著者

林 正美

出版者

国立科学博物館

雑誌

国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)

巻号頁・発行日

vol.15, pp.187-194, 1982

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富士・箱根・伊豆地域には13種のセミ類が分布し, これら3地域間で種構成の顕著な差異は認められない。各種の分布を, 近隣の丹沢山地, 赤石山地, 秩父山地と比較して, 表1に示す。 富士山地域では, 富士山をはじめとして, 北や西をとり囲む御坂山地や天子山地などのセミ類の分布を調査した。その結果, 山地性のエゾゼミ類 (Tibicen spp.) では, エゾゼミ japonicus とコエゾゼミ bihamatus が生息標高帯の樹林に広くみられるのに対して, アカエゾゼミ flammatus は御坂山地や天子山地などの一部から知られるにすぎないことがわかった。青木ケ原樹海, とくにウラジロモミの優占する所にはセミはほとんど生息していないが, その上部のブナ林, 自動車道路傍のアカマツ林には, エゾゼミ, コエゾゼミ, エゾハルゼミ Terpnosia nigricosta などが生息する。一般に, 富士山でのセミの垂直分布上限は, 温帯性落葉広葉樹林上限とほぼ一致する。 箱根火山は400,000年前に活動を開始した新しい火山であるが, セミ類の分布では他地域とほとんど差異がない。箱根カルデラには, 山地性のコエゾゼミ, エゾゼミ, エゾハルゼミなどが知られる。古期外輪山の一部である金時山∿乙女峠にはアカエゾゼミが知られる。一方, 小田原から早川沿いの地域には, 常緑広葉樹林に生息するクマゼミ Cryptotympana facialis やヒメハルゼミ Euterpnosia chilbensis が分布する。 伊豆半島の南部や海岸地帯は気候が温暖で, シイ・カシなどの常緑広葉樹林が発達する。このような地域にはクマゼミやヒルハルゼミが生息している。とくに後者は, ふつう東日本などではその産地が局所的なのに対して, 伊豆半島では普遍的に産し, 東海岸では熱海から下田にかけて多くの産地が知られている。半島中央部に位置する天城山系は, 第四紀火山から成り, 標高1,000m を超える。この地区には山地性のセミが知られるが, アカエゾゼミは未発見である。その他の山地については未調査である。 富士・箱根・伊豆地域に分布するセミ類の中では, アカエゾゼミがもっとも注目される。富士山地域では, 富士火山には産せず, 北側の御坂山地や天子山地などに局所的に知られ, その産地は大平山(高橋, 1981), 烏帽子山, 竜ケ岳の3ヶ所にすぎない。一般に, 本種の産地は局所的で, 関東地方においても1都県あたり1∿数ケ所である(林, 1981)。関東地方の各産地について, そこの地層と時代をみると, ほとんどが新第三紀あるいはそれより古い地層から成る地域ばかりであり, しかもそのような地層分布域の周辺部にアカエゾゼミの産地が多い(表2)。富士山, 丹沢の産地はいずれも新第三紀(中新世)の御坂層から成る地域である。唯一の例外は箱根・金時山で, 地質的には第四紀の新しい地域である。しかし, 金時山のすぐ北, 矢倉岳付近には御坂層が分布するので, この産地も他の例とまったく異なるものではないように思われる。植生がこのセミの分布形成に大きい影響を与えただろうと思われるが, 地質的な要因も少なからず関係していることは確かであろう。また, 富士山地域でのミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis の分布には, 富士火山の新期溶岩流がおそらく大きく関与していることであろう。改めていうまでもないが, セミ類はその幼虫期を土壌中でおくるので, 土のない, たとえば新しい溶岩流の上などでは, 正常に生育することができないと考えられるからである。

著者

孔安国 [伝]

出版者

古典保存会

巻号頁・発行日

1929

著者

佐藤 勉 林 賢紀

出版者

国立研究開発法人 科学技術振興機構

雑誌

情報管理 (ISSN:00217298)

巻号頁・発行日

vol.47, no.5, pp.338-347, 2004 (Released:2004-08-01)

参考文献数

4

被引用文献数

2 1

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農林水産研究情報センターにおいては,年々増加するWeb上の農林水産関連の情報資源に対し効率的なアクセスを可能とするため,また農林水産省試験研究機関等で発信する研究成果などの情報について,誰でも容易にアクセスできるよう,農林水産研究情報に特化した検索システムや,これらの情報を整理したディレクトリシステムを開発し,運用している。また,消失しやすいWeb上の情報を保存することで,永続的なアクセスを確保し価値の高いデータや研究成果を安定して提供するため,Webアーカイブの構築を行っている。

