著者
内田 惠太郎 山本 孝治
出版者
日本貝類学会
雑誌
ヴヰナス
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.119-125, 1942

From the numerous specimens collected at various localities along the coast of the Korean Peninsula and its adjacent islands, we obtained the following results about the distribution of Haliotis species in the Korean waters. 1) The following four forms of Haliotis are found in the Korean waters : Haliotis gigantea gigantea Gmelin, H. gigantea sieboldi Reeve, H. gigantea discus Reeve, and H. kamtschatkana Jonas. 2) H. kamtschatkana, a boreal species, is found along the coast of the Korean Peninsula and its adjacent islands, while the remaining three forms, belonging to the temperate species, are found on the coast of Saisyu-to (Quelpart Island) and Tusima. In some islands lying between the Peninsula and Saisyu-to, all of the above four forms are found together. 3) The boundary zone of distribution of the above two groups of Haliotis almost coincides with the 12℃.-isothermal line at 25 metre depth in winter.
著者
山本 孝治 中村 光江
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20180706031, (Released:2018-11-30)
参考文献数
24

本研究の目的は,青年期以前に発症した中年期のクローン病患者がこれまでどのように生活を再構築してきたのか,今後どのように病気とともに生活しようと考えているのかを明らかにすることである。中年期クローン病患者7名を対象とし,半構成的面接から得られたデータを質的に分析した。その結果,[再構築の契機となる経験][調子のよさを維持させる][体調コントロールの軸は自分][体調を優先させて生きる強さをもつ][自分の感覚が頼り][体得した自分流の工夫を生活に組み入れる][加齢や合併症出現による将来の生活の不安]の7つのカテゴリー,[乗り越えてきた喜びと自信][豊かに生きていく]の2つのコアとなるカテゴリーが抽出された。生活の再構築は繰り返され,病気や加齢による影響をふまえ,自分らしく豊かに生きていこうとするものであった。患者が自分流の工夫を実践し振り返りながら修正させ発展できるような支援が必要である。
著者
山本 孝司
出版者
サレジオ工業高等専門学校
雑誌
サレジオ工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:18812538)
巻号頁・発行日
no.35, pp.117-126, 2009

本論分では, 3次元幾何ソフトCabri 3Dv2を利用して,円錐曲線の定義を視覚化する.また平面幾何ソフトCabre Geometry II plusを使って,パッポスが証明した統一的な定義にしたがって円錐曲線を作図する.更に円錐曲線の極方程式を導き,方程式から離心率の意味を考察しフリーソフトGrapesで視覚化する.
著者
及川 良彦 山本 孝司
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.8, no.11, pp.1-26, 2001-05-18 (Released:2009-02-16)
参考文献数
102

縄文土器の製作についての研究は,考古学的手法,理化学的手法,民族学的手法,実験考古学的手法などの長い研究史がある。しかし,主に製作技法や器形,施文技法や胎土からのアプローチがはかられてきたが,土器の母材となる粘土の採掘場所や採掘方法,土器作りの場所やそのムラ,粘土採掘場とムラの関係についての研究は,民族調査の一部を除き,あまり進展されずに今日に至っている。多摩ニュータウンNo.248遺跡は,縄文時代中期から後期にかけて連綿と粘土採掘が行われ,推定面積で5,500m2に及ぶ全国最大規模の粘土採掘場であることが明らかとなった。隣接する同時期の集落であるNo.245遺跡では,粘土塊,焼成粘土塊,未焼成土器の出土から集落内で土器作りを行っていたことが明らかとなった。しかも,両遺跡間で浅鉢形土器と打製石斧という異なる素材の遺物がそれぞれ接合した。これは,土器作りのムラの人々が粘土採掘場を行き来していることを考古学的に証明したものである。土器作りの根拠となる遺構・遺物の提示と粘土採掘坑の認定方法の提示から,両遺跡は今後の土器作り研究の一つのモデルケースとなることを示した。さらに,粘土採掘坑から採掘された粘土の量を試算し,これを土器に換算し,住居軒数や採掘期間等様々なケースを想定した。その結果,No.248遺跡の粘土は最低でも,No.248遺跡を中心とした5~10km程の範囲における,中期から後期にかけての1,000年間に及ぶ境川上流域の集落の土器量を十分賄うものであり,最低限この範囲が粘土の消費範囲と考えた。さらにNo.245遺跡は土器作りのムラであるだけでなく,粘土採掘を管理したムラであることを予察し,今後の土器生産や消費モデルの復元へのステップとした。以上は多摩ニュータウン遺跡群研究の一つの成果である。
著者
山本 孝治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.105-109, 1937-07-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
6

