著者
下村 道子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.276-280, 1986-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
下坂 智恵 村木 路子 江原 貴子 下村 道子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.963-970, 1997-11-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10

骨つきのマアジをから揚げにしてマリネ処理するときの温度の違いによる魚の物性とくに骨の硬さと成分の変化について調べ, 以下の結果を得た.(1) 官能検査において, 浸漬時間による硬さの差は, 魚肉ではみられなかったが, 骨ではマリネ処理の時間の長い方がやわらかいと評価された.(2) マリネ処理した魚の骨の硬さは, 揚げた魚を高温で食酢に浸漬した方が低温にしてから食酢に浸漬したものよりも低下の程度が大きかった, (3) 高温浸漬による酢漬魚は, 低温浸漬によるものよりも重量増加が大きく, pHの低下, 食酢の浸透が速やかで浸透量が多いことが認められた.(4) 骨つきのマアジを油で揚げて後マリネにすると, カルシウムなどの無機成分が溶出して骨が軟化していることが示された.
著者
下坂 智恵 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.135-142, 2005-04-20
被引用文献数
3

Rice flour was used instead of tapioca (starch) in pao de queijo with, cheese, milk and egg. By the use of rice flour it was expected to prepare a more desirable product with greater softness and smoothness. The preparation method and puffing behavior were investigated. The use of non-glutinous rice flour and glutinous rice flour milled in water, the ratio of the latter being up to 50%, resulted in a well-puffed product with softness and smoothness. Preparation without any powdered cheese resulted in practically no swelling, suggesting that air was entrained in the powdered cheese and participated in the puffing effect. A water content higher than 50% in the dough of pao de queijo did not allow products round in shape to be obtained. A homogeneous blend of powdered cheese and handmade dough of suitable puffability required 44-49% water in the dough. Heating milk added to the rice flour up to 90℃ allowed a larger amount of milk to be added to prepare well puffed pao de queijo.
著者
下村 道子 小串 美恵子 山崎 清子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.27-31, 1982-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
5

カマスサワラの冷凍魚肉を用いて, 魚肉調理における酒類の影響を調べることを目的とし, 魚肉を清酒, 煮切り酒, エチルアルコール溶液, 有機酸・糖液などに浸漬し, その後蒸し加熱を行い, 浸漬液の違いによる魚肉の性状の変化を調べた結果, つぎのようなごとがわかった.1) 清酒, 煮切り酒, 焼酎希釈液, エチルアルコール溶液, 水などの液に食塩を加えて魚肉を30分浸漬した場合, 魚肉は液を7~8%吸収し, 重量が増加した.加熱した場合, 加熱後の重量はどの浸漬においても大差なく, 加熱魚肉の水分・揮発分の魚肉水分に対する割合もほぼ同じであった.2) 生魚肉から浸漬液中へ溶出するたん白質の溶出率は, 煮切り酒が最も少なく, 加熱による魚肉からの溶出たん白質率は, どの浸漬液でもあまり差がみられなかった.3) テクスチュロメーターによる硬さの測定値では, 浸漬液によって差がみられた.清酒と煮切り酒では煮切り酒を用いたほうがやわらかく, 有機酸・糖の影響は, 濃度の高いほうが魚肉はやわらかかった.エチルアルコールの濃度の違いによる影響は, 15%以下の濃度では有意差がみられなかった.
著者
吉松 藤子 下村 道子 福永 淑子 伊藤 汎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-27, 1992-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
12

