著者
佐藤 信 大場 俊輝 高橋 康次郎 国分 伸二 小林 幹男 小林 宏治
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.801-805, 1977
被引用文献数
6 16

国税局鑑定官室, 県工業試験所などの調査書・報告・成績書から得た昭和50年の市販清酒の一般分析値を解析して, 生産地による清酒の差別化の現状を考察した。<BR>また, ワイン, ポートワイン, シェリー, ベルモット, リキュール, 甘酒, ジュースなど多数の飲料の酸度・アミノ酸度・糖量を分析するとともに, 酸度と糖量を広い範囲にわたって変化させた清酒をつくり, 清酒の味として認められるか, あるいはワイン, リキュー・ルの味と考えられるかを判断して, 一般分析値による清酒の範囲ならびに味覚による清酒の範囲を検討し, 次の結果を得た。<BR>1) 生産地による清酒の差別化については, 同一国税局内においても県ごとに差があり, 地域差は少なくとも県単位で比較すべきである。<BR>2) 味覚による清酒の範囲は, 現在の市販清酒よりもはるかに広く, 清酒の多様化の可能性を示唆した。<BR>3) 清酒以外の飲料の酸度・糖量は, 糖量・酸度を直交軸とする平面にプロットすると, 味覚による清酒の範囲に外側にあり, 清酒と他の酒類の差別が可能である。さらに, 弁別閾による酒質の細分化, 熟度による差別化, 酸組成による差別化について考察した。
著者
江頭 満 小林 幹彦 今野 武志
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.156-160, 2009 (Released:2009-08-12)

Electrospinning was carried out in an insulating liquid, Fluorinert FC-40 (Sumitomo 3M Ltd.), to judge whether "wet electrospinning" is practicable or not. Chloroform, N,N-dimethylformamide, and their mixture of 1 to 1 are used as a solvent of polystyrene. Among the three solvents of spinning solutions, only chloroform was fit for wet electrospinning in Fluorinert FC-40. Effect of polystyrene concentration was investigated using spinning solutions of chloroform solvent. Polystyrene particles and fibers were formed from the solutions of 5 to 15wt% polystyrene spinning solutions. From 20wt% solution, only fibers with many beads were formed, and from 25wt% solutions only fibers without beads were formed. The diameters of fibers formed were increasing with an increase in the concentration. The diameter was about 10um and 50um for fibers from 20wt% and 25wt% solutions, respectively. It is concluded that wet electrospinning is practicable. However, improvement of apparatus and process will be necessary to produce non-woven fabric of nanofibers.
著者
宮崎 修次 小林 幹 江島 啓 出尾 美佳 高口 太朗 森野 佳生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.560, pp.37-42, 2008-03-20

Watts-Strogatzモデルの遷移行列の固有値統計を調べ,規則グラフとランダムグラフの領域でそれぞれ異なる特性が現れ,第一第二固有値間隔がリンク組換率の冪関数となり,スモールワールド性が規則グラフとランダムグラフを繋ぐある種の臨界状態であることを示す.また,mixiネットワークのある利用者から距離2で切断した部分ネットワーク上の酔歩による大偏差統計解析を行う.ノード毎に定義された特性量の分布の違いが動的構造関数に反映されることを示し,観測されたq相転移を遷移行列の対角ブロック構造を用いて説明する.最後に,異なる時刻の状態変数を独立した状態変数とみなすことで,森の射影演算子法に現れる記憶項を無視する時間相関関数計算法を説明する.この手法をフラクタル拡散係数が現れるカオス拡散モデルに適用し,厳密な結果とよく一致することを示す.
著者
小林幹夫
出版者
植物研究雑誌編集委員会
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.141-159, 2016-06-20 (Released:2022-10-21)

日本産ササ類には,稈鞘の挙動によって特徴づけられる4種類の分枝様式が存在することが分かった.第一は,分枝が母稈の稈鞘の内部で起こり,枝の基部が包まれて維持される内鞘的分枝様式で,メダケ属,ヤダケ属,ならびにササ属の大部分に共通する.第二は,分枝に伴って稈鞘基部の辺縁側が母稈を離れ,稈鞘全体が枝を抱くようになる移譲的分枝様式で,スズダケ属,スズザサ属に共通し,アズマザサ属の多くに見られる.第三は,腋芽が母稈鞘の腋芽側を突き破って分枝する外鞘的分枝様式で,アズマザサ属のごく一部,ならびにササ属ミヤコザサーチマキザサ複合体の多くに見られる.第四は,同一の稈に外鞘的,移譲的の2種類の分枝様式が混在する外鞘・移譲混合型分枝様式で,アズマザサ属の一部に見られる.これらの分枝様式は,同定が困難なササ属とアズマザサ属,もしくはスズザサ属の種群間,ミヤコザサーチマキザサ複合体の識別を容易にする.

