著者
中村 政隆 伊藤 元己 川合 慧 佐久間 雅
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

複数の種(taxon)の遺伝子の塩基列もしくはアミノ酸列をデータとして、そこから系統樹(phylogenetic tree)を構築するアルゴリズムは、距離行列法と、与えられたデータのもとでの各二分木のコストを定義してコスト最小の二分木を求める、という2つのタイプに大別できる。距離行列法(Pairwise Distance Method)としては、UPGMA/WPGMA法(実用にはあまり用いられてない)、及び近隣結合法(Neighbour Joining Method, NJ法)などが知られている。それに対して、初期解から局所探索、つまり受刑探索を繰り返して最適器を求めるときの目的関数の取り方として、最小二乗法、最小進化法、最大節約法(Parsimony)、最尤法(Maximum Likelihood Method)などが知られている。一般に組み合わせ最適化の理論では、これらの樹形探索のような局所探索を繰り返すときには、適当なメタヒューリスティックアルゴリズムを使うとより効率的なアルゴリズムが得られることが知られている。実際には、組み合わせ最適化の分野でメタヒューリスティックアルゴリズムの名の下に以下の3つが知られている(1)遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)(2)タブー探索(Tabu Search)(3)進化的アルゴリズムこれらの戦略を系統樹アルゴリズムの樹形探索の部分に適用し、シミュレーションを繰り返してみた結果、タブー探索がもっとも効果的であるという知見を得た。
著者
伊藤 元己
出版者
Japanese Society for Plant Systematics
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1-3, pp.82-96, 1986-09-30 (Released:2017-09-25)

ハス属はアジア産のハスと北アメリカ産のキバナバスの2種から成っている。本属は、広義のスイレン科に含めて分類されてきたが、近年では以下にあげる形質が他のスイレン科の植物と異なるために単系のハス科として独立させる研究者が多くなっている。1)種子に胚珠および周乳を持たない。2)実生の第一葉が針状葉にならず明らかな葉身を持つ。3)三孔乳の花粉を持つ。本研究ではハス属とスイレン科の他の属との系統関係を明らかにし、これらの植物群のより自然な分類体系を確立することを目的としてハスの花の内部形態の観察を行なった。ハスの維管束は茎、葉柄、花柄などでは1つの同心円状に配列しておらず、しばしば不斉中心柱と記載される。しかしながら、花柄において詳しく観察を行ってみるとこれらの維管束はある一定の配列をしていることがわかる。(Fig. 1参照)。これらの維管束の中で、中心部に位置する6〜10この維管束は同心円上に配列しており花床においては典型的な真性中心柱を形成することになる。また、他の維管束は花床の下部において配列、形態が変化し皮層走条となる。花柄では個々の維管束は木部に1〜3個の直径の大きな仮道管を持つ。しかしながら、これらの仮道管は花床にはいるに従って、より直径の小さな仮導管に置きかわる。(Fig. 2)。花の維管束走向は2つの系からなる。1つは中心部に同心円上に配列する中心維管束系(central vascular system)であり、他方は皮層維管束系(cortical vascular system)である。これらの2つの維管束系は互いに独立している。各々のがく片、花弁には中心維管束系から一本、皮層維管束系から数本の維管束が供給される。雄ずい、子房へは中心維管束系のみから供給される(Fig. 6)。ハスとスイレン科の各属の花の内部形態を比較すると以下の点で異なっている。1)花柄の維管束はスイレン科の植物が持つ原生木部間隙を持たず、かわりに直径の大きな仮道管がある。2)スイレン科でみられる花床の維管束複合体(receptacular plexus)がない。3)皮膚走条がある。これらの点と始めにあげた差異を考慮すると、ハス属はスイレン科から独立させ、ハス科とするのが適当と考えられる。また、皮膚走条がある点、雄ずいへの維管束の入り方などの点ではモクレン科と共通したところがみられるので、ハス科の系統関係についてはこれからの植物群を含めて更に研究を進めていく必要がある。
著者
神保 宇嗣 吉武 啓 伊藤 元己
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.123-130, 2008