Soon after spawning the eggs of the Japanese Killifish, Oryzias la ?? ipes (TEMMINCK & SCHLEGEL) and the Dutch-Lion-Head Goldfish, Carassius auratus (LINNAEUS) were kept at various constant temperatures. The time required for hatching and the percentage of the hatched fry were observed. To obtain a series of constant temperatures a SENO-TAUT??'s serial in ubator was made use of, in which 6 constant temperatures ranging from about 11° to 30°C. for the eggs of the Japanese Killifish and 10 constant temperatures ranging from about 12° to 31°C, for the eggs of The Dutch-Lion-Head Goldfish were maintained. The results obtained may be summarized as follows: 1) Water temperatures for normal development of the eggs range for the Japanese Killifish 18° to 30°C., and for the Dutch-Lion-Head Goldfish 15° to 23°C. 2) The relation between the temperature (θ) and the time in days required for hatching (T) may be expressed as given by HIGURASHI and TAUTI by the formula Teaθ=C, where a and C are constants specific to the eggs of the respective kind. The values of these constants found in the present experiment and those of Q10 calculated from them are for the Japanese Killifish a 0.0799, C 1.923 and Q10 2.22, and for the Dutch-Lion-Head Gordfish a 0.0933, C, 1.523 and Q10 2.54.
著者
山本 孝夫 仁谷 浩明 清野 智史 小原 孝介 大門 英夫 中川 貴
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.481, 2008

放射線による水の放射線分解で発生するラジカルが水溶性の貴金属イオンを還元しナノ粒子を生成することを利用し、AuとPtを同時に加速器電子線で処理し合金のナノ粒子(直径が数nm)を担体粒子(酸化鉄もしくはカーボン)の上に多数担持した複合ナノ粒子を合成した。得られた粒子材料は大気中のCOを還元する触媒作用を持つ。X線回折によるAuとPtは合金を形成していることが判った。従来の化学的手法では、ビルドアップ法で二元合金ナノ粒子を合成しようとすると、酸化還元電位の序列に妨げられるが、放射線合成法によればこれが克服される。合金化することで触媒特性も促進されるだけでなく、触媒機能の本質を持つ高価な白金の節約ともなる。
著者
及川 良彦 山本 孝司
出版者
THE JAPANESE ARCHAEOLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.8, no.11, pp.1-26, 2001

縄文土器の製作についての研究は,考古学的手法,理化学的手法,民族学的手法,実験考古学的手法などの長い研究史がある。しかし,主に製作技法や器形,施文技法や胎土からのアプローチがはかられてきたが,土器の母材となる粘土の採掘場所や採掘方法,土器作りの場所やそのムラ,粘土採掘場とムラの関係についての研究は,民族調査の一部を除き,あまり進展されずに今日に至っている。<BR>多摩ニュータウンNo.248遺跡は,縄文時代中期から後期にかけて連綿と粘土採掘が行われ,推定面積で5,500m<SUP>2</SUP>に及ぶ全国最大規模の粘土採掘場であることが明らかとなった。隣接する同時期の集落であるNo.245遺跡では,粘土塊,焼成粘土塊,未焼成土器の出土から集落内で土器作りを行っていたことが明らかとなった。しかも,両遺跡間で浅鉢形土器と打製石斧という異なる素材の遺物がそれぞれ接合した。これは,土器作りのムラの人々が粘土採掘場を行き来していることを考古学的に証明したものである。<BR>土器作りの根拠となる遺構・遺物の提示と粘土採掘坑の認定方法の提示から,両遺跡は今後の土器作り研究の一つのモデルケースとなることを示した。さらに,粘土採掘坑から採掘された粘土の量を試算し,これを土器に換算し,住居軒数や採掘期間等様々なケースを想定した。その結果,No.248遺跡の粘土は最低でも,No.248遺跡を中心とした5~10km程の範囲における,中期から後期にかけての1,000年間に及ぶ境川上流域の集落の土器量を十分賄うものであり,最低限この範囲が粘土の消費範囲と考えた。さらにNo.245遺跡は土器作りのムラであるだけでなく,粘土採掘を管理したムラであることを予察し,今後の土器生産や消費モデルの復元へのステップとした。以上は多摩ニュータウン遺跡群研究の一つの成果である。
著者
清水 実嗣 山田 俊治 村上 洋介 両角 徹雄 小林 秀樹 三谷 賢治 伊東 伸宜 久保 正法 木村 久美子 小林 勝 山本 孝史 三浦 康男 山本 輝次 渡辺 一夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.389-391, 1994-04-15
被引用文献数
31

