著者
橋田 朋子 苗村 健 佐藤 隆夫
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.75-84, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
61

即興的な音楽表現システムは,音楽の新しい楽しみ方や体験を提供する効果的なメディアとして,近年非常に注目されている.この中でも,ユーザが自由に創意を発揮する事と,即興的音楽表現に必要な技法に気が付いたり練習する事を,違和感なく促すシステムに,筆者らは特に興味を持っている.本論文ではまず,数多く提案されている即興的な音楽表現システムの中で,技法習得を伴う創意発揮を実現するシステムの位置づけを歴史・エンタテインメント・教育の観点から行う.さらに該当する事例の比較検討を通じ,創意や表現の楽しさを損なう事なく,技法の自発的な練習を促すための効果的な支援・デザイン手法について明らかにし,今後の動向を展望する.
著者
山本 景子 金谷 一朗 佐藤 宏介
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.102-112, 2008 (Released:2008-10-08)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

本論文は,工業デザイン支援システムのための三次元形状操作インタフェースに関するものである.従来のコンピュータ支援設計(CAD: Computer Aided Design) システムは,操作が複雑かつ非直観的であるため,専門のCAD オペレータを介して形状操作する必要があり,デザイナの造形上の意図を直接表現することが困難という問題がある.本論文では,複合現実感技術によるデザイン支援システムのための新たなユーザインタフェースを提案する.本提案インタフェースは,道具を握るときの手のフォームを埋込型センサにより取り込むことによって,実際に道具を持ち替えるのではなく握りを変えることによって道具を持ち替えるのと同様の効果をもたらすものである.著者らは本提案の試作システムを作成し,評価実験により三次元形状デザインシステムの入力インタフェースとしての有効性を確認した.
著者
佐藤 陽悦 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.92-94, 2006-12-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
4

近年, 3次元計測技術の向上により, デジタルアーカイブなどのコンテンツ作りのために, レンジセンサと呼ばれる主にレーザスキャン型の奥行き (デプス) 計測装置を活用した3次元形状モデル (3Dモデル) の獲得技術に関する研究が多数報告されてきている. 一方, CGの製作過程において, 建造物などは, 一般にモデラなどによりプリミティブ等で構築していくことが多い. その際, レンジセンサ計測データなどを元にCGモデルを構築することが有効である. その場合現状のCGコンテンツの制作では, クリエータが形状モデラを利用し, インタラクティブにモデリングを行うことが多い. 本論文では, このような実際的な形状モデリングを支援する技術として, 点群データへのプリミティブ当てはめツールの開発を目的として, 計測データのユーザによる指定領域に適合するプリミティブの最適なパラメタを求めるためのGA (遺伝的アルゴリズム) を用いた手法について基礎的な検討を行った.
著者
岩井 大輔 佐藤 宏介
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.65-75, 2007 (Released:2008-07-30)
参考文献数
16

本論文では,熱情報の入力をVR 空間と物理空間との間を繋ぐチャネルとして利用した画像創作支援システムを提案する.筆者らはこれまで,赤外線カメラから入力されるスクリーン上の温度変化を絵道具の接触判定に利用して描画作業を支援するシステムを構築してきた.本論文では,このシステムを発展させ,赤外線カメラより取得される熱情報を積極的に利用して,心理マッピングモデルに基づいたユーザの持つ熱感覚を利用した画像創作支援を行う.熱印象を介して彩度・色相といった画像パラメータを直観的に操作するThermoRetouch と,熱現象を介して3 次元形状モデルの塑性パラメータを操作し形状を変形させるThermoModeler を提案する.これらのシステムでは,自らの熱感覚が画像に反映されるため,直観的で発想を重視するような画像創作が可能となる.
著者
西川 智子 佐藤 甲癸
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.18-22, 2006-03-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
11

ホログラムの立体像は大変リアルであるために虚像の三次元空間に様々なイメージをふくらませることができる。本論文の主題は私たちの存在の意味をホログラムを用いて表現することです。なぜなら現実の存在をホログラムの虚像を用いて表現できると考えたからです。私たちは、パルスレーザを用いて作製した一連のホログラム作品 “石の思い出” を用いて幸福、輝き、平穏など人の一生を表現することができ、その有効性を明らかにできました。そこで “砂漠の薔薇” と呼ばれる石は我々の存在そのものを意味していています。
著者
白井 暁彦 長谷川 晶一 小池 康晴 佐藤 誠
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.117-124, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