“Geppei” is a traditional Chinese food. A way of preparing “Geppei” is as follows: First of all, the mixture of sugar, water and vinegar is boiled until the sugar content becomes 67%. This sugar solution is used after aging for several weeks. Then, the sugar solution, lard, wheat flour, and “kan-sui”, which is a Chinese special alkaline solution, are kneaded to a dough. Bean paste wrapped in the dough is baked into “Geppei”. A characteristic of the crust of “Geppei” is that it retains its soft texture during several weeks storage. In this study, the effects of the vinegar in the sugar solution on the physical properties of the crust were studied.The crust made of the sugar solution with the vinegar was softer than the crust without vinegar. Invert sugar was produced markedly in the sugar solution with the vinegar during boiling or aging. The crusts were made using the sugar solution which contains sucrose, glucose and fructose in various ratio, and the breaking strength was measured by a Rheoner. The more the glucose and fructose was included, the smaller the breaking strength and the softer the crust was. This is thought to be due to high hygroscopic property of invert sugar. In addition, the effect of “kan-sui” was to make the crust a desirable brown color.
著者
阿部 芳子 上舩津 暢子 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.289-295, 2006-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
被引用文献数
3

Egg noodles have characteristic eating quality. The physical properties of the dough and cooked noodles prepared with or without egg were examined by a Reometer, and the texture of the cooked noodles was evaluated by a sensory test. The dough kneaded with the egg was easy to produce and was required no resting time. The sensory test indicated that the egg noodles were harder, slightly more sticky and slightly more elastic than the Japanese noodles. The breaking stress value of the egg noodles measured by the Reometer was higher than that of the Japanese noodles. A microscopic observation revealed clearly recognizable endosperm cells at the center of both the egg noodles and Japanese noodles. These endosperm cells around the outside of the boiled Japanese noodles had swelled and crumbled, while the shape of the endosperm cells in the egg noodles had been retained in the amorphous complex of wheat proteins and egg.
著者
下坂 智恵 杉山 静代 熊谷 佳代子 木下 朋美 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.344-351, 2004-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1

カスタードプディングの基本的な配合割合にクリームを添加し,嗜好性の高いプディングの配合割合を検討した. 基本材料である鶏卵,牛乳,砂糖にクリームを加えてプディングを調製し,乳脂肱植物性脂肪のクリームがプディングの物性,食味に与える影響を調べようとした. その結果,次のことが明らかになった. 1.プディングは,牛乳の一部を乳脂肪クリームで代替することにより,破断荷重値が有意に低くなり,官能検査においても,基本と比べ,軟らかく,甘く,総合的においしいと評価された. 植物性脂肪クリームを加えたプディングは,代替量が増加することにより硬くなる傾向を示した. 鶏卵の一部をクリームで代替したプディングは,白く,やわらかく,甘く,なめらかなプディングとなり,総合的に好まれた. 2物性試験において,牛乳の一部を乳脂肪で代替すると破断荷重値が低下し,クリームの割合が高くなるにつれ,さらに低下した. 一方,植物性脂肪クリームで代替すると,少量の代替ではやや低下したが,代替割合を高くすると逆に破断荷重値が高くなった. クリープメータによる荷重曲線から,プディングの物性が材料配合の割合で異なり,水分よりもクリームの種類,牛乳及び鶏卵の割合が影響することが示された. すなわち,牛乳の一部を植物性脂肪クリームで代替したプディングは,基本プディングとほぼ同様の荷重曲線を示した. しかし,乳脂肪クリーム代替では,荷重曲線にみられたピークが低く,乳脂肪クリームと植物性脂肪クリームでは,プディングの物性に対する影響が異なった. また,鶏卵の一部をクリームで代替したプディングは,非常にゆるやかな,破断荷重値が低い曲線となり,乳脂肪クリームと植物性脂肪クリームとの違いはほとんどみられなかった. 3.プディングの組織を顕微鏡で観察すると,加えたクリームの種類により脂肪球の大きさが異なっていた. 乳脂肪クリームでは,脂肪球が大きくこれがたんぱく質の結合を阻害していると考えられた. 植物性脂肪クリームでは,均一な細かい脂肪球が全体に分散していた. 小さな脂肪球の多粒子が集まって凝集を起こし固化するために硬くなるものと推察した.
著者
黒沼 有里 下村 道子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.169-175, 2019-06-05 (Released:2019-06-21)
参考文献数
12

