著者
黒澤 秀太 金岡 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.502, pp.197-202, 2014-03-27

パスワード設定時にパスワードメータを配置することで設定されるパスワードが強化されることが知られている。UrらはUSENIX Security'12においてさまざまなパスワードメータを用意しそれらの違いによるパスワード強度を評価した。本稿ではパスワードメータの改良として、ユーザの属性に応じたメータ表示を行い、属性に応じたインセンティブをメータ表示で与えることにより設定されるパスワードを強くする効果が期待できる手法を提案し、ユーザ実験によりその効果を評価した。
著者
山元 憲一 半田 岳志 西岡 晃
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.319-323, 2006-09-20
被引用文献数
7

リシケタイラギを用いて、換水および鰓繊毛運動に及ぼす低酸素の影響について水温20℃で調べた。換水運動は、酸素飽和の状態では入水口と出水口を時々開いて換水を行う断続型を示し、酸素分圧が60mmHgより低下するとそれらを常時開いている連続型に変化した。換水量は、酸素分圧の低下に伴って435ml/min/kg から酸素分圧54.9~38.7mmHgで1,862~1,888ml/min/kgへ4.3倍増加し、1.9mmHg以下に低下すると著しく減少した。小片の移動速度は、酸素分圧を14.0mmHgに低下するまでは酸素飽和の状態と同じ値を示し、2.0mmHg以下に低下すると著しく減少した。結果から、リシケタイラギは、低酸素になると換水運動を変化させ、著しい低酸素になると鰓の繊毛運動の活動度が低下して酸素摂取に必要な水量の換水が出来ずに窒息死すると推測した。
著者
岡本 栄司 金岡 晃
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

高度に発達した情報ネットワークにおいて、多くのセキュリティシステムが導入されているが、今までは攻撃等による危殆化に対する事前対策が主であった。しかし、実際にはどんな対策をとっても必ず危殆化するため、事後対策も同等に考慮した対策が必要となる。そこで、ネットワークにおける危殆化の確率とその被害を定量的に評価し、その評価を用いた危殆化リスクに強いセキュアネットワークシステムの構築し、それらに基づいた危殆化リスクの予測の試みを行った。その結果、SLA(Security Level Agreement)の形成に役立てることができるようになった。
著者
小牧 元 岡 晃 安藤 哲也 猪子 英俊
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

摂食障害、特に神経性食欲不振症(AN)は遺伝性が強いにもかかわらず、いまだにその原因遺伝子が同定されていない。そこで、ANの家族症例を対象に全エクソンをシークエンシングするエクソーム解析を実施し、その原因遺伝子の同定を試みた。その結果、家族内の罹患者に共有するアミノ酸置換を伴う複数の変異が見出され、その中でも特に神経伝達物質のレセプターをコードするこの遺伝子上に、神経性食欲不振症の原因変異が蓄積されている可能性が示唆された。さらにこの変異はこのタンパクの相互作用に影響を及ぼすことが推定された。今後はこの遺伝子ファミリーに限定した、さらなる変異の追及と、機能的な解析が必要であると考えられる。
著者
小久保 博崇 金岡 晃 満保 雅浩 岡本 栄司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.2086-2093, 2012-09-15

マルウェアの脅威は日々拡大しており,いまや社会に実害を及ぼす脅威となっている.また未知のマルウェアの侵入や活動を検出し,被害を防ぐことの重要性が高まっている.本論文ではCCC DATAset2011の攻撃通信データを利用し,通信プロトコルヘッダの特性を,性質の異なる複数の機械学習手法を組み合わせて学習することで未知攻撃を含む攻撃通信の持続的な検知を試みた.決定木の定期的な再学習に加え二次元自己組織化マップ(SOM)による逐次学習を取り入れることで安定して高い精度を保てるように工夫することにより,99%前後の確率で攻撃通信の検知を行うことが可能となった.
著者
千葉 早苗 本多 牧生 笹井 義一 笹岡 晃征
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

