著者
田村 哲樹 千葉 眞 加藤 雅俊 藤田 菜々子 武田 宏子 杉田 敦 森川 輝一 五野井 郁夫 乙部 延剛 齋藤 純一 吉田 徹 中田 瑞穂 山崎 望 高橋 良輔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、資本主義と民主主義は今後も両立可能なのか、もし両立可能だとすればどのような形でなのか、というテーマを探究する。これは大きな問題であり、かつての社会科学あるいは政治学の主題の一つだったが、次第に顧みられなくなった。本研究は、このテーマそのものを今日的状況を踏まえつつ復興するとともに、両立可能性と不可能性のあり得る複数のシナリオを政治理論的に解明する。そして、この作業を通じて、「経験的事象に根差した政治理論」研究の新たなモデルの提示を目指す。
著者
加藤 雅俊
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.2_15-2_36, 2020 (Released:2021-12-15)
参考文献数
53

本稿では、第二次世界大戦後の自由民主主義体制 (本論文では、とくに 「修正資本主義+代議制民主主義、すなわち資本主義社会における政治秩序」 に注目する) の存立構造とその揺らぎを、福祉国家論の観点から分析的に検討する。 福祉国家とは、公共政策を通じて、経済成長を実現し、市民に社会的保護を提供することで、支持調達を確保する政治システムを指す。したがって、福祉国家論の知見を政治学的に再構築することは、第二次世界大戦後の政治秩序が円滑に機能してきた条件・メカニズムを明らかにする上で有益といえる。本稿では、自由民主主義体制が安定した段階を 「ケインズ主義的福祉国家」 として捉え、その諸条件を明らかにし、どのように正統性を確保してきたかを、政治システムのインプット、アウトプット、前提に注目して整理する。その上で、グローバル化とポスト工業化を背景に、福祉国家が 「競争志向の福祉国家」 へと変化していることを指摘し、それに伴い、政治システムの正統性を担保してきた三側面が揺らいでいることを確認する。最後に、新しい時代の政治秩序を構想する上での知見や自由民主主義体制の理論分析への知見など、本論文の理論的含意を検討する。
著者
岡室 博之 港 徹雄 三井 逸友 安田 武彦 高橋 美樹 堀 潔 原田 信行 本庄 裕司 福川 信也 土屋 隆一郎 加藤 雅俊 濱田 康行 村上 義昭 鈴木 正明 柴山 清彦 島田 弘 池内 健太 西村 淳一
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

2007年1月以降の新設法人企業に対して、2008年11月以来4回の継続アンケート調査を実施し、特に研究開発型の新規開業企業の創業者の属性や資金調達・雇用、研究開発への取り組みと技術成果・経営成果等について独自のデータセットを構築した。それに基づいて、新規開業企業の研究開発に対する創業者の人的資本の効果(資金調達、技術連携、イノベーション成果)を計量的に分析した。さらに、政府統計の匿名個票データを入手して自営開業について統計的分析を行い、アンケート調査に基づく分析を補完した。また、知的クラスターに関するアンケート調査と訪問調査を実施し、クラスター政策と新規開業・イノベーションの関連等を考察・分析し、国際比較を交えて関連政策の評価を行った。