいだ,東京湾内の葛西臨海公園の人工なぎさで休息するカワウ Phalacrocorax carbo の羽数を調べた.カワウの羽数は2月から3月に急減し,6月から9月に急増していた.本調査地の周囲でのコロニーを利用しているカワウは冬期は内陸で採食するものが多く,夏期は海で採食するものが多いと考えられることから,休息地を利用する数にこのような季節変化が見られたものと考えられた.2004年7月以降羽数が次第に減少していたが,近隣コロニーの生息数は減少していなかった.これは,採食地や餌資源量が変化したことを示唆していた.朝,正午,夕方に行なった調査のうち,最多羽数が記録されたのは正午の調査であることが多かった.休息地の近隣のコロニーは立ち入り禁止地にあったので,攪乱はほとんどなく,帰還時間の制約がなかった.そのため,休息していたカワウは夕方をまたずににコロニー戻ることができるため,正午が多かったものと考えられた.
著者
籠島 恵介
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.S5-S9, 2012 (Released:2012-06-28)
参考文献数
5

沖縄本島3か所において,メジロによるハイビスカスの花への盗蜜被害率を年間記録した.すべての調査地において冬期の盗蜜被害率が他期より有意に高かったが,1か所の調査地(市街地)では,春夏期でも大きな被害率が記録されることがあった.これは品種が異なるため,人為的攪乱のため,あるいは花卉植物および果実が多いためと思われた.また,3か所すべてにおいて,カンヒザクラの開花期に,ハイビスカスへの盗蜜被害率が低下してい.た.メジロがカンヒザクラから吸蜜しているのが頻繁に観察されるため,このことが影響していると思われた.
著者
福田 道雄
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.S25-S28, 2014 (Released:2015-01-07)
参考文献数
12
被引用文献数
2

カワウ Phalacrocorax carbo の骨格標本の性別判定を行うため,頭骨の 7部位(上嘴長,眼窩間面最小幅,後眼窩突起幅,大脳隆起最大幅,頬骨突起幅,旁後頭突起幅,頭骨長)を計測して,判別関数式を作成した.計測したカワウは,福島県から兵庫県にかけての 1都12県から新鮮死体で収集した51個体で,剖検によってオス23個体とメス28個体と判明していた. 7部位の計測値はすべて有意にオスが長く,上嘴長と頭骨長では計測範囲が重複していなかった.判別関数式は上嘴長と頭骨長に残りの 1部位の計測値を加えた 3部位の計測値を用いた 5組の式と,上嘴長と頭骨長が計測できない場合で,残りの 5部位の計測値を用いた 1組の式を作成した.全ての判別関数式の判別的中率が 100.0%であった.これによって,破損などによって一部の部位の計測が困難な頭骨の骨格を含めて,性別判定ができるとわかった.
著者
関 伸一
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.A35-A48, 2012 (Released:2013-01-17)
参考文献数
17

トカラ列島の3つの無人島(臥蛇島,上ノ根島,横当島)に上陸して直接観察を行なうとともに,森林内に自動記録装置(赤外線センサー式自動撮影カメラとタイマー機能付録音機)を1年以上にわたり設置して鳥類相を調査した.3島で記録された種数はそれぞれ40 種,30 種,28 種であったが,繁殖の可能性が示唆された種は 13 種,9種,8種であった.直接観察でのみ記録されたのは海鳥類やサギ科など森林を利用することが稀な種であった.また,いずれの島でも自動記録装置でのみ記録された種が約3分の1を占め,渡りの途中で一時的に滞在したり,越冬したりする渡り鳥で,上陸調査の実施可能な時期には観察しにくい種が多く含まれた.森林性で繁殖していると推測された種は複数の手法で共通して記録されることが多かったが,繁殖の可能性を判断する根拠となったのは主に録音機による繁殖期の連続的なさえずりの記録であった.自動記録装置は,動作安定性に課題が残されてはいるが,遠隔地では非常に効果的な調査手法であることが明らかになった.
著者
峯岸 典雄
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.S5-S8, 2005 (Released:2005-09-16)
参考文献数
4
被引用文献数
1