(長期生態系変動)西部北太平洋における過去数十年の海洋環境と生態系変動の関係についてレビューした結果を論文にまとめ出版した(Chiba et al.2008&2009)。特に十年規模周期の水温偏差に応じた親潮域における生物生産タイミングの経年的変化や(温暖期:早い,寒冷期:遅い),温暖性種の分布の南北移動について報告した。(衛星データによる生物季節的変化の検知)1998-2007年の衛星海色データを用いて北太平洋の基礎生産の季節変動パターンを明らかにした。その結果、水温の上昇が基礎生産に正に働く海域(ベーリング海・親潮混合域)と負に働く海域(アラスカ湾・黒潮海域等)が見られた。また同じく海色衛星データを用いて、西部北太平洋亜寒帯域における植物プランクトンブルームのタイミングの経年変動を調べた結果,十年間でブルームのピークが約一ヶ月遅くなっていることが分った。海洋研究開発機構が同海域で実施している時系列観測の結果では,1998-2007年の間に水深5000mにおけるオパールのフラックスの割合が減少傾向に有り,表層のプランクトン群集組成の変化が示唆されている。本研究の結果から,経年的な環境変化に応じた表層生態系の生物季節的変化が,主要プランクトン種の変遷を招き,結果として海域の生物ポンプ機能に影響を与えていることが推測された。(動物プランクトンによる炭素の鉛直輸送)2006-2008年に調査船「みらい」により採集した表層の動物プランクトンの群集/サイズ組成から摂餌率/排泄率を求め,基礎生産量および亜表層への炭素の鉛直輸送効率との関係について調べた。しかし夏季の高生物生産季においては,それらの間に明確な関係は見られなかった。今後は低生産季について同様の見積をし,その季節変動について明らかにしていく。
著者
大村 泰三 佐平 健彰 迫ノ岡 晃彦 米沢 登
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1550-1559, 1976-10-01

Influence of the minor alloy constituents such as Al, Mn and Si on the hot corrosion behavior of Ni-20Cr-20W-0.07C alloy was studied in 99.995% helium gas at 1000℃, comparing with that behavior of commercial Ni-base superalloys (Hastelloy X and Inconel 617). The low oxidizing potential in the impure helium gas usually causes selective oxidation of these elements and the growth of oxide whiskers on the surface of specimen at elevated temperature. The intergranular attack was caused by selective oxidation of Al, Si and Mn. The spalling of oxide film was restrained by addition of Mn and Si, providing tough spinel type oxide film on the surface and 'Keyes' on the oxide-matrix interface respectively. The amount and the morphology of the oxide whiskers depended on Si and Mn content. More than 0.29% of Si content without Mn always caused the growth of rather thinner whiskers with smooth surface, and the whiskers analyzed by electron diffraction patterns and EPMA to be Cr_2O_3 containing Si. Mn addition changed the whiskers to thicker ones of spinel type oxide (MnCr_2O_1) with rough surface. On the basis of these results, the optimum content of Al, Mn and Si to minimize the growth of whiskers, the intergranular attack and the spalling of oxide film was discussed.
著者
平野 廣和 奥村 哲夫 丸岡 晃 奥村 哲夫 丸岡 晃
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

2003年9月に北海道で発生した平成15年十勝沖地震で浮屋根等を有する特定屋外貯蔵タンクにおいてスロッシング現象が生じ,浮屋根の破壊,沈没,火災発生といった事故が発生した.これを受けて,液面のスロッシングに伴う浮屋根の挙動の力学的特性についての検証が始まり,実規模レベルでのタンクによる検証を行うことが求められている.そこで,本研究では実際に使用されている実機浮屋根式タンクを用いて,ここにスロッシング現象を発生させる一つの実験方法を提案するものである.タンク内部に造波装置を設置し,エアシリンダーで造波装置をスロッシングの固有周波数に合わせて作動させることによりタンク内部の流体全体を動かし,これにより浮屋根にスロッシング現象を発生させることを試みるものである.この結果,実機タンクの浮屋根にスロッシング現象を発生させ,かつ妥当な減衰を得ることができた.
著者
金岡 晃 勝野 恭治 岡本 栄司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.682-690, 2010-03-15

電子メールを通じて感染するマスメール型ワームは数多い種類のワームの中で多くの割合を占め,さらに繁殖性や生存力の強さから社会的な問題になっている.現在ワームに焦点を当てた研究が多く行われているが,マスメール型ワームの感染の特徴であるメーリングリストを経由した感染を扱った研究はほとんど行われていないため,マスメール型ワームの感染プロセスの特徴がいまだ詳細に解析されていない.本論文では,メーリングリストの効果を包含したマスメール型ワームの感染数理モデルを提案する.提案モデルは,メーリングリストの効果に加えて,現実社会に沿った電子メールによる社会ネットワーク構造を反映することが可能である.さらに本論文では提案モデルに基づいてシミュレーションを行い,従来研究では分からなかった,メーリングリストの影響効果が感染初期で強く働いていることを解明することができた.