著者
梅本 雅 大浦 裕二 山本 淳子 清野 誠喜 櫻井 清一
出版者
独立行政法人農業技術研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

農産物直売所と地域スーパーにおける、それぞれ約20名の消費者モニターの視点軌跡、発話記録、記憶の状況等に関するデータの解析から、商品購買の際に被験者が記憶している属性数は限られており、特定の属性が基準を満たしているかどうかを確認する方式で商品選好が行われていることや、消費者は商品とPOPとを短時間にチェックしており、両者を交互に頻繁に確認しつつ商品選好を行っていることを確認した。また、29名の消費者モニターに対して視点軌跡把握計測装置を用いた実験を行った。具体的には、Cスーパーの野菜売り場などのスライドを15枚提示するとともに、店舗標準POPと試験POP(機能性やレシピなどの情報を付加したものをレタスやぶなしめじなど4種類の野菜に設置)、さらに、事前の被験者への話しかけ(スライド表示直前に「レタスがお買い得だそうです」や、「夕飯の献立を意識して店舗の様子を見てください」と説明)を行った場合と行わない場合の合計4つの試験区を設定し、被験者のPOP及び商品への注視時間を比較した。その結果、試験用POPでは、POP及び商品に対する注視時間が有意に多かったが、話しかけ有りと無しでは、注視時間の有意な差はなかった。但し、後者については、レタスについては効果がなかったが、ぶなしめじでは注視時間が有意に多かった。このことは、POP内容の工夫や、献立を考えるなど想起購買をもたらすような消費者への働きかけが、商品への消費者の注視を得る上で有効となることを示唆している。この点で、これらの分析結果は、産地マーケティングとして、消費者の注目を得やすいPOP内容や情報提供方法の構築に活用できると考えられる。
著者
福井 里香 梅本 雅彦 辻 勲 塩田 充 星合 昊
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.293-297, 2004 (Released:2004-09-30)
参考文献数
14

患者は19歳の未婚女性で,0経妊0経産.14歳時に腟内にプラスチック製の約12cmの棒状異物を挿入された.問診上,挿入された経緯については不明であった.19歳時パートナーができたため,腟内異物抜去希望にて他医産婦人科受診した.他医にてMRI検査の結果,腟内異物の直腸内への穿孔が疑われたため当院を紹介された.当科において大腸内視鏡検査を行い,後腟円蓋部から直腸上部への穿通が確認された.入院後は中心静脈栄養を開始し,術前1週間の絶食の後,全身麻酔下にて経腟的に異物抜去を試みた.異物は長径約12cmのプラスチック製のアイスクリームの棒であった.先端部位が直腸内に穿通しており,中間の傘の部分が後腟円蓋にとどまって肉芽に包埋されていた.術後は31日間絶食とし,注腸造影により造影剤の漏出のないことを確認した後,経口摂取を開始した.本症例はその後性交可能となり,妊娠,出産に至った. われわれが検索しえた治療目的以外の腟内異物により瘻孔を形成した報告例は自験例を含めて10例であった.その内訳は膀胱腟瘻6例,直腸腟瘻3例,尿道腟瘻1例である.年齢は20歳未満が6例と半数を超えている.挿入動機が成人では自慰目的やいたずらであることが多いのに対して,年少者では不明であることがほとんどである.本症例は5年間放置されていたが,他の直腸腟瘻形成例はいずれも4年間放置されていた. 今回われわれは5年間放置され直腸腟瘻を形成した腟内異物を経験した.また加療後性交可能となり妊娠,出産に至った稀有な症例を経験したので報告した.〔産婦の進歩56(3):293-297, 2004(平成16年8月)〕
著者
山本 淳子 梅本 雅
出版者
全国農業構造改善協会
雑誌
農業経営研究 (ISSN:03888541)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.24-35, 2012-12-25
参考文献数
17

