著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
上田 尚純 青野 正宏 田窪 昭夫 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MBL, [モーバイルコンピューティング] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.99, no.50, pp.33-40, 1999-05-28
参考文献数
7

蓄積されたビデオを通信回線を介して高品質で送るための、アプリケーション層での工夫の一つとしてクライアント端末でのバッファ利用がある。送られてきたビデオデータをある時間分バッファに貯えてから表示することで、通信回線上で生じる遅延による揺らぎ、通信エラーによる表示の中断などを大幅に緩和ないし解消することができる。ハードウエアの高速化、廉価化で、クライアント側である程度の容量のビデオデータ用のバッファを持つことは問題でなくなってきており、バッファを利用することで、アプリケーション層での処理により、受信側のクライアントでの高品質でのビデオ表示が可能になる。この実現方法とシミュレーションによる評価結果を述べる。
著者
武島 知勲 梶 克彦 廣井 慧 河口 信夫 神山 剛 太田 賢 稲村 浩
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.889-898, 2016-07-06

本研究では意図的に特徴的な磁場を生成する磁場マーカを作成し,環境に設置して歩行者が所持しているスマートフォンのような端末での磁場の計測により位置推定を行う.磁場マーカにより特徴的な磁場を狭い範囲に限定して生成し,磁場マーカからの相対的な距離と角度を推定し詳細な位置推定を行う.提案する磁場マーカは,磁石の回転により特徴的な磁場を発生させ,かつ磁場マーカの磁石の向きとスマートフォンの磁気センサの値が極値を取るタイミングから,マーカとスマートフォン間の相対的な位置を推定する.提案手法は,磁場マーカとスマートフォンの距離を推定する距離推定と,磁場マーカとの相対角度推定の 2 段階で構成される.磁場マーカとスマートフォンとの距離の推定は 2 m 以内ならば最大で 13 cm 以下の平均誤差で推定でき,1.4 m 以内の範囲であれば 4 cm 以内の誤差で推定可能である.磁場マーカから見たスマートフォンの方角の推定は平均誤差が 24 度で標準偏差が 29 度の精度であった.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.480, pp.263-268, 2015-02-23

近年,インターネット上では,FacebookやTwitterにおける日記やamazon.comや食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が1つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が1つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
神山 剛 稲村 浩 太田 賢
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1866-1875, 2014-08-15

Androidアプリケーションの実利用環境において利用可能なアプリ消費電力の評価手法を提案する.本手法は,スマートフォンを構成する各ハードウェアコンポーネントの特性と消費電力の関係から生成した端末の消費電力モデルを用いることで,アプリ消費電力の推定を可能にする.本論文では,近年の端末の消費電力を妥当な精度で推定できること,推定に必要なログ収集の負荷が低いことを要件とした評価手法を実現するため,マルチコアCPUやモバイル無線インタフェースとその特徴を考慮したモデル拡張を行う.提案本手法において,一般的なアプリ利用のシナリオを対象に10%前後の誤差で電力推定できること,3.8%程度の低いオーバヘッドでログ収集が実現できることを確認した.
著者
山田 善大 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.72, pp.73-78, 1997-07-25
参考文献数
4

モーバイル環境にて利用されることを前提とした電子会議システムとしてPARCAE[1]が提案されている。これは、部分非同期会議を行うためのシステムであり、リアルタイムに会議発言を行う同期ユーザと発言情報の参照を主とする非同期ユーザの双方が混合した状態での利用を目的としている。本報告では、モーバイル電子会議サーバに蓄積された発言情報に対して効率的な参照方式を与えることで、非同期的なユーザの同期会議への迅速な参加をうながすことを目的とするダイジェスト情報の抽出・参照方式について述べる。PARCAE (Partial Asynchronous Conference system for wireless AccEss) [1] that tele-conference system for mobile environment was proposed. PARCAE is a system that to do partial asynchronous conference, and aim at mixture of Synchronous-user (realtime-speeching on synchronous conference) and Asynchronous-user (mainly, seeing speeches when he/she accessed to conference). This paper describes the method of extracting and viewing speech-data which was stored by mobile tele-conference server. We think this method will support user's quick joining in synchronous conference.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
神山 剛 久住 憲嗣 稲村 浩 小西 哲平 太田 賢 福田 晃
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.84-102, 2018-05-22

