著者
満武 巨裕 石川 智基 佐藤 淳平 合田 和生 喜連川 優
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.189-194, 2020-04-20 (Released:2021-04-26)
参考文献数
8

OECD,WHO,国連等の国際機関は,保健医療分野における政策立案に資する国際統計報告として様々な保健医療指標の迅速な提供を各国に求めている.2015年に日本がOECDに提出した保健医療指標の数は35加盟国中最低で,改善が望まれる. 本研究は日本の保健医療指標の提出項目数の増加を目的として,既存の公的統計やレセプト情報・特定健診等情報データベースを活用して未報告の保健医療指標の推計を行う.さらに,今回の推計から得られたわが国における手術および画像検査の実施状況について考察する.最後に,保健医療指標推計にレセプト情報・特定健診等情報データベースを利用する際の課題について述べる.
著者
佐藤 康彦 茂木 和彦 喜連川 優
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.259-260, 1995-03-15

近年のコンピュータシステムの性能の向上に伴い、莫大なデータを扱うアプリケーションに対する要求が高まっている。そのデータの記憶先として、低価格・大容量化して来ている磁気ディスク装置も考えられるが、それ以上に扱うべきデータのサイズは増大しており、より大容量の記憶装置が必要とされている。その大容量のデータを記録する記憶装置の1つとして、磁気テープをロボティクスで管理するテープ・アーカイバが存在する。現在の商用テープ・アーカイバにおいては、その容量は装置の構築時に決定され、容量を増やすためには全く独立な装置を追加することになる。また、価格的にも極めて高価である場合が多い。現在、我々はコモディティ化した小規模テープアーカイバを任意台数結合可能なスケーラブルアーカイバの研究を進めている。数十~数千台からなるシステム構築に際しては、その負荷分散が極めて重要な課題となる。本稿では、カセットマイグレーションが可能なアーカイバを用い、負荷分散機構を導入することにより、スケーラブルアーカイバの有効性について検討する。
著者
鮎川 健一郎 根本 利弘 茂木 和彦 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.119-120, 1995-09-20

近年の情報化社会の進展により様々な分野に計算機が浸透するのに伴い、莫大なデータを扱うアプリケーションに対する要求が高まっている。その大容量のデータを記録する記憶装置として、磁気テープをロボティクスで管理するテープアーカイバがある。現在の商用テープアーカイバでは、容量は装置の格納可能なテープ数で決定され、容量を増やすためには新たに独立な匡体を追加することになる。現在、我々は小規模テープアーカイバを結合することで容易にデータ容量の拡張が可能なスケーラブルアーカイバの研究を進めている。数十~数千台からなるシステム構築に際しては、テープアクセス時の負荷分散が極めて重要な課題となる。本稿では、カセット移送機構を有するスケーラブルアーカイバでのカセットマイグレーションによる負荷分散の効果をシミュレーションを行ない評価する。
著者
根本 利弘 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.349-350, 1996-03-06

現在、我々は衛星画像データのアーカイブを対象とした階層ファイルシステムを開発している。この階層ファイルシステムでは三次記憶システムとして、コモディティ化されたテープアーカイバを複数接続し、隣接するアーカイバ間で直接テープを移送可能とすることで、大容量かつ高性能を安価に実現することを目指したスケーラブルアーカイバを用いている。衛星画像データに特有のアクセスローカリティに対しても十分な性能を持つ階層ファイルシステムを実現するためには、三次記憶において負荷分散を実現するためのファイル編成が極めて重要となる。本稿では、この階層ファイルシステムにおけるファイル編成について考察を行う。
著者
根本 利弘 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.11-12, 1996-09-04

現在、我々は衛星画像データを対象とした階層ファイルシステムを開発している。この階層ファイルシステムでは三次記憶システムとして、コモディティ化されたテープアーカイバを複数接続し、隣接するアーカイバ間で直接テープを移送可能とすることで、大容量かつ高性能を安価に実現することを目指したスケーラブルアーカイバを用いている。アクセスローカリティをもつデータに対しても十分な性能を持つ階層ファイルシステムを実現するためには、三次記憶におけるファイル編成が極めて重要となる。本稿では、この階層ファイルシステムにおけるファイル編成について検討を行う。
著者
鮎川 健一郎 根本 利弘 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.395-396, 1996-03-06

