著者
前田 幸男
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社会科学研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.67-83, 2007

1994年の選挙制度改革は,衆議院の選挙制度として小選挙区比例代表並立制を導入することで,従来の中選挙区制下の候補者・利益誘導中心の選挙とは異なる政党・政策中心の選挙を実現することを目的とした.しかし,衆議院の選挙制度は総体として存在する複数の選挙制度の一部に過ぎない.衆議院議員・党中央組織が,地方議員・党地方組織と密接な関係を持っている以上,衆議院の選挙制度を変更した効果が地方レベルで相殺される可能性が存在する.本稿の目的は,予期される選挙制度改革の影響が有権者の態度において確認できるか,さらには,その影響が地方レベルの選挙制度により相殺されているかを,検討することにある.具体的には,JES IIのデータに地方選挙のデータを結合し,衆議院選挙における判断基準としての政党志向と候補者志向が,如何に都道府県議会選挙区定数の影響を受けているかを分析する.
著者
前田 幸男
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_12-1_36, 2014 (Released:2017-07-01)
参考文献数
35

Who claims to know “the will of the people” and what are those claims based on? Invocations of “the will of the people” play a much larger role in contemporary public discourses in Japan than in the preceding decades. In this paper, rather than trying to define the popular will in the abstract, the author compiles and examines newspaper articles dating from the Meiji period to the present day with “the will of the people” in their headlines. This historical survey reveals that the contexts in which “the will of the people” is discussed has changed and diversified over time. While the popular will is mostly evoked during national elections, an increasing number of news items refer to public opinion polling and local referendums as important vehicles through which “the will of the people” is expressed. The emergence of these new contexts has changed the power balance between politicians, journalists, and ordinary people regarding who has the authority to present their interpretations of the public's aspirations.
著者
福元 健太郎 前田 幸男 飯田 健 大村 華子 籠谷 公司
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、国内外の政治的・経済的な出来事が内閣支持率に対して複雑な影響を与えることを明らかにした。この影響は、時期によって大きく異なることはなかった。また、韓国と北朝鮮に関する報道がそれらの国々に対する好き嫌いの度合いに影響すること、経済に関する報道が内閣支持率に影響することも明らかとなった。さらには、各個人が内閣を支持する確率は収斂することが明らかとなった。これは、内閣が存続すればするほど、情報が行き渡るためである。
著者
前田 幸男
出版者
木鐸社
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.215-235, 2013
著者
前田 幸男
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.3-25, 2003-03-31

米国において全国規模の選挙調査が稀であった時代には,集計データ分析,あるいは地方小都市調査による投票行動研究が主流であったが,そこでは社会的影響仮説は重要な研究主題の一つであった.しかし,全国規模の調査が選挙研究の主流になる1950年代以降,社会的影響仮説の研究は顧みられなくなる.1960年代以降も幾つかの論文が散在したとは言え,それらはいずれも深刻な方法論的問題を抱えたものであった.1980年代以降社会的影響仮説に対する関心は再び高まったが,そこでは従前の方法論的困難を克服するために,斬新な設計を施した調査がハックフェルトとスプラーグにより行われた.日本の選挙データを用いた社会的影響研究はフラナガンとリチャードソンの研究を嚆矢とするが,彼らは極めて小さな社会的影響しか発見できなかった.これに対して近年のハックフェルトとスプラーグの研究に触発された社会心理学者の研究は別の角度から日本人の投票行動における社会的影響を明らかにした.ただし日本における社会的影響研究は日米の制度的違いを明確に意識して行われていないので,幾つかの点で改善の余地があるように思われる.米国製の理論を日本に応用する際の陥穽が最後に検討される.
著者
林 香里 前田 幸男 丹羽 美之 KALIN Jason JAMES Curran SHARON Coen TORIL Aarlberg SHANTO Iyengar GIANPIETRO Mazzoleni STYLIANOS Papathanassopoulos JUNE-WOONG Rhee HERNANDO Rojas DAVID Rowe RODNEY Tiffen PAUL K. Jones
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、世界11か国の主要ニュース番組や新聞(紙とインターネット)の内容を一斉分析するとともに、同時期に各国民の政治知識、ならびに政治関心や有効感覚をアンケート調査して、双方の連関があるかどうかを検討した。一般的には、公共放送制度のある国のほうが、国民の政治知識(とくに国際的政治ニュースの知識)のスコアも高かった。しかし、日本は、公共放送制度があるとはいえ、とりわけ国際政治ニュースへの知識や関心度も高いとは言えなかった。本研究では、日本のマスメディアの諸問題を、比較研究の手法とともに国際的文脈から批判的に検討することができた。