はんぺんは多くの泡を含んだ独特のテクスチャーを持つ日本の伝統的な水産食品である。起泡材としての卵白や山芋のほかに近年は増粘多糖類(主成分はグアルガム)が使われることが多い。そこで,卵白,山芋,増粘多糖類がはんぺんの食味,硬さなどにどう影響しているのか,味覚検査,物性測定,光学顕微鏡観察を行って調べた。はんぺんの製造にはサメの鮮肉を用い,一般的なはんぺん製造の材料から卵白,山芋あるいは増粘多糖類を除いたオミッションテストを行ってその作用を検討した。従来のはんぺんでは,製造材料から卵白または山芋を除くと,はんぺんの硬さの値が高くなり,比重は大きくなり,食味は好まれなかった。増粘多糖類添加はんぺんは,増粘多糖類無添加はんぺんより硬さの値が低く,比重が小さく,また内部に丸みを帯びた多くの泡が観察された。増粘多糖類の添加は山芋の作用を補い,起泡性,気泡保持に効果があると推察された。
著者
下村 道子 島田 邦子 鈴木 多香枝 板橋 文代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.516-523, 1973-11-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1) 官能検査においてしめさばとして好まれたものは塩じめ時間の短かいときは食塩量の多い方が, 塩じめ時間の長いときは食塩量の少ないものが好まれた.2) 塩じめによる食塩の魚肉への浸透は食塩量が多い場合に表面と内部ではかなりの濃度差を生ずるが, これを1時間酢じめにすることによって, 表面に近い部分の食塩は溶出し, 一部はさらに内部に浸透し, 全体で平均化してくる.官能検査の結果と比較してみると食塩濃度2.5%ぐらいのものが好まれている.3) 魚肉の塩じめによる硬さは, 食塩量と塩じめ時間によるものであり, 硬さの測定値は頭部, 尾部が高く, 胴部が低いが, これは生の状態で残っている部分が柔らかくこの影響によるものと考えられる.官能検査で好まれたものは, 表面がしまり, 内部が一部柔らかいもので, 柔らかすぎるもの, 硬すぎるものは好まれなかった.カードメーターによる硬さの測定値と塩じめによって変色した部分の割合との間に有意な相関関係がみられた.4) しめさばの重量は, 塩じめによって減少する.そして, 酢に浸漬することによって, 食塩の少ないものは重量が増加し, 食塩の多いものはさらに減少した.重量の増加するものは, 表面が柔らかく, 官能検査においても好まれなかった.
著者
吉松 藤子 下村 道子 福永 淑子 伊藤 汎
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-27, 1992

月餅の皮は日数を経過しても軟らかさを保っている、この理由を明らかにし、また材料の1つであるかん水の役割について検討した。(1)従来法により調製した月餅皮のドウ及び焼成した皮について検討した結果月餅のドウは食酢の添加の有無及び糖水の保存期間の長短にかかわらず物性の変化は殆どみられなかった。しかし焼成した皮では食酢を添加した糖水、あるいは長期間保存した糖水を用いた場合には軟らかい皮が得られた。また焼成1週間後のものは焼成直後のものより軟らかいものが得られた。(2)酸を添加した糖水の成分の変化をグラニュー糖を用いて調べた。その結果加熱過程中に転化糖が生成されることが明らかになり、またこれを保存することにより転化の進行が認められ、保存温度20℃より37℃の方が転化度は高かった。酸の無添加の糖水ではほとんど転化は見られなかった。(3)転化糖の存在が皮を軟らかくするように思われたのでモデル実験を行った。すなわち転化糖の量を三段階に変化させた糖水を用いて月餅皮を焼成した結果、転化糖量の多いものほど、しっとりとした軟らかい皮が得られ、転化糖が皮の物性に寄与していることが判明した。(4)かん水の使用が月餅皮の色に及ぼす影響について、かん水を用いないものを対照として比較したところ焼き色に好ましい色を与えることが明らかになった。
著者
岡田 久美子 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.327-336, 2008-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1

