著者
伊藤 謙一 川嶋 和晴 大庭 芳和 播谷 亮 木村 享史 板倉 智敏
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.523-526, 1997-09-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

岡県の一観光牧場で, 9日間に成兎60羽中53羽 (88.3%) が沈うつ症状を示して発症後数時間で死亡し, 死亡3例について病理学的に検索したところ, 兎出血病 (Rabbit hemorrhagic disease: RHD) に特微的な病変が認められた. すなわち, 組織学的に壊死性肝炎, 肺・腎臓における播種性血管内凝固が認められ, 抗RHDウィルスIgGによる免疫染色で肝細胞に陽性反応が認められた. また, 電子顕微鏡学的には, 壊死肝細胞細胞質にカリシウイルス様粒子が観察された. 死亡例の肝臓乳剤を接種された2羽の兎で本病の再現がなされ, 肝臓からカリシウイルス粒子が精製された. 今回の例は1994年 (北海道) に続いてわが国における第2件目であった.

128 0 0 0 OA 薬品名彙

著者
伊藤謙 著
出版者
国文社
巻号頁・発行日
1874
著者
掛須 春希 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.16, pp.239-240, 2017

映像音響演出の分野において「Atmospheric Sound」と呼ばれる類の音は,登場人物の心情や状況を表現するためにも活用されている.これらは音楽とも効果音とも言えない中間領域の音響表現が用いられているが, 演出技法には特定の概念がなく,制作手法についても系統だった調査分類などが行われてきていない.本研究では 主に日本のSF アニメに焦点をあて,00 年代以降のコンテンツを中心に 12 タイトル,83 シーンの調査を行った. これにより映像表現技法としては各種編集技法との関連が深く,音響制作技法としては不協和音や非整数次倍音をふんだんに含んだサウンドが多用されていた.さらに海外コンテンツと比較すると,電子音響の使用率の高さが顕著にみられた.
著者
伊藤 謙 伊藤 美千穂 高橋 京子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.71-75, 2012 (Released:2012-08-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

補完代替医療のひとつに,香りを吸入することで精油成分のもつ薬理作用を利用し,心身の疾病予防や治療に応用するアロマテラピーがある.揮発性の高い化合物を気化状態で吸入すると,体内に吸収され,非侵襲的に生物活性を表すとされるが,天産物由来の成分探索や多様な効能に対する科学的なエビデンスの蓄積に乏しい.そこで,著者らは医療としての「アロマテラピー」の可能性を探るべく,記憶の影響を最小限にしたマウスの行動観察が可能な実験系を構築した.本評価系はオープンフィールドテストによるマウス運動量変化を観察するものであり,アロマテラピー材料の吸入による効果を簡便に検討することができる.次いで,香道に用いられる薫香生薬類の吸入効果について行動薬理学的に評価し,鎮静作用があることを報告した.さらに,得られた化合物群の構造活性相関研究に関する成果として,化合物中の二重結合の位置および官能基の有無によって鎮静作用が著しく変化することがわかり,活性発現に重要な構造を見出した.本成果は我が国古来の香道の有用性を示唆するだけでなく,経験知に基づく薫香生薬類の多くから新たな創薬シーズの発見が期待できる.
著者
伊藤 謙
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

国内外での石薬のマテリアルプロファイル構築や基原解明における継続的な調査を、3か年に渡り精力的に実施した。本研究では、医療用のみならず冶金やその他の用途に用いる石薬についての研究・調査も継続的に実施し、研究成果を論文や学術講演だけでなく、展覧会という形でもアウトリーチを実施し、社会に公表・発信した。研究成果は計3編の学術論文、計12回の国内外での学術講演として発表した。その一部は、産経新聞1面(2017年5月19日夕刊)をはじめとする多数の新聞社やテレビ局により、広く報道された。加えて、計2回の展覧会(2017年、2018年)、1冊の出版物(2019年)の形でも、研究成果を発信した。
著者
伊藤 謙 宇都宮 聡 小原 正顕 塚腰 実 渡辺 克典 福田 舞子 廣川 和花 髙橋 京子 上田 貴洋 橋爪 節也 江口 太郎
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = Nihon Kenkyū (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.157-167, 2015-03-31