農業労働力の減少や高齢化は年々深刻化しており,近年では大規模層でも後継者が確保できていない場合が少なくない。従来の直系家族制の下での農業の継承については,もはや限界が生じてきている。このような中,農家あとつぎによる従来の「農家型経営継承システム」に加えて「非農家型継承システム」を構築することの必要性が指摘されている(柳村)。この「非農家型継承システム」は,「農家型」,すなわち農家家族内での継承に基づかない方式として位置づけられるが,そこにはいくつかの方式が内包されていると見るべきであろう。この家族内での継承とは異なるタイプとしては,一つは組織法人における経営継承があり,複数農家から成る共同経営に新規参入者が加わり継承するタイプ(泉谷,原)や,血縁関係にこだわらず従業員の中から優れた者を経営者に登用し継承するタイプ(迫田)について,その実態や課題の検討が行われている。また,近年では,後継者不在の家族経営が行ってきた事業を技術・ノウハウを含めて家族外の第三者(新規参入者)へ継承するという「第三者継承」が,各地で取り組まれるようになってきている。まだ事例は少ないものの,平成21年度からは農林水産省の補助事業として,このような第三者継承を推進する「農業経営継承事業(実施主体は全国農業会議所)」が開始されている。この第三者継承により,経営内で後継者を確保できなかった場合にも事業が次の世代へと引き継がれ,同時に新たな担い手の育成を図ることができる。
著者
馬淵 誠士 志村 宏太郎 松本 有里 梅本 雅彦 北田 文則 木村 正 藤江 建朗 中村 英夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.281-288, 2021-03-10

▶要約 目的 : 子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術が術者に与えるストレス・疲労を,術式別(ロボット支援下・腹腔鏡・開腹)に比較した. 方法 : 広汎子宮全摘出術の術中に,執刀医の心電図・筋電図を無線測定機器で持続モニタリングした. 結果 : ロボット支援下手術では,開腹手術や腹腔鏡手術に比して,脊柱起立筋の筋活動量が有意に軽微であった.ロボット支援下手術では心拍数が終始一定であったのに対し,開腹手術と腹腔鏡手術では心拍数は手術の進行とともに漸増し,ロボット支援下手術と比較して有意に高値となった.Tone-Entropy法による評価でも,ロボット支援下手術ではEntropyが終始一定であったのに対し,開腹手術と腹腔鏡手術では手術の進行とともにEntropyが低下し,ロボット支援下手術のストレスが少ないことを示す結果であった. 結論 : ロボット支援下広汎子宮全摘術は,開腹手術や腹腔鏡手術に比して執刀医へのストレス・疲労が少ない術式である可能性が示された.
著者
門間 敏幸 梅本 雅 関野 幸二 磯島 昭代 後藤 一寿 安江 紘幸 吉永 貴大
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

農家が主体となって開発された農業技術を,技術特性・経営効果・普及可能性の3つの視点から総合的に評価した。具体的な成果は,次の通りである。1)篤農技術のデータベースの開発2)篤農技術の調査方法の開発3)農業技術の暗黙知の探索方法の開発4)経営管理能力,水稲代かき技術,大豆収穫技術,りんご剪定技術,知的財産管理技術,篤農技術の普及方法,新品種の普及ノウハウの整理。
著者
梅本 雅之 西岡 良太 山形 佳史 川村 秀憲 大内 東 高谷 敏彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.26, pp.37-42, 2008-03-07

AFO (Autonomous Flying Object) とは,3次元空間を移動可能な小型バルーンロボットである.近年,バルーンロボットをエンタテインメントの分野に応用する研究が盛んになっている.エンタテインメント性により注目すると複数ロボットによる戦略的なゲームが考えられる.本研究では,戦略的なゲームとして鬼ごっこをモデル化したゲームを定義し.シミュレータ上で共進化 GA で学習させたニューラルネットワークを用いた制御により,行動戦略を自律的に獲得する.環境やモータ特性の違いを生かした戦略を獲得し,フェイント行動や壁に追い込む行動戦略を獲得した.Autonomous Flying Object (AFO) is an autonomously controlled indoor robot that is developed to realize autonomous flights for an entertainment. The balloon robot can fly freely in a three dimensional space. In this paper, the tag game by two robots is concerned as an application of the entertainment flights. The complexity or highly technical strategy of behaviors for the game can be an important factor for the entertainment. The combination of genetic algorithm and neural networks is used to co-evolve the behavioral strategies for the robots. The complexity of the evolved behaviors and techniques is investigated in response to the space and motor characteristics.