全国21か所のゴルフ場に約3,000個の巣箱を設置し,1991年から2001年まで巣箱の鳥類による利用状況についての調査を行なってきたが,1995年にこれまでは数件しかなかったカラス類による巣箱の破壊が急激に増加し,1999年までは多くの巣箱が被害を受けた.しかし,2000年以降は被害がほとんど無くなった。カラス類の個体数には大きな変化はなく,なぜ全国ほぼ一斉に被害がはじまり,5年で被害がなくなってしまったのかは不明である.
著者
山路 公紀 石井 華香
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.A21-A29, 2022 (Released:2022-05-07)
参考文献数
15

ジョウビタキ Phoenicurus auroreus が日本で繁殖域を拡大している.ジョウビタキは元々樹洞営巣性であるにもかかわらず,開口部が巣箱や郵便受けよりも広い換気扇フードを営巣場所として多く選んでいた.その理由を知るために,利用された換気扇フードと利用されなかった換気扇フードの二群を,巣からの視界に注目して比較した.その結果,開口部の面積によらず,巣を視点とする垂直視野角または立体角が有意に小さい換気扇フードが利用されていた.また,換気扇フードには,巣からの視界が狭くなり,その視界に捕食者が入りにくい特性があった.これらから,捕食者から見つかりにくいことが換気扇フードが利用される理由と考えられた.立体角などをもちいて巣からの視界を調査することは,営巣場所の評価として有益である.
著者
三上 修
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.5, pp.A1-A8, 2009
被引用文献数
1

近年,日本においてスズメ <i>Passer montanus</i> の個体数が減少している可能性が指摘されている.その減少要因について,いくつかの仮説が提示されているが,何が原因かわかっていないのが現状である.減少原因のひとつとして都市環境において,スズメの繁殖がうまくいっていないことが考えられる.そこで,都市部と農村部において,「幼鳥の比率」および,「ひとつがいが面倒をみている巣立ちヒナ数」を比較した.その結果,どちらの値も都市部において低く,予測した通り,スズメの繁殖は,都市部においてうまくいっていないことが示唆された.さらに,後者の値は,都市部において 1羽程度と少なく,都市部では,スズメの増殖率がマイナスになっている可能性も考えられた.都市での繁殖の不振が,スズメの個体数の減少の一要因になっているのかもしれない.
著者
藤井 忠志 渡邊 治
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.S25-S30, 2012 (Released:2013-01-05)
参考文献数
11

岩手県雫石町七ツ森の町有林で,雄2個体,雌1個体が関与したサンコウチョウ Terpsiphone atrocaudata の繁殖を観察した.雄は尾羽の短い若鳥と,尾羽の長い成鳥であった.給餌行動や雄,雌による排他的行動から,雌個体とつがい形成していたのは,前者であると考えられた.尾羽の長い成鳥の雄がどのような経緯で繁殖に関与するようになったのかは不明である.今後,このような事例が見つかった場合は,DNAサンプルを採取して父性を調べると同時に,本種の繁殖生態を精査することが重要である.
著者
浜地 歩 植村 慎吾 仲地 邦博 高木 昌興
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.S27-S33, 2017 (Released:2017-10-19)
参考文献数
21

2015年から2017年にかけて,宮古諸島でオオジュウイチとオニカッコウを記録した.オニカッコウは複数羽での長期滞在が確認されたことから,繁殖の可能性も考えられる.国内におけるこの2種の記録は増加傾向にあり,今後分布を拡大させる可能性がある.
著者
佐藤 重穂 濱田 哲暁 谷岡 仁
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.14, pp.S1-S5, 2018

<p>四国地域の野外で観察されたサンジャク<i> Urocissa erythrorhyncha </i>の記録をとりまとめた.アジア大陸原産のカラス科に属するサンジャクは飼育個体の逸出に由来すると考えられる個体が四国西部で2000年から記録されており,2017年までに33件の記録が収集された.観察された環境は二次林が多く,針葉樹人工林と農耕地でも確認された.2015年と2016年には幼鳥と巣立ちビナが観察された.本種は四国西部に定着し,低地の広い範囲に生息していると考えられた.</p>
著者
佐藤 隆士 濱口 京子 佐藤 重穂
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.6, pp.S17-S19, 2010

