著者
中川 正 乾 隆子
出版者
日本官能評価学会
雑誌
日本官能評価学会誌 (ISSN:1342906X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.18-23, 1997-03-20 (Released:2013-07-26)
参考文献数
13
被引用文献数
2 3

In this study, the effects of mood state on taste sensitivity was evaluated in humans who exposed to condition of mental or physical fatigue and tension. Taste responses to quinine sulfate (bitter), citric acid (sour) and sucrose (sweet) were tested. The intensity of the taste sensations were recorded by a computerized time-intensity (TI) on-line system. Subjects performed mental tasks by personal computer or physical tasks by ergometer. Before and after these sessions, the sensation of taste were recorded by the TI system, and in addition, psychological mood state were evaluated with POMS (Profile of Mood State). TI evaluation showed that after the mental tasks, the duration and total amount of taste were reduced in all taste. Furthermore, the maximum intensity was reduced only in bitterness. There were no changes in bitterness and sweetness sensations following physical tasks. However, relative to before the physical task, only the sensation of sourness was reduced by physical task. We also studied the mechanism of the changes of taste sensation by analysis of saliva components.
著者
阿部 慶賀 中川 正宣
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.660-670, 2008 (Released:2010-04-23)
参考文献数
15

Previous studies (Cosmides, 1989, Cosmides & Tooby, 1989) have shown the Cheater Detection Module (CDM) to be an adaptive heuristic within social environments, and how it can improve human reasoning in many social exchange contexts. The purpose of this study is to examine the effects of the CDM on problem solving. To that aim, the ‘30 dollar room’ problem (Isaak & Just, 1992) is employed, which involves a social exchange context. Generally speaking, we use heuristics to efficiently solve normal problems. However, this particular problem can be considered to be a typical insight problem. While heuristics can function effectively in practical contexts, they can be obstacles to solving insight problems (Knoblich, 1999; Hiraki & Suzuki, 1998). We hypothesize that the CDM will make it difficult to find the correct answer for this insight problem. In order to investigate this hypothesis, we compare solution rates for the standard ‘30 dollar room’ problem with isomorphic problems that do not involve ‘social exchange’ contexts. The results indicate that the solution rates for the isomorphic problems were higher than for the standard version of the problem. The results are supportive of our hypothesis. The results indicate that there are situations in which the CDM, a cognitive system that has emerged in adaptation to social environments, has a negative influence as a cognitive constraint.
著者
中野有紀子 塚原 渉 中川 正樹 黒須 正明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1242-1250, 2007-11-15
被引用文献数
1

利用者の視点に立ったより使いやすい製品を開発するには,ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の専門家からの視点が重要だといわれている.このような状況の中,企画段階から開発プロジェクトに参加し,さまざまな専門分野の人たちと協調してプロジェクトを推進できるHCI専門家の養成が求められている.本稿では,日本におけるHCI教育のさらなる改善に役立つ情報を提供することを目的とし,2006年にアメリカの4大学とヨーロッパの2大学のHCI教育を視察した内容をまとめ,各大学のカリキュラムの特徴,実践的教育を中心に解説する.
著者
古積 拓見 稲谷 壮一郎 蔡 文杰 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-7, 2014-03-07

文字を正しくきれいに書くためには筆順やとめと払い,はねなどの字形を評価する必要がある.現在,字形を評価する漢字学習システムがいくつか開発されてきた.しかし,既存のシステムでは,きれいな字を書くことを主目的としているものが多く,筆順間違いの学習者への指導や,とめと払いの評価を行うものは少ない.そこで,本稿ではこれらの評価を可能にし,評価項目に重みを付けることでユーザのレベルに合わせた指導を行うシステムを開発する.
著者
馬場 基 中川 正樹 久留島 典子 高田 智和 耒代 誠仁 山本 和明 山田 太造 笹原 宏之 大山 航 中村 覚 渡辺 晃宏 桑田 訓也 山本 祥隆 高田 祐一 星野 安治 上椙 英之 畑野 吉則
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2018-06-11

