著者
西川 勝 砂連尾 理 樫本 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.455, pp.41-46, 2013-03-04

ダンサー・振り付け家として活動している砂連尾理と、臨床コミュニケーションの手法として哲学カフェを展開している西川勝は、特別養護老人ホームなどでダンスワークショップと哲学カフェを融合させた「身体コミュニケーションの言語化ワークショップ」を継続的に実施している。通常は意識されることの少ない身体コミュニケーションの微細な表現や意味について、対話を通して参加者が相互に確認し合うことによって、コミュニケーションの重層性に対する自覚が深まっていく。ダンスと対話を融合させたワークショップは、コミュニケーションの基盤となる身体への再考をうながし、言語的コミュニケーションに問題が生じてしまう高齢者介護などの現場において、新たなコミュニケーション回路を発見する入口になる可能性を有している。
著者
王 海冬 宮崎 清 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.45-54, 2008-09-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

中国の少数民族のひとつであるオロチョン族は、狩猟を生業とした移住生活のなかで、きわめて特徴的な生活文化を形成してきた。なかでも、白樺の樹皮である「樺皮」を材料としたさまざまな生活用具には、彼らが長い歴史のなかで培ってきた生活の知恵が豊かに内包されている。本稿では、伝統的な樺皮活用品に関する資料の収集に基づき、機能による分類を行い、形状、材料、作り方、内容物の相互関係から、伝統的な「樺皮」を用いたものづくりの意匠特質を考察し、以下の特質を導出した。(1)白樺を不必要に伐採しないことや枯らさないための掟が遵守されており、樺皮活用品にはオロチョン族の自然と人間の「共存」「共生」を願う生活哲学・生活文化が表出している。(2)日常生活用の樺皮活用品は使い方と機能により「住」「行」「遊」「食」「衣」「業(狩猟)」「業(採集)」「神」の8つに分類される。共通する特徴は、「変形しない」「割れない」「防湿性が高い」「軽量である」「耐久性が高い」などである。(3)樺皮活用品は単に日常生活に必要で欠かせないものであるのみならず、それにはオロチョン族の人びとの審美意織や生活理念、信仰などの諸側面における象徴的意味が包含されている。
著者
石黒 ひで
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.100, pp.1-3, 1996-03

100集記念号