著者
西牟田 輝満 錦戸 亮二 村山 伸樹 伊藤 眞一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.93, no.449, pp.17-24, 1994-01-28

神経の興奮を調べる一般的な方法として微小電極法が用いられているが、この方法では脳神経回網全体のダイナミックな挙動を解析するのは困難である。近年、興奮のダイナミックな流れをつかむ方法の一つとして光学的測定法が注目されている。そこで本研究では、25チャンネルフォトダイオードアレーを用いた多点光学測定システムを試作した。またシステムの有効性を検証するために、ラット大脳波質体性感覚野にこのシステムを適用し、体部位再現を行った。
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.15-39, 2017-02

店舗数でカフェ・チェーントップのスターバックスの設立から2015年の資本構成変更とその理由および2014年3月期までの損益を概観したうえで, 同じシアトル出自のタリーズコーヒーおよび日本出自で店舗数が一番多いドトールコーヒーグループとの損益比較(2014年3月期の決算数値)ならびに1店当たり損益の比較を行う。競争が激しい環境のカフェ業界において, 3社とも売上および営業利益は増加している。その中でもスターバックスは絶対額ではもちろん増加率でもトップで, 2015年3月期(推定値)の売上高は前期比1.094倍, 営業利益は同1.224倍となっており, タリーズおよびドトールを凌駕している。カフェ・チェーンの競争相手として登場した100円のセブンカフェは5度目の挑戦であり取引関係者も含めた開発チームを組織し, すべてにわたりベストを目指した。2013年1月から2016年2月までに累計20億杯を達成し大成功した。それにもかかわらず, セブンカフェはカフェ・チェーンおよび缶・ペットボトルの売上にほとんど影響を与えず, 新規顧客層を創造した。主要なカフェ・チェーンの深煎りの濃いコーヒーを否定, 農場まで行って良質なコーヒー豆を探し出し, その豆にあった焙煎と一杯一杯抽出を行うサードウェーブ, そしてコーヒーに魅入られ, 東京, オスロおよびパリで各々探求され花開いたコーヒー豆の魅力を最大限引き出す個性的なカフェを概観する。また, カフェ・チェーンに対するアンチ・テーゼとして生まれた宇田川カフェグループを概観する。さらに, コンセプトカフェとして, メイドカフェを筆頭とするさまざまなカフェを概観する。起業家であるカフェ・オーナーは根源的無知に基づく新たなカフェという仮説を市場に提示し, 市場の消費者による検証を受けている。果たして如何なるカフェが生き残るのか。Overviewing history from the establishment of Starbucks Japan as the top of cafe chain in the number of shops, and the change in capital structure in 2015 and the reason, then the profit and loss for 5 fiscal years ended March 2014. We compare the profit and loss, and profit and loss per shop, for fiscal years ended March 2014 of Starbucks, with Tully's coffee in Seattle origin and Doutor Coffee Group in Japan origin. In the competitive environment cafe industry, both sales and operating profit increased in all three companies. Among them, Starbucks is top in the amount as well as the rate of increase, the sales (estimate) for the fiscal year ending March 2015 is 1.094 times of the previous fiscal year and the operating profit is 1.224 times, surpassing Tully's and Doutor.The 100 yen Seven Cafe, which appeared as a competitor of the cafe chain, was the 5th challenge and the development team including related business staffs was organized and aimed at the best all over. From January 2013 until February 2016 cumulative 2 billion cups were achieved and it was a great success. Nevertheless, Seven Cafe created a new customer base with little impact on sales of cafe chain, cans and PET bottles of beverages.Overviewing 3rd wave coffee (Blue Bottle Coffee), based on denial of deep roasted coffee in the major cafe chain, going to the farm, finding good quality coffee beans and roasting such beans that match the bean and attracting cup by cup, and the unique cafes that maximizes the charm of coffee beans, whose owner were fascinated by coffee and seeking all the aspect and process, and blooming (Café Bach) in Tokyo, (FUGLEN) in Oslo and (La Caféothèque) in Paris.Overviewing Udagawa Cafe group born as an anti-thesis against cafe chain. Furthermore, as a concept cafe, we survey various cafes to begin with maid cafes. Cafe-owner as an entrepreneur, presents the hypothesis of a new cafe based on radical ignorance to the market and is subject to verification by market consumers. Which cafe will survive?論文
著者
竹内 敬人 伊藤 眞人 伊藤 眞人
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.554-558, 2002
参考文献数
10