ヘコヘコ病発病豚の病原学的検索を行った.その結果,血清と肺よりPRRS ウイルスが,また肺よりMycoplasma hyorhinis(Mhr)が高率に分離された.無菌豚に分離ウイルスChiba92-1株を接種したところ,全葉性の増殖性間質性肺炎が再現され,ウイルスが長期間回収された.肺炎はMhrとの重感染例において重度化する傾向にあった.以上の成績から,わが国にPRRSウイルスが存在し,本病の発生に同ウイルスが関与することが明らかとなった.
著者
廣垣 和正 神谷 淳 木水 貢 山本 孝 田口 栄子 金法 順正 久田 研次 堀 照夫
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.93-98, 2010 (Released:2010-06-01)
被引用文献数
1 1

Cyclodextrin (CD) was fixed onto a fabric using isocyanate as a cross-linker and their durability was discussed. The CDpolymer was insoluble on water, and reaction of CD with isocyanate was characterized with infrared spectroscopy. The poly(ethylene terephthalate) fabric was dipped into a solution of Beta-CD and isocyanate, and the fabric was annealed to fix CD. Weight decrease and CD content on the fabric was followed to evaluate the wash durability of the fabric. When CD was fixed with triisocyanate showed higher durability compared with the one fixed with diisocyanate. For the fabric with the highest durability, 60% of CD remained on the fabric even after 50 times washing. Absorption capacity of the CD on the fabric was evaluated to be 80% from the adsorption of phenolphthalein on a fabric
著者
河野 恵 山本 孝 松田 忠泰 佐藤 重房 長崎 宗俊
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.458-460, 1960-05-01 (Released:2009-10-21)
参考文献数
9

Three ointments, Merzonin-ointment, Mercurochromum-ointment and Unguentum Hydrargyri, were used in a Preliminary Screening Test in an attempt to determine which ointments would warrant further testing for protective agents against the penetration of larvae of Ancylostoma caninum.No remarkable effective result were found compared with the control.
著者
葛谷 雅文 山本 孝之 葛谷 文男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.499-503, 1991-07-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
14
被引用文献数
6 6