本論文では,実際のスマートフォンユーザ約700名に対するアンケート調査と約400名の端末ログ収集調査によるデータを用い,アプリケーション使用など実際のスマートフォン利用パターンを導出し,パターンごとにその特徴を示すことで,様々なサービス企画・研究開発に有益なスマートフォン利用モデルを提案する.本モデルは,1日単位のスマートフォン利用を,ユーザ属性やアプリケーション使用傾向などの特徴を定量的に示すものである.クラスタリングによる利用パターン分析の結果,全体的に6つの利用パターンの存在が確認された.また,同一ユーザでも日によって異なる利用パターンが存在するという仮説を検証したところ,例外的なパターンを除くと,90%のユーザの利用パターンはたかだか2つ程度であることが確認された.This paper presents a smartphone usage model that will be useful as ground data for works such as proposals on improving services/technologies related to smartphones. It is based on an actual-use survey involving about 700 smartphone users. We conduct web interviews with users to get their demographic data - age, sex, for example, and gather many kinds of usage traces from their device using our logger application. The model describes 1) daily usage pattern (combinations of application usages) and 2) pattern features - demographics, major application usages and so on. Through a cluster analysis of the usage traces, we find there are six typical daily usage patterns and half the users have multiple patterns that differ with the day.
著者
山田 善大 峰野 博史 池谷 利明 太田 賢 水野 忠則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.541-542, 1997-03-12

最近の小型携帯端末の発展・普及に伴い, 携帯電話や PHS を利用したデータ通信などを行うモーバイルコンピューティングの形態が特に注目されるようになっている. この形態はユーザがどのような場所・時間においてもコンピュータを扱うことができるため, 様々な利用方法を考えることができる. しかしワイヤレス通信は, 帯域幅が制限され,通信コストも高く, 転送の途切れが生じる恐れがある等の理由により, デスクトップマシンのような扱いは難しいと考えられる. 従来の電子会議では参加者同士がリアルタイムに通信を行うため, 安定した通信環境の保証がなくては実現は難しいものであった. 本稿においては, 携帯端末を用いるユーザが電子会議に参加するためのシステムである PARCAE(Partial AsynchRonous Conference system for wireless AccEss)のサーバ部の設計・実装について述べる. このシステムには, 同期ユーザと非同期ユーザという二つの形態のユーザが存在すると定義する. 同期ユーザは主に LAN に接続されたユーザであり, 会議中に発言をすることで会議に参加する. 非同期ユーザは携帯端末の利用を主とし, 他参加者の発言をリアルタイムに受け取ることはないが会議参加者に認識され, 過去の発言データの取得・参照を行う事で不在時の会議の内容を知り, 会議にスムーズに途中参加できる.サーバは, 発言データの配送と格納, 発言データの加工処理, そして会議での発言権の制御を遂行する.
著者
太田 賢 渡辺 尚 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.35, pp.141-146, 1997-04-24
被引用文献数
4

モーバイルコンピューティング環境、ワイヤレス通信環境でもマルチメディアを利用したいという要求が高まっている.ワイヤレス通信環境は帯域幅が狭く、バースト誤り、移動時のハンドオフにより転送の途切れが生じるという問題があり、比較的大容量の帯域幅とスムーズな転送を必要とするマルチメディア通信の扱いは難しい。本研究は狭帯域環境において効率的にマルチメディア情報にアクセスする選択的マルチメディア通信方式を提案する.マルチメディア情報の内容を考慮してそのシーンごとに優先度を与えるシーン優先度と、フレームの種類、音声ブロックの音量によって機械的に付けられるユニット優先度という2つの優先度を導入する。利用可能帯域幅の範囲で、優先度に基づいた選択的なマルチメディア転送が行われ、重要なシーンは比較的高品質な再生を行うことができる。さらに、高優先度の情報の先読みにより、転送の途切れが生じても再生を続行させる手法、キャッシングにより巻きもどし時のマルチメディア再生の品質を向上させる手法について提案する。選択的マルチメディア通信方式の実装についても述べる。The realization of multimedia communication in mobile computing environment can lead developments of various attractive applications. However, there are following problems when using wireless link. In general, wireless link doesn't have bandwidth enough to accmodate multimedia communication. A transport service may be interrupted during carrying continuous media such as video and audio by a burst-error and a hand-off. We propose a priority-based multimedia communication protocol for wireless communication: SMAP(Selective Multimedia Access Protocol). It adopts the selective transport service accoring to priority of a video fame and an audio block, and the prefetching and the caching multimedia data with high priority. Authors or providers of multimedia data assign priority to important scenes in the multimedia data so that the selective transport service allocates them more bandwidth than trivial scenes. The prefetching allows a multimedia application to continue to playback even when a burst error or a hand-off occurs. The caching can improve quality of contents of multimedia data when a user rewinds the playback.
著者
河野慎 米澤拓郎 中澤仁 川崎仁嗣 太田賢 稲村浩 徳田英幸
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013-MBL-69, no.3, pp.1-6, 2013-12-12

