著者
水間 毅 斉藤 秀俊 天野 武一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.580-589, 1990-05-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Among linear motor-driven railways, on-board primary linear induction motor-driven railways (steel wheel supported system and levitated system by conducting magnets) have been putting to practical use. This paper refers to electric field strength and magnetic field strength radiated about by these systems. The results are as follows:(1) Directly reached radio noise radiated by the linear motor car has the 1_??_2 MHz frequency region at most.(2) Radio noise by the linear motor car is similar to that by the VVVF inverter controlled car.(3) Magnetic field strength inside the linear motor car is the largest upon the reactor, but is not larger than the ordinary car.(4) In the inspection pit, just under the linear motor magnetic field strength is larger, but decreases to safety level at some distances due to the large attennuation. With the above-mentioned founding, the conclusion are as follows.(i) Peak envelope detection is the refining method in care of the measurement of electric field strength radiated by electric railways.(ii) It is necessary to establish the united standards on the magnetic field strength inside the electric railway cars.(iii) The characteristics of electromagnetic field are of little difference between the linear motor cars and the ordinary motor cars.
著者
加納 光樹 斉藤 秀生 渕上 聡子 今村 彰伸 今井 仁 多紀 保彦
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.109-114, 2007-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
25
被引用文献数
12

2005年1月から2006年1月にかけて, 渡良瀬川水系の水田周辺にある排水路において, カラドジョウとドジョウの出現様式と食性を調査した。調査期間中に採集されたカラドジョウは171個体 (体長27~115mm) , ドジョウは3023個体 (体長25~149mm) であった。カラドジョウは7月にだけ出現したのに対し, ドジョウは調査期間を通じて出現した。カラドジョウとドジョウの共存時期において, 両種の主要な餌はともにカイミジンコ類, 水生昆虫の幼虫, ホウネンエビであった。どちらの種でも体長30mm未満ではカイミジンコ類を食べていたが, 体長30mm以上になると水生昆虫の幼虫やホウネンエビなども食べるようになった。同じ体長階級ごとに胃内容物組成についてSchoenerの重複度指数を算出したところ, 0.69~0.90の高い値が示され, 両種が同所的に出現したときの餌資源分割が明瞭ではないことがわかった。
著者
薩本 弥生 丸田 直美 斉藤 秀子 諸岡 晴美
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.80-89, 2017-01-25 (Released:2017-01-27)
参考文献数
9

ブラジャー着装時のズレ防止や防振性の観点から,動作時の胸部動態や着装感に年齢・身体特性・ブラの種類が及ぼす効果を明らかにするために以下の実験を行った.被験者は若年群9 名(19-22 歳),中年群6 名(40-62 歳)を対象とした.胸部の身体特性を明らかにするため三次元画像解析による身体形状,胸部圧縮変形量,超音波画像診断による脂肪厚,衣服圧を計測した.振動やズレを計測するためにハイスピードカメラによる三次元動作解析を行った.ブラの着装条件は,補整ブラのワイヤ有とワイヤ無,スポーツブラ,ノーブラの4 種,運動は前方挙上(180˚)である.ハイスピードカメラによる三次元動作解析により動作時の乳頭点では,補整ブラよりスポーツブラの振動抑制効果が高く,中年群は若年群より振動が大きくブラによる差が小さいこと,中年群では脂肪厚が厚くカップサイズが大きい人ほど振動もズレも大きいこと,若年群では胸部の圧縮変形量が小さい人ほど振動が小さいことが明らかとなった.動作時の衣服圧は乳頭位とサイドパネルではスポーツブラが補整ブラよりも有意に小さいが,下部胸囲では逆だった.動作後の着装感評価でズレ感は振動感および快適感に相関があった.動作時には適度に下部胸囲位を圧迫したブラは振動やズレを抑えるため快適と感じると考えられる.
