著者
長友 朋子 中村 大介
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

これまで共同研究を行ってきた研究協力者とともに、焼成温度分析を行い、土器や瓦から窯技術の差異を示す。また、胎土分析と考古学的分析により流通範囲を解明することで、技術拡散か器物流通かの区分を明確にする。朝鮮半島では初期窯の事例が少ないので、窯と窯焼成陶器が判明する中国資料を参考に、焼成温度から窯構造を推定したい。一方、窯構造や土器の研究は、日韓両国でそれぞれ蓄積されているものの、専業化と政体との関係については、陶邑窯や新羅の慶州など、大規模な窯群で考慮されるのみで希薄である。窯を単なる技術伝播ととらえるのではなく、政体との関連に注目し、窯技術拡散と土器生産体制の変質を解明する。
著者
橘 健一 渡辺 和之
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ネパールの諸民族・カースト集団における動物認識を調査し、それらに見られる人間/動物の分割線や接点のあり方を明らかにすることを目指した。先住民チェパンにおいてはシカやトラが他者として排除される一方、人間自身にもそれらの力が結びつけられていることを確認した。グルンにおいては昆虫のナナフシが祖先霊として恐れられ、山地ヒンドゥー教徒のあいだではカマキリが死をもたらす存在として忌み嫌われることがわかった。ネワールにおいては虫の様な小さな存在が排除されつつ自己に結びつけられることを、タルーにおいては動物を呼ぶ媒介者が恐怖されていることがわかった。こうした動物認識から、動物の排除と包摂の状況が確認された。
著者
寺村 安道
出版者
立命館大学
雑誌
政策科学 (ISSN:09194851)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.73-84, 2002-10
著者
宮岡 薫
出版者
立命館大学
巻号頁・発行日
1996

博士論文
著者
伊達 宗泰
出版者
立命館大学
巻号頁・発行日
1992

博士論文
著者
乾 亨
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

近年多くの自治体が取り組みつつある「制度化された地域自治組織」の仕組みや実践事例の調査研究を通して、地域自治組織が自由に使える「拠点」と、地域組織の運営を下支えする「事務局機能」の存在が、コミュニティ自治力の向上(コミュニティ活動の活性化・地域運営力の向上)のために重要であることを明らかにした。調査対象事例は主に、神戸市の真野地区まちづくり推進会、福岡県下の自治協議会組織、京都市本能学区のまちづくり活動である。
著者
竹田 晃子 大木 一夫 作田 将三郎 鑓水 兼貴
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

伝統的方言が急速に衰退する現在、従来のような方言話者への面接調査は困難になっており、近い将来、方言研究は過去の資料を元に行われると予想されている。一方、戦後の方言研究は、明治・大正・昭和期の貴重な資料を放置してきた。方言を含む日本語の研究を発展・継続させるために、調査資料が失われないうちに、過去の調査資料を積極的に分析対象とした方言研究を始める必要がある。本研究は、旧東北帝国大学教授・小林好日による「東北方言通信調査票」約7,500冊を整理・入力・公開することで調査データを後世へ引き継ぎつつ、分析結果を論文化することで現代の面接調査では得られない言語事実や方言史を解明することを目的とする。
著者
桂島 宣弘
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

