著者
前村 孝志 後藤 智彦 秋山 勝彦 二村 幸基 渡邉 篤太郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.27-32, 2002 (Released:2002-12-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1

平成13年8月29日初号機打上げに成功したH-IIAロケットは,幅広い打上げ能力と柔軟な運用性を持ちながら,コストはH-IIロケットの約半分の1機85億円以下であり,世界の商業化ロケットと遜色のない経済性を備えている.このため,信頼性向上とコストダウンを目的にエンジン,機体部品点数の大幅削減によるシステムの簡素化,軽量化に関し様々な新技術を投入した.また,地上設備についても改良を行い,ロケット組立て及び打上げ作業期間を大幅に短縮した.本報では当社が担当した数多くの新技術のうち主要項目について初号機打上げ結果とあわせて紹介する.
著者
徳田 温子 児玉 由紀 菅野 知佳 後藤 智子 山田 直史 山下 理絵 土井 宏太郎 金子 政時 鮫島 浩
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.538-543, 2020 (Released:2020-12-10)
参考文献数
9

梅毒は未だに最もよくみられる先天感染であり,未治療母体では胎児感染が懸念される.近年米国だけでなく,本邦でも梅毒患者数が増加し,先天梅毒の報告数が増えている.先天梅毒は適切な治療により予防可能であることから,妊娠中の梅毒の早期発見と早期治療が重要である.今回,先天梅毒を合併し異なる経過をとった極低出生体重児2症例を報告する.いずれも妊娠20週以降で判明した母体梅毒であったが,抗菌薬治療10日間後に出生した1例は軽快退院した.抗菌薬1回治療後に,胎児機能不全のため出生し,新生児死亡した症例の胎盤と全身臓器には多数のTreponema pallidumが認められ,抗菌薬治療の限界と考えられた.
著者
東郷 正美 長谷川 均 後藤 智哉 松本 健 今泉 俊文
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.111, 2010

ヨルダン高原の北西端部に位置するウム・カイスは、古代都市ガダラに起源もつ遺跡の町である。ガダラは63 BCのポンペイウスよる東方遠征後、デカポリスの中心的都市となって大いに栄えた。しかし、749年に起こったパレスティナ大地震によって壊滅し、以後再興されることはなかったとされる。749年の大地震は、死海トランスフォーム断層に沿う活断層帯の活動で生じたM 7クラスの地震とみられている(Marco et.al, 2003など)。<BR> ウム・カイス遺跡を調査する機会に恵まれた演者らは、749年大地震のガダラ壊滅への関与を示す明確な証拠を求めて、発掘調査で露出した多数のローマ円柱に注目し、その出土特性を調べた結果、以下のような知見を得た。<BR><BR> 1)底面の縁が欠けている円柱が多数見いだされる。<BR> 2)このような底面縁に欠損部が認められる円柱を、64例見つけたが、その 多く(53例)は、円柱表面に特徴的な溶食帯(ひとつの接線に沿い一定の幅 をもって柱の両端に達するように生じている)を伴っていた。<BR> 3)このような溶食帯が上記の底面縁欠損部と対置するように発達するもの が、36例もある。<BR> 4)倒れた方向が判定できる円柱が36例あった。それらの方向性に注目する と、12例がほぼ東西方向、13例が南北方向を示し、この2方向への集中度 が高い。残りの11例はいろいろな方向に分散している。<BR> 5)倒壊した円柱とローマ時代の生活面との間に、10~数10cm、ところによ ってはそれ以上の厚さを持つ堆積物が存在することが多い。<BR> 6)倒壊円柱包含層の年代を把握するため、その上・下位層準中より年代 測 定試料を採取して14C年代測定を試みたところ、1870±40yBP、1740 ±40yBP(以上、下位層準)、1760±40yBP、1730±40yBP(以上、同または 上位層準)とほぼ同時代を示す結果が得られた。<BR><BR> 上記1)の底面縁の欠損部は、円柱が倒れる際に支点となった部分にあたり、この時柱の全過重がここに集中することで破壊が生じて形成されたと推定される。上記2)3)の溶食帯は、円柱が倒れた後、風雨にさらされてその頂部(嶺線付近)から溶食が進行したこと、しかし、溶食は円柱全面に及ぶことなく、また、浸食量も大きいところでも深さにして1cm程度であることから、円柱はまもなく埋没したものと思われる。多くの事例が以上のように同じような痕跡をとどめていることは、建物の倒壊が同じ原因で一斉に生じたことを示唆する。<BR> 上記4)は、倒壊した円柱群に、大地震の地震動による倒壊を思わせる全体的に系統だった方向性が明確に認められないことを示している。上記5)は、建物の一斉倒壊事件に先立ち、ガダラは市街地への大量の土砂に侵入を許していたことを意味しており、この時にはすでに都市維持機能は失われていたことを表している。その時代は、上記6)から4C初頭を前後する頃と推定されるので、ガダラの終焉に749年パレスティナ大地震は無関係と考えられる。
著者
後藤 智章 柴原 一友 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2003論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.25-32, 2003-11-07