著者
高尾 敏文 斉藤 秀之 田中 直樹 飯塚 陽 奥野 純子 柳 久子
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.180-187, 2011-06-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
30
被引用文献数
6

【目的】本研究の目的は,慢性期脳卒中患者に対する体重免荷トレッドミル歩行練習(BWSTT)の即時効果について明らかにすること,さらに継続介入による効果と合わせて,BWSTTによって歩行能力がどのように変化していくのかを示すことである。【方法】対象は,慢性期脳卒中患者8名であった。内訳は,年齢(平均 ± 標準偏差)は59.0 ± 9.0歳,性別は男性6名・女性2名,片麻痺の原因疾患は脳出血5名・脳梗塞3名,麻痺側は右7名・左1名であった。週3回・4週間(計12回)のBWSTTを実施した。【結果】BWSTT実施前後では,歩行速度は実施前に比して後が有意に速く,歩幅は実施前に比して後が有意に広がった。継続介入による効果では,快適歩行速度,最大歩行速度,最大歩幅および最大歩行率で有意な改善を認めた。【結論】慢性期脳卒中片麻痺患者に対するBWSTTによる歩行速度の改善は,即時的には歩幅の改善,経時的には歩行率の改善による可能性が示唆された。
著者
小田 桂吾 斉藤 秀之 沼宮内 華子 金森 毅繁 糸賀 美穂 田中 利和 小関 迪
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.491-491, 2003

【はじめに】格闘技は古代から世界各地に様々な民族の文化を反映し存在している。しかし1993年、アメリカでルールの制約がほとんどないUltimate Fighting Championshipが開催され、世界的に総合格闘技という概念の新たな競技が盛んになっており、日本でもPRIDE,修斗,パンクラスなどの興行が人気を集めている。今回総合格闘技の選手の障害,外傷に関する調査をしたのでここに報告する。【対象】プロの総合格闘技選手11名,平均年齢25.7±3歳,平均身長171.6±6cm,平均体重74.1±12kgで全員男性であった。【方法】個別にアンケートにてコンディション,外傷,障害に関する調査を実施した。【結果】対象者の練習頻度は週5.5回、練習時間は2.9時間であった。対象者全員が今までに何らかの外傷,障害を経験していた。複数回答による疾患部位は耳介(カリフラワー状耳),肩関節,腰部,肘関節が8件と最も多く以下、頸部,手指(7件),下腿(すね),足関節,足指(6件),膝関節,鼻,(5件)手関節(4件),顔面,股関節(3件),頭部,上腕,前腕,胸部,大腿部,ハムストリングス(2件)であった。医療機関で確定診断を受けたものについては腰椎分離症,鼻骨折(3件),頚椎捻挫,膝半月板損傷,膝靭帯損傷,肩関節脱臼,足関節捻挫,足関節骨折(2件),手関節脱臼,手関節骨折,肘靭帯損傷,頚椎ヘルニア,腰椎椎間板ヘルニア,肘関節脱臼,大腿肉離れ,足指骨折(1件)等であった。受傷後入院が必要であった選手は3名、手術を行った選手は2名であった。また受傷後の経過として疾患部位の痛みが残存,慢性化しているが59.3%、完治したのが40.7%であったが現在、医療機関でリハビリテーションを行っている選手はいなかった。【考察】総合格闘技は基本的に「目潰し」「噛みつき」「金的攻撃」が禁止され、投げ技,打撃技(パンチ,キック),関節技,締め技の全てが認められている。関節技を例にとれば選手は対戦相手の正常可動域を越えるように技を仕掛けようとする。すなわち外傷,障害を防ぐのは不可能に近い状態である。実際の試合で決まり手となるのは打撃によるKOを除くと、チョークスリーパー(裸締め),腕ひしぎ十字固め,三角締め,足首固め等が多く、疾患部位にダメージを受けやすい傾向にあると考えられる。またグランドでの攻防ではマウント,ガードポジションというポジショニングが重要になってくるが、これは頸部,腰部に対するストレスがかかると考えられる。今回の調査で選手は疾患部位のリハビリテーションをほとんど行っておらず、慢性的な痛みを抱えながら試合に臨んでいると考えられる。競技能力を高める意味でも今後選手の状態に合わせたアスレティックリハビリテーション及びトレーニングの指導が必要であると考えられる。
