著者
今井 晴基 村瀬 正名 杉山 潤 根岸 康
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.104(2005-CE-081), pp.23-28, 2005-10-22

小中学校において授業に利用されるPCの管理は,学校の教員が通常業務の合間に行っており,教員に対する作業負荷は大きなものになっている.本研究では,学校などにおける複数台のPC管理の負荷軽減のための管理システムの提案を行う.管理システム構築のため,オープンソース・クラスルームPC管理ソフトウェアspcmanを開発した.spcmanは,1台のPCのハードディスクの内容を他のPCに複製することですべてのPCを管理することが可能となっている.PC管理者が管理するPCは1台のみとなるため,管理負荷を大幅に軽減することができる.2005年1月から3月までの間,5校の小中学校において,Linuxを搭載したノートPC,計175台に対して,管理システムを導入してPC管理を行った.これにより,管理作業負荷を大幅に軽減できることを確認した.
著者
HyungChanKim Daisuke Inoue Masashi Eto JungsukSongKojiNakao
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2009 (CSS2009) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1-6, 2011-10-12

In these days, it is very prevalent to discover many packed malwares caught inany malware collecting systems including honeypots. Thus, the initial step for usual malwareanalysis involves unpacking binary samples. In this paper, we present a yet another methodof generic binary unpacking. A typical packed binary includes stub code that takes chargeof unrolling packed data at the early stage of program execution thereby realizing originalexecution context. Our approach is basically to measure code revelation/concealment based onbyte state model that reflects the behavior of such stub code. We also describe a proof-of-conceptimplementation based on Bochs x86 system emulator.
著者
熊野 達夫 小沢 年弘
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-136, no.2, pp.1-9, 2016-02-22

企業や大学などの組織で仮想デスクトップインフラストラクチャー (VDI) が一般的に使われるようになってきている.VDI では複数のユーザが 1 つのストレージ装置を共有するため,ストレージが性能のボトルネックになる可能性がある.このボトルネックを解消するためには,VDI によるストレージ I/O の特性を知る必要がある.そこで,我々は企業で約 300 ユーザによって大規模に使われている VDI サービスで,サーバとストレージ間のネットワークに流れるデータをキャプチャすることにより,ストレージのトレースを取得した.取得したトレースを,アクセスされるブロックの論理アドレスと時刻の観点で分析した.各ブロックを,アクセス頻度の時間変化の類似性でクラスタリングしたところ,アドレスが連続したブロックが同じクラスタに分類されることが多いことが分かった.また,複数の日にわたってこの傾向が大きくは変化しないことが分かった.この結果から,ブロックごとのアクセス傾向の類似度を利用して効果的に階層制御を行う可能性を見出した.
著者
徳本 晋 上原 忠弘 宗像 一樹 菊地 英幸 江口 亨 石田 晴幸 馬場 匡史
雑誌
組込みシステムシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.23-1-23-8, 2011-10-12

KLEE は LLVM 中間コードを対象としてシンボリック実行をすることができるツールである.C/C++ で書かれたプログラムは llvm-gcc や clang などのコンパイラで LLVM ビットコードにコンパイルできるため,C/C++ プログラムの検証ツールとして KLEE は期待されている.今回,2 つのプログラムについて KLEE を適用し,それにより検出したバグとその特徴を紹介するとともに,KLEE のバグ検出能力について考察する.また,他の商用 C/C++ 検証ツールで対象プログラムを解析したときの結果と,KLEE を使った場合との比較について報告する.さらに KLEE 適用時の課題を解決すべく,KLEE で生成したテストケースを CPPUNIT のテストコードへ変換するツールについても報告する.
著者
須永 哲矢 堤 智昭 高田 智和
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.381-388, 2011-12-03

言語研究資料としての電子化テキストを作成するという立場から,明治前期雑誌の異体漢字処理の在り方を検討した.現行の国内規格であるJIS X 0213 の文字集合および包摂規準が,近代の活字の電子化に対してはどの程度有効かを,明治初期の雑誌『明六雑誌』の異体漢字を例に検証した.JIS X 0213 文字集合によって『明六雑誌』の漢字の98%以上が表現できるが,言語資料として電子化テキストを使う場合には,2%近くが外字処理に回るのは望ましくない.そこで外字処理をさらに減らす方法として,包摂規準の拡張や別字での代用を提案し,それらを用いて処理した場合の効果も検証した.
著者
大熊智子 増市 博 吉岡 健
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.1(2006-NL-171), pp.61-66, 2006-01-13