我々は「タンジブル・プレイルーム」の実証コンテンツとしてインタラクティブ作品「ペンギンホッケー」を開発した.このシステムは,プロジェクタを用いた接触可能な映像空間,大空間が扱えるフォースフィードバックディスプレイを持った通常の何もない子供部屋である.子供たちはコンピュータによって生成されたオブジェクトだけでなく,友達や実空間の物体とともにインタラクションすることができる.ペンギンホッケーは,人工知能ペンギンと遊ぶ,シンプルな3次元ホッケーゲームである.プレイヤはコンピュータで生成されたオブジェクトと,友人といっしょにインタラクションを楽しめる.このコンテンツは小学校程度の低年齢層の子供に体験者層を設定している.このシステムは複合現実感のアプリケーションの1つとしてだけではなく,自然な生活空間への触知の実装でもある.
著者
菊地 貴行 小柳 剛 佐藤 美恵 春日 正男
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.132-133, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
4

近年のセキュリティ問題において,顔画像を用いた個人認証に関する研究は盛んに行われている.それらの研究において用いられる画像のほとんどは正面顔や横顔であるが,カメラに対する顔の向きが処理結果の精度に大きく影響するため,正面顔を正確かつ自動的に検出することは重要な課題となる.そこで本論文では,正面顔の自動検出に有効な顔の特徴量についての検討を目的とし,カメラに対する顔の角度が既知な画像の分析を行う.入力画像として,人物の正面方向と横方向に配置した2 台のカメラから撮影した複数枚の画像を用い,それらの画像に対し、独自に定義した特徴量を計算し,顔の水平方向および垂直方向に対する正面顔検出への有効性を示す.
著者
寺沢 幹雄 小高 金次 佐藤 創 和田 重久 外山 武徳
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.54-63, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
19

本論文では,実時間視点モーフィングを用いたWeb用立体表示であるWeb2.5Dを実現するための実証実験的電子商品カタログシステム実現手法を述べ,データ自動生成法を提案する.実時間視点モーフィングは未校正カメラで撮影された2視点画像から2次元処理により中間視点画像を実時間で生成する手法であり,本システムでは複数画像に対応することで対象物体の全周表示を可能とした.自動抽出した特徴点に対して,データ作成者が入力した8組以上の対応点から得られるエピポーラ制約に基づいて面情報が自動生成される.オクルージョンにより対応点の自動決定が困難な場合には,レイヤ構造をサポートした専用エディタで修正する.本手法はバナー広告や画面背景にも適用できるため,通信販売,製品説明,電子会議など多くの応用に有効である.静止画像以外の転送データ量は数十キロバイト程度であるため,電話帯域のインターネットでも実用的に利用できる.
著者
佐藤 喜和 中下 留美子 坪田 敏男 中島 亜美
出版者
日本クマネットワーク
巻号頁・発行日
pp.4-13, 2014-03

「ツキノワグマおよびヒグマの分布域拡縮の現況把握と軋轢防止および危機個体群回復のための支援事業」報告書 (日本クマネットワーク編)
著者
中野 雅史 佐藤 整尚 高橋 明彦 高橋 聡一郎
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.2-30, 2017-01-01 (Released:2022-01-25)
参考文献数
32

本稿では,粒子フィルタを活用したポートフォリオ構築の新しい手法を提案する.特に,モンテカルロ・フィルタに基づく資産の期待リターンとボラティリティの推定により,平均分散ポートフォリオのパフォーマンスが飛躍的に向上することを示す. 我々は,状態空間モデルの枠組みにおいて,非対称性を持つボラティリティに加え,期待リターンに関する状態変数も確率過程として取り込むことにより,ボラティリティの時間変化と整合的なリターンを予測する.その結果,一般的な移動平均・分散に基づく平均分散ポートフォリオのみならず,等ウェイト(Equal Weight),最小分散,リスクパリティ(Risk Parity)などのリターン予測に依拠しない手法を凌駕する運用成果が実現可能なことを明らかにする. また,投資対象としては,国内外の株式・債券に加えリート(REIT)を組み入れ,空売り禁止条項や取引費用,投資比率制約も考慮することで,より現実的な国際分散投資を考察する.さらに,ポートフォリオのパフォーマンス指標として,複利リターンやシャープ・レシオに加え,実務的には重要な指標であるソルティノ・レシオや最大ドローダウンも採用し,多角的に評価することにより,我々の提案する手法の有効性及び頑健性を確認する.
著者
佐藤 薫
出版者
関西法政治学研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:24330795)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.45-63, 1995-10-16 (Released:2018-01-10)

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