著者
呑山 委佐子 斉藤 秀子 與儀 由香里 呑山 委佐子 斉藤 秀子 與儀 由香里 NOMIYAMA Isako SAITO Hideko YOGI Yukari ノミヤマ イサコ Nomiyama Isako サイトウ ヒデコ Saito Hideko ヨギ ユカリ Yogi Yukari
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学 家政系研究紀要
巻号頁・発行日
vol.44, pp.75-91, 2008

高齢者社会へのメッセージ展PartⅣで高齢者用寝衣と留め具のいろいろ等について展示発表した。また、坂本モデル製M100-5小春さん(こはる)を対象に一般のパジャマ、工夫パジャマ2種の着脱介助の過程を観察し、検討した。結果は以下のようである。1)高齢者用寝衣については、見学者の高い関心が示され、高齢者の特性を考え設計した、オーガニック木綿製の手作りパジャマが好評であった。 2)介護用パジャマについては、本学の学生たちに被服全般や、要介護に対する衣服への工夫やアイディアの必要性が理解され、高齢者への経緯や思いやりの気持ちの涵養の一助となった。 3)高齢者体験用手袋で留め具の開閉をした結果②自由に動くボタン、④ブーメラン形のボタン、⑤封筒の留め具感覚の2~3mmのひも使い⑧ドットボタンがやりやすいという意見が多かった。 4)着脱介助の場合、マジックテープまたはファスナーをつけることにより平面形状に展開してから着衣する工夫パジャマは、一般のパジャマより側臥への姿勢転換回数が顕著に減少し、介護者の負担を軽減することが示唆された。At the Exhibition of Messages to an Aging Society Part Ⅳ, various products such as sleepwear and fasteners for the elderly were exhibited. Also, Sakamoto Model's M100-5 Koharu-san was used to observe the process of helping to dress and undress, using general pajamas and 2 types of special pajamas. The results of our investigation are as follows. 1) Observes showed strong interest in elderly sleepwear, with favorable evaluation of organic cotton handmade pajamas designed with characteristics of the elderly in mined. 2) This school's students understood the necessity of ideas for general pajamas and pajamas for the for people that require assistance. It helped to foster feelings of repect and consideration toward the elderly. 3) As a result of trying to open and close fasteners while wearing elderly exexperiential gloves, many throught that these buttons were easy to use : (2) Freely moving buttons, (4) Boomerang type buttuns, (5) Threaded buttuns like those used to close envelopes, (8) Dot buttuns. 4) When aiding undressing, special pajamas required dramatically fewer changes of body position than for general pajamas, suggesting less burden on the care giver.
著者
小林 由実 川端 博子 薩本 弥生 斉藤 秀子 呑山 委佐子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