鏡に写したごとく, 左右逆転して文字が書かれる鏡像書字は, 脳の器質的障害の後にさまざまな頻度で出現すると言われている. しかしその出現機構, 責任病巣は現在のところ不明である. 今回, 老年者113名に書字検査を施行し, 鏡像書字の出現程度により, 高度, 中等度, 軽度, 正常の4群に分類し, 各群の出現率並びに脳血管障害, 脳障害部位との関係, また知的機能レベルとの関係につき検討した. 右手書字での鏡像書字発現は一例もみられなかった. 左手書字可能例は93名で, 鏡像書字発現程度は, 正常: 34.4%, 軽度: 24.7%, 中等度20.4%, 高度: 20.4%であった. 特に右片麻痺例と, 書字訓練を受けていない失語症例において高率に鏡像書字を認めた. 単純頭部CTで脳血管障害を確認できた症例64名の鏡像書字発現程度は, 正常: 32.8%, 軽度: 20.3%, 中等度: 26.6%, 高度: 20.3%であった. CTで正常と診断された6名においては, 正常: 33.3%, 軽度: 66.6%であり, 中等度および高度はなく, 鏡像書字と脳血管障害との関連性が強く示唆された. 障害部位では両側半球障害, また左半球障害に高い出現率をみとめたが, 右半球障害例にもかなりの頻度で鏡像書字を認めており, 単一の損傷部位または片半球のみにその責任病巣を求めるのは困難であった. 長谷川式知的機能診査スケールは, 正常: 28.5±3.6, 軽度: 25.2±6.9, 中等度: 22.2±6.7, 高度: 23.1±6.1で, 中等度と高度出現例では, 正常例に比較し有意に知的機能レベルの低下を認めた. また長谷川式スケール20点以下の痴呆例では, 94.9%に鏡像書字を認め, 鏡像書字出現と知的機能障害との密接な関係が示唆された.
著者
山本 孝史
出版者
日本SPF豚研究会
雑誌
All about swine (ISSN:0918371X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.7-13, 2014-09
著者
山本 孝司
出版者
岡山県立大学 大学教育開発センター
雑誌
岡山県立大学教育研究紀要 = Bulletin of Higher Education and Liberal Arts and Sciences Research,Okayama Prefectural University (ISSN:24238236)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-10, 2021-02-15

ルイザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott,1832-1888)は、19世紀アメリカの子ども向け少女小説作家として知られ、代表作『若草物語』(Little Women)は、当時の少女たちの心を掴み大ベストセラーとなり、その後も世界各国で翻訳され、家庭小説の古典として世代を越えて読み続けられている。彼女の小説の中には、19世紀当時のアメリカ社会に浸透していた人間観、子ども観、教育観とは相入れない進取の精神に満ちた社会と人間の捉え方が垣間見え、その意味でルイザは後の進歩主義教育につながるユニークな思想の持ち主であった。本稿は、オルコットの教育思想をアメリカ教育史の中に位置づけ、19世紀末から生起するアメリカ進歩主義教育との影響関係を明らかにすると同時に、進歩主義教育から今日の教育現場にも受け継がれる子ども主体の教育実践理論を彼女の思想の中に見出すことを試みた。
著者
大重 育美 衛藤 泰秀 小川 紀子 苑田 裕樹 山本 孝治 西村 和美 姫野 稔子 高橋 清美 田村 やよひ
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing = 日本赤十字九州国際看護大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing (ISSN:21868042)
巻号頁・発行日
no.18, pp.23-30, 2020-03-31

われわれは平成28年度の学長指定研究開始後より、福祉避難所としての仕組みを整えるための活動を行ってきた。平成29 年度には、熊本地震の際に福祉避難所としての運営を行った施設責任者を対象に聞き取り調査を行い、公共施設での福祉避難所の課題を明らかにした。今年度は、日本赤十字九州国際看護大学(以下、本学とする)が福祉避難所として機能するためにどの場所が適切なのか、実際に収容できるのかの実証的な調査が必要であった。そこで、本研究は災害を想定した福祉避難所としての運営に向けた課題を環境の変化と人体への影響という視点から明らかにすることを目的とした。方法は、福祉避難所として想定している本学敷地内のオーヴァルホール、体育館、実習室の外気温、室内温、湿度の経時的な変化を計測し、20歳代から70歳代までの各年代の参加者の自覚的疲労度を主観的評価と体温、血圧、脈拍を経時的に測定した。その結果、室内温は、時間の推移に伴い徐々に下降傾向で、オーヴァルホールと実習室は温度の推移がほぼ同じで2時以降やや下降気味であった。外気温は、オーヴァルホールと体育館は同じ推移であったが、実習室の外気温は棟内であり、気温の低下の影響は少なかった。主観的な評価項目では、「ねむけ感」が時間の推移に伴い高まり、「ぼやけ感」は22時をピークに下降気味となった。したがって、室内温、外気温の変化がほぼ同じだったことから、収容場所は要配慮者の状況によっては、オーヴァルホール、体育館、実習室の利用が可能であることが示唆された。課題は、睡眠環境の整備として寝具の工夫が必要であることが明らかとなった。報告 = report