近年の情報化社会の進展により様々な分野に計算機が浸透するのに伴い、莫大なデータを扱うアプリケーションに対する要求が高まっている。その大容量のデータを記録する記憶装置として、磁気テープをロボティクスで管理するテープアーカイバがある。現在の商用テープアーカイバでは、容量は装置の格納可能なテープ数で決定され、容量を増やすためには新たに独立な匡体を追加することになる。現在、我々は小規模テープアーカイバを結合することで容易にデータ容量の拡張が可能なスケーラブルアーカイバの研究を進めている。数十~数千台からなるシステム構築に際しては、テープアクセス時の負荷分散が極めて重要な課題となる。本稿では、カセット移送機構を有するスケーラブルアーカイバでのカセットマイグレーションによる負荷分散の効果をシミュレーションを行ない評価する。
著者
喜連川 優
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.844-846, 2020-07-15

小生が本会会長のときに子供が対象の「ジュニア会員制度」を創設したが,「中高生情報学研究コンテスト」によりジュニアへのサービス展開が一層パワーアップされたことは大変喜ばしく,国立情報学研究所は本取り組みを支援している.2017年,18年に告示された学習指導要領で初等中等教育での情報教育は進化し,高等学校では「情報I」が必履修となり「情報II」も新設された.また,ギガスクールにより子供の学習IT環境が大きく改善される.各自治体は教師不足で困っている.本会には子供とともに学校の先生への学会誌の無償提供するなど,我が国において歴史的な大プロジェクトとなるギガスクールへの積極支援をお願いしたい.
著者
岡田 英明 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.253-254, 1992-09-28

ソーティングネットワークを初めとして、並列ソーティングアルゴリズムは多数提案されており、最近では超並列計算機上への実装についても報告されるようになった。しかし逐次型と違い、並列ソーティングの場合は比較的計算量やメモリアクセスの他に、ネットワークを介したデータの移動を考慮しなくてはならなくなるため、プロセッサ数、データ数によって最適なアルゴリズムは異なる。異なるアーキテクチャを持つ計算機ではなおさらのことである。そこで本論文ではデータパラレル超並列計算機におけるデータ数、プロセッサ数に適応したソーティングについて述べるとともにアーキテクチャに応じたソーティングについて考察する。今回使用したのは、MasPar MP-1というSIMD型の超並列計算機である。MP-1は4bitのPEを2次元格子上に配置し、隣接する8方向のPEと通信が可能であるX-netと、多段クロスパ結合による汎用通信網ルータを備えている。PE数は1Kである。ソート対象は32bit整数のキーのみとし、以下の説明においてPをPE数、Nをデータ数とする。また、グラフ中の処理時間はPEあたりのデータ数で正規化している。
著者
喜連川 優
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.840-842, 2019-08-15

本稿では,情報処理学会においてジュニア会員制度が発足する経緯について紹介する.ジュニア会員の前の施策である学生無料トライアル会員制度によって,本会は長らく会員減が続いていた中で,わずかではあるが有料会員が初めて増加に転じたことも述べ,それがジュニア会員制度を構想する過程で重要な役割を果たした.又,若者への正しい情報発信は本会にとってきわめて重要な役割の1つと考えており,その意義について合わせて紹介する.
著者
土屋 圭 豊田 正史 喜連川 優
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.31, pp.1-6, 2013-07-15

