著者
松原 宏
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.165-183, 1982-03-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

本稿では,私鉄資本による代表的な大規模住宅地開発である東急多摩田園都市をとりあげ,その形成過程や特徴に,開発主体である東急の動向がいかに具現化しているかをみた.その結果は以下の点に要約できる. (1) 東急主導の土地区画整理手法.この手法により東急は,少量で分散した土地買収状態でも,新線沿線の広域的開発を主導できた.しかも事業を代行することにより,新たに保留地を安価で大量に取得することが可能となった. (2) 人口定着策としての高密度開発.私鉄資本ゆえに新線の収益性を無視することはできない.そこで,東急は高密度開発を進めたが,一方で社会資本の不足を激化させることになった. (3) 遠隔地からの住宅地形成.東急は新線沿線各所に土地を所有していたため,地価上昇を見込んで遠隔地から分譲するという傾向がみられた. (4) アンバランスな土地利用の混在.東急は高級な一戸建住宅や分譲マンションを,地元地主は独身寮や賃貸マンションを建設したため,土地利用は無計画なものとなった.
著者
鎌倉 夏来 松原 宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.37-64, 2014 (Released:2014-11-29)
参考文献数
37

本稿の目的は,工業統計メッシュデータの地図化を通して,広域関東圏における産業集積地域の特徴と変化を明らかにし,産業集積政策の意義と課題を検討することにある.工場密度や従業者密度をもとに,広域関東圏におけるメッシュ分布図を作成したところ,主要な産業集積地域を摘出することができた.それらの多くは,「地域産業集積活性化法」の基盤的技術産業集積地域と重なっており, 各地域のメッシュ分布図および変化の大きな個別メッシュを分析したところ,以下の点が明らかになった.①工場密度の分布から集積地域の中心が同定されるが,出荷額の伸びが大きいメッシュは,工業団地や大規模事業所の立地の影響により分散的で,集積地域の中心とは乖離する傾向を示す.②集積地域間で工場密度や従業者密度の構成比が類似する組み合わせが存在する.③成長メッシュには大規模事業所が関わっており,大手企業の立地調整を踏まえた産業集積のあり方を考えていく必要がある.
著者
清水 希容子 松原 宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.118-134, 2014 (Released:2014-11-29)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1

東日本大震災から3年半が経過した.本稿の目的は,大震災後の製造業の回復過程を明らかにするとともに,地域経済の復興に向けて出されてきた産業立地政策を整理することである.鉄鋼,石油精製,セメントなどの沿岸部の素材型工業は,津波による大きな被害を受け,復旧にも時間がかかった.これに対し,内陸部の電子や自動車などの機械工業では,一部でサプライチェーンを通じて内外に被害が波及した工場があったものの,被害は相対的に少なく,早い時点での回復がみられた.震災後,中小企業向けのグループ補助金,国内産業立地補助金,地域イノベーション戦略推進地域など,さまざまな産業立地政策が,経済産業省や文部科学省によりとられてきた.被害の大きかった地域への新規投資を促すとともに,広域的観点から,東北各地の回復力と地域間の連携を強化することが今後の課題といえる.
著者
松原宏和 新妻弘崇 太田学
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-9, 2014-11-11

ニコニコ動画や YouTube といった有名な動画共有サイトには膨大な動画が投稿されており,動画のあらすじは興味のある動画を効率よく探すために視聴者にとって大変有益である.そこで本稿では,動画の画像特徴量とコメントを用いて動画の重要場面を検出し,要約サムネイルを生成する手法を提案する.提案する動画要約手法の特徴は,画像特徴量の変化に基づいて検出した各シーンの動画をコメントに基づいて分類し,さらに各シーン中で最も盛り上がる場面のサムネイルを抽出する点にある.これにより,動画内容を網羅しつつ,視聴者が盛り上がる場面を抽出する.評価実験により提案手法の有効性を確認する.
著者
松原 宏
出版者
日本地理学会 古今書院(発売)
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.p165-183, 1982-03
著者
金井 明子 松原 宏 丹羽 清
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.294-306, 2007-08-08
被引用文献数
1

