著者
柴田 政彦 寒 重之 大迫 正一 三木 健司 栁澤 琢史 助永 憲比古 恒遠 剛示 新田 一仁 岩下 成人 福井 聖 黒崎 弘倫 中野 直樹 若泉 謙太 上嶋 江利 本山 泰士 高雄 由美子 溝渕 知司
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.189-196, 2016-11-26 (Released:2017-01-27)
参考文献数
37

The review was performed to investigate the functional brain alterations in patients with various kinds of chronic pain including fibromyalgia, chronic low back pain, migraine and the other chronic pain conditions. In these patients functional connectivity was different not only in the sensory–motor system but also in the affective and reward system. New technology have allowed us to identify and understand the neural mechanisms contributing to chronic pain, which provides us novel targets for future research and treatment.
著者
高井 範子 藤田 信子 池田 耕二 金子 基史 丸山 伸廣 中原 理 三木 健司 高橋 紀代 仙波 恵美子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.45-58, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

〔目的〕新たに考案した3週間入院運動プログラムによる介入前後の線維筋痛症(FM)患者の心身の変化を調査し,理学療法士(PT)の適切な対応を明らかにすることである.〔対象と方法〕FM女性患者12名を対象とし,医療や心理学などの専門家による共同チームが考案した3週間入院運動プログラムによる介入を行い,その前後において質問票(日本語版線維筋痛症質問票(JFIQ),日本版ベック抑うつ質問票(BDI-Ⅱ),The 8-item Short-Form Health Survey (SF-8))による評価と心理面談による聴き取りを行った.〔結果〕本プログラムによりFM患者のJFIQでは11名,BDI-Ⅱでは10名,SF-8では9名(身体面),8名(精神面)が改善を示した.患者の語りからは,患者の痛みや辛さに寄り添う姿勢など,PTの対応が患者にとり重要であることが示唆された.〔結語〕本プログラムはFM患者の心身に変化を及ぼす効果があり,その遂行において患者の痛みや辛さに寄り添うPTの姿勢が重要である.
著者
余野 聡子 西上 智彦 壬生 彰 田中 克宜 萬福 允博 篠原 良和 田辺 曉人 三木 健司 行岡 正雄
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-162_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】中枢性感作(Central Sensitization:CS)とは中枢神経系の過度な興奮によって,疼痛,疲労,集中困難及び睡眠障害などの症状を引き起こす神経生理学的徴候である。CSを評価する指標として,末梢器官に対して侵害刺激を連続して加えたときに見られる痛みの時間的加重(Temporal summation: TS)が用いられている。また,CSが関与する包括的な疾患概念として中枢性感作症候群(Central Sensitivity Syndrome: CSS)が提唱されており,CSおよびCSSを評価する質問票としてCentral Sensitization Inventory (CSI)が用いられている。CSが病態(疼痛)に関与していると考えられている疾患の代表格である線維筋痛症(Fibromyalgia:FM)において,健常人と比較してTS,CSIがともに高値であることが報告されている.しかしながら,これまでにTSとCSIのどちらがCSを評価する上で,より精度が高い評価法であるか明らかでない.本研究の目的は,これらの評価指標の精度を比較し,その臨床的有用性について検討することである。 【方法】米国リウマチ学会(2010)の診断基準を満たす線維筋痛症患者26名(FM群, 男性3名,女性23名,平均年齢49.3±10.5歳)および健常人28名(健常群,男性7名,女性21名,平均年齢51.8±13.5歳)を対象とした。疼痛はBrief Pain Inventory (BPI)にて評価し,CSに関する指標としてTSおよびCSIを評価した。TS評価では,利き手側の橈側手根伸筋に対して圧痛閾値(pressure pain threshold: PPT)での圧刺激を10回反復し,1回目と10回目の疼痛強度(Numeric Rating Scale: NRS)の差をTSとした。これらの評価項目について,Mann-WhitneyのU検定を用いて群間比較した。また,PPT, TSおよびCSIについてReceiver operating characteristic (ROC)分析を行い,各指標のArea Under the Curve (AUC)の比較検定を行なった。また,FM群と健常群を判別するカットオフ値を算出した。統計学的有意水準は5%とした。【結果】BPI (pain intensity/pain interference), TSおよびCSIは健常群に比べてFM群で有意に高値であった(p < 0.05)。PPTは健常群に比べてFM群で有意に低値であった(p < 0.05)。ROC曲線のAUCは,TSに比べてCSIで有意に高値であった(TS: 0.66, CSI: 0.99, p < 0.0001)であった。各指標のカットオフ値はPPTが12.1N(感度64%, 特異度89%, 陽性反応的中度84%, 陰性反応的中度73%), TSが3(感度60%, 特異度67%,陽性反応的中度63%,陰性反応的中度84%), CSIが37点(感度96%, 特異度100%,陽性反応的中度100%,陰性反応的中度97%)であった。【結論(考察も含む)】TSおよびCSIの精度を比較した結果,TSよりもCSIの方が精度は高かった。FM患者はCSによって生じる多彩な臨床症状を呈することから,機械刺激への過敏性を評価するTSよりも,包括的かつ症候学的な評価であるCSIの精度がより高くなった可能性がある。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は甲南女子大学倫理委員会の承認を得て実施した。事前に研究目的と方法を十分に説明し,同意が得られた者のみを対象とした。
著者
行岡 正雄 小松原 良雄 前田 晃 島岡 康則 志水 正敏 行岡 千佳子 三木 健司
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.17-23, 2007-03-30 (Released:2016-12-30)
参考文献数
17