著者
小田 桂吾 斉藤 秀之 沼宮内 華子 金森 毅繁 糸賀 美穂 田中 利和 小関 迪
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.491, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】格闘技は古代から世界各地に様々な民族の文化を反映し存在している。しかし1993年、アメリカでルールの制約がほとんどないUltimate Fighting Championshipが開催され、世界的に総合格闘技という概念の新たな競技が盛んになっており、日本でもPRIDE,修斗,パンクラスなどの興行が人気を集めている。今回総合格闘技の選手の障害,外傷に関する調査をしたのでここに報告する。【対象】プロの総合格闘技選手11名,平均年齢25.7±3歳,平均身長171.6±6cm,平均体重74.1±12kgで全員男性であった。【方法】個別にアンケートにてコンディション,外傷,障害に関する調査を実施した。【結果】対象者の練習頻度は週5.5回、練習時間は2.9時間であった。対象者全員が今までに何らかの外傷,障害を経験していた。複数回答による疾患部位は耳介(カリフラワー状耳),肩関節,腰部,肘関節が8件と最も多く以下、頸部,手指(7件),下腿(すね),足関節,足指(6件),膝関節,鼻,(5件)手関節(4件),顔面,股関節(3件),頭部,上腕,前腕,胸部,大腿部,ハムストリングス(2件)であった。医療機関で確定診断を受けたものについては腰椎分離症,鼻骨折(3件),頚椎捻挫,膝半月板損傷,膝靭帯損傷,肩関節脱臼,足関節捻挫,足関節骨折(2件),手関節脱臼,手関節骨折,肘靭帯損傷,頚椎ヘルニア,腰椎椎間板ヘルニア,肘関節脱臼,大腿肉離れ,足指骨折(1件)等であった。受傷後入院が必要であった選手は3名、手術を行った選手は2名であった。また受傷後の経過として疾患部位の痛みが残存,慢性化しているが59.3%、完治したのが40.7%であったが現在、医療機関でリハビリテーションを行っている選手はいなかった。【考察】総合格闘技は基本的に「目潰し」「噛みつき」「金的攻撃」が禁止され、投げ技,打撃技(パンチ,キック),関節技,締め技の全てが認められている。関節技を例にとれば選手は対戦相手の正常可動域を越えるように技を仕掛けようとする。すなわち外傷,障害を防ぐのは不可能に近い状態である。実際の試合で決まり手となるのは打撃によるKOを除くと、チョークスリーパー(裸締め),腕ひしぎ十字固め,三角締め,足首固め等が多く、疾患部位にダメージを受けやすい傾向にあると考えられる。またグランドでの攻防ではマウント,ガードポジションというポジショニングが重要になってくるが、これは頸部,腰部に対するストレスがかかると考えられる。今回の調査で選手は疾患部位のリハビリテーションをほとんど行っておらず、慢性的な痛みを抱えながら試合に臨んでいると考えられる。競技能力を高める意味でも今後選手の状態に合わせたアスレティックリハビリテーション及びトレーニングの指導が必要であると考えられる。
著者
與儀 由香里 呑山 委佐子 斉藤 秀子
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学家政系研究紀要 (ISSN:1346860X)
巻号頁・発行日
no.47, pp.145-160, 2011-03-03

サーマルマネキン立位を用いて、コート7点、レギンス3点、レッグウォーマー2点、ネックウォーマー3点及び巻き方の違いによるショールの熱抵抗の測定を行い、ウォームビズに対応する着方について検討した。主な結果は次の通りである。 1.単品コートの有効熱抵抗は、0.976~+S410+S41389cloの範囲に分布し、総重量(γ=0.763*)と厚さ(γ=0.944**)との間に有意な相関があった。2.単品レギンスの有効熱抵抗は0.082~0.019cloの範囲に分布に総重量(γ=0.817)との間に相関があった。3.単品ネックウォーマーの有効熱抵抗は0.001~0.005cloの範囲に分布した。4.重ね着の場合、単品衣服の和との関係は、コートで29.9%減少、レギンスで14.9%減少、ネックウォーマーで9.4%の減少が見られた。5.先の実験で用いた肌着、靴下、ショール、ベスト、手袋、帽子に今回のコート、レギンス、ネックウォーマーを加えた過剰重ね着の結果は、重ね着によるclo値は単純加算のclo値より39.6%も減少し、重ね着過剰の弊害が示された。6.ショールの巻き方の違いによるclo値は、被覆面積を大きくすることが、clo値を上昇させるという結果であった。