鉄道の運行トラブルが発生した際,マイクロブログには鉄道の運行状況に関する情報が投稿されている.マイクロブログの投稿には運行トラブルについて,公式情報よりも詳細な情報が含まれることがある.鉄道の運行状況について詳しく知ることは意思決定を行う上で非常に重要である.本論文では Twitter の投稿を解析することによって,首都圏の鉄道運行トラブル状況に関する詳細な情報を抽出する手法について提案し,その評価を行う.提案手法は,東京メトロ 9 路線における運行トラブルの発生状況,復旧状況,混雑状況を対象に情報の抽出を行う.運行トラブルの発生状況については,運行トラブルを全線運転見合わせ,一部区間運転見合わせ,その他の異常の 3 段階に分けて抽出を行った.実験結果から,全線運転見合わせ,一部区間運転見合わせを抽出する場合において提案手法が有効であることが確認できた.また,復旧状況および混雑状況の抽出によって,公式情報だけではできないような意思決定を支援できうることが確認できた.When train troubles occur, users of microblogs often post information about these troubles. Microblogs often include more fine-graind information of train troubles than official information. Such information could make out decision better. In this paper, we propose a method for extracting details of train troubles by analyzing Twitter. We classify train troubles into suspensions, partial suspensions and other troubles, then detect whether these troubles occur or not. Experimental results show that proposed method work well in case of suspencions and partial suspencions. We also find that by analyzing twitter, we can know information which is not reported officially such as congestion and recovery of train troubles.
著者
佐藤 文一 喜連川 優
雑誌
研究報告アクセシビリティ(AAC) (ISSN:24322431)
巻号頁・発行日
vol.2017-AAC-5, no.2, pp.1-5, 2017-12-01

障害者の学習に対しては,教科書バリアフリー法が成立し,視覚障害の小中学校の生徒に対しては拡大 ・点字教科書の提供が制度化された.またデジタル教科書も世界的に検討されており,日本でも教育の情報化ビジョンが発表され,ICT を活用したロードマップが示された.制度面では,色々な施策が行われているが,大学特に理工系の全盲学生の視覚障害者の情報障害に対しては克服すべき課題が多い.本稿では,障害者当事者の観点から,特に専門書や論文を読むための情報障害の問題点を考察した.また,パソコンのタッチパネルを利用して,図形の輪郭の理解のための簡易プログラムを作成した.クラウドでの画像認識 API の OCR API の認識した文字と座標の情報を使い,タッチパネルに触れることによるレイアウトの理解のための簡易プログラムを作成した.以上のプログラムを基に,全盲者にとって有益化を考察した.
著者
井上 創造 木實 新一 小林 隆志 土田 正士 喜連川 優
出版者
日本データベース学会
雑誌
日本データベース学会letters (ISSN:13478915)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.81-84, 2006-06

学術会議は,口頭発表や資料による形式的な情報だけではなく,参加者が面と向かって交流をすることにより非形式的に情報交換ができるという点に意義があると言える.しかし,学術分野の専門化と細分化が進む今,初めて面と向かった参加者どうしに,互いのネームタグに書かれた情報だけで有意義な交流のきっかけが十分に用意されるとは言い難い.我々は,居合わせた参加者間の関係を発見し大画面に表示するシステム「DeaiExplorer」を開発し,数百人規模の国際学術会議において利用した.本システムは,居合わせた参加者が持つ RFID タグに反応し,文献データベースから参加者や他の著者をノードとするグラフを生成する.本論文では,利用で得られた結果を用いて,本システムが参加者間の関係発見にどのような影響を及ぼしたかを定性的,定量的に明らかにし,今後のシステム設計および研究課題の展望を示す.Academic conferences offer informal as well as formal opportunities to interact with each other. However, the physical appearance of participants and the information printed on their conference badges could not be enough to provide the effective opportunities. We developed "DeaiExplorer", which is an RFID application that discovers interpersonal connections by allowing collocated conference participants to mutually reveal their social networks on a large display device, and deployed it at a recent international conference. The system responds to nearby participants and dynamically derives inter-connected social networks from a publication database. We address the uncovered requirement for the system and challenges with the experience.
著者
プラスティョ ボウォ プラムディオノ イコ 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.49-54, 2005-07-07

H-mineはスパースなデータセットに対して高性能と知られているメモリベースマイニングアルゴリズムであるが, 動的H-structリンク調整というH-mine特有の処理は並列化を困難にする.本論文ではH-structリンク調整を一切必要としない改善されたアルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは, オリジナルバージョンと匹敵する性能を持ちながら, 並列処理に容易に拡張することが可能となる.
著者
合田 和生 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.211-221, 2010-03-01