著者

Hiroki Nakano Kazunori Omote Toshiyuki Nagai Michikazu Nakai Kunihiro Nishimura Yasuyuki Honda Satoshi Honda Naotsugu Iwakami Yasuo Sugano Yasuhide Asaumi Takeshi Aiba Teruo Noguchi Kengo Kusano Hiroyuki Yokoyama Satoshi Yasuda Hisao Ogawa Taishiro Chikamori Toshihisa Anzai on behalf of the NaDEF Investigators

出版者

The Japanese Circulation Society

雑誌

Circulation Journal (ISSN:13469843)

巻号頁・発行日

vol.83, no.3, pp.614-621, 2019-02-25 (Released:2019-02-25)

参考文献数

36

被引用文献数

2 6

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Background: The ideal mortality prediction model (MPM) for acute heart failure (AHF) patients would have sufficient and stable predictive ability for long-term as well as short-term mortality. However, published MPMs for AHF predominantly predict short-term mortality up to 90 days, and their prognostic performance for long-term mortality remains unclear. Methods and Results: We analyzed 609 AHF patients in a prospective registry from January 2013 to May 2016. We compared the prognostic performance for long-term mortality among 8 systematically identified MPMs for AHF that predict short-term mortality up to 90 days from admission. The PROTECT 7-day model showed the highest c-index for long-term as well as short-term mortality among the studied MPMs. Sensitivity analyses revealed serum albumin and total cholesterol to be the most important variables, as dropping these variables resulted in a significant decline in c-index, when compared with other variables specific to the PROTECT 7-day model. Furthermore, significant improvements in c-index and net reclassification were observed when serum albumin or serum albumin plus total cholesterol was added to the studied MPMs, other than the PROTECT 7-day model. Conclusions: The PROTECT 7-day model demonstrated the highest predictive performance for long-term as well as short-term mortality in AHF patients among the published MPMs. Our findings indicate the importance of accounting for nutritional status such as serum albumin and total cholesterol in AHF patients when developing a MPM.

著者

原田勝正

出版者

国際交通安全学会

雑誌

IATSS review

巻号頁・発行日

vol.25, no.3, 2000-05

著者

Yoko OTA Torao YOSHIKAWA

出版者

The Seismological Society of Japan, The Volcanological Society of Japan, The Geodetic Society of Japan

雑誌

Journal of Physics of the Earth (ISSN:00223743)

巻号頁・発行日

vol.26, no.Supplement, pp.S379-S389, 1978 (Released:2009-04-30)

参考文献数

39

被引用文献数

9 19

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In the Japanese coastal area, deformation patterns deduced from the height of former shorelines are classified into four types, A, B, C and D, each reflecting different response of tectonic regions to island arc movements. Each area has been progressively and acceleratedly deformed in a same pattern during the late Quaternary. Maximum rate of average uplift is 1.5m/1, 000 years for the Last Interglacial terrace and 4m/1, 000 years for the Holocene terrace.The landward tilting, type D, on the Pacific coast of Southwest Japan has been associated with great earthquakes occurring below the inner slope of the Nankai Trough. Type D area is separated from upwarping mountains by hinge lines along which subsidence has accumulated. Tectonic basins filled with younger sediments on the continental slopes are assumed to be depressed zones along the former hinge lines. Ages of deformed shorelines suggest that until the early Pleistocene seismic deformation had affected only the continental slopes and later propagated onto the coastal area in the late Pleistocene at the latest, resulting in the intensification of deformation of former shorelines. In contrast, type C deformation has predominated on the Pacific coast of Northeast Japan, which are 200km distant from the Japan Trench and seem to be still located landward of hinge lines of seismic crustal movement.

著者

平井 文三

出版者

亜細亜大学法学研究所

雑誌

亜細亜法学 = Asia University Law Review (ISSN:03886611)

巻号頁・発行日

vol.51, no.2, pp.394-353, 2017

著者

北川 誠一

出版者

東洋文庫

雑誌

東洋学報 = The Toyo Gakuho

巻号頁・発行日

vol.60, no.1・2, pp.202-207, 1978-11

著者

上村 泰裕

出版者

福祉社会学会

雑誌

福祉社会学研究 (ISSN:13493337)

巻号頁・発行日

vol.11, pp.7-10, 2014-05-31 (Released:2019-10-10)