著者
西村 直也 柳 宇 鍵 直樹 池田 耕一 吉野 博 斉藤 秀樹 斉藤 敬子 鎌倉 良太 小畑 美知夫
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.175, pp.1-8, 2011-10-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究は医療施設における室内空気環境の維持管理のあり方について検討することを目的とする。第1報では調査の詳細および冬期、夏期における計18件の病院の外来待合室、事務室および病室に対する建築物衛生法の測定方法に準じた空気質の実測調査結果を示した。また第2報では浮遊微生物濃度の実態を明らかにした。第1、2報では建築物衛生法の環境基準値およびHEAS指針値を超過する室が多く見られ、適切に運用するためには、空気環境について定期的に監視することが有効であるという見解が得られた。本報では、温熱環境、空気質について連続測定や定量分析を行うことによって、より詳細に実態の解析を行った。その結果、室によっては温熱環境の日中変動が大きいこと、室内の浮遊粉じん濃度が外気の濃度に大きく影響を受けていること、VOC類の濃度は概ね低く抑えられているものの、DEGEEやカンファーなどが特徴的に検出されることなどを確認した。
著者
国枝 悦夫 斉藤 秀敏 川口 修
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本補助金により、M.Cristyらの楕円による人体数式ファントム(成人男性胸部を単純化し、肺内中央部に直径2.0cmの球体を孤立性肺癌(GTV)として挿入したモデル)に基づいて、胸部の人体構造を模したファントムを作成した。X線をコリメータにより直径3cm程度に絞り、細ビームとし、このファントムに照射するというEGS4モンテカルロコードを使用した解析をおこなったところ比較的低いエネルギーの場合、ビーム軸に垂直方向、水平方向とも平坦性がよかった。一方、不均一部分の影響から、これまでの放射線治療で使われている、高エネルギーX線では、腫瘍と肺組織の境界面でなだらかな勾配が生じ、標的体積内での均一性が損なわれる傾向にあった。標的体積の中心点の線量で正規化した場合、エネルギーが小さいほどGTV内の均一性は高く、平均線量は100%に近くなる。さらに、CTV内の肺組織(sub-clinicalな浸潤)に対しても均等な照射が可能である。14年度は既存のヘリカル式高速CT撮影装置を改良した。実際に企業との共同研究で設置した実験用CT装置で、X線をコリメータにより細ビームとし照射が可能となった。実測で、線量計および測定用フィルムで基礎データを取得した。また、呼吸移動を模擬するため、前年度に作成した人体型ファントムを3軸方向に周期的に移動させる装置を作成し通常の呼吸状態での照射した場合のデータも取得した。前年の線量分布、コンピュータ・シミュレーションのデータを総合的に解析し、さらに実際の治療条件に近い形で基礎データ測定と、動物実験などを進めた。なお、コンピュータ・シミュレーションと線量計算に関しては、当初の計画の予定外ではあるが、さらに進んで将来の研究計画に必要な、ネットワークを介したスパーコンピュータ利用を計画し、基礎的な検討をおこなった。これらの成果の一部はすでに発表し、論文としており、さらに投稿中である。
著者
斉藤 秀子 瀬戸 瑠美 薩本 弥生 丸田 直美 呑山 委佐子 斉藤 秀子 瀬戸 瑠美 薩本 弥生 丸田 直美 呑山 委佐子 SAITO Hideko SETO Rumi SATSUMOTO Yayoi MARUTA Naomi NOMIYAMA Isako サイトウ ヒデコ Saito Hideko セト ルミ Seto Rumi サツモト ヤヨイ Satumoto Yayoi マルタ ナオミ Maruta Naomi ノミヤマ イサコ Nomiyama Isako