うどんのおいしさには食したときの物性が大きく関与し,それにはうどんの成分である澱粉の性状が影響するといわれる。現在製麺業界で麺の物性改良として用いられている各種澱粉としてタピオカ澱粉,コーンスターチ,サゴ澱粉のいずれかを中力粉に加えたときの物性及び官能評価を行った。その結果タピオカ澱粉代替麺は,破断エネルギー値が低く,伸長度の高い,軟らかく伸びやすい性状を,またコーンスターチ代替麺は破断エネルギー値が高く,伸長度の低い,すなわち硬く伸びにくい性状であった。この違いはα-アミラーゼ処理した生麺の走査電子顕微鏡観察でグルテン組織の形状に明らかな違いとして認められた。さらに,各種澱粉に活性グルテンを添加すると,破断エネルギー値はいずれの澱粉の場合も高くなった。官能検査ではタピオカ澱粉に活性グルテンを添加した麺が弾力,腰のある麺として好まれた。
著者
下坂 智恵 村木 路子 江原 貴子 下村 道子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.963-970, 1997

骨つきのマアジをから揚げにしてマリネ処理するときの温度の違いによる魚の物性とくに骨の硬さと成分の変化について調べ, 以下の結果を得た.<BR>(1) 官能検査において, 浸漬時間による硬さの差は, 魚肉ではみられなかったが, 骨ではマリネ処理の時間の長い方がやわらかいと評価された.<BR>(2) マリネ処理した魚の骨の硬さは, 揚げた魚を高温で食酢に浸漬した方が低温にしてから食酢に浸漬したものよりも低下の程度が大きかった, <BR>(3) 高温浸漬による酢漬魚は, 低温浸漬によるものよりも重量増加が大きく, pHの低下, 食酢の浸透が速やかで浸透量が多いことが認められた.<BR>(4) 骨つきのマアジを油で揚げて後マリネにすると, カルシウムなどの無機成分が溶出して骨が軟化していることが示された.
著者
下坂 智恵 下村 道子 寺井 稔
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.1213-1218, 1996

近年, 日本では, 骨粗鬆症の原因ともなるカルシウムの摂取量の不足が問題となっている.日本人は, 昔から魚を多く摂取しており, 骨ごと食べられる小魚は, 重要なカルシウム供給源の一つといえる.そこで本研究では, 魚の骨を利用するための基礎的な研究として, 魚の骨を水中で加熱したときの物性および成分の変化について調べようとした.マアジの骨を, 水中で数時間加熱し, レオメーターを用いて破断強度を測定した.魚骨の無機成分は, 高周波誘導結合プラズマ (ICP) 発光分析法により測定した.マアジの骨の厚さの80%まで圧縮するのに要する最大荷重は, 30分間で急激に低下し, その後も加熱時間が長くなるにつれて徐々に低下した.加熱時間が長くなるとともに, 魚骨のタンパク質は減少し, 加熱液中のタンパク質は増加した.マアジの骨は, 加熱時間が長くなるとともに軟化したが, カルシウムの大部分は, 魚骨に残っていた.水中で加熱したマアジの骨が軟化したのは, 骨のタンパク質の一部が加熱液中に溶出し, 骨の構造が変化したことによるのではないかと考えられる.
著者
阿部 芳子 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.461-467, 2006-07-15
参考文献数
12
被引用文献数
4