東アジア史学思想研究会を合計7回開催した。開催日と報告者は以下の通り。①2017年6月9日「近代朝鮮儒学史の形成」ロ官汎(韓国・ソウル大学校)②2017年6月17日「戦後日本の普遍主義を問う-権赫泰『平和なき「平和主義」』を読む」廣瀬陽一(大阪府立大学)、原佑介(立命館大学)、権赫泰(韓国・聖公会大学)③2017年7月1日「日本史学史を問う-岐路に立つ歴史学の行方」戸邉秀明(東京経済大学)、田中聡(立命館大学)④2017年10月7日「近世日中思想交渉に関する最近の研究」徐興慶(台湾・中国文化大学)「近世~近代日中韓における儒学思想交流」許怡齢(台湾・中国文化大学)⑤2017年10月20日「わが日本史研究修行」張憲生(中国・広東外語外貿大学)⑥2017年11月3日「近代における勧善書への眼差し」肖ゴン(中国・キ南大学)⑦2018年1月27・28日「近代歴史学と実証主義の陥穽」桂島宣弘(立命館大学)「傅斯年史学の興衰」呉炳守(韓国・東北亜歴史財団)「植民主義歴史学を超えて:植民主義歴史学のイデオロギーと近代歴史学」尹海東(韓国・漢陽大学校)「近代日本の朝鮮研究:統計的アプローチ」張信(韓国・教員大学校)「国史と東洋史の狭間:京城帝大と「東洋文化研究」」鄭駿永(韓国・ソウル大学校)「植民地における帝国日本の歴史編纂事業:朝鮮と台湾の事例を中心に」鄭尚雨(韓国・翰林大学)「戦後における末松保和の朝鮮史研究:連続と断絶」辛珠柏(韓国・延世大学校)「朝鮮史から韓国史へ-東アジアにおける「文化史学」の受容について」沈煕燦(立命館大学)「北朝鮮の朝鮮古代史研究と金ト奉」李廷斌(韓国・忠北大学)。本年度の科研費の多くは、これら日中韓台の研究者の招聘に用いられた。また、研究代表者は、これまでの研究のひとまずのまとめとして1月27日の研究会で基調講演を行った。
著者
坂田 謙司
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、音声による街頭の宣伝放送である「街頭放送」の社会史を明らかにすることにあった。特に、現役の施設が多い北海道の街頭放送を中心に調査・研究を行った。研究方法は、新聞記事を使った歴史・社会的な事実確認とヒアリング、関連資料の探索という歴史社会学的手法を用いた。その結果、街頭放送は1945年末に東京有楽町に初めて登場し、全国へと広まっていった。しかし、都市部の街頭放送は他の都市的な音との重なりのなかで騒音源として捉えられ、減少していった。一方、北海道の街頭放送は1947年に札幌中心部に登場し、宣伝メディアとしてだけでなく地域情報メディアとしても機能し、今日に至っていることが分かった。
著者
池田 光男 篠田 博之
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

人間は3次元空間に生きているから、3次元空間の認識が最重要な大脳の機能であるといえる。しかしよく考えてみると外界の情報はまず網膜で取り入れられるが、外界の網膜像は2次元像になってしまっている。次元ダウンである。大脳はしたがって2次元網膜像を受け取った後それを3次元空間に戻さなければならない。次元アップである。これが通常の大脳機能と考えられる。さて壁に掛けられた絵画を人間が見た場合、その網膜像は2次元像である。上記の論で言えばこれは直ちに3次元空間として認識されるはずである。しかし実際はそうではなく、2次元画像はやはり2次元画像としてしか認識できない。何故か。それは次元アップ機能は絵画が掛けられている空間の方に使われてしまったからである。そこでその空間情報を排除して絵画だけを網膜にインプットすると大脳は当然それを次元アップし、絵画は3次元空間として認識されるはずである。このことをまず大きさの恒常性を利用して証明した。遠方に比叡山が見える場所で写真を撮り、比叡山だけ大きさをいろいろに修正し、実際に見た比叡山の大きさと同じと思う写真を被験者に選ばせた。実際より大きな比叡山の写真を選んだ。つぎに次元アップゴーグルを使用して写真のみが見えるようにして同じ判定をすると修正無しのものを選んだ。写真が次元アップされて大きさの恒常性が働いたと考えればよい。つぎに、夜景の写真を次元アップゴーグルで観測し、光源色に見える明度を測定すると、10以下となった。やはり次元アップがされたので真っ白の物体以下の明度ですでに光源色になったと考えればよい。最後に、ネッカーキューブを次元アップゴーグルで被験者に観測させ、テスト刺激の明度判定を行わせた。次元アップされ3次元の立方体を認識したときのみ現れる明度に被験者は設定した。以上のように、2次元画像でもそれのみを網膜に入力すると、大脳は自動的に3次元空間に変換したことを証明することができた。
著者
シャンタル・ムフ
出版者
立命館大学
雑誌
立命館産業社会論集
巻号頁・発行日
vol.37(4), no.111, 2002-03