著者
佐藤 次雄 菅野 佳実 遠藤 忠 島田 昌彦
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1085, pp.133-138, 1986-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

SiC, Si3N4及びAlN試料を900°-1200℃の温度域において, K2SO4あるいはK2CO3溶融塩中に浸し, 0.1-20h反応を行わせ腐食挙動を調べた. AlNセラミックスは本実験条件下では, AlON及びα-Al2O3酸化被膜が形成されカリウム塩溶融塩腐食に対し極めて安定であり, ほとんど重量減少を示さなかった. SiCセラミックスはK2CO3溶融塩にはわずかに溶解しただけであるが, K2SO4溶融塩とは定量的に反応し, K2SO4/SiC反応モル比は0.8であった. Si3N4セラミックスは窒素雰囲気下ではK2SO4及びK2CO3溶融塩いずれとも定量的に反応し, 各々の反応モル比はK2SO4/Si3N4=1.6, K2CO3/Si3N4=3.5であった. 一方Si3N4-K2SO4系の反応は空気中では酸化物被膜の生成により抑制された. 窒素雰囲気下におけるSi3N4とK2SO4あるいはK2CO3との反応は, 固液不均一反応における表面化学反応律速の速度式に良く適合し, 見掛けの活性化エネルギーはそれぞれ724kJ/mol及び126kJ/molであった.
著者
島田 昌彦
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.67-69, 1995-02-25 (Released:2011-01-27)
参考文献数
6

Characteristics of high fracture strength and high fracture toughness of zirconia in yttria doped tetragonal zirconia polycrystal (Y-TZP), Y-TZP/Al2O3 composites and ceria doped tetragonal zirconia polycrystal (Ce-TZP) are described in this paper. The maximum fracture strength of Y-TZP/Al2O3 composites is 2, 400MPa at 30°C The maximum fracture toughness of Ce-TZP is 20 MPam1/2It is found that hot isostatic pressing is effective to eliminate fracture origins such as pore. From the results of thermal shock behavior of Y-TZP with various grain sizes by the water quenching method and the tetragonal to monoclinic phase transformation by using Raman microprobe spectroscopy, it is found that the critical quenching temperature different of Y-TZP increases from 250°C to 425°C with increasing grain size from 0.4 to 3.0μm.
著者
平嶋 昇 田中 靖人 小林 慶子 島田 昌明 岩瀬 弘明 後藤 秀実
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.644-649, 2009-11-25
被引用文献数
1 1

症例は26才女性.2007年11月21日,AST235 U/L,ALT636 U/L,T-Bil.3.5 mg/d<i>l</i>で紹介を受けた.HBs抗原・IgM-HA抗体・HCV抗体陰性であったがHCV RNA定性(アンプリコア法)は陽性であった.ALTは正常化せず,08年2月8日HCVグループ2,RNA定量3.0 Log IU/m<i>l</i>(リアルタイム法),3月21日肝生検F1A1であったため,3月25日からペグインターフェロンα2aを12週投与してHCV RNAは陰性化した.尚,07年8月頃から付き合い始めたフィアンセは刺青を有し07年11月C型急性肝炎を発生,11月28日HCVグループ2,RNA定量430 KIU/m<i>l</i>(ハイレンジ法)であった.保存血清を用いて分子系統樹解析を名古屋市立大学臨床分子情報医学教室において行ったところ患者とフィアンセはおなじ感染ルートであることが推測された.日本のC型慢性肝炎は高齢化し治療に難渋しているが,若い世代を中心に麻薬や刺青によるC型肝炎感染が散見され性交渉によってさらに拡大しているとも言われている.C型肝炎は感染早期にインターフェロンを投与した方が治療効果は高く早期治療が望ましい.若い世代に対する積極的HCV対策も今後は必要である.<br>
著者
島田 昌彦 吉田 周平 吉野 守彦
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.249-250, 2011-08-25

第41回消化器病センター例会 平成22年1月16日(土) 東京女子医科大学弥生記念講堂
著者
小山 法希 松川 雅仁 島田 昌彦 佐藤 良一
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.1068-1074, 2008-11-15
被引用文献数
2 3