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 Bulletin of Faculty of Human and Social Services, Yamanashi Prefectural University (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-10, 2018

美容医療の苦情は1997年から増加の傾向にあり、女性の美意識に関連した大きなビジネスが発展するとともに問題も生じているといえる。そこで、女性の美意識に関連する行動である女性の化粧、補整下着の着用、美容外科についてその意識を分析し、女子短大生の実態を明らかにしようと試みた。アンケート調査は2005年に短期大学生を対象として実施した。その結果、短大生は自分の身体に対して否定的な意識を持ち、現在使用している化粧、補整下着は限定されているが、今後、しみやたるみ、しわには化粧品を使用し美容外科の治療をしたい、補整下着であるガードルやボディスーツ、ハイヒールを利用したいと考えていることが明らかとなった。
著者
上岡 裕美子 斉藤 秀之 大橋 ゆかり 飯島 節
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.97-108, 2010-03

脳卒中者(以下患者)への理学療法の目標設定方法としてチェックリスト式患者参加型目標設定法(Patient Participation Goal-setting Method using Checklist: PPGMC)を用い、また目標達成度の測定にGoal Attainment Scaling (GAS) を用いて、その臨床有用性を検討した。3組の患者と担当理学療法士(以下PT)を対象に事例検討を行った。PPGMCは生活機能目標チェックリストと目標共有シートからなり、患者とPTが一緒に利用する。手順は、1)生活機能目標チェックリストに希望する目標をチェックする、2)目標を話し合う、3)決定した目標を目標共有シート記入する、4)理学療法を実施しGASで定期的に評価する、とした。最後にPTへ質問紙調査を行った。その結果、どの事例もPPGMCを用いることで各患者独自の生活機能目標を設定できた。質問紙から、PPGMCは活動・参加に関する患者の希望を把握しやすい、GASを用いて目標を段階的に達成し共通の認識を持つことで患者の意欲向上につながった、との意見が得られた。これらより脳卒中者への理学療法においてPPGMCとGASの使用が臨床的に有用であることが示唆された。
著者
土橋 由紀 志村 結美 斉藤 秀子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.99, 2011

<BR>【目的】 グローバル化する社会の中で、国や環境の異なる人を理解し、共に生活していくためには、自分の国や地域の伝統や文化についての理解を深め、尊重する態度を身に付けることが重要である。高等学校家庭科の学習指導要領(2009)では、高校生が家庭や地域の生活を主体的に創造していく主体として、生活文化の伝承と創造を担う必要性が述べられ、伝統と文化に関する教育の充実が求められている。<BR>そこで本研究では、山梨県の伝統文化、伝統産業の一つである「甲斐絹」を取り上げた地域の伝統産業と連携した家庭科の授業開発を行い、検討を行うこととした。本研究は、甲斐絹製品を生産・販売している企業(甲斐絹座)、県庁等の行政機関、小・中・高・大学といった教育機関の三者、すなわち産官学が連携し、甲斐絹の伝承と発信をめざしたプロジェクトの一環として行われている。本研究を通して、児童・生徒が具体的に地域や日本の伝統、生活文化を把握し、継承していくことの意義を認識するとともに、継承、発展させていくための実践的な態度の育成を図ることを目指している。また、甲斐絹を使って小物製作を行う実習を組み入れることにより、基礎的な裁縫技術を習得できるとともに、五感を使って本物の絹に触れる体験ができ、さらには、自らの地域の伝統と文化等に誇りを持つことにより、自己肯定感の育成等に関与できると考えている。