Purpose and Methods We investigated the relationship of the presence or absence of sleep disorder (awakeness that patients remembered)with blood sedimentation, a depression test (Zung’s self-rating depression scale, SDS), C reactive protein (CRP), and MHAQ in 207 patients with rheumatoid arthritis (RA) (32 males, 175 females), with a mean age of 58.3 years. We employed the values of blood sedimentation and CRP obtained within 1 month1from the date of this survey (mean: 11 days). Results In patients with night awakeness, the blood sedimentation value was higher than that in those without night awakeness (57.1±35.4 vs. 47.5±30.2). The values of CRP (mg/dl) (2.71±3.05 vs. 1.69±2.02), SDS (39.5±8.3vs.34.4±8.4), MHAQ (6.8±6.8 vs. 3.6±4.5), and VAS (4.22±2.55 vs. 3.38±2.32) were significantly higher (p<0.05). In addition, the frequency of night awakeness was classified: once, twice, and 3 times or more. In patients reporting a frequency of 1, the SDS score was significantly higher than that in patients without night awakeness. In those reporting a frequency of 2, the SDS and MHAQ scores were significantly higher, and in those reporting a frequency of 3 or more, the SDS, MHAQ, VAS, and face scale scores were significantly higher. In patients with depression, the MHAQ, VAS, and face scale scores were significantly higher than the values in those without depression. However, there were no significant differences in blood sedimentation or CRP. Among the patients with night awakeness, in those who reported that they had awakened due to night pain, the blood sedimentation, CRP, MHAQ, VAS, and face scale values were higher than the values in those without night pain. In the group with night awakeness, excluding patients with night pain, the CRP level was higher than that in the group without night awakeness, although there was no significant difference. The SDS and MHAQ scores were significantly higher. Discussion The results of this study suggest that sleep disorder is related to RA-related pain, depression, and RA activity. Few studies have reported the relationship between RA and sleep disorder. In the future, this issue should be further investigated.
著者
三木 健司
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2020-04-24

成層圏(上空30km)において、花粉や微生物のような生物粒子がどのような形でどのように存在しているのか、また、どの程度の量存在しているのかを調べることで、地上生物や人間社会に対して持っている影響を調べる。
著者
鈴木 啓祐 田野 俊一 市野 順子 橋山 智訓 三木 健司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.19-22, 2010-03-01

本論文では,AR技術を用いた手術支援システムを提案する.本システムによる支援は,術中の超音波診断における医師の認知的負担を軽減することを目的としている.そのために,超音波診断と従来手法の問題点から手術室で利用可能という条件を分析し,カメラとマーカー1対のみで3次元位置計測をするシステムを設計した.そして,本設計を実現するために,簡単なインタラクションを導入した.これにより,実際の臓器の上に超音波検査画像から生成した臓器の解剖学的構造を映し出す機能を実現した.また,本システムの有効性を確認するために,現職の外科医によるプロトタイプ使用実験を行い,3次元位置計測の安定性や機能の有効性を確認した.