国際的な歴史的文字の連携検索実現のため、「IIIFに基づく歴史的文字研究資源情報と公開の指針」および「オープンデータに関する仕様」(第一版)を、連携各機関(奈良文化財研究所・東京大学史料編纂所・国文学研究資料館・国立国語研究所・京都大学人文学研究所・台湾中央研究院歴史語言研究所)と共同で策定・公表し、機関間連携体制の中核を形成した。また、上記「指針」「仕様」に基づく、機関連携検索ポータルサイト「史的文字データベース連携システム」の実証試験版(奈文研・編纂所・国文研連携)を令和2年3月に公開。令和2年10月には、台湾中研院・国文研・京大人文研のデータを加えて、多言語(英語・繁体中国語・簡体中国語・韓国語)にて本公開を開始した(https://mojiportal.nabunken.go.jp/)。なお、連携・サイト公開は、国内および台湾メディアで報道された。木簡情報の研究資源化として、既存の木簡文字画像(約10万文字)をIIIF形式に変換した。また、IIIF用の文字画像切出ツールを開発し、新規に約15,000文字(延べ)のデータを作成した。過年度と合わせて合計約115,000文字の研究資源化を実現した。文字に関する知識の集積作業として、木簡文字観察記録シートを約50,000文字(延べ)作成した。なお、同シートによる分析が、中国簡牘・韓国木簡にも有効であることが確認されたことを踏まえ、東アジア各地の簡牘・木簡文字の観察作業も実施した。国際共同研究・学際研究として、令和1年9月に、東アジア木簡に関する国際学会を共催した(北京)。当初、国際学会の開催は、研究計画後半での実施を予定していたが、本研究遂行にあたっての共同研究等の中で、学会共催の呼びかけを受け、予定を繰り上げて国際学会を共催した。また、人文情報学の国内シンポジウム等において、IIIF連携等本研究の成果を報告した。
著者
中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.351-359, 2005-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
57

無線通信といえば3000GHzまでの電波利用と, 赤外線利用のいずれかと思われていた.見える光を利用する可視光通信について述べていきたい.見える光は電波と同じ波の一種なので, 当然ながら, 情報を伝えることができる.ここでは可視光通信の可能性をユビキタス通信システムの一員として論じる.
著者
水井 潔 内田 雅敏 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.342-349, 1995-05-25
参考文献数
11
被引用文献数
85

本論文では,通信と測距を同時に行えるスペクトル拡散方式を用いた車両間通信・測距統合システムを提案する.提案システムでは,自車が送出したPN信号に対象車が情報を乗算,再送出することで,自車はスペクトル拡散復調によって対象車の情報を把握できると共に,送受したPN信号の位相差を検知することで対象車との間の車間距離を正確に測定することができる.また,対象車がシステム搭載車でなくても自車は送出したPN信号からの反射波のみで従来のスペクトル拡散レーダと同様に車間距離は測定できる.本システムを有効に利用し,相互の車両情報や運転者情報を通信し,車間距離を測定することで,事故を未然に防ぐだけでなく,渋滞のない円滑な運転が可能となる.計算機シミュレーションの結果,併走車または対向車からの干渉波が混入する場合でも自車において対象車の情報が復調できると同時に車間距離が測定できることが確認された.
著者
安間 了 山本 由弦 下司 信夫 七山 太 中川 正二郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.120, no.Supplement, pp.S101-S125, 2014-08-31 (Released:2014-12-26)
参考文献数
65
被引用文献数
1 3

世界自然遺産・屋久島の生物多様性を支えるのは海洋性の環境の中に現出する高山地形である.多くの海洋島が火山からなるのに対して,屋久島の基盤を構成するのは四万十帯の砕屑性堆積岩類と屋久島花崗岩である.本巡検では高山を形成する屋久島花崗岩の貫入機構を,正長石巨晶の定方向配列,岩脈の分布,貫入に伴う母岩の変形と接触変成作用の観察を通して議論する.母岩の四万十帯の地層や枕状溶岩の産状,付加体中での圧密,メランジュやデュープレックス構造の形成,地震による液状化構造がどのような順序で発達したかを観察し,付加体の変形史とメランジュの認定基準について議論する.また鬼界カルデラの噴火に伴う火砕流堆積物の産状,噴火による地震が引き起こした液状化などの構造を観察し,海中における爆発的噴火がもたらしうる災害のシナリオを検討する.
著者
坂東 宏和 杉崎 知子 加藤 直樹 澤田 伸一 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.804-814, 2002-03-15
被引用文献数
13

