著者
米岡 裕矢 宮田 なつき 前田 雄介
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.18-00055, (Released:2018-06-08)
参考文献数
16
被引用文献数
1

In this study, we measured and analyzed the degree of posture discomfort with respect to the coordinated range of motion (ROM) of the thumb. For ergonomic assessment of a product CAD model using a digital hand model, such joint properties are necessary to be clarified when estimating possible natural postures to use the product. We concentrated on the thumb, which plays an important part to form various grasps by opposition. To model range of motion considering coordination among joint variables, each subject's hand during a given set of exercises was captured by an optical mocap system. A posture of the carpometacarpal (CM) joint of the thumb was expressed with spherical coordinates to integrate different subjects' ROM easily. The result was shown some characteristics of the thumb such as coordination among joint variables or collision between thumb and other parts of the hand. The posture discomfort data was collected through the experiments for four adults with healthy hand. To control variety of the postures, each subject was asked to reproduce about 45 displayed postures and to answer whether the subject felt discomfort or not in terms of keeping that posture for 10 seconds. The discomfort experiment results were combined into a discomfort possibility map with respect to joint postures. This map can assist product design, for example considering interface layout.
著者
江原 義弘 前田 雄 須田 裕紀 佐藤 未希 郷 貴博
出版者
新潟医療福祉学会
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.61-66, 2021-11-30 (Released:2021-11-30)
参考文献数
13

医療系大学ではほとんどの学生が国家資格を取得することを目標に入学しているので国家資格試験の合格率は最大の関心事である。各学生の国家試験合格確率と学科全体の合格率が1年前から推定できる方法を提案した。これによって昨年と同じ対策で良いのか、それとも対策を変更する必要があるのかを、具体的なデータに基づいて検討することを可能とするためである。定員40名のある学科の1年間の模擬試験の成績と実際の合格・不合格のデータから、ある時期の模擬試験である点数を取った学生のうち何人の学生が合格していたかの合格確率を点数ごとに計算した。この確率と経時変化を折れ線グラフでモデル化した。このモデルを他の年度のデータに適用した。これによって各回の模擬試験の点数から各学生が昨年度と同じ努力をした場合の本番の試験の合格確率が推定できた。合格確率を合算することで学科全体で何人が合格可能かを推定できた。4年間の結果は、予測された合格率を実際の合格率で除した値を的中率とすると、各年度における2か月前の時点での的中率は0.86、1.00、0.99、1.13となった。当初の予想が悪い結果であれば対策を変更し、試験直前の予測が合格率100%となり、試験当日100%合格を実現できるのが理想的なシナリオである。
著者
青山 茉利香 山下 有加 前田 雄岳 小松 玲奈 西 健 安藤 智 大槻 克文
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.463-467, 2020 (Released:2020-12-10)
参考文献数
17

【症例】35歳,1妊0産.タクロリムス投与下に凍結胚移植により妊娠成立.妊娠10週に当院紹介.妊娠中と分娩時に合併症なく,妊娠38週で2,564g,男児を経腟分娩した.産褥3日目,突然の血圧上昇を示した直後,眼球上転,嘔吐を契機に強直間代性痙攣を生じた.チアノーゼ,呼吸停止を認め,気道確保を行い人員を集めた.ジアゼパム投与後に子癇発作,痙攣再発予防の治療を開始し,他疾患の鑑別を行った.脳波検査より,てんかんの診断に至り,抗てんかん薬を導入の上分娩後13日目自宅退院となった.分娩後マタニティブルーや母乳育児支援でフォローをおこなった. 【結論】分娩産褥期に初発の痙攣発作をみた際には迅速な初期対応を可能とする体制整備と産科疾患のみにとらわれない鑑別をおこなうことが重要である.てんかんと診断した場合には治療コンプライアンスを維持する患者教育,母乳育児支援,メンタルヘルスへの配慮が重要なポイントとなる.
著者
前田 雄司 小松 和人 岩佐 陽一 金谷 二郎 高 栄哲 並木 幹夫 三輪 聰太郎 布施 春樹 平野 章治 近藤 宣幸 古賀 実 竹山 政美 松宮 清美
出版者
日本泌尿器科学会 = Japanese Urological Association
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 = Japanese Journal of Urology (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.91, no.10-11, pp.673-678, 2000-01-01