「地域」が新しい知識や技術を生み出す場として,近年注目を集めている。本研究は,地域が競争力を生み出す仕組みに学習という概念を適用した「学習地域(learning region)論」に注目し地域的な枠組みの発展を,「テーマの共有」という要素を加えることでさらに大きくできる可能性を提示する。まず,日本でも有数の産業集積地域である東大阪地域の製造業企業へのアンケート調査を通して「テーマ共有」が,従来研究が明らかにしてきた学習地域の4つの要素と同等に影響力を持つことを明らかにした。次いで同地域における人工衛星プロジェクトのケーススタディにおいて,インタビュー調査を行った結果,テーマの共有が「役割分担の明確化」「参加機会の確保と参加者の淘汰」「モチベーションの向上」という3点で実際の仕事を進める上で有効であることが分かった。さらに共通テーマを掲げたこのプロジェクトによる「地域の知名度の向上」「地域への信頼性の向上」という2つの効果が示唆された。本研究は,従来の学習地域にはない「テーマ共有」という要素を備えた新たな学習地域の一形態の重要性を示した。
著者
松原 宏 加藤 和暢 鈴木 洋太郎 富樫 幸一
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.443-450, 2000-12-31
被引用文献数
1

経済地理学会大会シンポジウムの前日(2000年6月3日)午後, 駒澤大学にて「グローバリゼーションと産業集積の理論」と題したラウンドテーブルを企画した.以下には, ラウンドテーブルの主旨, 加藤・鈴木・富樫の3氏の報告要旨, 討論の概要を掲げる.なお, オーガナイザーは, 松原が務めた.
著者
遠藤 泰生 中野 勝郎 増井 志津代 荒木 純子 松原 宏之 橋川 健竜 肥後本 芳男 佐々木 弘通 森 丈夫 中野 由美子 久田 由佳子 金井 光太朗 CHAPLIN joyce CAPOZZOLA christopher GOODMAN david JAFFEE david HALL david
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2013-05-15)

「公民的要素」「政治的要素」「社会的要素」他の要素に市民権を分別しその成長を直線的に理解することに西欧の市民社会理解は特徴付けられる。しかし、19世紀前半のアメリカ合衆国における市民編成原理の歴史を理解するには、そのような枠組みは図式的すぎる。19世紀前半の合衆国における市民編成原理の追求は、領土の拡大と不断の移民の受け入れ、消費革命の浸透、奴隷制度の是非をめぐる論争などの問題に直面しながら行われた。本研究ではその歴史を、手稿請願、読書習慣、教会説教、大西洋世界における図像リテラシー他を媒体とする非公式の政治行為に携わる市民をも包摂する、巨視的視野から検討する。
著者
加藤 千香子 橋本 順光 松原 宏之 小玉 亮子
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究では、まず世紀転換期における特徴的な国民規範形成のプロセスの検証がなされた。日本における「青年」の構築と組織化、アメリカでの性にかかわる問題、ドイツにおける「少子化」問題、イギリスでの黄禍論や「武士道」概念といった焦点を浮かび上がらせ、それらが同時代の世界との緊密な関係のうえに登場したことが検証された。他方、国民規範が企図した社会秩序の安定化については、必ずしも果たされたわけではないことも明らかにされた。

1 0 0 0 OA 科学教室

著者
松原宏遠 著
出版者
春陽堂書店
巻号頁・発行日
1942

1 0 0 0 立地論入門

著者
松原宏編著
出版者
古今書院
巻号頁・発行日
2002
著者
松原 宏之
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

1930年代に成立するとされるアメリカ型福祉国家の起源を探るには、国内史だけでなく、網の目をなすトランス・ナショナルな人と情報の流通を1900年代から1910年代に遡って視野に入れねばならない。
著者
遠藤 泰生 荒木 純子 増井 志津代 中野 勝郎 松原 宏之 平井 康大 山田 史郎 佐々木 弘通 田辺 千景 森 丈夫 矢口 祐人 高橋 均 橋川 健竜 岡山 裕
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

領土の拡大と大量移民の流入を規定条件に建国後の国民構成が多元性を増したアメリカ合衆国においては、社会文化的に様々の背景を持つ新たな国民を公民に束ねる公共規範の必要性が高まり、政治・宗教・経済・ジェンダーなどの植民地時代以来の社会諸規範が、汎用性を高める方向にその内実を変えた。18世紀と19世紀を架橋するそうした新たな視野から、合衆国における市民社会涵養の歴史を研究する必要性が強調されねばならない。