著者
金井 文宏 庄田 祐樹 吉岡 克成 松本 勉
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-66, no.46, pp.1-7, 2014-06-26

スマートフォン向け OS として Android が広く用いられている一方で,それを狙ったマルウェアの数も増加している.Android マルウェアの中には,リパッケージと呼ばれる手法を用いて,正規アプリの中に悪性コードを追加することで作成されたものが多く存在する.攻撃者がリパッケージマルウェアを大量に作成する際には,リパッケージ処理の自動化が必須であると考えられるが,自動リパッケージの実態や対策については,十分な調査・検討が行われていない.そこで我々は,既存の正規アプリが自動リパッケージに対して,どの程度の耐性を有するかを検証する.まず,実際のリパッケージマルウェアの解析を行うことで,リパッケージの方法を特定し,自動リパッケージを再現するスクリプトを作成する.次に,このスクリプトによって,複数の正規アプリに対して,外部と通信を行う機能だけを持つ検証用コードを挿入する.作成したリパッケージ済みアプリを動的解析して,挿入した検証用コードが正常に動作するかどうかを検証する.その結果,評価対象としたアプリの約 75% において,挿入した検証用コードと元の正規アプリのコードの両方が正常に動作することを示す.この実験において挿入した検証用コードを,悪性のコードに変更した場合でも,同様の方法で自動リパッケージが可能であることが予想される.以上より,現状の Android アプリの多くは自動リパッケージヘの耐性が不十分であり,耐ダンパー技術等を用いたリパッケージ対策が必要であることがわかる.

1 0 0 0 OA 巻頭言

著者
中村 百合子 ナカムラ ユリコ
雑誌
St. Paul's Librarian
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-2, 2011-03-31
著者
湯淺 太一 中川 雄一郎 小宮 常康 八杉 昌宏
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.SIG09(PRO8), pp.87-99, 2000-11-15

Lispなどの大多数のリスト処理システムでは,不用セルを回収するためにごみ集め(GC)が行われる.一般的に採用されているGCは,ごみ集めの間プログラムの実行が中断されるので実時間処理には適さない.この問題を解決するために,ごみ集めの一連の処理を小さな部分処理に細分化し,プログラムの実行と並行してごみ集め処理を少しずつ進行させる実時間方式のGCが提案されている.代表的な実時間GCであるスナップショットGCは,スタックなどのルート領域から直接指されているセルをGC開始時にすべてマークしておかなければならない.この間の実行停止時間は,ルート領域の大きさによっては,無視できなくなる.そこで,関数からのリターン時にマーク漏れがないようにチェックすることで,スタックから直接指されているセルを関数フレーム単位でマークする方法を提案する.スタック上のルート領域をフレーム単位でマークしていき,ある関数からリターンする際に次の関数フレームがマークされているかどうかをチェックし,マークされていなければその関数フレームをマークしてからリターンする.これをリターン・バリアと呼ぶことにする.ルート領域のマークが終了したら,従来のスナップショットGCと同様に残りのセルをマークする.本論文では,Common Lisp処理系KCL(Kyoto Common Lisp)上でリターン・バリアを実装し,GCによる実行停止時間について,従来のスナップショットGCと比較評価および検討を行った.
著者
戸次 圭介 横田 孝義 浜田 亘曼
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.605-613, 1988-06-15

高機能LSIの論理設計期間を短縮するためには 後れた論理DAシステムが必要となる.論理設計はテータパス 制御回路 およびこれらの構成要素となる機能モジュールのそれぞれの設計に分類することができる制御向路には結線論理方式とマイクロプログラム方式があるが 大規模で複雑な論理回路はほとんど後者の方式が採用されている.そのためマイクロプログラム方式の制御回路の設計を自動化することが重要となる.そこで本論文では マイクロプログラム方式の制御回路の構成方式をモデル化し この構成モデルに基づいた論理合成アルゴリズムを検討した.これにより マイクロプログラムのアドレス順序情報と分岐機能を定義する情報から マイクロプログラムのアドレス制御を行う部分の論理回路を自動合成することが可能となった.本方式は宣言的データとして表現された制御構造モデルを用いて論理回路の自動合成を行うものであり モデルの蓄積により容易に設計空間の拡張が可能となるまた論理型言語Prologを用いて本アルゴリズムの実装を行い 実際に回路の合成を試みた結果 本アルゴリズムが実用可能となることが確認できた.
著者
金田 重郎 井田 明男 酒井 孝真
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014-IS-128, no.3, pp.1-8, 2014-05-30

