著者
水野 壮 駒谷 和範 佐藤 理史
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.375-376, 2015-03-17

笑いは対話中のユーザや場の状況を推定するために,有用な情報である.これを検出できない場合,状況に適した対話を行えないと同時に,笑い声を入力発話として処理し,音声認識誤りを引き起こすことがある.我々は,対話中のユーザの笑いを検出するため,以下の2つの手法による結果を両方用いる.1. メル周波数ケプストラム係数やパワーの音響情報2. 笑いが場で共有された際に発生する,複数の話者位置情報ロボットの動作に対し,笑いが発生したかどうかを統合手法で判定する.実際に収録した対話データを用いて実験を行った結果,統合前と比べて高精度に笑いを検出できることを確認した.
著者
奥野 洋子 萬羽 郁子 青野 明子 東 賢一 奥村 二郎
出版者
近畿大学医学会
雑誌
近畿大学医学雑誌 = Medical journal of Kinki University (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3-4, pp.115-124, 2013-12-01

[抄録] 対人援助職は, 職務におけるストレッサーが大きい一方, 対人援助職としての成長もあることが明らかになっている. しかしこれらの研究は, 一時点における横断的調査であり, ストレス体験が対人援助職の自己成長感につながっているのかについての縦断的研究は行われていない. 本研究では, 105人の看護師に対して1年間の縦断的調査を行い, 仕事上のストレス体験と1年後の自己成長感との関連を明らかにすることを目的とした. 自己成長感(心的外傷後成長尺度), ストレッサーとソーシャルサポート(職業性ストレス簡易調査票), 個人特性(15項目ハーディネス尺度), 体験ストレスに関する質問紙調査を看護師に対して実施し, 1年後の自己成長感について重回帰分析を行った. その結果, 周囲の状況に対してコントロールできると考える性格傾向であること, 看護職の経験が浅いこと, そして仕事上のストレス体験が多かったこと, 仕事を自分のペースでできていたこと, 働きがいを感じていたこと, 加えて1年後の現在の, 職務上の身体的・環境的なストレッサーが強いこと, 同僚からのサポートがあることと自己成長感との有意な関連性が認められた. 仕事上のストレス体験の多さは, その時点よりも1年後の自己成長感を高め, 個人特性としてのハーディネスのコントロール傾向の高さも自己成長感を高めることが示唆された.
著者
朱 心茹 影浦 峡
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.333-334, 2020-02-20

発達性ディスレクシアは、読字や書字に特異的な困難が見られる学習障害である。ディスレクシアの症状は実に多様であるため、個々人に最適化された支援方法が必要となる。筆者らはこれまでの研究において、特別にデザインされた書体が有用なディスレクシア支援となる可能性を模索した。その結果、適切にデザインされた書体はディスレクシアを持つ児童と成人の読みに良い影響を与えることが明らかになった一方で、その影響の種類や度合いは個々人によって差があることが示された。この結果は、共通の特徴をベースとしつつも個々人にとって最も有効な特徴を書体に付与するようなカスタマイズシステムの必要性を示唆するものである。本研究ではカスタマイズシステム開発への第一歩として、これまでに構想・開発された主要な書体カスタマイズシステムをレビューし、ディスレクシアに特化した和文書体カスタマイズシステムの枠組みを示す。