この短いインタビューは, 国際純正および応用化学連合(IUPAC)の化学教育委員会(CCE)が刊行している電子雑誌Chemical Education International (URL=http : //www.iupac.org/publications/cei/)に毎号掲載されている竹内敬人博士によるノーベル化学賞受賞者へのインタビューの一つとして行われたものである。CEIに掲載されるインタビューは, 主としてこれから進路を決めようという高校生, 大学初年級の学生を対象と考えている。CEIの読者の多くは高校教員あるいは大学初年度の講義を担当する大学教員であると予想されるので, このインタビューは, それらの教員を通じて, 高校生や大学初年級の学生に浸透していくことが期待される。この企画の趣旨に賛同され, ご多忙の中をインタビューに応じて下さった白川英樹博士に心から感謝する。
著者
高木 隆一 船津 惇司 伊藤 眞義
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.460-466, 2008-11-15 (Released:2010-03-25)
参考文献数
16
被引用文献数
2 9

ESR measurements under tensile deformation of vulcanized rubber were carried out by the combination of homebuilt stretching machine with commercially available ESR spectrometer. The changes of radical concentrations during tensile deformation were successfully evaluated by this technique. It was found that the destruction and re-construction of crosslinking structure developed in the samples were well correlated with the changes of radical concentrations during tensile deformation. That is, the broken crosslinking structure by stretching was partly recovered in the sample crosslinked by sulfur. On the other hand, such behavior was minor in the sample crosslinked by peroxide.
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.27-56, 2013-10

論文住宅ローンのプールを信託に出し, 信託受益権としたうえで, 優先劣後化を行う。このうち優先受益権は譲渡し, 劣後受益権はオリジネーター(債権の譲渡人)が自己保有する。残存部分として処理されるこの劣後受益権に取得差額が生じた場合, 金融機関は償却原価法を適用する。劣後受益権は取得価額(帳簿価額)が元本金額を上回る場合, 収益配当金として入金したキャッシュフロー(元本については, 優先受益権がすべて回収した後に回収する)を利息部分と元本の回収部分に分けて処理する。これに対し, わが国の税務当局は, この処理を否認し, 入金額をすべて益金計上するものとした。会社は, 不服申し立てをしたが, 認められないため, 裁判を起こした。しかし, 東京地方裁判所(以下「東京地裁」という)において, 予約差額の期間配分は認められず, 敗訴した。会社(原告)は東京高等裁判に控訴し審理中である。会計基準および実務指針ならびにこれらの基礎となった米国基準に即して会計処理(償却原価法を含む)を検討すると, 会社の処理が妥当であると解される。次に, 債権の証券化(優先劣後化を含む)による影響を具体的な数値例を用いた簡潔なモデルで分析すると, 市場金利が下がった場合の優先劣後化に伴う劣後受益権への影響は, 債権プールの加重平均利率が優先受益権の市場利率を上回る場合, その元本額にその金利差を乗じて算出した金額の現在価値(金利のみのストリップ債権と同じ性質のもの)が劣後受益権の現在価値の一部となり, 残存部分である劣後受益権の取得原価を構成することが明らかとなった。当該取得原価は, 劣後持分権の元本を超過するから, 償却原価法を適用し, 利息部分と元本の回収部分に分けて処理しなければならないことは明らかである。言い換えれば, この劣後受益権は, 住宅ローン契約に基づき現金を支出して取得した債権を信託し優先劣後化後に優先受益権譲渡契約による譲渡後の劣後受益権(残存部分)の確定した契約キャッシュフローの当初認識時の現在価値である取得原価(帳簿価額)と元本額との間に生じた差額である。最後に, 東京地裁の判決内容を検討するが, 上記検討結果から見れば, 判決が採用した被告である税務当局の主張は自らに都合のよい主張を述べているだけであって説得力ある論拠はない。したがって, 判決は不当なものであると解される。
著者
伊藤 眞義
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.48-56, 2014 (Released:2014-04-19)
参考文献数
27
被引用文献数
1

