著者
横尾 健志 新井 栄治 坂井 隆則 緒方 佳典 橋本 真憲 森永 裕太 宮田 晋輔
出版者
マツダ株式会社
雑誌
マツダ技報 (ISSN:02880601)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.59-65, 2023 (Released:2023-12-22)
参考文献数
2

マツダは,約11年ぶりに復活となる新型ロータリーエンジン8C型を開発した。小型高出力な本エンジンを発電機として,シリーズハイブリッドで活用するものであり,地球環境を守るための施策として掲げているマルチソリューション戦略の1つである。本エンジンの開発でも「飽くなき挑戦」の精神を継承し,内燃機関の進化ビジョンを実現する熱効率改善技術,構造技術の進化と最適化に取り組んだ。ロータリーエンジンで課題となる冷却損失は,基本諸元を見直し最適化した。従来鋳鉄製であったサイドハウジングは材料をアルミに置換し軽量化した。また,燃焼進化にあわせて適宜レシプロエンジン構成技術の活用と高負荷燃焼に耐えうる構造強化を行った。レシプロエンジンと比べ,求められる出力性能をよりコンパクトなユニットで実現できる特長を活かし,サイズの大きな高出力モーター,ジェネレーターと組み合わせて同軸上に配置しながらも,MX-30の車体フレームへの搭載を可能とした。
著者
坂井 隆敏 人見 ともみ 菅谷 京子 甲斐 茂美 村山 三徳 米谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.144-147, 2007-10-25 (Released:2008-02-05)
参考文献数
14
被引用文献数
16 15

液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)による,豚および牛組織中のβ-作動薬ラクトパミンの簡便かつ再現性の高い分析法を開発した.筋肉および肝臓の場合は,酢酸エチルによりラクトパミンを抽出し,得られた酢酸エチル層を減圧乾固後,残留物をアセトニトリル/n-ヘキサン分配により精製した.脂肪の場合は,アセトニトリル/n-ヘキサンにより分配抽出および精製を行った.精製後に得られたアセトニトリル層を減圧乾固し,残留物をメタノールに再溶解後LC/MS測定に供した.LCにおける分離は,分析カラムとしてWakosil-II 3C18HGカラム(150×3 mm i.d.),移動相として0.05%トリフルオロ酢酸-アセトニトリル(80 : 20)を用い,流速0.4 mL/minの条件で行った.MSにおける検出は選択イオン検出(SIR)モードにて行い,エレクトロスプレーイオン化法(ESI)により生じたラクトパミンの擬分子イオン(m/z 302)を検出した.本法による筋肉(0.01 μg/g添加),脂肪(0.01 μg/g添加)および肝臓(0.04 μg/g添加) からのラクトパミンの平均回収率(n=3)は,豚サンプルにおいてそれぞれ99.7%, 99.5%および100.8%,牛サンプルにおいてそれぞれ108.3%, 97.0%および109.4%であった.相対標準偏差は0.1∼9.5%の範囲であった.また,定量下限値は0.001 μg/g (1 ng/g)であった.
著者
川口 充 澤木 康平 大久保 みぎわ 坂井 隆之 四宮 敬史 小菅 康弘
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.6, pp.447-453, 2006-06-01
被引用文献数
4 6

口腔は,消化・咀嚼・感覚・発音といった多様な機能が集合しており,それぞれの機能は,他の器官と共通の調節機構により制御されている.したがって口腔は薬物療法による副次的な影響を受けやすい器官であり,ひとたび機能不全が生じるとその障害の大きさを認識させられることから,健康に対する潜在的価値が非常に高いと言える.薬物が口腔に及ぼす副作用には,味覚障害,口腔乾燥症,歯肉肥大症,唾液分泌過剰,流涎,口内炎,歯の形成不全・着色などが挙げられるが,ここでは,味覚障害,口腔乾燥症,歯肉肥大症に焦点を絞って解説した.味覚障害では亜鉛不足が病態の原因の最も多くをしめること,OH,SS,NHなどの官能基を持つ薬物には亜鉛をキレートする性質があること,唾液分泌が味覚物質の溶媒として欠くことができないことを説明し,さらに,味覚受容体の分子レベルでの研究の経緯と現状について解説を加えた.口腔乾燥症では,向精神薬のうち三環系抗うつ薬とメジャートランキライザー,およびベンゾジアゼピン類の作用標的の違いについて,降圧利尿薬の腎臓と唾液腺での作用の違いについて説明した.歯肉肥大症では原因となる薬物の種類は少ないが,線維芽細胞のコラーゲン代謝機能に影響を及ぼしていること,性ホルモンが修飾する可能性について説明した.<br>
著者
坂井 隆敏 北原 大吉 鳥丸 亮 松本 清
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1449-1454, 2004-12-05
参考文献数
13
被引用文献数
2