中華麺の独特のテクスチャー発現に対する, かん水の作用を調べるために, 強力粉に1%の粉末かん水を含む45%のかん水を加えて麺を作製し, かん水を加えない水麺と比較して, 次の結果を得た.<br>1) かん水麺と水麺では, ゆで加熱中の水分量および重量には, ほとんど差がみられなかったが, 食味評価ではかん水麺は水麺よりも硬く, 外観 (麺表面) がなめらかでないと判断された. また, 破断強度解析において, 加熱7分間まで, かん水麺は水麺より破断強度の最大荷重値が高く, 破断応力曲線の解析では破断開始値および歪率60%までの応力変化率が高かったことから表面近くが硬い麺であると判断された.<br>2) 糊化度はかん水麺, 水麺ともに内部より外部で高値を示した. かん水麺の糊化度は外部, 内部ともに水麺より低値を示した.<br>3) 異なるpHの緩衝液で湿麩を撹拌するとpH2からpH3, pH9からpH11でたんぱく質が溶出することが示され, また, かん水中では高い溶出率を示した麺の組織観察において, 水麺のグルテンが線状にみえるのに対し, かん水麺のグルテンは薄く広がっているのがPAS染色で確認できた.
著者
下村 道子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.87-91, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Japanese food culture is characterized by a large number of fish dishes and the use of seasonal ingredients. The Japanese archipelago is surrounded by warm or cold currents depending on the season, which affects which species of fish travel near land and are caught. Although the highest-profile method of Japanese fish preparation is to eat it raw as sashimi or sushi, fish can be prepared variously through grilling, boiling, pickling, frying, simmering in soup, or mincing. Fish to be heated is cooked with fermented seasonings such as miso, soy sauce, sake lees and vinegar. Because of the warm and humid weather in summer, since ancient times, fish have been preserved through pickling rather than drying. When fish is cooked or processed, umami compounds are generated in the meat, improving the taste. However, beyond the meat, the skin, bones, and internal organs can be cooked and eaten as well. There is scientific basis behind each of these traditional cooking methods, and the continuation of these dietary habits constitutes the food culture of Japan.
著者
阿部 芳子 上舩津 暢子 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.289-295, 2006-10-20
被引用文献数
4

中華麺のうち卵を用いて調製したドウとそれを製麺してゆでたゆで麺の性質をうどんと比較し,結果をまとめると次の通りである。1.卵で調製した麺のドウは,加水率40%ではほとんどねかし時間を必要としないほどこね操作中にまとまりやすく,かつ,軟らかかった。2.官能検査による麺のテクスチャー評価では,卵麺はうどんよりも硬さが硬く,もちもち感が少ないと評価された。3.ゆで時間の同じ卵麺とうどんの硬さを物性測定機により比較すると,卵麺はうどんよりも硬く,とくに中心部の硬い部分がうどんよりも多く残っていた。卵液により水分の浸透が抑制されていることによると考えられる。4.卵麺の糊化度は,ゆで時間4〜12分で55〜65%であり,うどんでは62〜78%で,うどんよりも低いものであった。5.卵麺とうどんの顕微鏡観察で,中心部の胚乳細胞はいずれも形が残存しており,周辺部の胚乳細胞はうどんでは膨潤して形がほとんどみられない部分が多かったが,卵麺では表面近くまで胚乳細胞が卵と小麦粉タンパク質の混合物に包まれて残っているのが観察された。
著者
下坂 智恵 下村 道子 近藤 四郎
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1103-1114, 1994-12-15
被引用文献数
12

A questionnaire survey was conducted in 1991 on 339 female college students to reveal the relationship between dietary consciousness of young women and their attitude to housekeeping. Data were analyzed by a correlation analysis and Hayashi's quantification II method. Those respondents who have not regularly prepared daily meals, but done light work expressed their desire to make cakes, bread, cushions, etc. by themselves. Many of them have learned food preparation and serving from their mothers, and making cakes from cookery books or magazines. The respondents who feel happy to dine together with their family usually attend to daily household duties and make traditional dishes at home. It is concluded that the inclination toward dining with family, which is important factor in the family bond, has been encouraged by the preparation of special dishes for the year's events at home or for the celebrations of family birthday.