著者
中島 祥行
出版者
繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.P400-P407, 1974-11-10 (Released:2008-11-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
木部 暢子 中島 祥子 太田 一郎
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

鹿児島地域における「地域共通語」の実態を明らかにするために、在来の方言形で現在でも若年層に使用される語、在来の方言形とも共通語形とも異なる語、鹿児島特有の文法現象、言語意識、社会意識を調査した。調査地点は鹿児島市、枕崎市、都城市である。鹿児島市調査(平成6年度実施)では以下のことが明らかになった。(1)ケ-(質問)、ガ(伝達の文末詞)は在来の方言形であるにもかかわらず、若年層で使用率が伸びている。また同じく方言形のワッゼ(大変)、ナオス(片付ける)、ハワク(掃く)は全ての層で高い使用率を保っている。(2)高年層・中年層ではこれらの語を方言と意識せずに(共通語と思って)使用しているケースが多いが、若年層では方言と意識して使用するケースが多い。(3)若年層に広まりつつある新語形にはナカッタデシタ(なかったです)、デスヨ・ダヨ-(相槌)、ヤスクデ(安価で)などがある。(4)〜ガナラン(不可能)、カセタ(貸した)、ネッタ(寝た)などの鹿児島特有の文法現象は若年層で使用率が急に下がり、特に若年女性では共通語化が著しい。これを枕崎市調査・都城市調査(平成7年度実施)と比較すると、以下のようなことが明らかになる。(5)枕崎市・都城市では、上記(3)の語の使用率が鹿児島市に比べて低い。しかし世代ごとに見ると若年層では使用率が急に伸びており、鹿児島市で生まれた「地域共通語」が枕崎市や都城市の若年層にいち早く受け入れられている。(6)枕崎市では上記(4)の方言形を若年層でもまだ使用している。(7)都城市は枕崎市に比べると鹿児島市の影響を受ける度合いが小さい。しかし(5)で述べたように、若年層には鹿児島市のことばが確実に定着しており、いまだに鹿児島市の影響下にある。(8)これに関連して、都城市では予想した程には宮崎市のことばの影響を受けていない。
著者
尾原 伸作 内本 和晃 小山 文一 中川 正 中村 信治 植田 剛 錦織 直人 藤井 久男 堤 雅弘 中島 祥介
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.156-162, 2014-02-01 (Released:2014-02-11)
参考文献数
20

非神経線維腫症I型の患者において,骨盤神経叢由来と考えられた悪性末梢神経鞘腫(malignant peripheral nerve sheath tumor;以下,MPNSTと略記)の1例を経験したので報告する.MPNSTの好発部位は四肢近位部,体幹,頸部とされている.また,MPNSTの約半数は神経線維腫症I型に合併するといわれる.症例は58歳の女性で,当院初診5か月前より肛門痛,左下肢の疼痛が出現した.各種画像検査の結果,骨盤内の直腸左壁に約10 cm大の腫瘍を認めた.骨盤内原発の神経原性腫瘍を疑い,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は骨盤底の後腹膜腔で直腸左側にあり,左骨盤神経叢と固着していた.病理組織学的検査所見では,紡錐形の腫瘍細胞の束状増殖があり,多核な腫瘍細胞もみられた.各種免疫組織染色検査でneurofilamentのみ陽性であった.核分裂像が400倍で1視野当たり7 cells認められ,左骨盤神経叢由来のMPNSTと診断した.術後約6年3か月経過した現在も無再発生存中である.
著者
井上 隆 青松 幸雄 小林 経宏 田仲 徹行 桑田 博文 中島 祥介
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.1604-1609, 2008 (Released:2011-06-08)
参考文献数
17

症例は55歳の女性で, 近医にて腹部エコー検査, CTを施行され, 肝外側区域の嚢胞性腫瘤病変と診断された. 精査加療目的に当科紹介受診した. CT, MRIにて膵体部より頭側腹側に突出する2房性嚢胞性腫瘤を認めた. 膵粘液性嚢胞腫瘍の術前診断にて開腹した. 術中所見, 術中超音波検査にて悪性所見を認めず, 膵腫瘍摘出術・周囲のリンパ節pick upを施行した. 病理組織学的検査所見にて繊維化を伴った膵実質より連続する嚢胞を認めた. 嚢胞上皮下に乾酪壊死を伴った類上皮細胞からなる肉芽腫およびラングハンス巨細胞を認め, 孤立性膵結核と診断した. 摘出したリンパ節も同様の所見であった. 術後に抗結核剤の4剤併用療法を2か月間施行後, 2剤併用療法を1年間施行し, 現在再発は認めていない. 今回, 孤立性膵結核の1切除例を経験したので, 文献的考察を加え報告する.
著者
中島 祥 山本 淳
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.525-530, 2009-12-20 (Released:2012-09-26)
参考文献数
20