DNAバーコーディングによる同定法では、形態や生態のかわりに、同定したいサンプルのDNAバーコードと専門家が同定した証拠標本のそれとを比較し、最も類似するバーコードを持つ種を同定結果とする。この手法には、網羅的なバーコードデータベースとオンライン検索システムから構成される同定支援システムが必要であり、Barcode of LifeプロジェクトではこれらはBarcode of Life Data Systemsとしてオンライン公開されている。我が国ではこの手法に対する関心はまだ高くなく、研究基盤を確立するには研究者や利用者側からの活動の集約が不可欠である。そこで著者らはDNAバーコードに関する活動拠点として「日本バーコードオブライフ・イニシアティブ(JBOLI)」を昨年設立した。この組織は、本手法に関する啓蒙普及と活動支援を目的して、国内向けに情報発信・関連組織との調整・データベース整備・同定支援システム作成を行っている。DNAバーコーディングに基づく同定には明白な限界も存在するので、より正確な同定には各生物種の様々な情報も活用する必要がある。現在、世界的な種情報データベースプロジェクトが立ち上げられている。種情報の集積が進めば、DNAバーコードによる同定支援システムで候補種を絞り込み、その結果をもとに種情報データベースを検索することで、種情報への容易なアクセスと正確な同定が可能になる。
著者
大澤 剛士 細矢 剛 伊藤 元己 神保 宇嗣 山野 博哉
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.215-220, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

要旨: 2013 年、生物多様性情報学の世界的な現状と課題をまとめた地球規模生物多様性情報概況(Global Biodiversity Informatics Outlook: GBIO)が公開された。これは地球規模生物多様性概況(Global Biodiversity Outlook: GBO)の生物多様性情報分野版に相当するもので、生物多様性情報学という分野の趨勢を確認し、今後を見据える重要文書である。筆者らGBIF 日本ノードJBIF では、本文書を意訳し、オープンデータライセンス(CC-BY)で公開した。さらに文書の公開に併せて公開ワークショップを実施し、国際的な状況と日本の現況について議論を行った。その結果、生物多様性情報の分野において、国際的な課題と日本の課題の間にはギャップがあることが見えてきた。本稿は、GBIO 翻訳版の公開に併せ、2014 年12 月15 日に開催された第9 回GBIF ワークショップ「21 世紀の生物多様性研究ワークショップ(2014年)「日本と世界の生物多様性情報学の現状と展望」」における議論をもとに、日本における生物多様性情報の現状と課題について論じる。
著者
斎藤 成也 伊藤 元己 田村 浩一郎 今西 規
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的は,遺伝子系統樹と種系統樹のデータベースを試作することである。3年のあいだに,以下のものについて,すべての系統樹の図の入力を行った。斎藤が担当したのはMolecular Phylogenetics and Evolutionは1992年(第1巻)〜1997年(第8巻),Molecu1cu Biology and Evolutionは1983年(第1巻)〜1998年(第15巻),Journa1 of Molecular Evolutionは1993年(第36巻)〜1998年(第46巻),田村が担当したのは遺伝学雑誌/Genes and Genetic Systemsが1981年(第56巻)〜1997年(第72巻),Geneticsが1980年(第95巻)〜1997年(第146巻),Zoological Scienceが1984年(第1巻)〜1997年(第14巻),今西が担当したのはNatreが1991年(第349巻)〜1995年(第376巻),Scienceが1991年(第254巻)〜1995年(第267巻),PNASが1991年(第88巻)〜1995年(第92巻),伊藤が担当したしたのはAmerican Journal of Botanyが1988年(第75巻)〜1997年(第84巻),Evolutionが1990年(第44巻)〜19956年(第50巻),Systematic Botanyが1990年(第15巻)〜1995年(第20巻)である。この系統樹データベース"Jung1e"は斎藤が本科研費で購入したワークステーションに移して集中管理しており,WWWですでに公開している(URL=http://smi1er.1ab.nig.ac.jp/jung1e/ungle.htme)。著者名,諭文名,図の題名などのテキストを検索する子システムを現在準備中である。CDROMでも配布する予定である。
著者
植田 邦彦 綿野 泰行 伊藤 元己 長谷部 光泰 藤井 紀行 朝川 毅守
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

