著者
山本 孝司 久保田 治助
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.79-90, 2012-03

「大人になる」というテーマは、今日の日本の若者問題を論じる際のキーワードともなっている感さえある。「大人になる」ということは、他方で「子どもではなくなる」という意味合いを含んでいる。つまり「大人になる」ということ自体が、ある種の子ども性の否定のうちに成り立っている。 近代以前、こうした「大人化」については、制度としてシステム化されていなくとも、子どもたちは共同体の一員として、無意識的に社会教育を受ける機会が多々用意されていたのである。近代以降、「大人化」のプログラムは学校教育が中心的な場となり、そうしたコミュニティのなかでの「大人化」の取り組みは姿を消してしまった。それどころか、今ではコミュニティそのものが解体され消滅してしまっている。 このような時代を背に、「大人化」の問題は、社会教育の分野を筆頭に「市民性」(citizenship)の問題として再浮上している。もっとも、言葉として「市民性」は頻繁に耳にするようになったものの、その内実についてはいまひとつ定かになっていない。 そこで本稿の目的とするところは、近代以降「市民性」がどのように論じられてきたかをレビューした上で、あらゆる位相でボーダレス化している今日にあって、「大人化」という視点からあらためて「市民性」を捉え直すことである。There are a variety of remark theories about "Grow up" in not only the field of education but also various fields. The theme "Grow up" becomes a key word when the young person problem of Japan of today is discussed. "Grow up" It is a meaning "It is not child and become it". The chance to receive Social Education unconsciously had been prepared for childrena lot as a member of the community before modern ages. The school training came in a center place as for the program of "Change to the adult" since it was modern. And the approach of "Change to the adult" in the community has disappeared. On the contrary, the community is dismantled now and it disappears.. The problem of "Change to the adult" has surfaced again as a problem of citizenship with the field of Social Education at the top against the backdrop of such an age. It is not clarified though "Citizenship" is frequently heard as a word of the contents. The purpose of this text is to try to catch "Citizenship" again from the aspect "Change to the adult" in today.
著者
都並 結依 大成 博文 大成 博音 山本 孝子
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.3-8, 2008-05-20
被引用文献数
2

超高速旋回式で発生したマイクロバブルのほとんどが収縮してマイクロナノバブルへと変化する.この区別は,その収縮速度差の相違でなされる.マイクロバブルの収縮の原因は,発生時の負圧形成が引き金となり,発生後の周囲水の加圧とその収縮過程における内部気体の噴出および溶解することにある.マイクロバブルの収縮パターンには3つがあり,その形成にも収縮時の内部気体の噴出が関係している.マイクロバブルは,ダム貯水池下層の無酸素水域に注入することで有酸素化による水質浄化に有効である.
著者
岩本 正和 黒田 泰重 尾中 篤 小松 隆之 犬丸 啓 引地 史郎 岡本 昌樹 山本 孝 石谷 暖郎 板谷 篤司 田中 敏弘
出版者
東京工業大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2005

本研究では「ナノ空間でのみ発現する新機能の開拓」を目標に研究を実施した。研究期間中に、規則性ナノ空間物質を触媒とすると、ニッケル担持体上でエチレンやエタノールが選択的にプロピレンに転換できること、銅イオン交換体あるいはチタンイオン交換体上で固体特有の不斉合成反応を実現できること等を明らかにした。また、細孔内へのアゾベンゼンの担持により細孔径を可変化できること等も究明し、未知の機能の発見や新機能の創成を達成した。
著者
武末 純一 桃崎 祐輔 松木 武彦 橋本 博文 坂 靖 亀田 修一 高久 健二 重藤 輝行 山本 孝文 田中 清美 七田 忠昭 禰宜田 佳男 角田 徳幸 梅木 謙一 庄田 慎矢 浜田 晋介 寺井 誠 李 健茂 安 在晧 池 賢柄 李 弘鍾 朴 升圭 権 五栄 李 盛周 金 武重 金 昌億 宋 満栄 李 暎徹 李 東煕 河 眞鎬 金 権中 金 奎正 李 宗哲 朴 栄九 李 亨源 鄭 一 朴 泰洪 兪 炳〓 孔 敏奎 河 承哲 尹 昊弼 李 基星 裴 徳煥 李 昌煕 千 羨幸
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

この研究では、日本と韓国の弥生・古墳時代集落研究を、集落構造論の立場から検討し、最終報告書(650頁)を発刊した。日韓の環溝集落の様相や海村の様相、日韓それぞれの地域の国際交流港での渡来人集落が明らかになった。日韓の首長層居宅の比較や、日本人による韓国の集落分析、韓国人による日本の集落分析もなされた。そのほか、日韓の金属器生産遺跡や馬飼集団の集落も解明できた。全体として日韓の集落研究者の絆を深め、両地域の弥生・古墳時代集落研究を活性化できた。
著者
山本 孝史 輿水 馨 尾形 学
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-5, 1986-02-15
被引用文献数
5

わが国において, 1970〜1981年の間に豚流行性肺炎病巣部から分離されたMycoplasma hyopneumoniae 54株および新基準株Jの各種抗生物質に対する感受性につき検討を加え, 以下の成績を得た。1)最も高い活性を示したのはチアムリンであり, 供試した55株の全てに対し, 0:02〜0.04μg/mlの最小発育阻止濃度(MIC)を示した。2)タイロシン, ジョサマイシン, スピラマイシン, キタサマイシンのマクロライド系薬剤もこの順に高い活性を示したが(0.02〜1.25μg/ml), エリンロマイシンのMICは2.5〜20μg/mlであった。3)リンコマイシンはタイロシンとジョサマイシンの中間的なMIC (0.04〜0.16μg/ml)を示したが, アミノグリコシッド系薬剤のネオマイシン, カナマイシンは比較的高いMICを示した(0.16〜10μg/ml)。4)テトラサイクリン系薬剤のうちクロールテトラサイクリン(CTC)のMICは, 2.5〜40μg/mlに分布していたが, テトラサイクリン, オキシテトラサイクリン, ドキシサイクリンのそれは, 0.04〜2.5μg/mlであった。5)1970年度分離株では大部分の株がCTCに対し5μg/ml以下で, また他のテトラサイクリン系薬剤に対しては0.16μg/ml以下で感受性を示したが, 1979〜1981年度の分離株では, これらの濃度で感受性を示したのは半数以下であった。6)CTCのMIC値と他のテトラサイクリン系薬剤のそれとの間には相関が認められた。