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著者
小林 幹佳 足立 泰久
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.377, 1996-04-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2
著者
宇田川 信之 高見 正道 自見 英治郎 伊藤 雅波 小林 幹一郎 須沢 徹夫 片桐 岳信 新木 敏正 高橋 直之
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.64-69, 2001-03-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
10

破骨細胞は高度に石灰化した骨組織を破壊・吸収する唯一の細胞である.骨吸収を司る多核の破骨細胞はマクロファージ系の前駆細胞より分化する.この破骨細胞の分化と機能は, 骨形成を司る骨芽細胞あるいは骨髄細胞由来のストローマ細胞により厳格に調節されている.大理石骨病を呈するop/opマウスの解析より, 骨芽細胞が産生するマクロファージコロニー刺激因子 (M-CSF) が破骨細胞前駆細胞の分化に必須な因子であることが示された.更に最近, 骨芽細胞が発現し破骨細胞の分化と機能を調節する腫瘍壊死因子 (TNF) ファミリーに属する破骨細胞分化因子 (osteoclast differentiation factor, ODF/receptor activator of NF-κB ligand, RANKL) がクローニングされ, 骨芽細胞による骨吸収の調節メカニズムのほぼ全容が解明された.骨吸収の調節は, Ca代謝調節ホルモンと共に局所で産生される各種のサイトカインが重要な役割を担っている.骨吸収促進因子は骨芽細胞あるいは間質細胞に作用してRANKLの発現を促進する.しかし, TNFαやIL-1は破骨細胞前駆細胞や破骨細胞に直接作用し, RANKLのシグナルを介さずに破骨細胞の分化や骨吸収機能を促進することも明らかにされた.さらに, 骨形成因子 (BMP) をはじめとするTGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインがRANKLの存在下で破骨細胞の分化と機能を促進する結果も得られた.現在, これらのサイトカインとRANKLとのシグナル伝達のクロストークに関する解析が活発に行われている.
著者
堂園 昌伯 上坂 友洋 道正 新一郎 高木 基伸 小林 幹 松下 昌史 大田 晋輔 時枝 紘史 下浦 享
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.291, 2016

<p>高分解能磁気スペクトロメータSHARAQにおいて、陽子-重イオン同時測定のための新しいイオン光学モードを開発した。これにより陽子過剰核領域の不変質量核分光が可能となり、元来SHARAQが得意としていた質量欠損核分光と組み合わせることで、核物理研究に新たな可能性をもたらす。講演では、新モードの概念・特性とともに、例として(^16^O,^16^F)反応の測定から得られた性能について報告する。</p>
著者
中田 誠司 三木 正也 岡部 和彦 真下 透 小林 幹男 山中 英寿 高橋 修 大貫 隆久
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.507-514, 1991-05
被引用文献数
1

GU 205例(47.7%),NGU 225例(52.3%),平均年齢32.5歳は両群で大差なし.感染源はホステス76.3%,以下ソープランド,ガールフレンド,海外,妻の順であった.尿道分泌は87.7%に認められ,排尿時痛,尿道不快感がこれにつづいた.検尿,尿道分泌物塗抹染色陽性は両群で72.7%,100%と50.9%,92.2%で,GUのペニシリン抵抗性は29.4%;25.6%にクラミジア混合感染あり,NGUのクラミジア陽性は71.8%となった.GUのNQ, PC治療1週間後の有効は80.6%,83.8%で,NQによる淋菌消失は89.7%である.NGUではNQ, MINO治療1週間後の有効は70.4%,85.3%,クラミジア消失は70.0%,100%であった.NQのOFLX有効は84.3%で最高,両群共治療は2週間の方が再燃が少なかったWe reviewed 497 patients with male urethritis diagnosed between January, 1986 and March, 1989 at the Asama General Hospital. The incidence of gonococcal urethritis (GU) was 47.7%, and that of non-gonococcal urethritis (NGU) 52.3%. There was no difference in the age distribution between GU and NGU. Prostitutes were the most common source of the infection in both GU and NGU. Incubation periods were longer in NGU than in GU, statistically. Urethral discharge was the most common symptom. Purulent urethral discharge was seen more commonly than serous urethral discharge in GU. On the contrary, serous urethral discharge was more common in NGU. Penicillin-resistant gonococcus comprised 29.4% and mixed infection of the C. trachomatis existed 25.6% in GU. C. trachomatis was detected in 71.8% in NGU. In GU, new quinolones and penicillins were administered frequently. The effective rates 1 week after the administration were 80.6% and 83.3%, respectively. In NGU, new quinolones and minocycline were administered frequently. The effective rates were 70.4% and 85.3%, respectively. Ofloxacin (OFLX) showed the highest effective rate to NGU among the four new quinolones. The relapse rate for the two-week administration group was lower than that for the one-week-administration group, but the difference was not statistically significant.
著者
小林 幹夫 濱道 寿幸
出版者
宇都宮大学農学部
雑誌
宇都宮大学農学部演習林報告 (ISSN:02868733)
巻号頁・発行日
no.37, pp.187-198, 2001-03

1998年2月から12月まで、奥日光・小田代原南測山地林の約4km2に出現するササ類の分布、生態(稈の生長、葉の展開、冬芽形成、隈取形成、積雪深、エンドファイトの有無)、生存枯死状況、ニホンジカによる食害状況を調べ、相互の因果関係を分析した。調査地内にはササ属ミヤコザサ節、クマイザサ、オクヤマザサ、ミヤコザサ-チマキザサ複合体(ミヤコチマキと呼称)、スズダケ、ナンブスズの6分類群が出現した。これらの分布図に生存枯死状況を重ね合わせた結果、ミヤコチマキ、オクヤマザサが全面枯死もしくは枯死寸前の状況にある反面、クマイザサ、ミヤコザサ、ナンブスズ及びスズダケでは健全であった。23ヶ所に2×2mの方形枠を設け、各プロット内におけるシカの食害状況を追跡調査した結果、互いに隣接する場所にもかかわらず、ミヤコチマキ、オクヤマザサ、ミヤコザサが顕著に食害を受けるのに対して、クマイザサ、ナンブスズ、スズダケはほとんど受けなかった。これらの結果は、シカがミヤコチマキ、オクヤマザサ、ミヤコザサを選択的に摂食することを示した。選択的食害を受ける3者の間での生存枯死状況の相違は冬芽が形成される位置に依存すること、積雪やエンドファイトの有無は選択性の直接的な要因ではないことが分った。