本論文では,グリーンレプリケーションと称し,業務継続を目的としたレプリケーションシステムにおける二次系ディスクストレージの省電力化方式を提案する.提案手法は,サービス復旧にかかる時間を意識した制御系のもとで,二次系に転送された更新情報をコンパクト化し,更新の反映操作を集中化することによって,ディスクドライブを長時間アイドル化する.商用データベースシステムを用いた実験により,30秒から100秒程度のサービス停止時間のオーバヘッドのもとで,二次系ディスクストレージの消費電力のうち80〜85%を削減可能であることを示す.
著者
鍛治 伸裕 福島 健一 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.293-300, 2009-03-01
被引用文献数
1

テキストマイニングでは,自然言語処理分野の基礎技術である形態素解析がモジュールとして利用されることが多い.しかし,ウェブには口語体のテキストが多く,新聞記事のような整ったテキストを対象としてきた自然言語処理技術では,十分な精度で解析を行うことは難しい.本論文では,形態素解析の精度低下は「ググる」などの片仮名用言が一因となっていることに着目し,それを大規模なウェブテキストから自動獲得する手法を提案する.
著者
伊藤 正彦 豊田 正史 喜連川 優
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.27-44, 2015-03-30

本稿では,Web上の画像や放送映像を含む多メディア画像を用いた時系列画像3次元可視化システムを提案する.近年,Webメディアは,従来型のマスメディアの影響を受けると同時に,マスメディアへ影響を与えるようになってきており,社会事象を分析する際には複数メディア間の話題の広がりを分析することが重要となってきている.また,これらのメディアでは,テキストの代用として積極的に映像・画像を用いることで,文章だけでは伝えきれない,その時々の話題および興味を視覚的に伝えており,社会分析において,これらの映像・画像情報を追跡した分析は不可欠となる.提案するシステムでは,Webメディアおよび放送映像から抽出された様々な話題に関する時系列画像群を画像ヒストグラムとして3次元空間に可視化することで,流行の推移,トピック間の違い,メディア間の関係などを視覚的に探索可能にする新たな可視化システムを実現した.実際に,本システムを,大規模なブログアーカイブとニュース映像アーカイブに適用したアプリケーションをいくつか紹介し,様々な探索事例を示すことで提案システムの有用性を示す.This paper proposes a novel 3D visualization system for exploring temporal changes in trends using image flows in multiple medium. Our use of media has changed dynamically in the last decade; mass and social media affect each other. It is important to compare how multiple medium are affected by real-world events and how each medium affects other media. Media provides many representative images, such as scenes of accidents and disaster, the design of products and commercial pictures, to explain the reality of events without text. It is important for analyzing media and society to trace and explore such images flowing on the media. Our system visualizes flows of images extracted from one or multiple medium in a 3D space. We arrange histograms of images related to multiple topics from different types of media in the 3D space by stacking them on timelines to explore changes in trends in each topic, and compare differences in exposure among topics and medium. We implement application systems using proposing visualization system on a huge blog archive and a news video archive, and report the usefulness of our system by using various exploration examples.
著者
高橋 一夫 喜連川 優 高木 幹雄
出版者
情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.119-120, 1993-09-27
被引用文献数
2

地球環境問題の重要性が広く認識されつつある背景を鑑み、ペタバイト規模の莫大な地球環境データに対する大容量アーカイバ、階層記憶管理/制御系、データ処理系の研究を現在進めている。当研究室では、1980年以来気象衛星NOAAの受信を行なっており、現在では20,000シーンに近いデータを保有するに至っており、容量にして2テラバイトにもなる。このような、大容量リモートセンシング画像のオンラインアクセスを可能とすべく現在、テープ操作ロボティクス用いた超大規模アーカイブデータベースシステムの試作を行なっている。本報告では、8mmジュークボックス、高密度テープ、ならびにRAID-3型ディスクアレイを用いた試作システムの概要とその設計指針について報告する。
著者
松本 和彦 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1257-1258, 1990-03-14