近年の遺伝子診断の発達に伴い,Anisakis I型幼虫は1種類ではなく様々な同胞種で構成されており,少なくともA. simplex sensu stricto,A. pegreffii,A. simplex C,A. ziphidarum,A. typicaの5種が存在することが知られている。しかし,これらの同胞種の日本近海における地理的分布や疫学については知見が少ない。このため,日本近海(東シナ海)と南シナ海(中国,フィリピン)のAnisakis I 型幼虫をrDNAのITS1-5.8S rRNA-ITS2領域におけるPCR-RELP法を用いた分子生物学的特徴の点から識別し,地理的分布を調査したところ,A. simplex sensu stricto,A. pegreffii,hybrid genotype,A. typica-like larvaeの存在を確認した。A. typica-like larvaeについては,さらにITS領域のシークエンスを行い,A. typicaであることを確認したが,塩基配列にわずかな相違が認められた。また,アニサキス症患者から得られたAnisakis I 型幼虫は,A. simplex sensu strictoであった。
著者
中島 祥行 小林 稔
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2018-UBI-60, no.23, pp.1-6, 2018-11-27

レポートや論文執筆などの作業を行う際,私たちは作業に集中できていない非集中状態と作業に集中している集中状態の間の遷移を繰り返している.このような遷移のうち,非集中状態から集中状態への遷移は円滑に行うことが難しく,時間を消費してしまうことがある.この原因の一つとして作業者の作業に取り組むべき状態にいるという認識が弱いことがあると考える.本研究は,作業中に作業以外のことに消費している時間を可視化することで,作業に取り組むべき状態にいることを作業者に強く認識させ,非集中状態から集中状態への円滑な遷移を支援するシステムを提案する.
著者
竹井 健 中島 祥介 錦織 直人 小山 文一 中村 信治 浅田 秀夫 畠山 金太 大林 千穂 西久保 敏也 藤井 久男
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.342-349, 2016

Muir-Torre症候群は脂腺腫瘍と内臓悪性腫瘍を併発する遺伝性疾患で,Lynch症候群の一亜型と考えられている.症例は61歳の男性で,既往歴は36歳,38歳,46歳,56歳時に大腸癌,50歳時に胃癌があり,家族歴は父と叔父に大腸癌と多数の発癌患者を認め,Lynch症候群を疑い経過観察していた.61歳時に背部に1 cm大の出血を伴う結節が出現し,局所切除術施行し,病理組織学的検査にて脂腺癌と診断した.内臓悪性腫瘍の既往と脂腺癌の併発よりMuir-Torre症候群と診断した.診断後にも計5回の脂腺腫瘍と計2回の大腸癌の発生を認めたが,早期に加療し現在無再発生存中である.また,遺伝学的検査を行い<i>MLH1</i>の病的変異を認めLynch症候群と診断した.Lynch症候群はMuir-Torre症候群を呈することがあり,内臓悪性腫瘍だけでなく皮膚腫瘍も念頭に体表観察を行うことも重要と考えた.
著者
中島 祥好
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2020-SLP-132, no.10, pp.1-2, 2020-05-30

言語音が時間上でどのように分かれ,互いに関係づけられるかを探る分野である「音韻論」は,環境における音がどのようにまとまったり分かれたりして聴こえるかを探る「聴覚心理学」に結びつけられるべきである.我々の研究グループは,「聴覚の文法」と称する理論的枠組みを作り,非言語音が知覚体制化によって音脈を形成することについても音韻論のような考えかたが有効であることを示した.もう一つの理論的枠組みである「音響的音韻論」は音節形成の原理などを音響分析に基づいて探るもので,その第一歩として,音声のスペクトル変化の中に,言語学において鳴音性 sonority と呼ばれる性質がどのように現れるかを解明している.言語音と非言語音との研究を同じ精神物理学の方法論に則って進めることは実り多いと思われる.
著者
竹井 健 錦織 直人 小山 文一 中村 信治 浅田 秀夫 畠山 金太 大林 千穂 西久保 敏也 藤井 久男 中島 祥介
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.342-349, 2016-04-01 (Released:2016-04-19)
参考文献数
16