本論文では,一般的な教室環境における黒板の発展型として対話型電子白板を設置した環境を想定し,対話型電子白板上に複数の専用電子教材を起動し,それらのウインドウ領域にまたがって,かつ,それら電子教材の実行と並行して画面全体へ自由に板書が行える機能を提供する電子黒板ミドルウェアの基本構成について述べる.さらに,本ミドルウェア上で動作しているすべての電子教材の実行状態を一括して保存する機能や,一括してスクロールする機能などの,情報化の利点をより簡便に活かすための付加機能も提案する.従来のデスクトップ環境では,黒板のように画面全体への自由な板書を行うことはできない.画面全体に手書きで描画できるようにするソフトウェアも開発されているが,既存のソフトウェアでは板書内容を表示したまま起動されている他のソフトウェアに対する操作をしたり,動画表示を行ったりすることができなかった.そこで,本論文ではこれらの問題をミドルウェアレベルで解決する方法を提案するものである.また,一斉授業の中で利用しやすい電子教材を開発するための方針を明確化し,その方針に従って設計した複数の専用電子教材の試作例を提示する.このミドルウェアと専用電子教材を教育現場で試用したところ,電子教材と板書を組み合わせることで,従来の教室環境で教師が培ってきた授業経験と情報化による利点の両方を活かした授業が実現できることが示唆された.This paper presents a middleware architecture for an electronic whiteboard so that the user can run multiple educational applications on it, while being able to draw and make annotations on the whiteboard at the same time. On conventional desktop environments, one can draw lines or make annotations within a single window but cannot do so over multiple windows across a whole screen. Although some softwares allow the user to draw lines over the snapshots of multiple applications across a whole screen, it disables each application to accept users control or to change its display dynamically while showing drawn lines. The middleware we propose does not suffer from such restrictions. Moreover, it also provides features such as freezing the execution of education applications at any time and saving the state of each application so that their execution can be resumed from the saved state at a later time; and scrolling the windows of all the running applications collectively. We also propose guidelines to design educational applications running on the electronic whiteboard, and describe some experimental applications developed according to these guidelines. The experimental use of the system in actual classes suggests that the middleware is quite useful for classroom teaching.
著者
中川 正樹 東山 孝生 山中 由紀子 澤田 伸一 レー パン トゥー 秋山 勝彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.95, no.278, pp.43-48, 1995-09-28
被引用文献数
32

情報処理機器のパーソナル化の流れのなかでオンライン手書き文字認識の高度化を図るには, 現実的な字体変形が加わった筆跡パターンを一人一人につき相当量収集しておく必要がある. このことを念頭に, 文章形式, 字体制限なし, などを特徴とするオンライン手書き文字パターンデータベースを作成した. 筆跡パターン採集の対象とする文章は新聞から抜き出し,頻出の 1227 字種を含む JIS 第一水準 1537 字種が出現する文章列を約1万文字で構成した. 残りの JIS 第一水準文字は最後に文字単位で書いてもらう. この対象こ対し, 当研究室で 30 人分の筆跡パターンを採集した. また, 共同利用を前提に5人分の提供をメーカ等に呼びかけ, 9社の参加を得た. そして, 我々はさらに5人分追加した. 現在, 提供分のパターンを検査し, 誤字脱字の書き直しを依頼中である.
著者
風間 信也 加藤 直樹 中川 正樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.1457-1468, 1994-07-15
被引用文献数
4

本論文は、新しい入カインタフェースであるペンと表示一体型タブレットを採用し、ユーザの発想支援を目標に、これまでの計算機を用いた作図手法とは異なり、従来の紙上での作図に近い直感的な作図操作を行える環境について、またその評価のための予備実験の結果について述べる。われわれは、ペン入力の良さは特に次の点にあると考える。(1)ペンの操作に意識を払う必要がない分、思考に集中できる。(2)図や文章を書くときにペンを持ち替えなくても済み、思考の継続を妨害しない。以上のことから、特別な訓練や意識を払う必要がなく、従来から人間が慣れ親しんだ紙上での作図を計算機支援する可能性を実験することにした。本システムでは次の作図環境を提供する。(1)下書き用の画面に対しフリーハンドで書きたいものを自由に書く。(2)下書き用の画面の上に清書用の画面を仮想的に重ね、整形したい対象に対して文房具メタファという仮想的な文房具を用いて整形を行う。これにより、手本の清書になりがちだった従来の計算織上での作図操作に比べ、本システムでは発想の段階からユーザを支援できる。この手書き作図システムをユーザに使用してもらい、その使い勝手について調査した。そして、その結果から、文房具メタファを用いた手書き作図システムの有効性と問題点を考察した。
著者
中川 正
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.97-115, 1983-04-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
35

