著者
池田 光功 松㟢 守利 本多 壮太郎 古賀 俊憲 平田 哲史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第六分冊, 教育実践研究編
巻号頁・発行日
vol.64, pp.1-8, 2015-02-10

ボクシングの動きを健康教育及びフィットネスの授業プログラムに活かす試みとして,教育職を志す女子学生を対象に基本となる技術を指導し,それを実践するシャドー・ボクシング,マス・ボクシング(コンタクトが無い),ミット打ちなどからボクシングの醍醐味を体感することで興味を持ち,生涯スポーツとして継続的に取り組んで行けることが考えられ,今後に目指す子どもたちとのかかわりを持つ教育の現場で基盤となる健康や体力などに関することを意識し考えることができる授業となった。プログラムの有効性として自らが調整しながら,動きを通してチャレンジしていく内容であったことを運動後の脈拍測定や質問紙による記述回答から分析した。
著者
阿部 守
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第五分冊, 芸術・保健体育・家政科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. Part V, Art, health and physical education and home economics (ISSN:02863243)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.25-39, 2020-03-10

戦後,改革的芸術系大学は,如何にバウハウスの教育を受け入れ,発想法教育学は,どのように成立し,波及したかについて検証してきた。我が国では,バウハウスの基礎造形教育の実践は,主にバウハウスにおける造形理論家で教育者のヨハネス・イッテンの影響によるところが大きかった。 本論文では,そのバウハウスの影響の下,基礎造形の解釈とその制作方法について,どのような人々が教育実践を行ったかについて示す。特に福岡において重要な教育者,創造者,そしてデザイナーであった柏崎栄助の足跡とデザイン・構成教育について考察し,造形芸術における感性を研ぎ澄ます教育について考察する。
著者
小森 雅子
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第二分冊, 社会科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part II, Social sciences (ISSN:02863227)
巻号頁・発行日
no.63, pp.37-48, 2014-02-10

無人機の偵察機としての機能は、人間にはできない領域で発揮されるとき、大きな価値を有する。人間が搭乗しないため、搭乗員の生命に対するリスクを考慮せずに、任務を遂行できるところが、高く評価されている。しかし、攻撃能力をあわせもった無人機を、人に対して使用する事例が、9・11 テロ以降、アメリカの展開する「対テロ活動」においてみられる。 本稿では、とくに、「ターゲット殺害」行為について、国際人道法の下の区別原則および均衡性原則の観点から、評価を行った。区別原則の下では、戦闘員と文民の区別の難しさなどを中心に指摘した。均衡性原則の下では、軍事的利益と付随的損害の相対的な関係を確認し、無人機攻撃に伴う付随的存在発生防止の難しさを確認した。また、これらの観点に加え、無人機攻撃という行為がもたらす影響およびその課題について、検討を行った。
著者
鈴木 淳 大山 泰史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第五分冊, 芸術・保健体育・家政科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part V, Art, health and physical education, and home economics (ISSN:02863243)
巻号頁・発行日
no.61, pp.65-72, 2012-02-10

本研究では,近年バスケットボール審判員の能力として注目されているゲームコントロールについて注目し,国際審判として活躍した審判員を対象にゲームコントロールに関する実践知を知識化し,審判員および指導者育成に役立つ知見を実践現場に提供することを目的とした。その結果,「コミュニケーション力」「技術の理解」「戦術の理解」というコアカテゴリーを得ることができた。「技術の理解」「戦術の理解」によって,「先を見通した笛」が可能になり,観客の面白さにつながるゲームコントロールが可能になる。また,「技術の理解」「戦術の理解」に基づいたバスケットボールによって「正しいバスケットボール」をさせることが可能になり,チームや選手の能力を発揮させ,ゲームコントロールが可能になることが分かった。また,「技術の理解」「戦術の理解」には「コミュニケーション力」が大きな影響を及ぼしたことが分かり,審判員は日常生活の段階から人とどのように接するかが問われ,それがチームや選手とどのように接するかに影響を及ぼし,審判員としての能力形成に大きな影響を及ぼすことが分かった。
著者
劉 陽 中村 俊哉
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.141-146, 2009-02-10

