著者
荒木 秀一 石川 信一 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.133-144, 2007-09-30 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
5

本研究の目的は、維持促進を圏指した児童に対する集団社会的スキル訓練(SST)の効果検討であった。54名の児童は維持促進訓練群と標準訓練群の2群に分けられた。2つの群ともに7セッションからなる通常の集団SSTが実施された。加えて、維持促進訓練群では維持の手続きとして、1)スキルの構成要素の掲示、2)朝の会・帰りの会でのワンポイント・セッション、3)保護者への働きかけの3つがなされた。結果、自己評定、教師評定により、両群とも通常の集団SSTに参加することでスキル得点の上昇がみられた。標準談練群においては、集団SST後から3か月フォローアップにかけて得点が減少したのに対して、維持促進訓練群ではフォローアップまで効果が維持されていた。以上のことから、通常の集団SSTはスキルの獲得を促すのに有効であるが、長期的な効果を維持するためには維持の手続きが必要不可欠であることが示唆された。

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著者
根岸 正純
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学教養部研究報告 (ISSN:02863251)
巻号頁・発行日
no.5, pp.14-23, 1970-03
著者
藤嶽暢英
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.54-59, 2020 (Released:2020-10-31)

土壌中における炭素循環と気候変動との関連性について,土壌に供給された有機物がCO2 として放出されるまでの経路を中心に概説した。次いで,気候の異なる生態系におけるSOM の貯留量と気候変動による温度上昇の応答関係について述べた。加えて,SOM 貯留量の特に高い高緯度北極モス・ツンドラ湿原,ならびに熱帯~亜熱帯に分布するマングローブ林におけるSOM の貯留に関する研究例を紹介した。
著者
村田 康佑 江本 健斗
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.1-12, 2018-12-14

数学定理やプログラムの性質の形式的証明では,自然数上の不等式についての証明が頻出する.しかし,定理証明支援系Coqでの不等式の形式的証明は,非形式的証明とは異なる記法で記述されるため,数学的な直観がそのまま使えないことも多い.たとえば,非形式的証明では,不等式L ≤ Rを証明するために,しばしばL = M1 ≤ M2 = M3 ≤ ・・・ ≤ Mn = Rのように項を不等号で「鎖状」につなげて示す宣言的な記法が用いられる.こうした記法は数学の教科書等でよく馴染んだ記法であり,直観的に理解・記述することが可能である.一方,Coqにはそうした宣言的な記法は標準では用意されていないため,証明の理解・記述が困難になっている.本論文では,Coq上で,自然数上の不等式変形を,非形式的証明のように「鎖状」に記述する手法を提案する.本手法の特徴は,タクティックライブラリによって「鎖状」記法が実現されることにあり,それゆえ,提案記法はライブラリをモジュールとして読み込むだけで既存記法とあわせて使うことができる.また,このタクティックライブラリを用いて,Ackermann関数の性質についての不等式の証明を試みる.その結果,標準的な数学の教科書と近い記法で形式的証明を記述できることを確認する.
著者
Manuel Alejandro CAMPOS MEDINA Kenji IEMURA Akatsuki KIMURA Kozo TANAKA
出版者
Biomedical Research Press
雑誌
Biomedical Research (ISSN:03886107)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.203-219, 2021-09-21 (Released:2021-09-21)
参考文献数
49
被引用文献数
1

Chromosome oscillation during metaphase is attenuated in cancer cell lines, concomitant with the reduction of Aurora A activity on kinetochores, which results in reduced mitotic fidelity. To verify the correlation between Aurora A activity, chromosome oscillation, and error correction efficiency, we developed a mathematical model of kinetochore-microtubule dynamics, based on stochastic attachment/detachment events regulated by Aurora A activity gradient centered at spindle poles. The model accurately reproduced the oscillatory movements of chromosomes, which were suppressed not only when Aurora A activity was inhibited, but also when it was upregulated, mimicking the situation in cancer cells. Our simulation also predicted efficient correction of erroneous attachments through chromosome oscillation, which was hampered by both inhibition and upregulation of Aurora A activity. Our model provides a framework to understand the physiological role of chromosome oscillation in the correction of erroneous attachments that is intrinsically related to Aurora A activity.