サピア=ウォーフの仮説は,母語が対象世界の認識に影響する可能性を示唆している.特に,ソフトウェア開発上流工程では,自然言語 (母語) を用いるため,サピア=ウォーフの仮説の影響を受ける可能性がある.しかし,何故か,このことは,従来論じられて来なかった.そこで,本稿では,クラス図が英語の認知構造を反映していること,そして,そのことの認識なしでクラス図を理解しようとしても困難が生じる恐れがあること,を示す.ただし,著者らの従来研究では,日本では良く知られた英語 5 文型を用いてきた.5 文型は非英語圏出身者に英語を教えるためのツールであるが,現在の英国の文法書では,「所格」 を必須とする 7 文型が推奨されている.そこで,本稿では 7 文型を用いてクラス図を理解する.これによって 「もの-こと-もの」 パターンの本質も理解できる様になる.更に,クラス図では,関数従属性によるモジュラリティの確保が必要であることを論じて,7 文型の視点をも併せ,クラス図作成のためのガイドラインを提示する.このガイドラインの下で,日本語特有の 「存在文 (『ある』 型文)」 表現ではなく,関数従属性を取り出しやすい 「行為文 (『する』 型文)」 を用いて,日本語記述文を単文化すれば,日本語圏に生まれた者であっても,見通し良くクラス図を作成できる.本稿で示したクラス図への理解によって,初学者はより易しくクラス図の本質を学び得ると確信している.
著者
久木元伸如 中田聡史
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.249-256, 2014-07-15

海況予測システムは自然法則に従ったコンピュータシミュレーションによって海水温や流速を予測し,漁業者に携帯電話やPCを通じて配信するものである.この海況予測システムを漁業者に利用してもらい,安全かつ効率的な操業に役立ててもらう試みがなされてきている.しかし,これまでシステムの有用性について十分な評価がされていないので,漁業者にとって必要な情報は何か,改善点は何かなどについて検討する必要がある.本研究では評価グリッド法を活用して,漁業者がどのような目的で海況予測システムを利用し,漁場探索を行うためにどのような情報に注目しているか調査した.結果として漁業者は安全かつ効率的に操業を行うために海況予測システムを利用し,予測水温の水平勾配や鉛直流速差といった定量的な物理量に注目していることが分かった.
著者
匂坂 佳代子
出版者
ライブラリー・アド・サービス
雑誌
本を選ぶ
巻号頁・発行日
no.351, pp.1-1, 2014-08-20
著者
匂坂 佳代子
出版者
ライブラリー・アド・サービス
雑誌
本を選ぶ
巻号頁・発行日
no.352, pp.1-1, 2014-09-20

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著者
匂坂 佳代子
出版者
ライブラリー・アド・サービス
雑誌
本を選ぶ
巻号頁・発行日
no.353, pp.1-1, 2014-10-20
著者
山本 修一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.371-379, 2008-04-15

最近の要求工学に関する国際会議(RE06,RE07,REFSQ06,REFSQ07)論文の約35%が非機能要求とゴール指向に関する論文であることから分かるように,非機能要求とゴール指向は現代の要求工学の中で最も活発な研究分野となった.本稿では,非機能要求(NFR,Non Functional Requirements)と主要なゴール指向要求定義手法について解説するとともに,ゴール指向とNFRや従来手法との関係についても紹介する.
著者
谷井 章夫 後藤 真孝 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.82(2003-MUS-051), pp.19-24, 2003-08-04

ミキシングにおけるエフェクタや音量,音像定位の設定情報が異なれば,同じ音素材を用いても,楽曲の印象は大きく異なるため,的確なミキシングを行うには,高度な技能と経験を要する.そのため,アマチュアがミキシングに取り組んでも意図した結果を得ることは難しい.近年,商用音楽制作において,計算機上のソフトウェアを利用してミキシングが行われることが多くなったが,基本的に,ミキシングエンジニアが旧来のハードウェアミキサーやエフェクターを用いて実施していた作業を計算機上で可能にするものであり,技能と経験の乏しいアマチュアがミキシングを行う上での支援はなかった.本研究では,経験豊富なミキシングエンジニアの持つミキシングのノウハウをテンプレート化しておき,経験の乏しいアマチュアが自分の制作過程で再利用できるシステムを提案する.
著者
小笠 航 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.77-79, 2014-09-12

ここ数年,プロジェクションマッピングの社会的認知が高まりつつある.ただし,プロジェクションマッピングの鑑賞者は,その内容に関与することはできない場合が多い.本稿では,タブレット端末を用い,多人数の鑑賞者が映像の内容やエフェクトにリアルタイムに関与することを可能とするアプリケーョンを提案する.これにより,映像内に複数ユーザによる動きを反映させ,ユーザ同士のインタラクションを実現することができる.映像としてだけではなく,アトラクションとしてのプロジェクションマッピングの機会をユーザに提供する.

1 0 0 0 OA 日本語とCOBOL

著者
西村 恕彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, 1967-05-15