前々・前年度収集した植物資料の集団遺伝学的・分子系統学的解析を進めた。本年度の現地調査は次のように計画され,実行された。前年度の結果よりグンネラ属等がアンデス沿いに分化していった過程の解析に最適であることが判明したので,さらに詳細に資料収集を行った。また,同様にグンネラほど集団密度が高くないにしろ分布範囲が広く,解析に適した,ユキノシタ属の1種,カタバミ属の1種,フウロ属の1種等も重点対象種とした。すなわち結果として,チリ,ボリビア,エクアドル,アルゼンチン,そして同種が著しい隔離分布を示しているとされるニュージーランドとタスマニア(オーストラリア)において,さまざまな地域より集団サンプリングを行った。グンネラにおいては1集団より30個体以上からのサンプリングを基本として合計50集団以上から資料を収集することが出来,他の種類については可能な限り多数の個体と集団よりサンプリングを試みた。いずれの地域も交通手段はレンタカーしか無いために多人数での調査は困難なため,調査班を3班に分け,さらに南米域の植物に詳しい者と植物採集に長けた者との2名を研究協力者として参加を要請し,調査班を構成した。本年度収集品は前々・前年度の収集品と合わせ,集団遺伝学的・分子系統学的解析を行っているところである。
著者
上原 浩一 伊藤 元己 渡辺 洋一
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究はアザミ属植物について次世代型DNAシークエンサーを用いた遺伝解析と形態形質の計測をおこない、現在適用されている分類の妥当性を検討した。アザミ属の系統は、葉緑体ゲノムのシークエンス等を進めた結果、従来の節・亜節の区分とは一致せず、日本産のアザミ属は北海道の系統と、本州以南に分布する系統の2つに大別されることが示された。また、近縁種間で、形態形質を比較解析した結果、種の識別ができない例が見られたほか、カガノアザミ亜節の2倍体種についてRAD-seq法による解析では、集団内の遺伝的変異が大きく、種間変異には有意性が認められなかった。この結果からアザミ属全体の分類の再検討が必要と考えられた。
著者
伊藤 元己
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

花の形態形成遺伝子を解析した成果として、ABCモデルと呼ばれる花の形態形成モデルが提唱され、広く受け入れられている。その後の研究で、特殊な花の形態をしているイネ科の植物にもABCモデルが成り立つことが示され、今では、ほとんどの被子植物にほぼ当てはめることができると言われている。ドクダミの花は3本の雄しべと3枚の合成心皮からなり花被をもたない。しかし、総苞片と呼ばれる花序の基部に白く大きな花弁状の形態をもつ器官がある。これは、花序の最下部につく苞葉が変化したものといわれている。今回、特にこの総苞片の形態形成にABCモデルで示されるような花弁形成のメカニズムが関与しているのか、それとも独自の進化の過程で獲得した異なるメカニズムで形態形成がなされているのかを調べることに焦点を当てた。そこで、ドクダミより花器官の形態形成に関与すると思われるMADS-box遺伝子を単離し、遺伝子系統樹を構築し各遺伝子の相同性の検討を行なった。また、定量的RT-PCRやin site hybridizationにより各遺伝子の発現を調べた。その結果、ドクダミの総苞片でAP1グループ、PIグループ、AP3グループ、SEPグループに属する遺伝子の発現が確認された。これらの遺伝子発現の組み合わせは、シロイヌナズナにおいて花弁の器官決定を行なうのに必要十分なものであることが明らかになっている。ドクダミの花弁状の器官でこれと同様の発現様式を示したことは、形態学上、花弁とは異なる総苞片の形態形成において、花弁形成同様のメカニズムが働いている可能性を示唆するものである。
著者
小野 幹雄 伊藤 元己
出版者
東京都立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

小笠原諸島には多くの固有植物が産するが、このほかに他の地域の植物と形態的分化があまりおきておらず、広域分布種とされている植物も産する。本研究はこれまで蓄積した小笠原産固有種とその近縁種との遺伝的差異にくらべ、同諸島に産する広域分布種の小笠原と他の地域の集団間の遺伝的差異がどうであるかを明らかにする目的で行なわれた。小笠原諸島に分布する広域分布種としてテイカカズラとウラジロエノキを選び、テイカカズラは沖縄の石垣島と本州の知多半島の2集団、ウラジロエノキは石垣島の1集団をサンプリングし、小笠原諸島の集団との遺伝的差異を調査した、遺伝的差異は酵素多型分析によりNeiの遺伝的同一度を計算することにより比較を行なった。テイカカズラでは8酵素14遺伝子座について解析し小笠原集団と他の集団の遺伝的同一度の平均は0.786であった。ウラジロエノキについては8酵素15遺伝子座について解析を行ない集団間の遺伝的同一度として0.732の値を得た。これまでの小笠原の固有種と周りの地域の近縁種間の遺伝的同一度はアゼトウナ属で0.533、トベラ属で0.647、ハイノキ属で0.538であったが、今回の研究で得られた2種の広分布域種の値はこれらの固有種と比べて高い値を示した。これは今回調べた2種の広分布域種が小笠原諸島に進入した時期が固有種になった植物の祖先に比べて遅いか、あるいは両集団間になんらかの遺伝的な交流があるかどちらかである。いずれにせよ、形態的な分化の低さは遺伝的にも分化が進んでいないことを示している。
著者
武田 英明 南 佳孝 加藤 文彦 大向 一輝 新井 紀子 神保 宇嗣 伊藤 元己 小林 悟志 川本 祥子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本発表では筆者らが現在進めている生物種に関連するデータをLinked OpenData化する試みについて紹介する。生物種の情報は生物多様性問題や環境問題において重要であるが、様々な分野に関わるため、相互にうまくリンクする仕組みが必要である。このためにはLinked OpenDataの方法が有効と考えて現在基盤システムを構築している。この構築にあっての課題や現状について説明を行う。
著者
伊藤 元己
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.253-258, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
伊藤 元己
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.94-102, 1984-05-29

