著者
太田 智己
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.49-60, 2013-12-31 (Released:2017-05-22)

An emphasis on the scientific production of knowledge garnered attention in the formation of Japanese art historical scholarship in the 1930s. The present study will delineate the significance of this academic trend in the field of Japanese art history by illuminating the sociocultural background, state initiatives and private agencies involved in the process. Ultimately, it will shed light on the ways in which modern Japanese scholars attempted to situate art historical studies within the "disinterested" academic realm of human science through the rational systemization of artifacts, historical accuracy, and empirical values. Indeed, this marked a turning point in the development of art historical study in Japan distinguishing it from antiquarian and hobbyist practices of art appreciation. This paper will contribute to the ongoing historical reassessment of Japanese art historical scholarship in the first half of the twentieth century. Moreover, I will analyze not only the interdisciplinary approaches but also a Neo-Kantian scientific perspective on Japanese art history. Finally, I will show how the scientific research trend had been avidly incorporated into the academic disciplines of Japanese art history, contrary to prevalent nationalistic rhetoric of this time.
著者
越智 敦彦 直井 牧人 江夏 徳寿 藤崎 明 船田 哲 鈴木 康一郎 志賀 直樹 太田 智則 久慈 弘士 細川 直登 岩田 健太郎
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.102, no.4, pp.644-648, 2011 (Released:2012-08-09)
参考文献数
7

連鎖球菌感染の内,特にA群溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎は短時間に敗血症性ショック,多臓器不全から死に至る可能性がある重症感染疾患であり,救命には早期かつ適切な治療(壊死組織のデブリードマンと抗菌薬加療)が要求される.デブリードマンされた組織の鏡検にて連鎖球菌を認めた場合,それがA群溶血性連鎖球菌であるかどうかは,培養結果を待つことなく咽頭用の迅速A群溶血性連鎖球菌抗原検出キット(ストレップA)を用いることで予想することができる. 今回我々は,この検査キットを使用することで早期にA群溶血性連鎖球菌感染症と判断し得た,61歳男性の陰部に発症した壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)の1例を経験した.その起炎菌の早期同定が,適切な外科的処置と抗菌薬の選択を可能とし,救命に繋がったと考えられたため報告する.
著者
太田 智奈美 江田 清一郎 折井 恭子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.273-279, 2007-12-25 (Released:2017-04-20)
参考文献数
14

医学の進歩が目覚しいなか,間質性肺炎を代表とする予後不良の呼吸器疾患終末期の呼吸困難は,非常に辛い症状であるにもかかわらず,その緩和に対する適切なガイドラインや,明らかに有効な緩和治療はいまだないのが現状である.モルヒネ持続皮下注射は,あらゆる治療が無効で呼吸困難が進行した間質性肺炎終末期の患者において,呼吸困難を最小限にとどめ,残された時間を個々が望む生命・生活の質を維持するのに有効であった.
著者
太田 智行 西岡 真樹子 中田 典生 福田 国彦
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.499-507, 2017-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
40

米国を中心に発展しているポイントオブケア超音波検査(point of care ultrasound, POCUS)は,臨床上重要と判断されたものを中心に評価するfocused ultrasound examination(的を絞った超音波検査法)が主体となる超音波検査であり,系統的で連続的な評価を行う従来の超音波検査とは異なる。臨床上の判断を間違えば,的外れな診療になってしまうリスクを負う。FAST,FATE,BLUE,RUSH,two-point compression methodはPOCUSの代表的プロトコールであるが,これらの開発された経緯や概略を理解することでfocused ultrasound examinationがCT検査に依存した日本の医療にもたらし得る変化を想像できるのではないかと思われる。CT検査依存で得た便利さや確実さと引き換えに,日本人は過剰な医療被ばくのリスクに直面している。今後,日本の医療がどう変化していくか,focused ultrasound examinationが普及するかどうかにかかっている。今後の動向を注視していく必要がある。
著者
高梨 祐明 豊島 真吾 小野 浩司 田村 博明 太田 智彦 金光 幹雄
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.60, pp.274-276, 2009

ナミハダニは落葉果樹の樹上と下草を季節的に異動することが知られている。樹冠下にナミハダニの増殖に好適な草種が繁茂している環境では、除草によって生息場所を失ったナミハダニの移動分散を助長し、樹上密度を上昇させたり、殺ダニ活性のある除草剤を使用することにより、樹上のナミハダニ密度を低減できるという報告もある。ナミハダニは現在、広範囲な薬剤に対する感受性低下が問題となっており、効果が不十分な殺ダニ剤の残効期間を少しでも長く保つため、再増殖の原因となる移入を遮断することが重要である。そのため、主な移入源となる株元雑草をハダニとともに除去できる技術があれば、殺ダニ剤散布の削減に繋がり、IPMの推進に貢献するものと期待される。そこで、雑草とハダニを同時に防除する方法として、株元雑草のバーナー処理を行い、その後のナミハダニ樹上密度に及ぼす影響を評価した。なお本研究は(独)農研機構交付金プロジェクト研究「東北地域における農薬50%削減リンゴ栽培技術体系の確立」の一環として遂行されたものである。
著者
太田 智美
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.710-711, 2018-07-15

I have a family of robots. One day, a program to exchange its head was proposed for updating the CPU. Will you accept it?
著者
長縄 貴直 渡邊 康一 神崎 文次 太田 智章 虻川 久美子 細野 明義 山口 高弘
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.33-37, 2002
被引用文献数
3

