著者
小椋 正道 矢野 久子 利根川 賢 中村 敦 伊藤 誠 岡本 典子 高阪 好充 溝上 雅史 新井 亜希子 倉田 浩
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.99-104, 2005-06-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
13

発熱と呼吸困難を繰り返し過敏性肺臓炎が疑われた77歳女性に対し, 原因微生物を検索する目的で患者宅環境調査を行った. 調査方法として (1) 浴室, 超音波式加湿器 (以下加湿器), 患者寝室の滅菌綿棒による拭き取り,(2) 加湿器内の水 (加湿器水) の培養,(3) 患者寝室押入れと加湿器の置いてある居間のエアサンプリングを行った. その結果, アレルゲンと成り得るグラム陰性桿菌と真菌が合計11菌種検出された.これらの菌から作製した抗原液と患者血清による沈降反応 (Ouchterlony 法) を行い, 加湿器の内壁, 加湿器水, 加湿器稼動中の居間の空気の3箇所より検出されたCandida guilliermondiiが陽性であった. 3箇所から検出されたこの菌はPFGE解析により核型が一致しており, 加湿器内で増殖していた本菌が加湿器を稼動させたことで空気中に飛散したことが示唆された. 本事例は加湿器を廃棄したところ症状の再発がみられなくなった. 以上からC. guil-liermondiiを原因微生物とした加湿器肺が強く疑われた.
著者
高山 憲之 鈴村 興太郎 青木 玲子 玄田 有史 小椋 正立 小塩 隆士 土居 丈朗 原 千秋 臼井 恵美子 清水谷 諭
出版者
公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2010-04-21

近年、年金をはじめとする世代間問題が緊急性の高い重大な社会問題の1つとなっている。本研究では、くらしと仕事に関するパネル調査等、各種の実態調査を実施して世代間問題の内実を的確に把握した一方、経済理論を駆使して世代間問題の本質をえぐりだした。そして世代間対立を世代間協調に転換するための具体的アイデアを提示した。
著者
森主 宜延 岸本 匡史 宮川 尚之 小椋 正
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.604-612, 1998-09-25
参考文献数
27
被引用文献数
2

本研究は,チンキャップ適用の実態と頭蓋顔面硬組織の変化から,チンキャップ適用の妥当性について再検討することを目的とした。対象は,チンキャップ適用者51名であり検討資料は装着後6か月間隔で記録された外来カルテ,歯列模型,側貌頭部エックス線規格写真計測による。結果として,チンキャップの平均撤去年齢が11歳であり,平均使用期間は3年6か月であった。使用目的は下顎の過成長の抑制であり,撤去時の主な理由は被蓋の改善と骨格型要因に不安が解消されたことにあった。また,使用開始時下顎骨の過成長と診断された症例において,被蓋の改善による下顎の過成長の解消と考えられた症例が認められた。使用効果は,使用開始時,∠SNBが正常咬合者と比較し大きく,チンチャップ撤去時並びに撤去1年後も同じく有意に大きな値を示した。しかし,撤去時,∠SNAと∠ANBが有意に増加し改善の傾向もみられた。使用開始時から撤去1年後までの定性的変化から,使用開始時から撤去時の装置使用による計測項目の変化の方向と,撤去時から撤去1年後の計測項目の変化の方向が逆となり後戻り傾向が認められた。結論として,適用理由となる不正要因の診断に注意を要し,撤去理由との矛盾も指摘された。下顎骨成長の絶対的抑制は,形態計測値の変化と思春期開始時に撤去されていることから効果が得られたとはいいがたい。さらに,撤去時,下顎骨の成長と前歯部歯軸で後戻り傾向が認められ,チンキャップ適用への再検討の必要性が示された。
著者
大野 秀夫 大野 和夫 小椋 正 木村 光孝
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.653-660, 1986-12-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
13

