著者
吉岡 伸也
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

鳥の羽根の構造性発色の物理機構を調べるため、ドバトやクジャクなどの数種類の鳥を対象にして、羽根内部の微細構造の観察と光学特性の評価を行った。特にドバトの首の羽根においては、羽根の構成要素である羽枝や小羽枝の構造とその光学的な特徴を明らかにし、異なるサイズの構造が総合的に生み出す発色機構を解明した。また、反射スペクトルの形状と色覚とが対応することで、独特な視覚効果が得られていることが分った。
著者
吉岡 伸輔
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

慣性センサ(加速度・角速度・地磁気センサを組み合わせたセンサ)を用いた新たな動作計測システムが近年開発され、普及してきている。本システムは広範囲動作計測を可能にする一方、遠心力環境下や地磁気が乱れている環境下では使用できない短所をもつ。スキーは、この様な環境におかれるため、計測できない。そこで、スキーの動作計測が可能な広範囲動作計測システムを構築することを目的として研究を実施した。本研究ではジャイロセンサのみの計測システムを開発し、遠心力や磁場の乱れに影響されないシステムを構築した。本手法はスキーのみならず動作計測の幅を拡げるものであり、スポーツ研究の発展に寄与するものである。
著者
藤田 善也 石毛 勇介 吉岡 伸輔 竹田 正樹
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.13047, (Released:2014-01-23)
参考文献数
10

The purpose of this study was to evaluate the relationships between race performance and cycle characteristics in a 10-km classic-style men's cross-country ski competition. The subjects were competitors in the 89th Japan National Ski Championships. Skiing motions of the subjects on flat stretches (1.5 km and 6.5 km) and uphill slopes (1.7 km and 6.7 km) were videotaped using two high-speed cameras. Cycle characteristics were calculated based on measurement of hip displacement and cycle time. It was revealed that elite competitors (1) performed at high velocity at all measurement points, (2) reduced their velocity in the last half of the race, (3) achieved a high velocity in double poling and diagonal stride, (4) increased their cycle length and cycle rate when employing the double poling technique, and (5) increased their cycle length when employing the diagonal stride technique.
著者
吉岡 伸也
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR COMPARATIVE PHYSIOLOGY AND BIOCHEMISTRY
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.86-95, 2008-08-20
被引用文献数
2

青いモルフォチョウを代表例とする構造色, その輝きは古くから科学者達の注目を集めてきた。光学顕微鏡で詳しい観察がされた時代の後, 20世紀中頃に電子顕微鏡が開発されると構造色研究は大きく進展した。輝きの背後にある緻密な微細構造が次々と明らかにされたのである。その構造には波長サイズの周期性が見られたため, 光の波としての性質である"干渉"が, 波長選択的な反射に寄与していることが確かになった。しかし, 自然界の構造色は, 微細構造だけで語ることはできない。もっと大きなサイズの形状や色素の併用など, 総合的な発色の工夫を生物は持っているのである。蝶や蛾の鮮やかな翅の発色の仕組みを紹介しながら, 構造色研究の現状と今後の方向性について考えてみたい。
著者
木下 修一 吉岡 伸也
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

構造色は、自然界の巧みなナノ構造と光との複雑な相互作用の結果生じる発色現象である。これまで、モルフォチョウをはじめとした多くの生物の構造色が調べられてきたが、この現象を物理学的な見地から検討することは稀であった。今回は、電子顕微鏡を用いた構造決定、光学特性の測定、物理モデルの構築、電磁場シミュレーションの方法を行い、光とナノ構造間のフォトニクス相互作用、発色と視覚・認知との関係の一端を明らかにすることができた。