著者
五嶋 孝吉
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.705-706, 1939 (Released:2009-12-22)
参考文献数
4

本邦各地に於ける水道水を夫々充分に精製したる後,其の密度を同様の方法によりて精製したる大阪水道水と石英浮秤を用ひて比較した.試料採集地は次の9ケ所である.東京,大阪,室蘭,新潟,徳山,門司,鹿兒島,基隆,高雄.其の結果によれば此等各地の水道水の密度の間には實驗誤差±0.5γの範圍に於て何等差異をも發見しなかつた.よつて此等各地の水道水は何れも同位元素組成が同一であるものと考へられる.
著者
笹川 幸治
出版者
千葉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

湿地性ゴミムシ類の保全に関する基礎研究として、各種の生態の解明に取り組んだ。これまで生活史が未知であった複数の種の飼育に成功し、特殊な産卵生態や幼虫食性を明らかにした。一部の種では、これらの生態特性を通して湿地環境に依存していることが示唆された。また、ゴミムシ類の重要な生活史形質の一つである幼虫食性について、大顎形態から推定する方法についても開発した。これらの成果は、絶滅が危惧される湿地性ゴミムシ類の保全に役立つ有用な基礎データとなりうるだろう。
著者
結城 大輔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.247-252, 2014-02-15

大学に関連するソーシャルメディアの法的リスクについては,①学生関係(悪ふざけ等による炎上等),②教職員(就労環境に対する不満やハラスメント等),③その他(危機時のソーシャルメディア対応)等の独特の論点がある.大学ならではのソーシャルメディアガイドラインの策定(米国の例のように,教師と生徒の間での私的なやりとりを規制することも考えられる.)や,それに基づく研修の実践,内部告発や危機への対応等,必要な対策をとることが重要である.ソーシャルメディアが教育の現場で強力なツールと成り得ることに鑑みると,これらのリスクを正確に把握し,必要な対策をとりつつ,大学における積極的利用が推進されることが望まれる.
著者
宮津 寿美香
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.30-38, 2018 (Released:2018-10-31)
参考文献数
31

本研究は指さし行動を獲得して間もない0歳後期から1歳前期の子どもの指さし行動に注目をした。対象児は0歳代の9名(男児5名,女児4名)である。指さし行動には,コミュニケーション機能が付随していることが特徴であるが,対象児の行う指さし行動には「自分自身のために行う」ような「ひとりごと」のような指さし行動がみられ,そのような指さし行動を本研究では「一人指さし行動」と定義した。分析には,大きく以下の3つの視点から検討をした。「指さし行動と日齢との関係」,「指さし行動と身体の発達との関係」,「指さし行動と言語発達との関係」である。その結果,対象児の日齢,身体発達,言語発達により,「一人指さし行動」とコミュニケーション機能をもつ「伝達的指さし」の頻度に違いがみられた。また,「一人指さし行動」を質の違いから4カテゴリーに分類したところ(ア.状態,イ.目的,ウ.理解/命名,エ.その他),1歳半頃までは,自分の目的や欲求物について指さす「イ.目的」の割合が高かったが,それ以降では,人の動きや状態を指さす「ア.状態」の割合が高くなることがわかった。