近年,地雷埋設地帯や爆薬製造工場近辺において,爆薬関連化合物による環境汚染が問題となっている.爆薬2,4,6-トリニトロトルエンは,環境中に放出されると2,4-ジニトロトルエン(2,4-DNT)や2-アミノ-4,6-ジニトロトルエン(2-ADNT)などに変換される.これらは,人体に対する毒性や変異原性,発がん性等が危惧され,環境中における濃度や分布状況の把握が急務である.これら化合物の迅速かつ高感度な測定法の確立を目的として,化学発光酵素免疫センサーを構築した.目的物質に対する抗体を作製し,免疫センサーを構築することで,わずか15分の測定時間でおよそ10~1000 ng/mlの2,4-DNT及び2-ADNTの測定が可能であった.相対標準偏差は0.8~7.1%(<i>n</i>=3)と比較的良好なものであった.また,抗原・抗体反応を行う際の流量を低下させることにより,更に高感度な測定が可能であった. <br>
著者
坂井 隆敏 菊地 博之 縄田 裕美 根本 了 穐山 浩
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.171-177, 2020-10-25 (Released:2020-10-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1

畜産物中のフィプロニルおよびその主要代謝物であるフィプロニルスルホンについて,LC-MS/MSを用いた迅速かつ高感度な分析法を開発した.試料からn-ヘキサンおよび無水硫酸ナトリウム存在下,酢酸酸性下アセトニトリルで抽出し,中性アルミナカートリッジカラムを用いて精製した.測定はLC-MS/MSを用い,ESIによるネガティブイオンモードで行った.開発した分析法を用い,畜産物6食品について添加回収試験(各食品n=5)を実施したところ,基準値相当濃度を添加した場合の真度および併行精度はフィプロニルでそれぞれ95~115および0.8~4.1%,フィプロニルスルホンでそれぞれ94~101および0.9~5.1%であった.また,添加濃度0.001mg/kgの場合の真度および併行精度も良好であった.確立した分析法の定量下限値はフィプロニルおよびフィプロニルスルホンともに0.001mg/kgと推定された.本分析法は畜産物中の基準値の適合性の判定に有用な方法と示唆された.
著者
坂井 隆
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.225-240, 2005-10-01 (Released:2018-12-14)

This paper examines the relation between Mae West and “camp” with reference to her biography and some films in which she stars. The examination focuses on the 1930s and 1970s, two significant periods for West's acting style; in the 1930s, she appropriates performing techniques from several unorthodox entertainers of the Belle Epoque—Bert Williams, Eva Tanguay and female impersonators—in order to establish her queer acting style (which was highly theatrical in its nature, and is later described as “camp”); but in the 1970s we see a cultural phenomenon in which her images are appropriated and commodified as an icon of camp in the field of pop culture, making a contrast with her active position in the 1930s when she appropriated other acting techniques for her style. Truly, her camp becomes a kind of “pastiche” appropriated by cultural industries in the 1970s, but this brings about a situation where her camp images circulate again in the cultural market, and this consequently saves her from oblivion. This way of regaining social visibility, though following the dominant cultural order, has potential for the strategic camp associated with “queer, or gay/lesbian, politics” in the 1990s.
著者
金田 正徳 竹内 義広 坂井 隆 並河 尚二 湯浅 浩 草川 實
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.468-473, 1984

Cases of primary lung cancer often have other pulmonary diseases involving the loss of pulmonary function. If a complicating disease is more pronounced in the noncancerous lung, unexpected postoperative respiratory insufficiency may appear. For this reason it is desirous to predict the postoperative lung function preoperatively. In this study the predicted postoperative vital capacity was calculated according to the following formulae from the spirometry data, bronchoscopy, bronchography and lung scintigram using <sup>81m</sup>Kr gas.<br>As for the summation of NNSS, two methods were employed. First was the evaluation of the number of obstructed sub-segmental bronchus by means of bronchoscopy or bronchography. The second method was summation from the count rate of the lung scanning. In younger patients both methods had equal accuracy. However in older patients the latter method had inevitable error, because the assumption for calculating NNSS did not hold in that patient group. We therfore accepted former method for the summation of NNSS.<br>As for the measurement of unilateral vital capacity (or VCc), <sup>81m</sup>Kr lung scintigram which visualizes the actual distribution of ventilation in the lung was useful in comparison with the cumbersome bronchospirometry.<br>To investigate the overall accuracy of our predicting formulae, 16 patients who were alive and cancer free 6 months after surgery were selected. However 5 had to excluded for the study because they had postoperative pulmonary complications which reliably are accompanied by loss of lung function. In the remaining 11 cases the predicted value was within&plusmn;10% deviation of the actually measured value. This accuracy was also acceptable for older patients whose respiratory function was impaired both in cancerous and non-cancerous lung. These formulae were considered to be useful in predicting postoperative lung function and very helpful in deciding surgical indications in cases of severely impaired pulmonary function. However careful management to avoid postoperative lung complications is necessary because the predicted postoperative vital capacity is a final result of the lung function when there are no another function-impairing factor.
著者
坂井 隆
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.261-309, 2005-12-27