【目的】 伝統的・文化的な技術や習慣が伝承されにくく、関心も低くなっている中、2008年改訂の中学校学習指導要領の家庭・被服領域において「和服の基本的な着装を扱うこともできる」が明記された。しかし、教師自身の知識・技能が十分でない、教材の確保が困難といった理由から、和服に関する授業の実践例はまだ少ない。この様な現状をふまえ、ゆかたの着装を含む体験的学習を通してきもの文化を次世代に継承する家庭科の教育プログラムを開発し、その学習効果を検証することを目的とする。【授業実践】 本研究では、埼玉大学教育学部附属中学校(2年生4クラス173名)の協力を得て、2011年5月から4週にわたり50分授業を4回実施した。授業は、和服の基礎的内容の学習にはじまり、たたむ、帯を結ぶ、ゆかたを着装する体験学習へと、段階的に進めた。着装技能/ゆかた着装時の気持ち/ゆかたへの興味・関心の視点に関するアンケートと授業ごとの感想をもとに、授業の効果を考察した。【結果と考察】 着装技能の評価 ゆかたの着装技能について、「帯の結び方」等の3項目について8~9割の生徒が理解できたと感じていた。また、写真によるゆかた着装の生徒の自己評価では、「背中心がまっすぐである」等の全ての個別評価と、総合評価「外出できる出来ばえになっている」で有意な相関がみられた。「えり」「すそ」の評価項目では男女とも相関が比較的高い傾向となり、出来ばえに関連する要素とみなされる。男子においては「帯の形が整っている」の相関が最も高く、着付けにおいて帯結びの美しさが総合的な出来ばえに及ぼす影響は大きい。また、教師が同様の評価を行ったところ、5項目について自己評価と教師評価の間に有意な相関がみられた。特に帯に関する項目で、生徒と教師の評価基準が一致する傾向となった。 モデルのゆかた着装時における気持ち ゆかたの着付け体験は2~3人のグループ活動とし、そのうちの一人をモデルとした。授業の前後にモデルを対象にゆかた着装時の気持ちを評価させたところ、「うれしかった」等のゆかたのよさに関する5項目については、全てで高まった。「帯がきつかった」「歩きにくかった」の否定的な2項目においては授業後にはあまり変化せず、比較的低くとどまった。 ゆかたへの興味・関心 授業の前後に、ゆかたへの興味・関心(7項目)を評価させ比較したところ、男女ともに全ての項目で興味・関心が大きく向上した。事後調査においては、「和服について関心がもてた」等の項目で全体の約8割が「(やや)そう思う」と回答した。また、「家族と和服の話をした」の項目では全体の52%が「はい」と回答したことから、授業を通して生徒にきもの文化の継承に関わるきっかけを与えられたと考える。 自由記述の分析 授業後の感想を観点別に分析したところ、帯結びの体験では「帯の形」「長さ調節」「きつさ」が、着付け体験においては、「帯」「おはしょり」が困難な点として最も多く挙げられていた。これらの記述を参考に、要点をおさえた、より簡潔でわかりやすい指導につなげていくことが課題である。
著者
薩本 弥生 川端 博子 堀内 かおる 扇澤 美千子 斉藤 秀子 呑山 委佐子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

[目的] 現在の衣生活は、旧来の家庭で衣服を作る時代から、既製服を選んで購入する時代となった。日常着が洋装化し、既製服が普及した今日、きもの文化に触れる機会もめっきり減り、これらの技術や文化が若者に理解されにくくなりつつある。一方で、2006年に改正された教育基本法に「伝統や文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が新たな教育の目標として規定されたことを受けて、新指導要領が2008年に告示され、中学校の技術・家庭科の衣生活分野では「和服の基本的な着装を扱うこともできること」が盛り込まれたため、和服の着装の体験を含めた教育プログラムを模索することは必要不可欠である。そこで本研究では、和服の中でももっともカジュアルで取り組みやすいゆかたの着装を含む体験的学習を通し、きもの文化を次世代に継承する家庭科の教育プログラムを開発し、その学習効果の検証することを目標とし、特に浴衣の着装実習において大学教育学部で事前に浴衣の着装指導に関してトレーニングを積んだアシスタントティーチャーを活用して技能の理解・習得に力点を置いた授業実践を試行的に行い、技能の理解・習得を目標に着装体験することがきもの文化への興味・関心を喚起するかを明らかにすることを目的とする。 [方法]2011年6月から9月に、Y大学附属K中学校において、家庭分野担当教員の協力を得て教育実習の一環で大学の実習生が2年生4クラスを対象とした浴衣を教材とした3時間(50分×3)の授業を実施した。実習直後および夏休み明け(事後)に着装感や技能習得意識に関する項目(23項目)について5件法で調査を実施した。23項目の直後・事後調査のデータがそろっている4クラス分の男女生徒159部(90.9%)を対象として、分析結果から得られた内容をもとに、授業の成果と生徒の意識変容について考察する。 [結果と考察] (1)因子分析によって抽出された全5因子を相関分析した結果、「興味関心因子」と「理解習得因子」に高い相関があることがわかった。(2)共分散構造分析の結果、「理解習得因子」から「興味関心因子」へのパス係数が有意であった。このことから「技能の理解・習得を目標に着装体験することがきもの文化への興味・関心を喚起する」という仮説が成り立つことが立証された。さらに男女による差異、帯結び部分練習の有無による差異を検討した結果、有意に差が見られた。以上の結果から、男女でのゆかたの色柄の違いや着付けの難易度の違いがある中で男女ともに、きもの文化に対する興味関心や理解習得を肯定的にとらえるために授業のさらなる工夫の必要性が明らかになった。着付け技能の理解・習得をめざした授業作りのために部分練習をすると理解習得意識が高まり、それが興味関心喚起に結びつくことがわかった。授業時間数が縮小傾向の中での時間数の確保が課題である。[まとめ]これまでの実践を通して教師自身の「きもの」文化に関わる意識啓発と知識・技能の力量形成が重要であることが明らかとなってきたので、大学で着付けの技能を中心に「きもの」文化に対する意識啓発と技能習得のためのトレーニングを積んだ学生をATとして活用したのが本研究の特徴である。ATの活用により教員に余裕が生じ、生徒への示範や指導が行き届き、授業が円滑に進行し、着装技能の理解や習得意識が向上し、きもの文化に対する興味関心の喚起にも有効であることが明らかになった。附属学校という地域のリーダー的な実践校での実践であり、設備や教材などの学習環境、教師の実践力向上に向けての周りの支援、さらに生徒の質の高さ等々が整っているため出来た実践という面はある。しかし、一般校でも、地域か、保護者の協力を仰ぐ体制づくりを整えて行くことで可能となると思う。
著者
山内 博 網中 雅仁 荒井 二三夫 吉田 勝美 中井 泉 斉藤 秀
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究は、急性や慢性砒素中毒患者の妊婦が高濃度な無機砒素を摂取した場合、胎児の脳中枢神経障害は発生するか否かについて、動物実験モデルを用いて解明を試みた。妊娠ラット(妊娠17日目)に投与した三酸化二砒素量はLD_<50>の1/4(三酸化二砒素として、8.5mg/kg)である。三酸化二砒素投与後、12、24、48時間目にラットを屠殺し、脳中の砒素を化学形態別に測定、そして、組織診断(タネル法でのアポトーシス細胞診断)を行った。他方、自然出産させた群(生後5週齢)を用いて、自発行動量(Animex)と7項目(潜伏時間、歩行量、立ち上がり回数、毛繕い回数、洗顔回数、脱糞回数、排尿回数)のOpen-field testを実施した。脳血液関門が未成熟な段階において、胎仔の脳へ三酸化二砒素もしくはその最終代謝産物であるジメチル化砒素(DMA)が増加し、脳細胞は損傷を受けた現象が観察された(アポトーシス細胞;12時間目が最も発生し、時間の経過と共に減少傾向)。この作用は母獣では認められず胎仔のみであった。脳細胞への損傷は三酸化二砒素によるものか、それとも代謝物であるDMAによる作用であるか、新たな研究の必要性が提起された。行動学(Open-field test)の7項目の結果は、三酸化二砒素投与群と対照群の二群間を比較すると、歩行量と潜伏時間に二群間で有意差が認められた。立ち上がり回数、毛繕い回数、洗顔回数、脱糞回数、排尿回数に関しては、二群間で差が見られなかった。しかし、三酸化二砒素投与群の雌では立ち上がり回数の減少、毛繕い回数の増加がそれぞれ統計学的に有意差が認められた。自発行動量の結果は、三酸化二砒素投与群と対照群の休眠期の活動に差は認められなかった。しかし、活動期では三酸化二砒素投与群は午前4:00〜午前8:00の時間帯での活動量の減少を認めた(t-testとANOVA)。今日、飲料水の無機砒素汚染からの高濃度な無機砒素暴露者は世界的な規模では約1300万人存在し、妊婦、胎児や乳児への暴露が存在している。また、急性砒素中毒患者の妊婦から生まれて来た赤ん坊も存在している。本研究において、胎児期の砒素暴露による脳障害の発生は、組織診断と行動学的な検査結果において示唆され、今後、この分野の研究は十分に発展させる必要性があると考えた。
著者
藤原 一宏 斉藤 秀司 落合 啓之 宇沢 達 向井 茂 斉藤 毅
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