著者

森山 至貴

出版者

青土社

雑誌

現代思想

巻号頁・発行日

vol.47, no.3, pp.145-153, 2019-03

著者

立花 観二 長島 親男

出版者

日本応用動物昆虫学会

雑誌

日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)

巻号頁・発行日

vol.1, no.3, pp.155-163, 1957-09-30 (Released:2009-02-12)

参考文献数

15

被引用文献数

1

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従来完全虫体のままではきわめて困難であった幼虫背脈管搏動曲線の記録を,光電効果を利用することによって容易なものとし,またエーテル麻酔のもとで虫体活動電流を誘導してその搏動曲線を記録した。1) 虫体背面体皮より透視できる背脈管の心臓部へ一定光源を照射し,その反射光線の変化を光電管によってとらえ,これを電気的変化として搏動曲線を記録した。2) 光電効果を利用する搏動曲線記録装置は,光電流発生装置,増巾装置,記録装置の三つよりなる。3) エーテル麻酔を行った幼虫の背脈管搏動にともなう活動電流を虫体表面および虫体内部から誘導し,いわゆる心電図を記録した。4) 搏動にともなう活動電流を誘導しこれを記録する装置は電極,増巾装置,記録装置の3つよりなる。5) 光電効果の適用と活動電流を誘導する方法の2つによってえられたものを従来のものと比較し次のような考察を行った。i) ワモンゴキブリの機械曲線(YEAGER, 1938)とカイコのそれは波形が酷似し,収縮直前にノッチが存在する。カブトムシの活動電流にはノッチを欠き,波形も著しく特異であるが,機械曲線には収縮直前と休息期前に大きなノッチが存在する。ii) カブトムシ幼虫背脈管における心臓部の波形と大動脈部の機械曲線のそれは著しく相異し,前者では収縮期が短く,後者では長い。iii) 幼虫背脈管における自働性の中心は筋原性であるといわれているが,搏動によって,もっとも高い電位を示す個所は心臓部第1室の両側であること(第5図×印)を知った。iv) エーテル麻酔虫(カブトムシ3令幼虫)の搏動の虫体表面誘導による活動電位は,9∼15μV,虫体内誘導によるものはほぼ150μVであった。v) 心臓搏動と大動脈波,あるいは同一心臓内部においても誘導個所をずらせて同時記録すると,それぞれ収縮が後方より前方に移行する時間的経過をよく説明できる。6) 虫体背脈管搏動におよぼす薬剤その他の影響を,その搏動曲線の波形,振巾,周期などによって調査することが可能となった。

著者

三戸 惠一郎 篠原 一彦

出版者

日本航空医療学会

雑誌

日本航空医療学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Aeromedical Services (ISSN:1346129X)

巻号頁・発行日

vol.16, no.3, pp.3-8, 2016-01

著者

望月 進

出版者

日本応用動物昆虫学会

雑誌

日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)

巻号頁・発行日

vol.29, no.1, pp.21-25, 1985

被引用文献数

1

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ベイト(腐肉)トラップを用いて,ルリエンマムシ成虫の季節消長,夏期における肉設置後の飛来経過を調査した。<br>1) 成虫は5月から10月まで継続して飛来し,夏期に飛来個体数は最大となった。成虫はおよそ7日間平均気温19&deg;C以上で飛来し,雨により飛翔活動は妨げられた。<br>2) 7月下旬の調査では,成虫の飛来個体数は肉を設置してから4日後に最大となった。<br>3) これは,ハエ類の幼虫が成熟して終齢になる時期に,ルリエンマムシ成虫の飛来が一致しているためである。<br>4) ルリエンマムシの幼虫期は,腐肉で発生するハエ類の羽化までの日数と同じかあるいは短かかった。<br>5) このように,ルリエンマムシの生活史は,ハエの生活史に同調していた。

著者

佐世保市 編

出版者

佐世保市

巻号頁・発行日

vol.上巻, 1915

著者

東京帝国大学 編

出版者

東京帝国大学

巻号頁・発行日

vol.昭和8年度, 1933

著者

リツケルト 著

出版者

大村書店

巻号頁・発行日

1922

著者

ハインリッヒ・リッケルト 著

出版者

岩波書店

巻号頁・発行日

1916

著者

越智越人 著 天青堂編輯部 校

出版者

天青堂

巻号頁・発行日

1925

著者

大蔵省印刷局 [編]

出版者

日本マイクロ写真

巻号頁・発行日

vol.1891年03月23日, 1891-03-23

著者

大蔵省印刷局 [編]

出版者

日本マイクロ写真

巻号頁・発行日

vol.1891年12月18日, 1891-12-18