Muir-Torre症候群は脂腺腫瘍と内臓悪性腫瘍を併発する遺伝性疾患で,Lynch症候群の一亜型と考えられている.症例は61歳の男性で,既往歴は36歳,38歳,46歳,56歳時に大腸癌,50歳時に胃癌があり,家族歴は父と叔父に大腸癌と多数の発癌患者を認め,Lynch症候群を疑い経過観察していた.61歳時に背部に1 cm大の出血を伴う結節が出現し,局所切除術施行し,病理組織学的検査にて脂腺癌と診断した.内臓悪性腫瘍の既往と脂腺癌の併発よりMuir-Torre症候群と診断した.診断後にも計5回の脂腺腫瘍と計2回の大腸癌の発生を認めたが,早期に加療し現在無再発生存中である.また,遺伝学的検査を行いMLH1の病的変異を認めLynch症候群と診断した.Lynch症候群はMuir-Torre症候群を呈することがあり,内臓悪性腫瘍だけでなく皮膚腫瘍も念頭に体表観察を行うことも重要と考えた.

1 0 0 0 OA 尿膜管癌の1例

著者
久下 博之 桑田 博文 中島 祥介
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.2025-2028, 2003-08-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
10

症例は51歳,男性.下腹部腫瘤を主訴に来院した.臍部から恥骨上縁に新生児頭大,弾性硬の腫瘤を触知した.骨盤CT検査,骨盤MRI検査で膀胱頂部に10×8cm,内部に粘稠な液体を有すると思われる腫瘍を認めた.尿膜管腫瘍と術前診断し手術を施行した.腫瘍は腹横筋膜と腹膜の間に存在し,膀胱頂部と連続していた.周囲臓器への浸潤,骨盤内リンパ節の腫大は認めなかった.腫瘤摘出術,膀胱部分切除術を施行した.標本内にはゼラチン様物質が充満し,組織学的にはムチン産生性高分化型腺癌であった.最終的に尿膜管癌と診断した.尿膜管癌は比較的稀な疾患であり,泌尿器科にて血尿などで発見されることが多いが,下腹部腫瘤のみで外科を来院することもあり鑑別の際,本症の存在を念頭におくことが肝要である.
著者
中島 祥子
雑誌
Evergreen = Evergreen (ISSN:09171576)
巻号頁・発行日
vol.29, 2008-03-01
著者
江本 宏史 金廣 裕道 中島 祥介 堀川 雅人 中野 博重 堤 雅弘 小西 陽一
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.820-824, 1997-10-25 (Released:2009-08-13)
参考文献数
11

症例は42歳, 女性で右季肋部痛を主訴に受診した。超音波検査にて肝腫瘍と診断, 諸検査の結果, 肝血管肉腫と診断され平成3年5月に肝右葉切除術を施行。病理学検査にて肝血管肉腫と確診された1症例を報告する。本症例は, 肝血管肉腫の原因としてあげられている, トロトラスト, 塩化ビニール等とは因果関係は認められなかった。肝血管肉腫は, 原発性肝腫瘍のなかでは比較的稀であるが, その予後は一般に不良とされている。本例も外科的切除し得たにもかかわらず, 術後20カ月目にして, 再発による腫瘍死を遂げた。本症例の経験からも, 肝血管肉腫は早期診断と広汎囲な外科的切除が, 予後の向上につながると考えられた。
著者
新見 將泰 中島 祥夫 坂本 尚志 遊座 潤 伊藤 宏文 三浦 巧 鈴木 晴彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.97-104, 1994