Lexical Functional Grammar(LFG),Head Phrase Structure Grammar(HPSG) などの句構造文法を用いたパーザでは、入力された自然言語文に対し、f(unctional)-structureやminimal recursion semantics(MRS)などの統語意味構造を出力する。このプロセスを逆に辿ることによって、つまり統語意味構造を入力することによって同じ文法を用いて自然言語文を出力として得ることができる。パーザに用いられた文法をそのままジェネレータに適用することが可能である。LFGに基づく処理系であるXerox Linguistic Enviroment(XLE)やHPSGの代表的な処理系LKBも、ジェネレータ機能を有している。このような生成技術が適用される応用として代表的な研究は、中間木を利用した翻訳システムがあるが、最近注目を集めている「言い換え」に対しても生成技術を適用できる可能性は高い。これ以外にも、QAシステムや対話システムなど、生成技術は様々な言語処理アプリケーションに適用可能な基礎技術である。ところが、実際には解析用の日本語文法をそのまま生成に適用しようとすると、解析の段階では問題にならなかった事柄が顕在化する。本研究では、我々が研究開発を進めてきた解析用文法を用いて生成を行う際の課題を分析し、それを解決するための手段について提案する。さらに文の生成実験を行ってそれらの妥当性について検証した。その結果、例外ルールの付加と語彙の選択という二つの手法を用いて、解析用文法を生成に適応させる手法を提案し、両者が解析成功率の向上に寄与することを確認できた。

3 0 0 0 OA Rubyの真実

著者
松本 行弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.515-521, 2003-05-15
著者
玉城翔 當間愛晃 赤嶺有平 山田孝治 遠藤聡志
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.47-49, 2015-03-17

入力データからの特徴抽出器としての機能を持つニューラルネットにおいて、深い階層構造の構築は、より抽象度の高い特徴表現の獲得を可能にしている。更に、この特徴の汎化能力の向上にDropoutという技術が大きく貢献している。このDropoutにおいて経験的観点でのパラメータ設定が通例だが、その理由や妥当性については十分な検証がされていない。パラメータ設定によっては学習コストが高くなることも想定されるが、問題の複雑さ、用意したニューロン数、接続前後のニューロン状況等に応じて適切なDropout率があると考えられる。そこで、我々はニューラルネットにおける評価関数の値を使い、最適なDropout率の設定が可能かどうかの検証をする。
著者
明星聖子 永崎 研宣
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.49(2007-CH-074), pp.25-32, 2007-05-25

本稿は、人文科学研究資料のための汎用的なエディティング・システム構築をめぐる研究報告である。まず第一段階として、カフカの文学作品のなかでも編集という点でもっとも複雑な問題を呈している”Der Jaeger Gracchus”のテクストに関する情報を、ドイツ編集文献学の理論に基づき構造化し、それをインド仏教学研究用に開発された文献関連情報データベース上へ実装することを試みている。現在この試みは比較的順調に進行しており、その順調さの背景には、文学と宗教学の文献情報処理の方法の共通性が認められる。今回の研究は、システム開発を通してこうした共通性を検討しながら、汎用的システム設計を支える汎用的な文献学理論を模索することも目的としている。
著者
植田浩章 中谷友香梨 米澤朋子
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

本研究は、母親型エージェントが代理でSNS上のメッセージ情報を編纂し、その内容に沿って会話形式でユーザーに伝達することを目的としたシステムである。これにより、多人数間の繋がりから発生するSNS疲れを軽減できると考えられる。
著者
田端 啓一
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2015-ARC-217, no.6, pp.1-1, 2015-10-01

近年,多くの WEB ブラウザで共通に利用可能である JavaScript が,プログラマによる記述のみならず,コンパイラやトランスレータのバックエンド言語として活用され,新たなアプリケーション実行基盤として注目されている.中でも,asm.js と呼ばれる JavaScript のサブセットへの変換は,Just-in-Time コンパイルの結果,ネイティブに迫る実行速度を実現できるよう意図されており,実行速度の面で期待が大きい.本発表では,C-to-JavaScript コンパイラである Emscripten を利用して,種々のベンチマークを asm.js に変換し,JavaScript 実行環境が,1.どのような実アプリケーションでの利用に耐えられる実行速度を達成しているか,2.どのような処理をクラウドにオフロードすべきか,3.どのような処理をネイティブコードで実装すべきか,について定量的評価と検討を行う.