スイレン科の植物と単子葉植物との関係についてはよく議論される.一般的には双子葉植物として分類されているが双子葉植物と単子葉植物を結ぶ位置にあるという意見や単子葉植物に入れるべきだという意見も出されている.これはスイレン科の植物が単子葉植物的な特長をいくつか持つとされるからである.単子葉植物的な特徴のなかで胚と実生については以前(分類地理33巻143-148)詳しくは議論したのでそちらを参照にしていただきたい.スイレン属では花の維管束走向は複雑で今までの研究では十分にその基本的構造が理解されたとはいいがたい状況である.今回とりあげた材料のヒツジグサはスイレン属に属する多年生水草で北半球の暖温帯から冷温帯域に広く分布する種である.この種はスイレン属のなかでは小形の植物で花も直径1-2cmで,植物園の温室の水槽によく植えられている熱帯スイレンの仲間の花と比べてはるかに小さい.一般的には花は大きくなるとその中を走る維管束の数は増えそのため維管束走向も複雑になる.(CARLOUIST 1969).それで比較的単純な維管束走向を有するヒツジグサで詳しい観察をおこなった.上記の単子葉植物的特徴のなかで重要な特徴として不斉中心柱的な維管束配列をとりあげて単子葉植物との類縁関係について議論されることが多い.しかしながらスイレン属におけるWEIDLICHによる茎の維管束の観察や前回報告した花の維管束の形態の詳しい観察によると一見,不斉中心柱的と思われるのはスイレン属において維管束が特殊化しているために起因していると思われる.すなわち,維管束が原形成層から分化するとき木部柔組織により分断されサテライト管束と呼ばれる維管束が原生木部から分離された形で形成されるためである. 前回の報告ではこの一本の原生木部から分化する維管束複合体,すなわち1-6個のサテライト管束と原生木部が一般の被子植物と一本の維管束と相同であると結論した.このような特殊な維管束を持つために成熟時の花での観察だけでは維管束系の基本構造は複雑すぎてよくわからない.特にスイレン属では花床下部にreceptacular plexusと呼ばれる維管束が複雑にからみあった構造が存在する.このreceptacular plexusはスイレン亜科の他の属-コウホネ属,オニバス属,オオオニバス属,バルクラヤ属(現在はHydrostemmaという属名が使われる.)なおにもみられる.しかしながらこのような特徴にはジュンサイ亜科のジュンサイ属やフサジュンサイ層ではみられない.またスイレン科に近縁であると推測されるハス科においてもこのような構造はみられない.そこでスイレン科の系統を考える上でもこのreceptacular plexusの構造の理解が重要であると思われる.そこで成熟花の観察に加え維管束系の形成過程を追跡することにより花の基本構造の解明を試みた.花柄からあがってきた維管束はreceptacular plexusと呼ばれる構造を形成する.このplexusからガクへの維管束および花弁とおずいへ維管束を出す子房壁管束が出される.成熟時の花ではこのreeptacular plexusは複雑で構造がよく認識できない.しかし花芽の形成時からの分化過程の追跡によりplexusはgridling bundleと呼ばれるリング状の維管束とこの維管束から内側に向かって分枝される不規則な維管束から形成されていることが明らかになった.花弁,雄ずいへの維管束は子房壁管束から分枝されるがこのときには明確なギャップは形成されない.すなわち基本的にはopen vascular systemで形成されている