近年 GPS が搭載されたスマートフォンや SNS の普及によって,ユーザがリアルタイムに位置情報を付加させた情報を発信できるようになってきた.これらの位置情報付き発言を収集・解析することで,人々が集まって形成されるソーシャルイベントを検出することが可能となる.ソーシャルイベントを検出するには発見と分類の 2 段階の過程があり,本研究ではイベントが発見された後の分類手法を提案する.イベントには特徴・性質として内容・規模・大衆性の 3 つがあると考え、分類軸として大衆性に着目する.位置情報を付与させて発言しているイベント参加者のフォロー関係を解析することで大衆性の推定をし,イベントの分類を目指す.本研究ではリアルタイムに解析を行えるツールを設計・実装し,大衆性の推定手法について考察を行った.
著者
河野 慎 米澤 拓郎 中澤 仁 川崎 仁嗣 太田 賢 稲村 浩 徳田 英幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.72-82, 2015-01-15

近年,GPSを搭載したスマートフォンとSNSの普及によって,リアルタイムに位置情報を付加させた発言をユーザが投稿する機会が増加している.この機会によって投稿された発言の中には実世界イベントに関する情報が含まれており,その一部はユーザが体験したり,目撃したりしたことに関するものであることが多い.これらの発言を収集し,解析することで実世界で実際に起きている社会イベントを検出することが可能となる.イベントを検出するために必要な発見と分類という2つの工程のうち,本研究ではイベントの分類に着目し,イベント参加者を利用したイベント分類手法を提案する.イベント参加者の多様性を意味する大衆性という新しい分類軸を定義し,イベント参加者がフォローしているユーザの解析によるイベントの分類を目指す.本研究では解析ツールの設計と実装をし,ツールを用いてあらかじめ実際のデータをもとに発見された社会イベントの解析を行い,分類を行った.Yahoo!クラウドソーシングにおいて一対比較法を用いて大衆性に基づき分類した結果を取得し,本手法を適用した解析結果と比較・考察を行った.その結果,大衆性に関してクラウドソーシングを用いた調査結果と回帰分析による提案手法の分析結果に一定の相関性があることを示した.
著者
増田 彰久 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.53, pp.55-62, 1998-05-28
参考文献数
8
被引用文献数
1

PHS,携帯電話などを利用したワイヤレス通信環境においてもマルチメディア通信を行いたいという要求がある.しかし,現在のワイヤレス通信環境には帯域幅が狭い,バースト誤りやハンドオフにより転送が途切れる,帯域幅や誤り率などの品質が頻繁に変化するなどの問題があり,比較的大容量の帯域幅と安定した品質を必要とするマルチメディア通信の扱いは難しい.我々は,コンテンツ内の重要な情報を優先して受信者に提供する選択的マルチメディア通信方式SMAPを提案している.SMAPは,マルチメディア情報の各映像フレーム,音声ブロックに対して,その意味的な重要度に基づいた優先度を4段階で与える.優先度に基づいた選択的転送を行うことで,帯域幅が不足している状態でも重要な部分は比較的高い品質で提供することができる.本研究は,SMAPのネットワークサービスを提案する.SMAPネットワークサービスは,バッファリングとQoSの保証を行うことでアプリケーションとユーザに対してより安定した品質のネットワークサービスを提供する.Users desire to use multimedia applications such as browsing WWW and VoD in not only desktop computing environment but also wireless or mobile computing environment. A wireless link, however, is generally poor in quality to accommodate multimedia communication. We've proposed a content-based multimedia access protocol, SMAP, for wireless environment. It adopts the selective transport service according to content-based priority, assigned to each set of video frames and audio samples in multimedia data, so that a user can get important information even if available bandwidth is insufficient for the multimedia data. This paper describes SMAP Network Service providing a multimedia application with more stable network service by the buffering and guarantee of QoS(Quality of Service such as a frame-rate of video and a continuous-playback period).
著者
太田 賢 増田 彰久 渡辺 尚 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.117, pp.69-74, 1997-12-04
被引用文献数
2