冷凍バナメイエビを解凍後に0℃〜55℃の温度で貯蔵し,筋肉中のATP関連化合物の変化を調べた。10℃未満あるいは55℃の貯蔵では,AMPが減少しIMPと(HxR+Hx)がほぼ同じ割合で生成した。20℃〜40℃の貯蔵では,IMPが(HxR+Hx)より割合的に多く生成し,IMPは最高で70%にも達した。生のバナメイエビを氷殺後に7℃と22℃で貯蔵した場合,IMPの生成は7℃よりも22℃の方が多く,22℃で貯蔵したエビのうま味は有意に強くなった。遊離アミノ酸はいずれの貯蔵温度でも変化しなかった。
著者
藤田 正範 島田 昌之
出版者
広島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

【目的】乳牛では乾乳の初期に古い乳腺細胞が脱離し、新しい細胞に更新される。しかし、暑熱の影響によりこの更新が進まないときには秋季における乳生産が抑制されることが知られている。本研究では、乳生産に及ぼす暑熱の影響を理解する研究の一環として、乳腺細胞の機能性に及ぼす暑熱の影響を解析することを目的とした。このために,夏季乾乳・夏季泌乳牛と秋季乾乳・秋季泌乳牛の生乳中乳腺細胞のプロラクチン負荷に対する乳腺細胞プロテインキナーゼ活性などの比較調査を行った。【方法】ホルスタイン種夏季泌乳牛8頭(試験期間内日平均気温;23。3℃)、秋季泌乳牛8頭(試験期間内日平均気温;10。9℃)を用いた。分娩1日と10日の14時に乳房静脈から採血し、分娩10日の8時に生乳を採取した。血漿中エストラジオール17-β濃度を高速液体クロマトグラフィーUV検出法で、血漿中プロラクチン濃度をEIA法で測定した。プロラクチン負荷に対する乳腺細胞のプロテインキナーゼ発現量の測定では、生乳から乳腺細胞を分離し、10^3個前後の乳腺細胞に100、500および1000ng/ml濃度のプロラクチンを添加培養後にプロテインキナーゼ活性を酵素法で測定した。【結果】夏季泌乳牛のTDN摂取量と泌乳量は、秋季泌乳牛よりも低い傾向にあった。分娩1日における血漿中エストラジオール17-β濃度は夏季泌乳牛で低い傾向にあり、分娩10日における血漿中プロラクチン濃度は夏季泌乳牛で低い傾向にあった。乳腺細胞のプロテインキナーゼ発現量は3段階のプロラクチン添加のいずれにおいても夏季泌乳牛で有意に高い値であった。以上の結果、プロラクチンの血中放出は暑熱により抑制される傾向にあるものの、乳腺細胞内のプロテインキナーゼ活性などの代謝機能性が亢進することにより、泌乳牛は暑さに対応して乳生産の機能性を維持するものと考えられた。
著者
正木 法雄 近藤 績 星 潤一 島田 昌 鴨野 則昭
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.543-549, 2009 (Released:2009-12-01)
参考文献数
4

科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業では,平成20年度自己評価にあたり,海外の研究資金配分機関の研究成果との比較を行った。当事業の運営方法の特徴を考慮した条件設定のもと,比較対象となる研究課題の研究成果の一つである論文を抽出し,課題あたりの被引用数,課題あたりの被引用数上位1%の論文数という2つの指標を用い,比較を行った。本稿では,比較評価を行うにあたっての要点,手法・指標,その結果について紹介する。
著者
島田 昌彦 成田 弘成
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.A1-A17, 2002-03-31

サミュエル・P・ハンチントン著『文明の衝突』で予想するとおり、二一世紀は、世界の主要な八つの文明が抗争する時代になりつつある。世界が悲劇的な状況に陥ることを防ぐためにも、その中の一つとノミネートされている日本文明のこれからの義務責務とは何か明らかにしなくてはならない。「日本文明」の追究を最大の課題とする「日本学研究」はその組織的な研究体制を確立するため、国家の営為として「日本学研究大学院大学」を創設、併せて、「日本学研究国際学術シンポジウム」を開催、世界の英智を結集、地球の危機の克服に各国文明を超えて献身しなくてはならない。