<BR>本報告では、甲斐絹の生産地である山梨県郡内地域にある山梨県立F高等学校において実施した家庭科の授業実践を分析・検討し、今後の教育プログラムの開発の一考とすることを目的とする。<BR>【方法】 山梨県立F高等学校1学年7クラス約280名を対象に、家庭科(家庭基礎)において、2011年2月に各2時間授業実践を行った。授業前後のアンケートや授業中のワークシート、甲斐絹を用いて製作した小物(ティッシュケース)等を分析対象とした。<BR><BR>【結果及び考察】 第1次の授業は、甲斐絹座のメンバーが実際の甲斐絹の布地や製品の紹介をしながら、甲斐絹の歴史、特徴、織り方、甲斐絹復元への想い等の講義を行い、地域の伝統や文化の伝承の意義等について生徒の認識を高める授業展開とした。第2次では、手縫いによる甲斐絹の小物の製作を行い、最後に授業のまとめを行った。<BR>分析の結果、授業後には伝統と生活文化を後世に伝えていく活動について意欲的に参加したいとの回答が有意に多くなり、自由記述の中にも甲斐絹を自らが伝えていきたいと考える意見が多くみられた。授業後には、食文化・衣文化・住文化のいずれに関しても興味・関心が高くなり、さらに、ものづくりに興味・関心を持った生徒も多くなっていた。<BR>また、第1次の甲斐絹座メンバーによる講義後の感想では、地域の伝統文化への誇りに関する記述が多く認められた。甲斐絹を広く社会に発信していくための工夫としても、甲斐絹の商品開発や商品販売、マスコミの活用等、積極的な回答が多く認められ、地域の伝統産業である甲斐絹についてより身近に、具体的に捉えることができたと考えられる。<BR>甲斐絹を使った小物製作については、事前には4割の生徒が否定的に捉えていたが、事後には、全員の生徒が意欲的に取り組むことができたと回答した。これは、甲斐絹の特徴である手触りや高級感を感じることができたためと推測される。しかし、手縫いでは縫いづらいという意見も多く認められ、実際、甲斐絹は手触りが良い分、手縫いでは滑りがあり上手に縫い合わせることができない生徒が多くみられた。また、ほつれやすく、縫ったところからほどけてしまう様子も見受けられた。<BR>そこで今後の課題として、小物製作の実習として、手縫いによる基礎的裁縫技術の習得を含め、学習後、日常生活でより活用できるものとして、ミシンを利用した小物製作を行うことを検討している。また、小・中・高校と発達段階に即した山梨県全域で普遍的に継続的に実践できる教育プログラムの開発・検討を行う予定である。<BR>
著者
志村 結美 斉藤 秀子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.26, 2010

<B>目的</B><BR><BR> 現代の子どもたちは、生活実感すなわち、生活を自らのものとして具体的に捉える力が欠如し、自らの生活に関心が薄いと言われている。このような子どもたちの現状に対し、家庭科教育は、日常生活の営みである生活文化に目を向け、その歴史あるいは先人の知恵や技術を理解し主体的に生活を捉えることで、新たな生活文化を創造し、生活をより豊かにしようとする心を育むという役割を担っている。特に、学習指導要領の改訂(2008・2009)において、伝統と文化に関する教育の充実が謳われている現在、家庭科教育も果たすべき役割は大きいと言えよう。<BR> そこで本研究では山梨県の児童・生徒を対象に、山梨県の伝統文化、伝統産業の一つである「甲斐絹」を取り上げた、地域の伝統産業と連携した家庭科の教育プログラムの開発を行うこととした。本プログラムの開発には、甲斐絹製品を生産・販売している企業(甲斐絹座)、県庁等の行政機関、教育機関が一体となった産官学が連携して携わっており、甲斐絹の商業的展開の発展をも目指している。もちろん、教育プログラムとしても児童・生徒が現実的に甲斐絹の発展や継承について捉え、より具体的に地域、日本の伝統や文化を継承していくことの意義を認識し、実践的な態度を育成することができるため、有効である。また、甲斐絹を使って小物製作を行う実習を組み入れることにより、基礎的な裁縫技術を習得できるとともに、五感を使って本物の絹に触れる経験ができ、さらにはプログラム全体を通して自らの地域の伝統と文化等に誇りを持つことにより、自己肯定感の育成等に関与できると考える。