著者
増原 善之
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.418-421, 2006-12-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
野中 勉 佐々木 和夫 竹原 善一郎 藤嶋 昭 長 哲郎 杉野目 浩 宇根山 健治
出版者
東京工業大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

次世代の有機電気化学における新しい先端的研究領域の開拓と創造が模索された。前年度における研究成果に基づいて、有機電気化学の新領域は、電極反応の反応場である電極界面に対する新しい概念の構築と展開なしでは開拓できないという基本理念の下で研究が進められた。その結果、電極界面反応場は下記の3つの新しい概念から成り、各々に設計・制御の新しい原理と手法が求められることが検証された。(1)三次元機能修飾電極界面反応場:分子識別機能、選択的吸着・透過・配向機能、不斉機能などをもつ反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて機能発現が実証された。(2)超イオン雰囲気電極界面反応場:溶融塩系、固体電解質系、気相電解系、不均一電解液系、超強酸、超強塩基系、電解発生酸・塩基系、溶解電極系、超疎水性電極系などの反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて反応制御の新しい局面が開かれた。(3)エネルギー照射電極界面反応場:プラズマ系、超音波照射系、光照射系、磁場照射系、超高電位印加系などの反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて化学エネルギーだけでは生起しない新しい電極反応が開発された。以上により、有機電気化学の新しい研究領域は、電極界面反応場の新しい概念と原理・手法に基づく設計と制御によってもたらされる反応の帰納的、能動的かつ合目的的な超精密制御の追究にあると結論される。
著者
木原 善彦
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本年度は主に、現代アメリカ文化における「エイリアン的なもの」を、ポストヒューマンな領域に探求した。近年のアメリカ文化において「エイリアン」は常に巨大科学の暗黒面として現れてきており、外宇宙探査に対応する地球外知的生命体、人体という内宇宙研究に対応するバイオテクノロジカルな異星人などがイメージされてきた。それらは詰まるところ、科学技術の加速や暴走に対する畏れ/恐れを外宇宙に投影したアイコンだった。さらに最近、そうした畏怖の対象となりつつある科学技術がナノテクとサイボーグ技術であり、それらはともに生物と無生物との境界を侵す技術であるため、もはや「エイリアン的なもの」が異星「人」や異星「生物」として現れることはなく、もっと身近なところでの不安に反映される。結局、この「生物と無生物との境界」でのせめぎ合いは、すなわち人間そのものを変える可能性として、「ナノ粒子の環境への影響」、フランシス・フクヤマの言う「人間の終わり」などの議論で脅威として取り上げられる一方で、大衆文化的にはSF映画・小説に頻出するナノマシンやサイボーグという形を取っている。この変化は、リメイクされた映画『宇宙戦争』(1953,2005)やSF映画界での近年の宇宙ものの不振などに典型的に現れている。現在、「エイリアン的なもの」は人体改造や向精神薬、ナノ粒子やコンピュータプログラムのバグなどに存在し、それらは一方で各人の生活様式や文化と密接に結びついているため、エイリアン的畏怖が文化的摩擦と極度に接近しており、また他方では偶然性に結びついているために感情的鈍磨にも一役買っていると言えるだろう。