徳島県三好市剣山系のジロウギュウにおいて2010年5月5日にユキホオジロ雄1個体を観察した.これは本種の四国地域における初めての確実な観察記録である.
著者
高橋 雅雄 磯貝 和秀 古山 隆 宮 彰男 蛯名 純一
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.A65-A71, 2016 (Released:2016-12-31)
参考文献数
26

2014-2015年冬期と2015-2016年冬期に,関東地方の都市部と農村部の計32か所の湿性草原でオオセッカの生息調査を行ない,13か所で計94個体を確認した.そのうち4か所は都市部に位置し,住宅地等で囲まれて孤立した環境だった.また3か所では耕作放棄田で,別の3か所では自然生態観察公園で生息が確認され,これらの環境も越冬地として利用されることが確かめられた。さらに,オオセッカは多様なタイプのヨシ原環境で確認され,従来考えられていた以上に多様な植生環境を利用する可能性が示唆された.
著者
時田 喜子 吉野 智生 大沼 学 金城 輝雄 浅川 満彦
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.S13-S18, 2014 (Released:2014-06-10)
参考文献数
19

2000年から2010年にかけて八重山諸島で回収された16個体のカンムリワシの胃内容物を検査した.そのうち13胃に何らかの内容物を認め,それらを70%エタノールにて固定後1mmメッシュの篩を通して種ごとに分け,乾燥させた後に乾燥重量を測定した.含まれていた内容物は貧毛類(フトミミズ科),甲殻類(ベンケイガニ,小型カニ類),昆虫類(半翅目セミ科,直翅目の1種,属種不明昆虫類),両生類(オオハナサキガエル),爬虫類(キシノウエトカゲ,イシガメ科の1種),鳥類(シロハラクイナ,属種不明小型鳥類),植物片および小石の計13品目で,甲殻類がもっとも高頻度で検出された.捕食することによる中毒や,殺鼠剤散布による影響が懸念されていたオオヒキガエルやネズミ類は検出されなかった.石垣島の個体からは3品目,西表島の個体では13品目と,島によって食物の出現種数が異なっていた.甲殻類は夏季だけでなく冬季にも出現し,カンムリワシの食物として重要であることが示唆された.
著者
渡辺 朝一
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.S5-S11, 2014 (Released:2014-05-01)
参考文献数
26

ハゴロモモ(フサジュンサイ) Cabomba caroliniana は,北米大陸南東部と南米原産の沈水植物である.水槽植物として世界各地に持ち込まれ,日本列島でも,本州,九州,四国,北海道に定着している.しかし,被害に係る知見が不足しているために,特定外来生物種ではなく要注意外来生物種となっている.そこでハゴロモモと水鳥類の関係を明らかにするために茨城県清水沼で2011年4月から2012年3月にかけて調査を行なった.その結果,コハクチョウ,オオハクチョウ,オカヨシガモ,ヨシガモ,ヒドリガモ,マガモ,オオバンがハゴロモモの水中茎および沈水葉を採食していることを確認した.今後は水鳥がハゴロモモの分布拡大にどのようにかかわっているか,水鳥による摂食がハゴロモモにどのような影響を与えるのかについての調査が必要である.
著者
植田 睦之 福田 佳弘
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.6, pp.S21-S26, 2010

北海道西部の日本海沿岸において,オジロワシとオオワシの飛行頻度に影響する気象要因を明らかにするために調査を行なった.解析した気象要素は,気圧,気温,降水量,風速,日照量および,風速の西ベクトル(西方向の風の強さ)と北ベクトル(北方向の風の強さ)で,これらとワシ類の飛行頻度とを比較した.その結果,西方向の風の強さがオジロワシ,オオワシの出現頻度に影響していた.調査地では西方向の風が吹くと海岸段丘による斜面上昇風が生じると考えられ,そのため西方向の風が強いとワシ類の出現頻度が高くなるのだと考えられる.
著者
前川 侑子 田口 華麗 牛込 祐司 佐藤 匠 小林 啓悟 芳賀 智宏 町村 尚 東海 明宏 松井 孝典
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.A71-A86, 2022 (Released:2022-09-05)
参考文献数
50

