著者
鮫島 和行 金野 武司 李 冠宏 奥田 次郎 森田 純哉 橋本 敬
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2016-MPS-111, no.5, pp.1-6, 2016-12-05

ヒトは,記号に意味を持たせ,その情報交換を通じて協力 ・ 協調行動を行うことで,社会を形成している.記号への意味づけや合意を,ヒトはどのように獲得または創発しているのだろうか.本研究では,2 者が協調行動を発現すると成功するゲーム課題において,ゲーム上での記号使用の学習過程を記述する確率モデルを提案する.実際の行動実験の結果から,モデルによる記号の意味の変遷を解析した.その結果,字義的意味の成立の次に言外的意味が成立するなど,認知過程が複数存在することがわかり,その変遷を可視化する事ができた.確率モデルによる認知過程の分離は,脳波などによる対応する脳内過程を検討するために重要である.
著者
塚田 稔 小島 比呂志 大森 隆司 岡田 浩之 酒井 裕 奥田 次郎 小島 比呂志 岡田 浩之 酒井 裕 奥田 次郎
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

脳の記憶は外界(環境)からの感覚情報(ボトムアップ)と注意や予測など(トップダウン)の情報の相互作用によって創られている。高次の記憶に関連したニューロンにおいて、感覚からのボトムアップの記憶情報の書き込みでは時空間学習則(nonHEBB)が、注意などのトップダウン情報の書き込みではHEBB則が有効に働くことを理論と実験によって明らかにした。この実験結果に基づいて工学モデルによって実効性が確かめられた。
著者
津田 一郎 西浦 廉政 大森 隆司 水原 啓暁 相原 威 乾 敏郎 金子 邦彦 山口 陽子 奥田 次郎 中村 克樹 橋本 敬 阪口 豊
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

領域の事後評価はAであり、その成果を冊子体の形で集約し、広く社会・国民に情報提供することには大きな意義がある。取りまとめ研究成果は以下のとおりである。1.成果報告書の冊子体での編集と製本を行った。計画班11、公募班44の全ての計画研究・公募研究の班員が、計画班各8ページ、公募班各4ページで執筆し、研究の狙いとその成果を文書と図でわかりやすくまとめた。これらを冊子として製本し、領域に参加する研究者と関係者に配布した。2.成果報告書のCDを作成し、冊子体に添付する形で配布した。3.本成果をWeb上のデータベースDynamic Brain Platformとして成果公開するための準備を完成させた。これまで当領域の成果報告の場として作成公開して来たホームページは、領域終了後に管理できなくなる。そこで、この領域ホームページをINCF 日本ノードDynamic Bain Platform (DB-PF)に移管した。また、成果報告書の電子版をDB-PFにアップロードするための準備を行った。本公開は、広範な分野の人々から永続的な閲覧を可能にするもので、成果を社会・国民に発信する方法として有効であると期待できる。
著者
藤井 俊勝 麦倉 俊司 奥田 次郎 森 悦朗 鈴木 麻希 森 悦朗 鈴木 麻希 麦倉 俊司 奥田 次郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ヒトの記憶については心理学的・神経科学的な研究が数多く行われてきていたが、記憶の間違い-つまり、記憶として想起はできるものの内容が正確ではない場合-のメカニズムについては不明な点が多い。本研究ではヒトの脳活動を間接的に測定することができる脳機能画像法と、脳損傷患者を対象とした神経心理学的研究によって、ヒトの脳でどのように誤った記憶情報が表象されるのかを検討した。記憶を司る内側側頭葉に対して、記憶を制御する前頭前野が影響を与えていることや、内側側頭葉と感覚情報を処理する感覚皮質の関連が明らかとなった。