(目的) 精巣微小石灰化 (testicular microlithiasis; TM) は, 精細管内に特徴的な石灰化を認める比較的稀な病態である. 日本人におけるTMの出現頻度や, その臨床的重要性についての報告はほとんどない. 今回, 精巣生検組織および精巣摘出標本をTMについて再評価し, 精巣病理組織標本が得られた集団中での出現頻度について検討した. (対象と方法) 1988年1月から2000年5月までに得られた200症例の精巣病理組織標本 (精巣摘出標本56例, 精巣生検144例) を検討した. (結果) 200例の病理組織中, 7例 (3F5%) にTMを認めた. TMの7例中, 4例は胚細胞腫瘍の症例で, 残りの3例は男性不妊症精査の症例であった. 胚細胞腫瘍41例中, TMは4例 (9.8%) であった. 不妊症精査の122例中3例 (25%) にTMを認めた. 胚細胞腫瘍症例の組織標本には, 胚細胞腫瘍以外の症例の組織標本よりも有意にTMが多かった (p<0.05). (結論) TMは比較的稀な病態であるが, 精巣腫瘍により高率に認められる. TMと精巣腫瘍との関連をさらに検討するためには, 偶発的に発見されたTMに対する経過観察を行い, 症例を蓄積していくことが必要と考えられた. (purpose) Testicular microlithiasis (TM) is a relatively rare condition characterized by calcific concretion within the seminiferous tubules. Little has been reported on the incidence or the clinical implication of TM among Japanese. To address the problem, we evaluated pathologic specimens from biopsies and orchiectomies, of testes with various conditions. (Materials and Methods) Pathologic specimens of the testes of 200 cases, 56 from orchiectomy and 144 from testicular biopsy, were investigated. (Results) The pathological diagnosis of TM was confirmed in seven (3.5%) cases, four of which were associated with germ cell tumors and the other three were obtained from testicular biopsies performed for examination of infertile men. Of the 41 patients with germ cell tumors, four (9.8%) were found to have TM, and another three (2.5%) were identified among 122 patients with infertility. The prevalence of TM is significantly higher in specimen with germ cell tumors than those without germ cell tumors (p<0.05). (Conclusions) Although TM is rarely encountered, this condition is relatively often accompanied by testicular malignancy. Further investigation would be fundamental to ascertain the relationship between TM and testicular malignancy.
著者
東江 由起夫 須田 裕紀 大沼 雅之 前田 雄
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.152-157, 2013-07-01 (Released:2014-07-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

義肢は,切断によって失われた手足の形態または機能を復元する人工の手足であり,人間と生体が融合したマン・マシンシステムの1つである.その接合部のソケットは“義肢の命”として,切断者と義肢のインターフェースをつかさどる.そのためには切断者の断端にソケットが適合し,体重の支持,力の伝達,自己懸垂といったソケットの機能が引き出されていることが必須であり,これこそが義肢装具士がなせる究極の技術である.そこで本稿では,下腿義足の体重支持理論や適合評価方法,不適合時の対処方法等について,最近,筆者らが改めて重要だと考えている項目について説明する.またライナーを併用した義足ソケットについても触れる.
著者
前田 雄二
出版者
日本新聞協会
雑誌
新聞研究 (ISSN:02880652)
巻号頁・発行日
no.130, pp.48-53, 1962-05
著者
前田 雄介 杉内 肇
出版者
横浜国立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

人間はきわめて柔軟で器用なマニピュレーション能力を持っており,環境とのインタラクションを伴う物体操作(グラスプレス・マニピュレーション)においても,環境からの反力を巧みに利用して物体を操ることができる.このような人間の能力は移動知の発現と考えることができる.本研究では,人間の行うグラスプレス・マニピュレーションに着目し,その技能のモデルを求めることを目的としている.今年度は,グラスプレス・マニピュレーションの中でも二指のピボット操作に着目して研究を行った.具体的には,人間の操作の計測結果を参考にして,CPG(Central Pattern Generator)に基づくピボット操作の制御モデルを構築した.この制御モデルは,松岡のニューロンモデルを用いて,手首の運動に関わる3つのニューロンと指の運動に関わる2つのニューロンから構成されている.これを用いてハンドを制御することによって,リズムの引き込みによって物体のピボット操作が実現可能であること,床面の摩擦係数の変化にも適応可能であることを動力学シミュレーションによって確認した.また,人間の手の機能とマニピュレーション技能の理解のために,詳細な筋骨格系モデルに基づく人間の手のモデルを開発した.このモデルは24リンク・31自由度の骨格系モデルと35筋切片・73腱切片から成る筋腱モデルから構成されており,筋力に基づいて指の運動の動力学シミュレーションを行うことが可能であることを確認した.
著者
前田 雄一郎 成田 哲博 甲斐荘 正恒 渡邊 信久
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

蛋白質アクチンは高等生物の細胞に最も多量に含まれ多くの重要な細胞機能を担う。筋細胞中では数珠のように連結した重合体として筋収縮とその調節に関与し、他方一般細胞では他の蛋白質の助けを借りて重合と脱重合を繰り返す循環的分子運動によって細胞を動かす。本研究でははじめてアクチン重合体の原子構造を解明し、またアクチンと他の蛋白質の複合体構造を解明した。それら構造情報を基に機能発現メカニズムの理解を進めた。