著者
河田 則文 久保井 広志 申 東桓 筒井 ひろ子 溝口 靖紘 小林 絢三 近藤 洋子 森澤 成司 門奈 丈之 山本 祐夫
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.855-859, 1989-08-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

マウスKupffer細胞から産生遊離するPGE2量に及ぼすinterleukin 1(以下,IL1)とtumor necrosis factor(以下,TNF)の影響について検討した.マウスKupffer細胞を培養すると,spontaneousにもPGE2の遊離がみられ,培養上清中のPGE2量は培養開始後24時間まで経時的に増加したが,TNFを添加するとTNF1, 10ng/ml添加時にさらに有意に増加した.また,Kupffer細胞をzymosanで刺激するとPGE2産生量は約5倍にも増幅し,TNF存在下ではさらに増強された.さらに,Kupffer細胞をあらかじめTNFで24時間処理したのちzymosanで刺激を加えて産生されるPGE2量もやはり有意に増加した.このように,種々の条件下においてTNFはKupffer細胞からのPGE2産生を増加させることが明らかとなった.しかしながら,IL1にはこのような効果は見られなかった.以上の結果から,Kupffer細胞自身が産生するとされるTNFがKupffer細胞機能を調節する機構が存在する可能性が示唆された.
著者
山本 祐輔
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2011-03-23

新制・課程博士
著者
筒井 ひろ子 溝口 靖紘 宮島 慶治 阪上 吉秀 東森 俊博 関 守一 山本 祐夫 原 久子 巽 陽一 門奈 丈之 森沢 成司
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.603-609, 1985 (Released:2007-12-26)
参考文献数
13
被引用文献数
4

Propionibacterium acnes (P. acnes) をラットの静脈内に注入し, 一定の期間をおいて少量の lipopolysaccharide (LPS) を静注すると, 肝に広範な壊死巣が出現する. この急性肝不全実験モデルにおける肝障害誘導機構を解析するため, 肝内粘着性細胞の機能変化を検討した.P. acnes 加熱死菌静注7日後に, 肝臓から粘着性細胞を分離し, LPSを添加して48時間培養すると, 0.5μg/ml以上のLPSを添加した場合には粘着性細胞培養上清に著明な肝細胞障害活性が認められた. これに比較して, P. acnes 非投与ラットの肝臓から粘着性細胞を分離してLPSで同様に処理した場合, 細胞培養上清中に見られる肝細胞障害活性は低かつた.以上の結果から, 二段階の処理によつて活性化された肝内粘着性細胞は肝細胞障害因子を産生分泌し, この因子が本実験モデルにおける急性肝細胞障害の誘導に重要な役割を果すことが示唆された.
著者
木本 哲夫 山本 祐規子 日野 恵子 古谷 聡美 阿賀 創 橋本 貴治 花谷 利春 新井 成之 池田 雅夫 福田 恵温 栗本 雅司
出版者
日本生薬学会
雑誌
Natural medicines = 生薬學雜誌 (ISSN:13403443)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.72-79, 1999
参考文献数
9
被引用文献数
5

From the plant commonly known as Indigo Plant (Polygonum tinctorium Lour., Shimane, Japan) , Tryptanthrin was isolated which had cytotoxic effects on malignant tumor cells. The cytotoxic effects on human solid cancer cells, leukemia cells, murine glioblastoma cell, colon cancer and malignant melanoma cells in vitro were assayed. Tryptanthrin induced remarkable necrotic and apoptotic changes in the malignant tumor cells.
著者
山本 祐子 圓川 隆夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.143-152, 2000-06-15
被引用文献数
8

多くの産業が成熟期を迎えた今日, 企業は既存顧客の維持に重点を置いている.その一環として顧客満足度(CS)の測定は基本であり, 多くの企業が, 満足度を高めることで顧客が再び買いたいと思う意志や行動であるロイヤリティを高めようとしている.しかし, そこには「ロイヤリティ=CS」という前提が暗黙の内に存在しており, これが顧客心理を反映しているかは実際には疑問が残る.そこで本研究は, 顧客がロイヤリティを決定付ける要因の構造をアンケート調査により検証し, 「ロイヤリティ=CS」という関係の妥当性を探ることを目的とする.その上で, CSがロイヤリティに及ぼす影響の程度や傾向を複数の製品・サービスについて検討する.
著者
山本 祐輔
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