A.Wilesによって得られた楕円曲線についての谷山-志村予想の部分解を分析して得られたTaylor-Wiles系という公理系はEuler系と共に岩沢理論における基本的な道具に成長しつつある.このTaylor-Wiles系についての研究が本研究期間中に以下の方向に発展している.a)肥田氏により構成されたnearly ordinary Hecke代数に対するR=T型定理b)総実代数体上の円分塔(cyclotomic tower)の研究c)高次元ユニタリ志村多様体に対するTaylor-Wiles系の構成a)の研究では肥田晴三氏(UCLA)によるnearly ordinary Hecke代数は既約剰余表現に対応するほとんどの場合に普遍変形環と同一視されることを示した。b)ではまず非可換岩沢-Greenberg予想とでも言うべき問題を定式化した.この問題の研究のため円分塔上での変形理論を構成し,特別な2次元表現の場合にはTaylor-Wiles系を使うことで古典的な岩沢-Greenberg予想と同値であることを見いだした.この結果は2000年度保型形式論国際シンポジウム(パリ)で発表した.c)ではユニタリ志村多様体のコホモロジー群が持つ自然なintegral structureに対してTaylor-Wiles系を構成した.この結果については国際シンポジウム「代数幾何学2000」(長野,日本,2000年7月),第三回アジア国際数学会議(マニラ,フィリッピン,2000年10月),ジョンズホプキンス大での国際ワークショップ「保型表現と志村多様体」(ボルチモア,アメリカ,2001年3月)で発表した.以上の研究については講演の他,詳細をプレプリントとして公表,投稿している.
著者
高尾 敏文 斉藤 秀之 田中 直樹 飯塚 陽 奥野 純子 柳 久子
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.180-187, 2011-06-20

【目的】本研究の目的は,慢性期脳卒中患者に対する体重免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)の即時効果について明らかにすること,さらに継続介入による効果と合わせて,BWSTTによって歩行能力がどのように変化していくのかを示すことである。【方法】対象は,慢性期脳卒中患者8名であった。内訳は,年齢(平均±標準偏差)は59.0±9.0歳,性別は男性6名・女性2名,片麻痺の原因疾患は脳出血5名・脳梗塞3名,麻痺側は右7名・左1名であった。週3回・4週間(計12回)のBWSTTを実施した。【結果】BWSTT実施前後では,歩行速度は実施前に比して後が有意に速く,歩幅は実施前に比して後が有意に広がった。継続介入による効果では,快適歩行速度,最大歩行速度,最大歩幅および最大歩行率で有意な改善を認めた。【結論】慢性期脳卒中片麻痺患者に対するBWSTTによる歩行速度の改善は,即時的には歩幅の改善,経時的には歩行率の改善による可能性が示唆された。
著者
斉藤 秀雄 田中 穆 林 実 鴨先 実 渡辺 忠彦 田中 孝男
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.13, no.132, pp.711-716, 1964-09-15
被引用文献数
1

Studies were carried out on the improvement of radiographic relative fault sensitivity, and attempts were made to find out a suitable penetrameter in order to establish a technique on the radiographic inspection by X-rays for solid composite propellants up to 400 mm in diameter. The solid rocket propellants have small absorption coefficient for X-rays, so it is necessary to use lower energy X-rays in comparison with the thickness of the metals and to perform the testing in as low W-ray voltage as possible. The relative fault sensitivity thus obtained is 0.5 to 1.0 percent for the solid composite propellants of 400 mm in diameter. It has been found that the hole type penetrameter is the most suitable for the solid composite propellants among various sorts.