The landscapes of two settlements on the eastern shore of Lake Kasumigaura, Funazu and Tega-Shinden, are markedly different. Funazu is an agglomerated settlement surrounded by paddy fields, whereas Tega-Shinden is a scattered settlement with many ponds for carp-farming as well as paddy fields. Among other things, the difference in religious landscapes is notable. Funazu has facilities and stone momuments pertaining to folk religions, whereas Tega-Shinden has a large Buddhist temple. These differences are probably related to the differences in the Buddhist sect to which each group ascribes. People in Funazu are the followers of Tendaishu (or the Tendai Sect), whereas people in Tega-Shinden are Jodo-Shinshu (or the Jodo-Shin Sect) Buddhists. This study attempts to clarify the characteristics of the two settlements represented by their landscapes and discuss how these differences are related to the denominational difference.The procedure is as follows: First, the origins of the settlements and the changes in house distribution are traced in order to ascertain the background the agglomerated and scattered landscapes (Part 2). Secondly, demographic characteristics are discussed in order to understand the people who have created the landscape (Part 3). Thirdly, the characteristics of economic activities, according to occupational structure and the management of agriculture and fishing will be addressed (Part 4). Fourthly, social organization is described, as it has had a direct influence on the religious landscape (Part 5). Finally, by using the previous findings, an analysis of the data will demonstrate how the characteristics of the settlements reflect the religious factors involved in their formation (Part 6). As a result, the differences in the physical and social characteristics of Funazu and Tega-Shinden, as well as the religious influences on the two settlements, will be evident.Funazu originated in the 17th century, or earlier, and has traditionally had an agglomerated landscape. As the number of households had already reached fifty in the late 17th century, the rate of increase after that was slow. People were relatively conservative in their economic activities and had long maintained an agriculturally-oriented occupational pattern. By the 1960s people began to take on outside jobs other then than agriculture. Nevertheless, the agricultural management centered upon rice production has basically not changed. The Tendaishu temple is not so important to these people because they have some folk-belief organizations which have meetings fairly often. However, their members are limited to housewives or middle-aged men. Thus, these characteristics are influenced by folk beliefs as well as Tendaishu. This is partly due to the fact that Tendaishu incorporates characteristics of folk belief to some extent. Such religious influences in Funazu are fairly weak.The ancestors of the people in Tega-Shinden came from Tonami in Etchu (Toyama Prefecture) at the beginning of the 19th century. It is thought that the scattered landscape in Tega-Shinden was transplanted from Tonami which is famous for its scattered landscape. The people tended to marry young and to have many children. As a result, the population increased rapidly, due in part to their Jodo-Shinshu religion which severly prohibited infanticide. People in Tega-Shinden have worked hard and introduced many new practices and techniques. They have expanded their management of agriculture, fishing, and independent business. There are many reasons for this. Their ancestors had no alternative but to work hard to reclaim wasteland, and many branch families had to find new jobs for their livelihood. Among other things, their hard-working spirit may have been influenced by Jodo-Shinshu's intrinsic charactristics as pointed out by K. Naito, a religious sociologist.
著者
深町 珠由 伊藤 由香 中川 正宣 前川 眞一
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.123-139, 2004 (Released:2004-04-16)
参考文献数
22

従来の相互作用論におけるパーソナリティは質問紙法で測定され,動態的相互作用という時系列変化過程を測定していなかった。本研究は,コンピュータ制御による相手との相互作用過程から動態的個人特性を測定し,従来の質問紙法による静態的指標と比較した。課題では,コンピュータ内の相手が反省エネ行動を繰り返し行う中で,被験者に省エネ行動と相手との友好関係維持という二律背反の目標を与えた。対人協調・非協調行動と対人友好感情評定値の時系列変化を測定し,この2変数相関を個人で求めて動態的個人特性とみなし,得点から高・低群に分類し,各群の代表的時系列特徴を主成分分析で求めた。実験条件には,相手が反省エネ行動を反復することを共通として,相手の攻撃的口調条件と非攻撃的口調条件とを設定した。結果として,対人友好感情評定値の時系列変化が動態的特性の高・低群と各実験条件とで変化傾向が異なり,相手の表面上の口調の影響と,口調と反復される反省エネ行動との一致感の認知の影響を受け,それが時間経過で変化する傾向が示された。動態的指標と静態的指標とを比較したところ,実験条件を通じて一貫した相関は確認されず,動態的指標が質問紙法で測定できない独自の個人特性を表現している点が示された。今後も動態的相互作用に基づく個人特性の測定研究が多くなされる必要がある。