平成22年度は「Web情報の信頼性の評価」に関する研究として2つの課題に取り組んだ.1つ目の研究課題は,Webページに掲載された画像の信憑性を分析するためのアルゴリズムの開発である.本アルゴリズムのために,昨年度開発したWeb情報の信憑性を分析する汎用的なアルゴリズムを画像信憑性分析のために応用・改善した.開発した分析アルゴリズムは,画像の信憑性を画像とその周辺テキスト内容(例:キャプション)との整合性に着目した分析アルゴリズムである.また,提案アルゴリズムの応用システムとして,Web画像の信憑性をブラウジング時にリアルタイムに解析できるアプリケーションImageAlertを開発した,ImageAlertを用いることで,閲覧中の画像の信憑性を分析し,より信憑性の高い画像を取得することが可能となる.開発したアルゴリズム・アプリケーションは,既存のメディア情報とは異なり信憑性の検証がほとんど行われないWeb情報,特にインターネット広告の画像の信憑性検証に有益である.2つ目の研究課題は,インターネットユーザの信憑性判断モデルの推定に基づくWeb検索結果の最適化に関する研究である.情報の信憑性は,情報の種類や情報を閲覧するユーザによって評価尺度が異なる情報特性であることが知られている.そこで,2つ目の研究課題では,検索結果に対するユーザの信憑性フィードバック情報から信憑性判断時にユーザが重視する信憑性評価観点を推定し,それを基にWeb検索結果を再ランキングするシステムを開発した.提案システムによって,(1)通常のWeb検索結果では確認することが難しい信憑性判断情報を確認すること,(2)膨大なWeb情報の中から各々のユーザにとって信憑性が高いと思われるWebページを効率よく検索することが可能となる.
著者
山本 祐介
出版者
東京歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

明らかなマイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction ; MGD)を有さないが、ドライアイに関する愁訴を有する者19例38眼を対象とし、アイマスク型の温熱マッサージ器「アイマッサー」を1回5分、1日2回、2週間毎日使用させ、自覚症状、涙膜破壊時間などの眼機能の変化、一般所見などを観察した。対象は男性2名、女性17名。平均年齢33.4歳(±6.9歳)。短期間効果:5分間使用し、前後の変化(眼瞼角膜温度、涙液膜破壊時間(BUT)など)を評価した。治療的効果:1日5分使用を1日に2回行い、2週間続けた。結果 BUTは短期間調査、治療的調査ともに著明改善した(P<0.01)。多くの症状が2週間の治療後に改善をみせた。DR-1上、干渉像の変化はないものから、厚みのある油層が観察されるようになる症例まで様々であった。5分間の温熱療法後、上眼瞼温度は1.6℃、角膜温度は1.3℃上昇した(P<0.01)。視力、眼圧、シルマー値に変化は認められなかった。調査した多くの自覚症状項目(瞼の重い感じ(p<0.001)、眼が疲れる、眼が乾燥する、異物感、充血する、不快感がある(以上5項目、p<0.01)、瞬きが多い、めやにが出る、眼がほてった感じがある(以上3項目、p<0.05))で改善が認められた。総合評価でも良好な成績が得られた。また、本試験では併せて眼精疲労に関する愁訴についてもアンケート調査を行ったが、これについても調査した症状の項目の半数以上で改善が認められるなど、良好な成績が得られた。これらのことからアイマッサーはドライアイ及び眼精疲労に関連した愁訴に対して有効であると考えられた。現在、論文執筆中である
著者
赤尾 慎吾 佐久間 正典 小針 健太郎 山本 祐太朗 野口 和洋 中曽 教尊 辻 俊宏 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.212, pp.81-86, 2008-09-18

安全・安心のために、ユビキタスな多種類ガス分析装置の要求がある。多種類のガス検出手法として、ガス成分の時間分離を原理としたガスクロマトグラフ(GC)が多く使用されているが、キャリアガス等のユーティリティが必要でかつ装置が大型であることから、ガスをサンプリングして分析室内での使用を余儀なくされてきた。我々は、小型で室温動作可能な球状弾性表面波(SAW)センサを開発してきた。SAWを球の表面に特定の条件で励振させることにより、無回折な自然な平行ビームとして多重周回させる事で長距離伝搬を可能にした。このため、音速の変化や強度の減衰率が超高感度で計測できる。この技術をGCに応用することで、小型で、高感度な多種類ガスセンサを提案する。