近年,運動関連脳電位については手指の単純な屈伸運動に関する詳細な研究はあるが,発声に関する報告は少ない。本研究では,ピッチ変化と母音の変化における発声関連脳電位の変化を等電位図法と双極子追跡法(頭部均一媒質による)を用いて解析することを目的とした。18-35歳の健康な男女10名(右利き)を対象とし,高低数種類のピッチで母音を自己のペースで発声させた。脳波は頭皮上においた21個の表面電極より導出した。喉頭前面皮膚上においた加速度計波形の立ち上がりをトリガーとして用い,発声前2.5s,発声開始後2.5sの脳波を加算平均し,等電位図の作成と双極子追跡法により電源位置の推定計算を行い,被験者のMRI画像を用いて電源位置を検討した。発声に約1200ms先行して両側の中側頭部に緩徐な陰性電位が認められた。これは正常のヒト発声時の大脳皮質の準備状態を反映する発声関連脳電位と考えられた。この陰性電位は,分布範囲,強度とも左半球優位の場合が多かった。また発声のピッチを高く変化した場合には,右側の振幅の変化が,より大きくなる傾向があった。一般にヒトの発声において言語中枢は(左)優位半球に広く存在すること,発声周波数(ピッチ)の変化は(右)劣位半球の関与が大きいことが知られている。上記の結果はこの説に一致すると考えられた。発声に先行する陰性電位の電源部位は双極子追跡法により両側の中心前回下部付近に限局して分布した。発声のピッチや母音を変えても電源位置に変化は認められなかった。
著者
藤本 平祐 高 済峯 内藤 彰彦 武内 拓 中島 祥介
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.1839-1842, 2002-11-25
被引用文献数
13

症例は初回手術時59歳の男性で,腹部腫瘤を主訴に当院を受診.1996年S状結腸原発消化管間葉系腫瘍と診断し切除したが,転移・再発を繰り返し,約5年間で合計10回腫瘍摘出術を行った後,腫瘍の再発を来した.摘出標本の病理組織学的所見,免疫染色でc-kit陽性のgastrointestinal stromal tumor(GIST)であった.手術不能のため,慢性骨髄性白血病に対する新しい治療薬であるSTI571(Imatinib mesylate)を2001年7月から投与した(400mg/日).CTで再発巣,肝転移巣ともに著明な腫瘍縮小効果が見られ,新たな病変は出現しなかった.副作用は軽微であり,臨床症状は劇的に改善した.STI571治療開始後9か月後の現在,元気に通院中である.
著者
水野 崇志 高 済峯 小林 豊樹 鹿子 木英毅 中島 祥介
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.161-165, 2002-02-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

症例は78歳の女性.昭和61年よりB型慢性肝炎で経過観察されており, 平成8年8月頃より, 200μg//dl前後の高アンモニア血症を伴う肝性昏睡が頻回に出現.精査の結果, 上腸間膜静脈瘤の形成と, 下大静脈への短絡を認めた.脳症は内科的治療に抵抗性で, 平成11年4月22日, 短絡路遮断目的に手術を施行.上腸間膜静脈は門脈本管流入部付近より径2cm大の静脈瘤を形成, 末梢側は右卵巣静脈を介して下大静脈へと短絡していた.短絡路の試験的クランプによる門脈圧の上昇が160mmH@S22@E2Oから240mmH@S22@E2Oに留まることを確認した後, 短絡路の遮断および静脈瘤の切除を施行した.ドップラーUSにて門脈血流量は術前に比較して著明に改善し, 術後に血中アンモニア値は50μg/dl以下に低下, 肝性脳症も完全に消失した.肝血流量の増加によると思われる肝予備能の改善も見られ, 現在元気に日常生活を送っている.
著者
阿不拉 地里夏提 中島 祥夫 下山 一郎
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.347-357, 2001-10-01

母国語,外国語の認知過程における脳機能局在差異を明らかにすることを目的に,TVモニターに呈示された,1)母国語として漢字単語を外国語として英単語々黙読したとき,2) 2桁のアラビア数字を母国語と外国語で黙読したときの21チャンネル事象関連脳電位を記録し,解析した。1)での被験者は右利き健常成人9名(日本人5名,中国人4名),2)では右利き健常成人10名(日本人6名,ウイグル人4名)であった。その結果,単語認知及び数字認知の両タスクにおいて,刺激後200-300msの間で陰性電位が見られ,その振幅は外国語認知で母国語認知より大きかった。漢字と英単語を黙読したとき,漢字では両側側頭葉及び中心部に陰性電位活動が見られ,英語では左側側頭葉により大きい陰性電位活動が観察された。アラビヤ数字を母国語と外国語で黙読したときは全ての被験者で両側側頭葉及び後頭葉に陰性電位が観察された。これらの結果から,単語及び数字認知時の脳活動は母国語よりも外国語処理で強く,視覚呈示後200-300msで認知処理が最大となると考えられた。また,母国語(漢字と数字)の認知過程には右脳のイメージ処理と左脳の言語処理が同時に関わり,外国語(英語)の認知過程では従来指摘されている言語中枢との関連で左半球が優位であることが示唆された。