本報告では、Y大学附属中学校で試行的に実践した家庭科の実験的研究授業を分析・検討し、山梨県全域で普遍的に継続的に実践できる教育プログラムのあり方を探ることとする。<BR> <BR><B>方法</B><BR><BR> 実験的研究授業は、Y大学附属中学校3年生1クラス40名を対象に、2010年1月13日、20日の各1時間、計2時間実施した。授業前後のアンケート、授業中のワークシート、甲斐絹を用いて製作した小物(ポケットティッシュケース)等を分析対象とした。<BR><BR><B>結果及び考察</B><BR><BR> 実験的研究授業の第1次では、甲斐絹座のメンバーが実際の甲斐絹の布地や製品を紹介しながら、甲斐絹の歴史、特徴、織り方、甲斐絹の現状等の講義を行った。その講義を踏まえて、地域の伝統と文化の意義を理解し、実践的に継承していくための方策をグループで話し合い、発表した。第2次では、甲斐絹の素晴らしさを実感できる小物の製作を行い、最後に授業のまとめを行った。<BR> 授業の分析の結果、伝統と文化等に関する学習への興味・関心は、学習後に有意に高くなり、特に衣文化に関して、食文化と同様に9割以上の生徒が興味・関心があると答えている。また、甲斐絹を使った小物製作については、学習前に3割の生徒が否定的に捉えていたが、学習後には、全員の生徒が意欲的に取り組むことができたと回答した。これは、甲斐絹座による講義や、甲斐絹の色、光沢、手触りの素晴らしさに触れ、しっかりとした製品を創り上げたいという意欲がわいたためと推測される。性別による比較では、学習前は女子の方が意欲・関心が高い傾向が見られたが、学習後には有意な差が認められなくなり、男女ともに興味・関心を高めながら、その差を縮める結果となった。甲斐絹を広く社会に発信していくための工夫としては、マスコミの活用や本授業のような体感する機会の増加、その他、具体的な商品開発のアイディア等が積極的に述べられた。また、自らが伝統と文化に興味・関心を持ち、学び、伝えていく意義、甲斐絹を含めた地域や日本の伝統と文化に対する誇り等の自由記述も認められた。<BR> 今後の課題として、短時間で完成する小物の開発、小・中・高校と発達段階に即した教育プログラムの開発、小物製作キット等の作成等があげられ、今後も教育現場で活用できる教育プログラムの開発の検討を行う予定である。
著者
菊地 康博 北崎 知子 斉藤 秀之 柴沼 忠夫 諸住 なおみ 金井 靖 米本 儀之 杉田 修 大沼 規男
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement1, pp.227-234, 1994-04-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
5

新規経口ペネム薬SY5555の体液内濃度測定法および体液中での安定性について検討した。微生物学的定量法 (bioassay法) では, 検定菌としてBacillus subtilis ATCC6633, 検定培地として日抗基記載の培地 (ペプトン0.5%, 肉エキス0.3%, クエン酸ナトリウム1%, カンテ ン1.5%, pH6.5~6.6) を用いる寒天平板拡散法により測定可能であった。検出感度はカップ法およびagar well法で0.05μg/ml, ペーパーディスク法で0.10μg/mlであった。血漿中濃度の測定では標準溶液は対照血漿により調整することが必要であり, その時のagar well法での検出感度は0.10μg/mlであった。高速液体クロマトグラフ (HPLC) 法では, 血漿はアセトニトリルで除たん白後, 尿は緩衝液で希釈後。逆相系カラムにより測定可能であり, 検出感度はそれぞれ0.1μg/mlおよび2.5μg/mlであった。臨床第一相試験におけるヒト血漿および尿中のSY5555濃度をbioassay法とHPLC法で測定したところ, 両法による結果はよく相関した。また, SY5555を添加したヒト血漿試料および尿試料をそのまま-20℃ 以下に凍結保存した時, SY5555はそれら体液中で少なくとも42日間は安定であった。