日本と中国の大学生を対象に、アノミー尺度、自殺観尺度を使って調査を行った。日本に比べて中国の方が規範意識の葛藤が強かったことが分かった。経済が急激に発展している中国社会の状況は、アノミー状態に陥る状況と言える。また、アノミー尺度得点が高い者ほど、自殺に対して黙認する傾向が高いことが示される。なお、中国の女性は「女性でなければよかったのに」と思うほど、自殺念慮の経験を持ち、自殺を黙認する傾向が強いことが明らかになった。中国は女性の自殺率が男性より高い唯一ともいえる国であるが、一人っ子政策の下での女性の置かれた状況がうかがわれる。
著者
二串 英一
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第六分冊, 教育実践研究編
巻号頁・発行日
vol.64, pp.1-6, 2015-02-10

算数科がねらうのは,論理的思考力の育成である。論理的思考力は,他者への説得と自他の納得があってこそよりよく伸びる力である。そこで,第6 学年「チーム対抗紙飛行機大会を開こう!」(資料の調べ方)の単元において,判断の根拠を出し合い,よりよい根拠を見出す問題事象の設定とチーム活動の位置付け,思考の特性と表現の仕方で編制したチームを用いて,実践検証を行った。その結果,自他のチームの特徴や相手チームの得点を抑えるための得点配置について,表や図,グラフ,計算からわかることを根拠に話し合い,より確実な根拠を見出す姿を見ることができた。
著者
大竹 晋吾
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第六分冊, 教育実践研究編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part VI, Research for teaching practice
巻号頁・発行日
vol.63, pp.1-7, 2014-02-10

The purpose of research is to describe the teaching methods of U.S. school leader training program. School leader training of the graduated level of the United States which started was developed aiming at professionals from the second half of the 1980s. Development of teaching methods is developed more to acquisition of businesscapability. One of theories is development of the program which connects a “school” from a “classroom.” I would like to clarify the subject of school leader training of future our country by showing clearly through what kind of historical deployment U.S. school leader training passed.
著者
生田 淳一
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第4分冊, 教職科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. 福岡教育大学 編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.67, pp.49-55, 2018

本研究の目的は,学生の質問力を育成するための授業法などの開発に向けた実践研究として,自己発問を 求める授業を計画・実施し,その効果を検討することである。大学の講義(モチベーションの心理学)の受講生112名を対象に,質問力の変化について分析した。その結果,文章を読み質問を生成する事後テストにおいて質問を記述する学生が増加するが,効果は限定的であることがわかった。しかし,質問を促進するような認識的信念の変化が一部で見られたことから,自ら生成した質問に対して,その問いに答える(自問自答)の活動を通して,さらには,その自問自答を授業の中で共有し価値づけていくフィードバック活動を充 実させることを通して,学生の質問力を育成することができる可能性が示唆された。
著者
川口 俊明
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.59, pp.1-10, 2010-02-10

本稿は、(1)異なる学校に通うことで、子どもたちのあいだにどの程度の学力差が生じるのか、(2)どのような学校が効果的なのか(=学力を大きく向上させることができるのか)、という2つの問題について、ある市で行われた学力調査をもとに分析している。分析には、日本の社会科学領域で昨今注目を集めているマルチレベルモデル分析(Multilevel Model Analysis)を用いている。公立小学校・中学校で行われた学力テストをもとにした分析の結果、以下の2点が明らかになった。第一に、学力の差は、小学校・中学校を問わず、きわめて小さいということである。第二に、「効果的な学校」と「そうでない学校」のあいだに、決定的な違いは見いだせないということである。これは、こと学力テストの点数に限って言えば、現行の教育システム内で個々の学校・教員の努力でできることは限られているということを意味している。教育研究・教育行政に携わる人々は、この知見を真剣に受け止めて検討していく必要があろう。
著者
平田 宗史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.32, pp.109-120, 1983-02-10