コネクションマシンは、数万個というオーダーのプロセッサアレイとハイパーキューブ形状の通信ネットワークを持つ、単一命令ストリーム多重データ(SIMD)の並列アーキテクチャマシンである。現在Thinking Machines Corporationが市販している最新モデルはCM-2と呼ばれ、フルセットで65536個のプロセッサを備えている。CM-2は、ワークステーションなどのフロントエンドにバスインタフェースを介して結合している。逐次的な処理はフロントエンド上で通常のプログラムコードとして実行され、並列処理の部分だけがバスインタフェースを通じてコネクションマシンに指令される。CM-2の操作は、PARISというライブラリの関数を呼び出すことによって行なう。このライブラリがサポートしている重要な機能は、仮想プロセッサ(Virtual Processor,以下VP)である。VPの数は物理的なプロセッサ数に関係なくとることができ、プログラマへの負担の軽減、プログラムの可搬性に大きく寄与する。VPの数を物理プロセッサの数で割ったものを、VP比と呼ぶ。今回、プロセッサ数8192、クロック6.7MHzのCM-2を使い、ベンチマーク性能評価を行なったので、その結果を報告する。
著者
山田 浩之 合田 和生 喜連川 優
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.4, pp.774-792, 2014-04-01

並列データ処理系であるHadoopにおいては,近年Hiveをはじめとする上位層ソフトウェアの充実が見られ,当該処理系は大規模データの解析基盤として広く用いられるようになりつつある.同時に,元来のMapReduceなるデータ処理に特化し対象データの全走査を前提とするという設計を見直し,データ処理の効率性を高めるべく,索引やパーティショニング等の各種のデータベース技術を取り込む方向性が見られる.本論文では,Hadoopをはじめとする並列データ処理系において,関係データベースエンジンで試みられているアウトオブオーダ型実行方式を拡張して適用することにより,データ処理の一層の高速化を目指す.アウトオブオーダ型実行方式を適用することにより,並列データ処理系の各々の計算機は,並列データ処理の実行時にタスク分解を行い,分解されたタスクにおいて自らの二次記憶並びにネットワークを介した他の計算機の二次記憶への入出力を行い,入出力の完了に伴い関連する演算を実行する.すなわち,並列データ処理系全体の入出力を非同期化する.データインテンシブな並列データ処理においては,入出力に性能が律速されることが多く,当該入出力を非同期化することにより,従来型の処理系に比して,特にデータセット空間の一部のデータを対象とするデータ処理において,飛躍的な高速化が期待される.本論文では,著者らが試作を行ったHadoopをベースとするアウトオブオーダ型並列データ処理系Hadooodeの構成法を明らかにするとともに,20台の計算機からなるクラスタマシンにおいて当該試作を用いて行った性能評価実験を示し,その有効性を明らかにする.
著者
早水 悠登 合田 和生 喜連川 優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.104-116, 2014-06-30

アウトオブオーダ型クエリ実行とは,動的タスク分解と非同期入出力発行に基づくクエリ実行方式であり,従前の同期入出力発行・逐次処理に基づく実行方式と比べて,大規模データに対する選択的クエリ実行において高い性能を発揮することが知られている.本論文では,既存データベースエンジンにおけるクエリ実行の挙動を変えることなく,その処理性能をアウトオブオーダ型クエリ実行と同水準まで向上させるために,アウトオブオーダ型クエリ実行に基づくデータベースエンジン加速機構を提案する.当該機構は既存エンジンのクエリ実行と並行して当該クエリを協調的にアウトオブオーダ型実行し,バッファプールを介して先行的にデータベースページを供給することで,既存エンジンの入出力待ち時間を縮減し,大幅な高速化を実現する.本論文ではオープンソースデータベース管理システムPostgreSQLを対象とした加速機構の試作実装PgBoosterの構成法を示すとともに,ミッドレンジ級のサーバ・ディスクストレージからなる環境において評価実験を行い,その高速性を明らかにする.Out-of-Order Query Execution is a query execution method which is based on dynamic task decomposition and asynchronous I/O operations. For selective queries on large scale data, it outperforms existing query execution methods. This paper proposes a pluggable database engine booster based on Out-of-Order Query Execution, which improves query execution performance of an existing engine to the same degree of Out-of-Order Query Execution with maintaining the compatibility of the engine. In parallel to a query execution in the engine, the booster runs Out-of-Order Execution of the query in a coordinated manner, and supplies database pages to the engine on ahead via the buffer pool. That reduces I/O waiting time of the engine and improves its performance significantly. This paper describes development of PgBooster, a prototype implementation of database engine booster, and its experimental evaluations on a mid-range class environment with a server and a disk storage system.