将棋は状態空間が非常に大きく,解を求めることは不可能とされている.本研究では,盤を小さくした将棋の解を求め,ルールによる解と計算量に関して議論する.具体的には,端にだけ駒を置く配置の3×3と3×4の将棋の解を分析した.その結果,3×3は約98%,3×4は約56%の解を求めることができた.また,3×3は先手必勝と後手必勝が約2
著者
後藤 智英 小杉 信 向井 信彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.34, pp.13-16, 2008-07-31

本稿では、コンピュータグラフィックスにより現実感のある降雪シーンをリアルタイムで生成する一手法を提案する。降雪に関する先行研究で椎名らは、無風で雪粒同士の衝突がないことを条件として実際の雪粒の動きを観測し、雪粒の粒径から落下速度を導出し、形状から降雪の運動パターンを分類した。この運動パターンは主に鉛直落下、斜め落下、回転落下の3種がある。そこで我々は各パターンの動きを表現するために、雪のデータを解析して雪粒の形状、面積から雪粒の移動距離や移動方向などの関係式を導出した。これらを基に、雪粒に球状ポリゴンを用い、この雪粒の大きさと形状を変化させ、3つの運動パターンを組み合わせて雪の動きを生成した。さらに降雪と背景を組み合わせた描画により、リアルタイムでの実態的な降雪シミュレーションを実現した。
著者
輿石 彩花 後藤 智香子 新 雄太 矢吹 剣一 吉村 有司 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.1355-1362, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
36
被引用文献数
3 2

コミュニケイティブプランニングの普及に従い、都市計画やまちづくりにおいて住民参加の重要性が高まっている。本研究では、2020年にバルセロナから日本に導入された住民参加のためのオンラインプラットフォーム「Decidim」に着目し、3つの先進的な事例からDecidimの日本での活用実態を明らかにする。導入者へのインタビューやDecidim上のコメントの分析から、Decidimの利用における効果や課題を明らかにした。日本では、様々な目的や方法でDecidmが導入され、参加の間口を広げることに寄与していた。一方で、行政や住民による受け入れ体制やDecidimの「使い方」、カスタマイズ方法に課題があることが明らかになった。日本におけるDecidimは、熟議のためのツールではなく、共感のためのツールであると言える。
著者
鈴木 茜 矢吹 剣一 後藤 智香子 新 雄太 吉村 有司 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.926-932, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
20

今日、人々の「居場所」は、フィジカル空間のみならずサイバー空間にも存在すると言えるが、サイバー空間を含め人々がどのような「居場所」を持っているのかは、明らかになっていない。本研究では、サイバー空間およびフィジカル空間に形成される人々の「居場所」の様相を、「居場所」の特性と心理的側面に着目して明らかにすることを目的とする。本研究では、サイバー空間/フィジカル空間、個人的/社会的で4つに分類した「居場所」のタイプおよび空間・場の種類によって、「居場所」の心理的機能が異なることがわかった。さらに、調査結果に基づき、サイバー空間とフィジカル空間で「居場所」における違いをもたらす8つの視点を提案している。
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.113-121, 2021
被引用文献数
2

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の公園を活用して施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目する。そして、行政の保育施設整備担当者と住民へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の手続きや要件について考察する。具体的には、各事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、公園の状況(空間面・利用面)、施設計画、行政が当該公園を選択した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、地域住民参加型の計画プロセスの必要性、公園の利用実態や場所の価値の把握の必要性、残された公園の管理運営や代替公園の整備もあわせて計画する必要性という観点から整備の手続きと要件を考察した。</p>
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1168-1175, 2019
被引用文献数
1

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の民有地を活用して民間事業者が施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目し、複数主体(行政担当者、事業者、地域住民)へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の方法について考察することを目的とした。具体的には、3事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、事業者、当初計画地の立地状況(地域の空間状況、社会状況)と施設計画、事業者が当該敷地を選定した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、都市計画などと連携した立地計画の必要性、地域単位での敷地の検討の必要性、近隣住民の声と地域の公共性とのバランスという観点から整備の方法について考察した。</p>