著者
山田 和彦 田中 弘之 石見 佳子 梅垣 敬三 井出 留美
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.91-99, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
20
被引用文献数
2

食品の機能性に関する表示は, 消費者が食品を選択する際の一つの有効な手段となる。保健機能食品は, 食品表示法に基づく食品表示基準に規定されており, 特定保健用食品, 機能性表示食品および栄養機能食品からなる。特定保健用食品は, 健康増進法においても規定されており, 特定の保健の用途に適する旨を表示するもので, 販売に当たり国の許可が必要である。機能性表示食品は, 2015年に新しく創設された制度であり, 事業者の責任において体の構造と機能に関する機能性表示をすることができる。販売前に機能性と安全性に関する科学的根拠資料を国に届出る。栄養機能食品は, 規格基準型の食品で, 国の許可を受けることなく栄養素の機能表示をすることができる。2015年の特定保健用食品の市場規模は約6,400億円, 栄養機能食品といわゆる健康食品を合わせて1兆5千億円と試算されている。これらの食品の機能性に関する表示は消費者に正しく理解される必要があり, 普及・啓発が重要である。これにより, 人びとの健康の維持・増進が期待される。
著者
ト部 晋平 浜村 亮次 藤野 有弘 田中 弘之 宮國 泰明
出版者
耳鼻
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.174-181, 1995

マスキングなしの気導域値に左右差があるとき, オーバーマスキング (OM) の可能性がない最高のノイズを用いる骨導聴力検査のマスキング法を考案した. 本法の手順はA BC法やABCI法よりも単純であり, 理論的に最も能率的なマスキング法である. さらに, 非検耳の気導骨導差 (A-B gap) が気導音の両耳間移行減衰量 (IaA) に等しい場合でも, プラトー法を応用することによつて, 検耳の真の骨導域値を推定できる場合があることを述べた. A-B gapとIaAの関係式は, マスキング法を理論的に解析する上で最も重要な式である.
著者
ト部 晋平 浜村 亮次 藤野 有弘 田中 弘之 宮國 泰明
出版者
耳鼻
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.168-173, 1995

気導骨導差 (A-B gap) と気導音の両耳間移行減衰量 (IaA) の関係式 (A-B gap≤ IaA) より. オーバーマスキング (OM) の可能性がない最高レベルのノイズが決定できる. このノイズを用いて, マスキングなしの気導域値に左右差があるときの気導聴力検査のマスキング法を考案した. すなわち, 常に不良気導域値 (真の域値, あるいはクロス・ヒアリング域値) に等しいレベルのノイズを良気導域値側に与えるマスキング法である. 本法のノイズ・レベル設定に必要なのは気導域値のみであり, 理論的に最も能率的なマスキング法である.
著者
外山 寛 田中 弘之
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.141-149, 1985-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
24

塩分摂取量の多寡が運動時の生体に及ぼす影響について検討する目的で健常な成人男子5名を対象に, 高塩分食および低塩分食をそれぞれ6日間摂取させた後, 65%VO2max.の強度で30分間の持久的運動を負荷した.さらに, 同一被検者1名に対して低塩分食を4週間摂取させ, 1週間ごとに70%VO2max.の強度で60分間の持久的運動を負荷し, 以下のような知見を得た.1.高塩分食摂取下では運動中の心拍および最大血圧の応答が低く, また, 血清BUN値の低下が認められた.2.低塩分食摂取下では運動負荷によって血清CK-MB活性値の血清CK活性値に対する比率が上昇し, クレアチニン・クリアランス値は低値を示し, その回復も遅れた.また, 血糖値の低下と血清BUN, 尿酸, トリグリセライドの各値の上昇を認めた.3.尿中へのNa排泄量は塩分摂取量の変化に伴い増減した.K排泄量は高塩分食摂取下では普通食摂取下と差異を認めなかったが, 低塩分食摂取下では増加した.これらの結果から, 塩分摂取量の急激な変化はそれ自体で生体にとってストレスとなり得る可能性を有し, このような状況下での運動実施には慎重な配慮が必要であると思われた.
著者
貴島 孝 白尾 一定 桑畑 太作 秦 洋一 田中 弘之 牛谷 義秀 夏越 祥次
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.9, pp.2569-2573, 2014 (Released:2015-03-31)
参考文献数
17

症例は63歳の女性.既往歴に9カ月前交通外傷にて頸椎捻挫症,腰痛症となり入院歴がある.腹痛を主訴に前医受診,腹部腫瘤性病変を認め腹膜炎疑いにて当科紹介受診となる.腹部CTにて横行結腸頭側脂肪織内に約3.8cmの腫瘤を認め,炎症性腫瘤の診断にて入院,抗菌薬治療となった.抗菌薬投与1週間後の腹部CTでは炎症性腫瘤に変化なく手術を施行した.横行結腸頭側に膿瘍が存在し,結腸,胃大弯側に巻き込んでいたため,膿瘍を含めた横行結腸・胃部分切除術を施行.術後経過は良好で第15病日に退院となった.病理組織検査では大網内に菌塊を認め,放線菌症と診断された.腹部放線菌症は稀な疾患であり大網原発例は僅かである.また,交通外傷時のシートベルトによる打撲の部位と大体一致して大網放線菌症による腸管狭窄をきたしていたことから,シートベルト損傷と腸管損傷,大網放線菌症の関係が示唆された.