<特集>東南アジアの土器と施釉陶磁器(Technology and Chronology of Gazed Ceramics in Southeast Asia) 第3部:アジア・太平洋の海を繋ぐ肥前陶磁 (Part 3: Transpacific Trade of Hizen Ware: from Asia to the New World, Earthenware and Glazed Ceramics in Southeast Asia)
著者
脇屋 裕一郎 勝木 宏昭 古田 祥知子 古川 敬通 坂井 隆宏
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
西日本畜産学会報 (ISSN:09143459)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.45-50, 2002-07-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

生物膜法による汚水処理施設の維持管理の簡易化及び低コスト化を図るため, 担体となる多孔質セラミックスを試作し, その処理能力を比較した.試験槽は, 水槽を用いて総容量61の汚水槽とし, そこに担体を40~50%充填した容器を設置し, エアポンプによる曝気処理を行った.担体は, 市販セラミックス, 低コストセラミックス, 軽石の3種類を用い, 試験区は, 市販セラミックスを対照区に, 以下セラミックス区, 軽石区とし、それぞれの区に担体充填率40%区と50%区を設けた.試験期間中の処理水の引き抜き及び汚水の投入量は, 1日1回11とし, 開始から約60日間は, BOD容積負荷を0.1~0.2kg/m3・dayの範囲で汚水投入を行いながら汚泥を形成させ, 測定期間中はBOD容積負荷を0.1~1.1kg/m3・dayの範囲で投入し, 試験に供した.試験の結果, 低コストセラミックスは, 気孔率で市販セラミックスと比較して低かったものの, 気孔径ではほぼ同等の結果が得られた.気孔率については各担体において終了時の減少が確認された.また, 試験期間中の担体重量減少率は, 軽石区が最も多く, セラミックス区が少なかった.処理能力について, BOD, SSは, 全ての試験区において高い浄化が確認されたが, T-Pは軽石区で低い結果となった.T-Nはセラミックス50%区, 対照50%区の順に, またNH4-Nは対照50%区が高い浄化が確認されたが, 対照区は充填率によるNH4-N除去率の差が高かった.CODについては, 対照40%区が最も高かったが, 試験区間における差はほとんど認められなかった.以上の結果より, 低コストセラミックスは, 市販セラミックスとほぼ同等の耐久性と浄化能力があることが示唆された.
著者
川口 充 澤木 康平 大久保 みぎわ 坂井 隆之 四宮 敬史 小菅 康弘
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.6, pp.447-453, 2006 (Released:2006-08-01)
参考文献数
25
被引用文献数
5 6

口腔は,消化・咀嚼・感覚・発音といった多様な機能が集合しており,それぞれの機能は,他の器官と共通の調節機構により制御されている.したがって口腔は薬物療法による副次的な影響を受けやすい器官であり,ひとたび機能不全が生じるとその障害の大きさを認識させられることから,健康に対する潜在的価値が非常に高いと言える.薬物が口腔に及ぼす副作用には,味覚障害,口腔乾燥症,歯肉肥大症,唾液分泌過剰,流涎,口内炎,歯の形成不全・着色などが挙げられるが,ここでは,味覚障害,口腔乾燥症,歯肉肥大症に焦点を絞って解説した.味覚障害では亜鉛不足が病態の原因の最も多くをしめること,OH,SS,NHなどの官能基を持つ薬物には亜鉛をキレートする性質があること,唾液分泌が味覚物質の溶媒として欠くことができないことを説明し,さらに,味覚受容体の分子レベルでの研究の経緯と現状について解説を加えた.口腔乾燥症では,向精神薬のうち三環系抗うつ薬とメジャートランキライザー,およびベンゾジアゼピン類の作用標的の違いについて,降圧利尿薬の腎臓と唾液腺での作用の違いについて説明した.歯肉肥大症では原因となる薬物の種類は少ないが,線維芽細胞のコラーゲン代謝機能に影響を及ぼしていること,性ホルモンが修飾する可能性について説明した.
著者
坂井 隆一
出版者
沖縄大学
雑誌
沖大論叢 (ISSN:03871630)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-18, 1969-02-28