乳歯生活歯髄切断処置後,乳歯の生理的歯根吸収が健全乳歯の場合と同様に進行しているか否かを検討するため,生後3カ月前後の幼犬の乳歯に,覆髄剤として,水酸化カルシウムを主成分とするCalvitalを使用し,生活歯髄切断処置を施し,病理組織学的に検索した。乳歯生活歯髄切断処置後の生理的歯根吸収は,健全な対照歯と比較し,組織学的にはほぼ同調した吸収状態を示した。このことは,乳歯生活歯髄切断処置が生理的歯根吸収に対して,何ら影響を与えているとは考え難く,乳歯の歯髄処置として,非常に意義あるものと考えられた。
著者
堀 準一 小椋 正
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

日本人一般小児に顎関節症がどの程度の発症頻度があるかを鹿児島大学のグループが1984年に調査した結果によると9.8%(10〜18才)であった。すなわち,10人に1人の割合で三大症状(顎関節雑音,顎関節部疼痛,開口障害)のうちどれか一つの症状があることが解った。また,顎関節症の初発症状は顎関節雑音であり,初発期は中学生で高校生になると激増することも解った。その後,多くの研究者による顎関節症の発症頻度についての報告がなされ,この疾患が増加傾向にあるといわれているが,調査の方法(アンケート調査,問診,臨床診査など)や症状(前期三大症状の他,頭痛や異常顎運動など)の取り扱い方の違いなどのため比較出来るものがなく,増加しているかどうかは解っていなかった。そこで今回著者らは,顎関節症の発症頻度が日本人一般小児において8年前より増加しているかどうかを同一の方法論によって確かめることにした。また,顎関節症の発症頻度に地域差や環境差があるかどうかを確認するために,東京都と8年前に調査した鹿児島市において行った。その結果によると,小学生(5,6年生)2.0%から8.0%,中学生8.1%から12.5%,高校生12.0%から17.2%へと全てにおいて増加していることが解った。さらに,顎関節症の発症頻度は東京都内中学生11.9%に対し,鹿児島市内中学生12.5%で,東京都内高校生17.6%に対し,鹿児島市内高校生は17.2%と殆ど差がなかった。しかし,東京都内と鹿児島市内の中学生,高校生ともに顎関節症の発症頻度は男子よりも女子が高頻度を示したが,統計的な有意差は示さなかった。以上のように,若年者顎関節症は地域差はないものの増加傾向にあることが確認されたことを考えると,この疾患の予防法を早期に確立する必要に迫られている事が解る。今後,この研究を継続し予防法を確立する予定である。
著者
森田 学 小椋 正之 恒石 美登里 渡邊 達夫 岡田 真人 宮武 光吉 梅村 長生
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.786-793, 1999-11-30
被引用文献数
3

根管治療(抜髄・感染根管処置)に関する歯科医療費と診療行為の内容を調査した。昭和55,58,60年,平成2,6年の厚生省社会医療診療行為別調査に用いられた歯科診療報酬明細書のデータのうち,病院,一般診療所分を除いた歯科診療所分のデータを対象とした。各年の対象とした件数は,それぞれ16,145,8,831,18,028,17,165,18,294件であった。歯髄炎や歯根膜炎を主傷病名とする歯科診療報酬明細書の割合は経年的に減少し,平成6年では12〜14%であった。また,根管治療にかかわる点数の合計も年々減少しており,平成6年では,1件あたり平均117点で,総点数の8.3%であった。平成6年の歯科診療報酬明細書について根管治療にかかわる点数を検討したところ,以下の知見が得られた。1)根管治療は40歳,50歳台で最も頻繁に行われていた。また,20歳台では,ほかの年齢層と比較して,3根管歯の抜髄頻度が高いことが認められた。2)根管治療点数の占める割合が最も高い年齢層は20〜29歳であり,総点数の11%であった。しかし,老人医療においては,その割合は約4.0〜5.0%と,全年齢層中,最も低かった。3)抜髄あるいは感染根管処置に始まり根管充填で終わる一連の検査,処置を包括化し,推定点数を算出した。その結果,推定点数の最頻値は,電気的根管長測定検査,麻酔抜髄(あるいは感染根管処置),0回または1回の根管貼薬処置の後に,加圧根管充填した場合の合計点数に等しかった。4)本調査は,1ヵ月の診療報酬明細書を扱い,比較的簡単な症例のみが抽出されていることから,今後数カ月にわたる追跡の必要性が示唆された。