著者
小松 洋輔 友吉 唯夫 川村 寿一 岡田 謙一郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-24, 1970-01

Three cases of intrascrotal rupture of the testis were presented. Case 1: A 21-year-old student got a kick at his left scrotum during Kwarate training. On the third posttraumatic day, the ruptured tunica albuginea was surgically sutured. Case 2: A 25-year-old man fell from the height and got the right scrotum injured. On the third posttraumatic day, the ruptured tunica albuginea was sutured. Case 3: A 58-year-old man got an injury at his right scrotum due to traffic accident while on a motorcycle. It was on the tenth posttraumatic day that the operation was performed. Because the tunica albuginea was so extensively injured, orchiectomy was necessitated. Histological findings of the ruptured testes were described. The rat testes were experimentally ruptured and histological study was made several times after trauma in order to investigate the changes with time.
著者
水野 眞佐夫 塙 望
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.137-149, 2011-12-27

【要旨】本研究は分岐鎖アミノ酸の摂取が中強度運動時と運動後回復期の脂質代謝に与える効果を検討した。運動習慣を有しない大学生男女各4 名の合計8 名を対象に,分岐鎖アミノ酸含有飲料またはプラセボ飲料を摂取させた後,最大心拍数45% から50% 強度の自転車運動 20 分を2 セット,5 分間の休息を挟んで実施した。運動時から回復期において,心拍数,主観的運動強度の測定と,呼気ガス分析を行った。二重盲検交差法を用いて,分岐鎖アミノ酸含有飲料摂取条件とプラセボ飲料摂取条件を最低7 日間の間隔をあけて実施した。この結果,酸素摂取量,心拍数,主観的運動強度,呼吸交換比において両条件間に統計学的有意差は認められなかった。しかしながら,BCAA 含有飲料摂取条件における運動後回復期20-30 分の体脂肪率と呼吸交換比との間に正の相関関係の傾向を示した。一方,プラセボ飲料摂取条件において相関関係は認められなかった。従って,分岐鎖アミノ酸含有飲料を摂取することにより体脂肪率が低いほど運動後回復期の脂質代謝が促進される可能性が本研究により示唆された。
著者
横山 智
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会・京都大学ブータン友好プログラム・人間文化研究機構 総合地球環境学研究所「高所プロジェクト」
雑誌
ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.242-254, 2013-03-20

自然の力を利用して作物栽培を持続的かつ循環的に営むことができるのが焼畑農業である. 先人たちは, 土地に合った耕作と休閑のパターンを守り, 焼畑を何世紀にもわたって存続させてきた. しかし, 遅れた農法と見なされた焼畑は, 世界各地で規制され, その面積は急速に縮小し, 消滅の危機を向かえようとしている. 本研究では, 現在でも広く焼畑が営まれている東南アジアのラオス北部を事例に, 焼畑を持続させてきた自然資源の循環的利用や焼畑を営む人びとの生業維持の戦略にフォーカスをあてることで, 焼畑の生業にとっての価値を再考することを試みた. その結果, 焼畑の特徴は「区分」ではなく「連続性」に特徴づけられることを示した. 火入れ後の1 年間は食料を生産する「畑」であるが, その後の休閑地となっている長期間は植物の侵略と遷移が繰り返され, また各種の生物が生きる「森」である. 焼畑は畑と森の両方の機能をあわせ持ち, 森林を破壊する農法と捉えるのは適切ではない. さらに, 生業の面から焼畑を捉えると, 作物栽培を行った後, 同じ場所で牛の刈跡放牧を行い, 植物や昆虫を採取し, 狩猟まで行っている. 生態学的な連続性に加えて, 生業の連続性という特徴も有する. 焼畑を「連続性」の視点から再考すれば, 従来とは異なる価値を見いだすことができるのである.
著者
高田 保馬
出版者
京都帝國大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.38-55, 1939-01-01
著者
簗瀬 一雄
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.99-109, 1971-06-25
著者
福田 正己 矢作 裕
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科學. 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.325-327, 1978-03-25
著者
ナイフー チェン 小林 孝雄 佐井 りさ
出版者
日本経済国際共同センター
巻号頁・発行日
2006-08

銀行の貸出債権は流動性が低い.これは,貸出債権が貸出先企業のプライベート情報をふんだんに含むためである.一方,貸出債権から生じるキャッシュフロー自体は流動的であることが多い.近年のフィナンシャル・イノベーションは後者の点に着目して,銀行貸出債権を原資産とするクレジット・デリバティブやMBS,CMO,CLO,CBOに代表される証券を発行し,貸出債権を市場に売却することを可能にした.これによって,銀行は貸出債権の信用リスクを広範な投資家層に移転し,プライベート情報と信用リスクを凝縮したレジデュアル部分だけを保有すればよくなった。われわれの試算によれば,商業用貸出債権ポートフォリオを証券化するにあたって,銀行が留保するべきレジデュアル・トランシェはわずか3%前後である.これこそが,市場の論理から決定される銀行の自己資本比率である.この仕組みに加えて,決済システムの安全性を確保できれば,バンキング・システムは従来の金融仲介機能を果たしながら,完全に安全なシステムに生まれ変わることができる.かつてアービン・フィッシャーをはじめ幾人もの有力な経済学者達が主張した「100%マネー」のバンキング・システムは,新しいフィナンシャル・テクノロジーの登場によってその実現可能性を飛躍的に強めた.この新体系は,預金保険の利用に起因する銀行行動のモラル・ハザードに苛まれ続け,しばしば危機に晒されてきた従来の部分リザーブ型バンキング・システムより明らかに優れている.