PHS、携帯電話のワイヤレスデータ通信機能を利用してマルチメディア通信を行いたいという要求がある。しかし、ワイヤレス通信には帯域幅が狭く、バースト誤りにより転送が途切れる、帯域幅、誤り率などの品質が頻繁に変化するといった問題があり、比較的大容量の帯域幅とスムーズな転送を必要とするマルチメディア通信の扱いは難しい。我々はこれまで、コンテンツ内の重要な情報を優先して受信者に提供する選択的マルチメディア通信方式SMAPを提案してきた。SMAPは、マルチメディア情報の各映像フレーム、音声ブロックに対して、その意味的な重要度に基づき優先度を4段階で与える。帯域幅が不足している状態においても、優先度に基づく選択的転送により、重要な部分は比較的高い時間的解像度で提供することができる。本稿ではさらに優先度に基づいた空間的解像度の制御を加えることで、帯域幅が狭く品質が頻繁に変化するワイヤレス通信環境においても、重要なフレームをより確実に、かつ高品質で受信者に提供することを可能にする。Users desire to use multimedia applications such as browsing WWW and VoD in not only desktop computing environment but also wireless or mobile computing environment. A wireless link, however, is generally poor in quality to accommodate multimedia communication. We have proposed a content-based multimedia access protocol SMAP for wireless environment. It adopts the selective transport service according to content-based priority, assigned to each video frame and audio block of multimedia data, so that a user can get important information even if available bandwidth is insufficient for the multimedia data. This paper introduces the spatial resolution control for video into SMAP. When available bandwidth is so poor, degrading spatial resolution of video frames allows the selective transport to choose more high-priority frames to deliver. Since the spatial resolution control delivers high-priority frames in higher spatial resolution, a user can perceive important frames in higher quality.
著者
中川 智尋 江口 悠利 太田 賢 竹下 敦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.180-190, 2010-01-15

マルチOS技術を携帯電話に適用することにより,ネイティブコードのソフトウェアを自由に利用したいというニーズに応えつつ,信頼できるソフトウェアから構成された従来の携帯電話と同等のセキュリティを確保できる.これにより,ユーザは,メールやウェブ閲覧等の基本サービスを安定的に享受しつつ,オープンなOS上で従来以上に多機能もしくは高品質なアプリケーションを利用可能となる.本論文では,仮想化方式と比較して端末開発コストおよび消費電力の観点で有利なOS切替方式を採用し,OS切替方式で未解決のデータ保護の課題に取り組む.OS切替方式では,個人情報やコンテンツ等を暗号化により保護する際,OSに割り当てられたメモリの境界を越えて不正にデータを復号する攻撃が問題となる.また,リソースの乏しい携帯電話において,処理オーバヘッドに対する厳しい性能要件を満たすことも必要となる.提案するカーネル補助型難読化では,カーネル内において鍵生成処理に関する演算を実施することにより,特定のOS内でのみ鍵を正しく生成できるコードを軽量な処理で実現する.このため,復号鍵の生成コードは特定OS上でのみ正しく動作することが保証され,たとえ復号コードが他のOS内へ盗まれても,復号鍵の再生を防止できる.携帯電話型評価ボード上での性能評価により,提案方式によるOS切替時間の増加は2msと十分小さく,消費電力への影響も無視できる水準であることを確認した.In order to meet user's demanding needs to utilize native code software as well as provide security of data against malware, it is a promissing approach to utilize multiple OSes on a mobile phone. In this paper, we adopt OS switching method due to its advantage of development cost and power consumption compared to virtualization method. OS switching method still has a challenge to protect data from malware's illegal access beyond memory boundary of OSes. Proposed kernel-supported obfuscation assures that key generation code is executed correctly only when run in protected OS, which is attained by calculating the seed for encryption key in kernel's exception handling code. Evaluation result on mobile phone type evaluation board Sandgate II-P shows that the overhead is smaller than 2 ms for OS switching time, which proves that the proposed method satisfies the strict performance requirements of mobile phones.
著者
太田 賢 山田 善大 奈良岡 将英 渡辺 尚 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2879-2887, 1998-10-15
被引用文献数
4