市販のカマンベール,ゴーダチーズ,マスカルポーネ,クリームチーズおよび無塩バターを用い,アクロレイン・シッフ反応とオイルレッド O 染色の組織化学的二重染色法により,タンパク質と脂肪の存在様式とその分布を観察した.また,各試料の成分分析を行なった.その結果,各試料のタンパク質と脂肪の存在様式は,それぞれのチーズとバターの特性を反映するものであった.本研究で用いた組織化学的手法はチーズとバターの特性を把握するのに有効であることが判明した.
著者
三浦 勉 寺田 宙 太田 智子
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

海産物中のPb-210/Po-210測定の信頼性向上を目指した。金属鉛から調製したPo-210標準液、海産魚乾燥粉末を用いて既開発(Miura et al)のPb-210/Po-210分析法を評価した結果、全分離操作で90%以上のPo回収率が得られ、高い信頼性をもつことが実証できた。よって本分析法を基に標準分析作業手順書を作成した。予備実験で選定したかつお粉末といりこ粉末から調製した共同実験用試料を用いて、3機関が参加する共同実験を実施した。その結果、国内分析機関によるPb-210/Po-210測定値に有意な差は見られず、標準分析手順書の妥当性と国内分析機関の技術レベルが高いことが実証できた。
著者
太田 智 遠藤 朋子 島田 武彦 藤井 浩 清水 徳朗 國賀 武 吉岡 照高 根角 博久 吉田 俊雄 大村 三男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.295-307, 2011
被引用文献数
9

カンキツトリステザウイルス(CTV)は,カンキツに重大な被害を引き起こす重要病害の一つである.カンキツ属との交雑が可能であるカラタチ[<i>Poncirus trifoliata</i>(L.)Raf.]は,広範な CTV の系統に対して抵抗性を示す.これまでに,カラタチの CTV 抵抗性をカンキツ属に導入するために育種計画が実行され,中間母本が育成されたことで,経済品種の作出に道が開かれてきた.本研究では,マーカー選抜により効率的に CTV 抵抗性をカンキツ属に導入できるように,CTV 抵抗性に連鎖した 4 つの DNA 選抜マーカーおよび各連鎖群上のカラタチの対立遺伝子を識別する 46 のマーカーを開発した.CTV 抵抗性連鎖マーカー 4 つのうち,1 つは共優性マーカーである Single Nucleotide Polymorphism マーカーで,3 つは優性マーカーの Sequence Tagged Site マーカーであった.これら全てのマーカーで,2.8%の例外を除き,後代における CTV 抵抗性・感受性とマーカーの有無とが一致した.さらに,これらのマーカーは高度にカラタチ特異的であり,検定したカンキツ属 35 の全品種・系統に対して適応可能であった.カラタチ由来の対立遺伝子を排除するための判別マーカーでは,46 のうち 9 マーカーが CTV 抵抗性の座乗する第 2 連鎖群に位置した.また,他の 31 マーカーを残りの 8 連鎖群におくことができた.これらのマーカーは,カンキツ属 35 品種・系統のうち少なくとも 1 つ以上の品種・系統に対し,カラタチ由来の対立遺伝子を識別することができた.本研究で開発されたプライマーセットは,戻し交雑により CTV 抵抗性を様々なカンキツ属系統に導入するためのマーカー選抜に利用可能と考えられた.<br>
著者
太田 智己
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.49-60, 2013-12-31

An emphasis on the scientific production of knowledge garnered attention in the formation of Japanese art historical scholarship in the 1930s. The present study will delineate the significance of this academic trend in the field of Japanese art history by illuminating the sociocultural background, state initiatives and private agencies involved in the process. Ultimately, it will shed light on the ways in which modern Japanese scholars attempted to situate art historical studies within the "disinterested" academic realm of human science through the rational systemization of artifacts, historical accuracy, and empirical values. Indeed, this marked a turning point in the development of art historical study in Japan distinguishing it from antiquarian and hobbyist practices of art appreciation. This paper will contribute to the ongoing historical reassessment of Japanese art historical scholarship in the first half of the twentieth century. Moreover, I will analyze not only the interdisciplinary approaches but also a Neo-Kantian scientific perspective on Japanese art history. Finally, I will show how the scientific research trend had been avidly incorporated into the academic disciplines of Japanese art history, contrary to prevalent nationalistic rhetoric of this time.
著者
太田 智己
出版者
美術史學會
雑誌
美術史 (ISSN:0021907X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.407-423, 2010-03
著者
太田 智子 Sanada Tetsuya Kashiwara Yoko MORIMOTO Takao SATO Kaneaki
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 : hoken buturi (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.80-88, 2009-03-01
参考文献数
18
被引用文献数
2 19

Radioactivity levels in 137 foods commonly consumed daily in Japan were evaluated to determine the committed effective dose in the Japanese adults. The levels of radioactivity for <sup>238</sup>U, <sup>232</sup>Th, <sup>226</sup>Ra, <sup>210</sup>Pb, <sup>210</sup>Po, <sup>90</sup>Sr, <sup>137</sup>Cs and <sup>239+240</sup>Pu were ND-5.2 Bq/kg fresh weight, ND-0.18 Bq/kg fresh weight, ND-3.9Bq/kg fresh weight, ND-45 Bq/kg fresh weight, ND-120 Bq/kg fresh weight, ND-9.9 Bq/kg fresh weight, ND-19 Bq/kg fresh weight and ND-0.010 Bq/kg fresh weight, respectively. The committed effective dose was estimated to be 0.80 mSv from the intake of the foods. The effective dose was greater than the world mean value for adults of 0.12 mSv by natural radioactive elements in the uranium and thorium series from the United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation (UNSCEAR) 2000 because of the large contribution from <sup>210</sup>Po in seafood.