鳥類ではポイントカウントやラインセンサス等によりモニタリング調査が行なわれている.近年,費用対効果が高く,調査圧の少ない新しい調査として,録音データからAI技術により鳥類の鳴き声を自動で検出・識別する方法が試行されているが,その詳細な方法は定まっていない.そこで,本研究では,いくつかの異なる条件での鳥類の鳴き声の識別精度を比較することで,鳴き声の識別を行なう際の最適な条件を検討した.なお,条件としては,最適な音声の検出(長時間のデータから効率的な解析を行なうための前処理)方法・学習する音声の時間幅・学習の手法を検討した.対象種は,環境省レッドリストにおいて絶滅危惧Ⅱ類に指定されているサシバで,解析には2地点で録音したサシバの鳴き声を含む音声をもちいた.その結果,音圧が1-3dB上昇した時点を検出し,2-3sの時間幅で切り出した音声をもちいて,畳み込みニューラルネットワークにより学習を行なうことで,高精度で鳴き声を検出できることがわかった.交差検証と汎化性能のF値は最高でそれぞれ0.89,0.71であった.
著者
松宮 裕秋 沼野 正博
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.A87-A97, 2022 (Released:2022-12-06)
参考文献数
19

シマクイナの生息分布は不明な点が多く,関東地方を除き詳細な越冬状況は分かっていない.そこで,2020年1月から2022年4月にかけての本種の越冬期に,本州中部地方および近畿地方の太平洋に面した地域(静岡県,愛知県,三重県,和歌山県)において,プレイバック法をもちいた生息確認調査を行なった.その結果,調査を実施した34か所のうち,12か所で生息を確認した.これらの地域では越冬期を通した生息が確認され,越冬地である可能性が高いと考えられた.確認環境の多くは耕作放棄地に成立した湿性草地であり,そのような環境が本種の重要な生息地として機能していることが示唆された.本種は生息の実態が把握されないまま生息地が消失している可能性が高く,さらなる生息状況の把握が望まれる.
著者
植田 睦之 島田 泰夫 奴賀 俊光 佐藤 功也
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.S19-S25, 2017 (Released:2017-09-14)
参考文献数
19

洋上風車に対する海鳥の反応を明らかにするために,2013年と2016年に銚子沖で船舶用レーダを使った調査を行なった.いずれの調査でも風車から100m以内を鳥が飛行することは少なく,また,風車のそばで飛行方向をかえる行動が記録され,海鳥は風車を回避して飛んでいると考えられた.2013年と2016年を比較すると,2016年の方が風車のより近くを飛行する傾向があった.以上の結果から,洋上風車の海鳥への影響としては,バードストライクより風車を忌避したり,その海域を使わなくなったりする影響の方が大きいと考えられるが,レーダによる調査データには天候等の偏りがあり,海鳥への影響を明らかにするにはさらなる調査が必要である.
著者
峯岸 典雄
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.A01-A09, 2007 (Released:2007-02-27)
参考文献数
14
被引用文献数
1

長野県軽井沢町で1989年より2006年の繁殖期に105日の定点録音を行ない,鳥類の出現状況について解析を行なった.オオルリとハシブトガラスは増加傾向にあったが,それ以外の種は減少傾向にある種が多く,キジ,カッコウ,ツツドリ,クロツグミ,アカハラ,ウグイス,ホオジロ,ノジコ,アオジは調査開始当初は普通に記録されていたにもかかわらず,まったく記録されなくなった.減少した種の多くでは,一度,記録数が増加し,その後減少するパターンがみられた.増減のおきた時期は周囲で開発が行なわれた時期と一致しており,開発により生息できなくなった個体が一時的に調査地に移入し,その後,消失してしまうため,このような増減が起きたのかもしれない.