著者
新美 三由紀 赤座 英之 武島 仁 樋之津 淳子 高橋 秀人 加納 克巳 大谷 幹伸 石川 悟 野口 良輔 小田 英世 大橋 靖雄
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.752-761, 1997-08-20
参考文献数
11
被引用文献数
2

(背景と目的) 癌告知の是非について様々な論議がなされているが, 現在でも, その原則は確立されてはいない. そこで今回は, 前立腺癌患者のQOLに対する癌告知の影響について検討した.<br>(対象と方法) 前立腺癌の外来通院患者を対象に, GHQとI-PSSを用いて, QOLの構成因子である身体・精神・社会的側面を測定し, GLMにより, [うつ状態] [不安と不眠] [社会的活動障害] のそれぞれに対する寄与要因を探索し, 告知の効果の影響を検討した.<br>(結果) 告知の有無で比較したとき, 全変数とも有意差は認められなかったが,「うつ状態」「I-PSS」「身体的症状」の3変数間の相関構造が, 告知あり群と告知なし群で大きく異なった. さらにGLMの結果,「うつ状態」に対して「身体的症状」「I-PSS」「臨床病期」が主効果として寄与し,「告知の効果」と「身体的症状」の交互作用が認められた.<br>(結論) 前立腺癌患者は, 身体状態が良いときは, 病名告知に関わらず精神的に安定しているが, 身体的な自覚症状が強くなると, 告知されていない群の方が抑うつ傾向を示す可能性が高い. 一方, 病名を告知された前立腺癌患者群では, この傾向は比較的弱いことが示唆された. これは病名を告知されている群は, 患者自身が自覚的な身体症状の変化を理解でき, そのために精神的安定が保たれているのではないかと推察される.
著者
大橋 靖雄
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.357-369, 1985

In this paper, the possibility of the biological monitoring by <i>Tradescantia</i> for radiation effluents from a power reactor site is considered. Data for analysis were obtained through the experimental study which had been conducted by Expert Committee on Biological Effects of Environmental Radiation and carried out from 1979 to 1981 near to Takahama Nuclear Power Plant in Fukui Prefecture. Measurements had been taken on the mutation frequency in <i>Tradescantia</i> stamen hairs and environmental factors including evaluated radioactive airborne effluents, natural airborne radioactivity, weather conditions and air pollution indices. This paper is coupled with Yamaguchi <i>et al.</i> (1985); while the latter tackles the problem, mainly by comparing the observed (calculated) concentration levels of radioactive effluents with biological thresholds, this paper presents the results of statistical data analysis which revealed the following: (1) There is highly significant negative correlation between temperature before blooming and mutation frequency. (2) After adjusting the effect of temperature, there is no significant association between radioactive effluents and mutation frequency.
著者
大橋 靖史
出版者
淑徳大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

従来内的心理現象と捉えられてきた時間的展望現象を、社会的相互作用と捉え直し、その生成プロセスを明らかにするため、未来や過去について語り合う占いの場を分析した。予備研究の後、占い師3名が30名のクライエントに対し占いを行う様子を録音・録画し、ディスコース分析等の手法を用い分析した。その結果、占い師とクライエントは、前者が専門性や権威を後者に示し、後者が前者に委ねる関係にあること、また語られた内容をクライエントの手相に帰属させる語りの定式化が存在すること等が明らかとなった
著者
倉橋 一成 大橋 靖雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.76, pp.195-202, 2010-06-07

近年コンピューターの発展に伴い,予測を行うための様々なアルゴリズムが提案されている.予測モデル・予測アルゴリズムは変数縮小と予測の無数にある組み合わせから選びながら作成することになり,アルゴリズムの選択基準は数理的な仮定がデータに合うか,誤分類率が低いかなどである.このとき,アルゴリズムの選択全体を通してCross Validationを行なわないと真の誤分類率にバイアスが入ることを示し,どのような推定値にバイアスが無いのかを考察する.