This paper is concerned with the discussion on the characterization of carbon-gel developed in the carbon black filled rubber systems. A limit of NMR method for the characterization was also discussed. There exists less mobile rubber molecules and highly mobile ones in the carbon-gel. The less mobile rubber molecules cannot be removed by the good solvent for rubber and they contribute to the reinforcement. The highly mobile ones can be extracted by the good solvent depending on molecular weight of rubber and conditions for the extraction. Therefore, the reinforcement of filled rubber systems cannot be simply related with the content of carbon-gel.
著者
宮崎 恒二 内堀 基光 床呂 郁哉 山下 晋司 清水 展 伊藤 眞 山下 晋司 石川 登 伊藤 眞 清水 展
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、高齢者および退職者の海外への移動の実態を探ると共に、人口移動を、日本を含む地域間および世代間の相互循環および交換という視点から考察する可能性を追求するものである。文献資料調査ならびにマレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、オーストラリアなどにおける、政府ならびに関連機関、長期滞在者ないし移住者である日本人、関連業者に対する面接・聴取調査の結果、5に示す学術成果を公開した。その大要は次の通りである。老後の医療・介護に対する不安から、国際移住は定住よりも長期滞在へとシフトしつつある。他方、メディカル・ツーリズムの拡大を含め、滞在先での医療・介護の可能性も開け、日本で最期を迎えることに拘泥しない考え方も見られるようになっている。海外での長期滞在の選択は、経済的には費用対効果という観点から、より豊かな、あるいはより困難の少ない生活を求めた結果である。他方、壮年時の海外生活ならびに海外旅行経験者の増加は、海外在住をライフスタイルの選択肢の一つと考える傾向が生じていることを示している。海外での長期滞在については、滞在先の政府・業者、日本国内の旅行業者などにより広報されており、「ゆったりとした第二の人生」というイメージを多用している。長期滞在者は、不動産投資を目的とする場合もあるが、多くは日本での多忙な生活との対照を強調し、家族、とりわけ夫婦の間の関係の再構築に言及することが多い。長期滞在の対象国は、家族構成・生活形態等の相違により大きく異なり、フィリピン、タイは単身男性が、バリは単身の女性が、そしてその他の地域では夫婦単位であることが多い。一般に、一部の日本語教育のボランティア活動等を除き、受け入れ社会との接触は最小限にとどまる。本研究により、人と空間の関係が固定的でなくなっており、移動がライフサイクルの一部として組み込まれつつあり、かつ家族の再編を促す兆候が示された。
著者
伊藤 眞 渡邊 欣雄 鄭 大均 高桑 史子 何 彬 綾部 真雄 渡邊 欣雄 鄭 大均 高桑 史子 何 彬 綾部 真雄
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

東アジア各国にも日本の老人クラブに似た組織がある。しかし、高齢者の多くは、そうした組織にあまり依存せず、主体的に人生を享受している。一方日本の老人クラブの活動には、概して受け身的な傾向が認められる。高齢者が多様化する現在、トップダウン型の組織化は不適切である。高齢者を高齢者として枠づけない考え方が重要である。本調査研究は、高齢者に自由な場を提供することこそが組織の持続化につながることを提言する。
著者
伊藤 眞 小野 浩 五十棲 泰人 片野 林太郎 戸崎 充男
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、我々が高気圧制限比例領域において見出した特異的放電モードを利用してガス封入型高性能位置検出器を開発するための基礎研究をおこなった。主たる研究成果は次の通り。(1)制限比例領域における高気圧比例計数管の動作機構及び性能に関して(a)高気圧下制限比例領域での特徴ある検出器応答である特性X線によるHalo(暈)効果を定量的に解明し論文(1)にまとめた。Halo効果は位置分解能を悪化させるが、高気圧下では波高選別によりこのHaloイベントを排除できることを明らかにした。このことは、実用上大きな利点と成り得ることを示した。(b)我々の開発した位置検出器が、荷電粒子加速器を利用した微量元素分析(PIXE)法での高精度エネルギー分析に応用出来ることを示し、論文(2)にまとめた。(c)我々は既に、初期電子雲の構造変化が引金になって特異的放電モード遷移が発生することを見出していたが、異なる計数ガス(^7気圧Ar+30% CH_4)においてもこの現象が存在することを確認した。この結果を論文(3)にまとめた。(d)高エネルギー研放射光施設で10-60keV領域の高エネルギーX線に対する検出器応答を調査し、20keV X線に対して122μm(FWHM)、35keVに対して140μmの良好な位置分解能を得た。この時の結果の一部を論文(4)に示した。(e)本検出器を、本年2月加速器実験に応用した。陽子ビームを標的物質に衝撃させ、放出されるX線を本検出器を組み込んだ結晶分光装置により高精度エネルギー測定に成功し、X線ピーク構造に電子系の多体効果が強く反映していることを見出した。現在精力的に解析を進めていて、早急に論文発表する予定である。(2)今後の問題点:新たに改良した位置検出器、脱酸素、脱水カラムを備えたガス純化装置、計数ガスの種類、混合比を変化させることが出来る高気圧ガス混合回路、空気中酸素のback diffusionを軽減化できる検出器用ガス回路、これらすべてをオイルフリーターボポンプと組み合わせたシステムを完成させている。ガス封じ込め特性調査を行ってきたが、Ar系の計数ガスに対しては、良好な性能を得ている。Xe系のガスについてはまだ改良が必要で、特にガス純化装置の性能を向上させる必要がある。