モーバイルコンピューティング環境で協同作業を行う場合,お互いが時間を共有するリアルタイムの協同作業は,しばしばユーザの都合や通信路の状態の悪化により中断される.また,参加者ごとに送信,受信に利用したいメディア,利用できるメディアは異なることが多く,円滑なコミュニケーションが妨げられる可能性がある.本論文は,ホワイトボードなどの共有空間を維持したまま,リアルタイムの会議から非同期の会議に会議形態を切り替えることができる柔軟性を提供し,リアルタイムに会議に参加できないユーザのためにビデオ,ボイス,ホワイトボード,テキストの書き込みなどの会議情報の蓄積を行うモーバイル電子会議システムを提案する.このシステムは,すべての参加者が意志疎通を図ることができるように,全員ができるメディアを発言候補として各参加者に提示する機能,ユーザが効率的に蓄積された会議情報にアクセスするためのフィルタリング,音声短縮機能を提供する.本システムのシステム設計,実装,実験について述べる.This paper proposes a mobile teleconference system,DYNAMITE,to support cooperative works in mobile computing environment.It's important for participants to communicate each other smoothly in order to cooperate efficiently in doing a work.Unfortunately,a situation of a user and a link state can change frequently in mobile computing environment,and that may prevent smooth communication.For example,participating cooperative works may be disrupted when a user is using a poor wireless link.A user may have restriction of choosing media in a public space because of manners.DYNAMITE can switch a form of communication to synchronous or asynchronous so that a user can continue communication even if either a situation of a user or a link state changes.DYNAMITE also suggests convenient media for other participants to each user.In addition,it provides users with efficient access to server storage containing speeches of meetings by the filter and the shortening voice.
著者
太田 賢 渡辺 尚 水野 忠則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.618-619, 1997-09-24

携帯電話, PHSなどのワイヤレス通信には, 帯域幅が小さい, フェージングなどによるバースト誤りから転送の途切れが起こりやすい, 品質の変動が頻繁に起こるといった問題があり, 音声, 映像, 画像などのマルチメディア通信を実現するにはこれらを解決する必要がある。これに対し我々はこれまで, マルチメディア情報の各シーンの意味的重要度に基づく選択的マルチメディアアクセス方式SMAP (Selective Multimedia Access Protocol)を提案してきた。本稿では開発したSMAPのプロトタイプソフトウェアとその利用法について述べる。
著者
江口 悠利 中川 智尋 太田 賢 竹下 敦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.32, pp.215-220, 2008-03-28

携帯電話の高機能化と共に最近ではPCのようにユーザが自由にネイティブコードのアプリを追加して端末をカスタマイズ可能なオープン端末(スマートフォンと呼ぶ)も増加している.一方で,そのオープン性の代償としてスマートフォンには情報漏洩等の懸念があり,通常の携帯電話と同等の安全性を保つことは難しい.オープン性と安全性を両立する手段として,マルチOS技術があるが,本稿では性能面に優れ,既存OSの修正インパクトが少ない,OSのサスペンド機能を利用したOS切り替え方式に着目する.この方式は,一方のOSが実行状態の際には,他方のOSは全て休止状態となる特徴がある.休止状態のOSはメール着信,電話着信不能であるため,携帯電話に適用する際には,実行中のOSと協調して着信を処理する機構,OS間の通信機構が必要となる.しかし,従来のOS間通信方式はOSの並行動作を想定しているため,OS切り替え環境には適用できないOS切り替え環境に対応したOS間通信方式を設計,評価ボードに実装した.遅延・スループットの評価の結果,提案方式は着信通知等の少量データ転送に適用可能であること,インタラクティブな通信には不適であることを確認した.Cellular equipment gets high-performance, and smartphone gets attention in customizations to add-on native code applications like a PC. Unlike cell phone, it is difficult to avoid threats of compromising smartphone. We use multiple-OS technology to combine open environment like smartphone and secure environment like cell phone. As a result of comparison of several technologies in terms of performance, development cost and power consumption, we select OS Switching that uses Suspend/Resume function. This has a restriction that whenever an OS executed, any other OSes are suspended. Suspend OS cannot receive any mails and phone calls. Cellular equipment must be able to receive mails and phone calls to redirect them from application in executing OS to application in suspend OS by using Inter-OS Communication. However, existing Inter-OS communication method is not suitable for OS switching. Therefore, we propose an Inter-OS communication method to cooperate with application programs in OS Switching. As a result of experimentation, our method is not suitable interactive communication, but suitable for a small mount of data communication without switching OS to notificate incoming mails.