日本では江戸時代、「奇石」趣味が、本草学者だけでなく民間にも広く浸透した。これは、特徴的な形態や性質を有する石についての興味の総称といえ、地質・鉱物・古生物学的な側面だけでなく、医薬・芸術の側面をも含む、多岐にわたる分野が融合したものであった。また木内石亭、木村蒹葭堂および平賀源内に代表される民間の蒐集家を中心に、奇石について活発に研究が行われた。しかし、明治期の西洋地質学導入以降、和田維四郎に代表される職業研究者たちによって奇石趣味は前近代的なものとして否定され、石の有する地質・古生物・鉱物学的な側面のみが、研究対象にされるようになった。職業研究者としての古生物学者たちにより、国内で産出する化石の研究が開始されて以降、現在にいたるまで、日本の地質学・古生物学史については、比較的多くの資料が編纂されているが、一般市民への地質学や古生物学的知識の普及度合いや民間研究者の活動についての史学的考察はほぼ皆無であり、検討の余地は大きい。さらに、地質学・古生物学的資料は、耐久性が他の歴史資料と比べてきわめて高く、蒐集当時の標本を現在においても直接再検討することができる貴重な手がかりとなり得る。本研究では、適塾の卒業生をも輩出した医家の家系であり、医業の傍ら、在野の知識人としても活躍した梅谷亨が青年期に蒐集した地質標本に着目した。これらの標本は、化石および岩石で構成されているが、今回は化石について検討を行った。古生物学の専門家による詳細な鑑定の結果、各化石標本が同定され、産地が推定された。その中には古生物学史上重要な産地として知られる地域由来のものが見出された。特に、pravitoceras sigmoidale Yabe, 1902(プラビトセラス)は、矢部長克によって記載された、本邦のみから産出する異常巻きアンモナイトであり、本種である可能性が高い化石標本が梅谷亨標本群に含まれていること、また記録されていた採集年が、本種の記載年の僅か3年後であることは注目に値する。これは、当時の日本の民間人に近代古生物学の知識が普及していた可能性を強く示唆するものといえよう。
著者
渡邉 野々香 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.93-96, 2016

ストーリーを歌詞で語らせるミュージカルは、音楽構造・シナリオと歌詞・映像構成を有機的に計画する必要がある。従来のNLSによるビデオコンテではこの点が計画しにくい。そこで本研究ではアメリカのミュージカル映画およびドラマでカットの多いミュージカルシーンを対象とし、カット分析・楽曲分析・歌詞の音韻調査を行い、制作技法上の有機的構造を調査した。並行して絵コンテ・楽譜・音韻記号を可視化の観点から再定義し、前述の有機的構造を統合的ビジュアライズする手法を検討した。この成果を元に、プレプロダクション用アプリを想定したデザインテンプレートを構築し、用途に応じた動的な構成を検討可能にした。
著者
伊藤 謙 宇都宮 聡 小原 正顕 塚腰 実 渡辺 克典 福田 舞子 廣川 和花 髙橋 京子 上田 貴洋 橋爪 節也 江口 太郎
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.157-167, 2015-03

日本では江戸時代、「奇石」趣味が、本草学者だけでなく民間にも広く浸透した。これは、特徴的な形態や性質を有する石についての興味の総称といえ、地質・鉱物・古生物学的な側面だけでなく、医薬・芸術の側面をも含む、多岐にわたる分野が融合したものであった。また木内石亭、木村蒹葭堂および平賀源内に代表される民間の蒐集家を中心に、奇石について活発に研究が行われた。しかし、明治期の西洋地質学導入以降、和田維四郎に代表される職業研究者たちによって奇石趣味は前近代的なものとして否定され、石の有する地質・古生物・鉱物学的な側面のみが、研究対象にされるようになった。職業研究者としての古生物学者たちにより、国内で産出する化石の研究が開始されて以降、現在にいたるまで、日本の地質学・古生物学史については、比較的多くの資料が編纂されているが、一般市民への地質学や古生物学的知識の普及度合いや民間研究者の活動についての史学的考察はほぼ皆無であり、検討の余地は大きい。さらに、地質学・古生物学的資料は、耐久性が他の歴史資料と比べてきわめて高く、蒐集当時の標本を現在においても直接再検討することができる貴重な手がかりとなり得る。本研究では、適塾の卒業生をも輩出した医家の家系であり、医業の傍ら、在野の知識人としても活躍した梅谷亨が青年期に蒐集した地質標本に着目した。これらの標本は、化石および岩石で構成されているが、今回は化石について検討を行った。古生物学の専門家による詳細な鑑定の結果、各化石標本が同定され、産地が推定された。その中には古生物学史上重要な産地として知られる地域由来のものが見出された。特に、pravitoceras sigmoidale Yabe, 1902(プラビトセラス)は、矢部長克によって記載された、本邦のみから産出する異常巻きアンモナイトであり、本種である可能性が高い化石標本が梅谷亨標本群に含まれていること、また記録されていた採集年が、本種の記載年の僅か3年後であることは注目に値する。これは、当時の日本の民間人に近代古生物学の知識が普及していた可能性を強く示唆するものといえよう。
著者
中田 貴大 牧野 英記 加藤 高英 仙波 真由子 河野 幹寛 梶原 浩太郎 伊藤 謙作 濱口 直彦 兼松 貴則 横山 秀樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.2206-2211, 2015-10-10 (Released:2016-10-10)
参考文献数
7

陰圧性肺水腫(negative pressure pulmonary edema:NPPE)は,上気道閉塞に伴う胸腔内圧の急激な低下により発症する非心原性肺水腫である.診断や治療の遅れは致命的になる可能性があるが,速やかな診断と治療を行えば,短時間で大きな合併症もなく回復することができる.日常診療において内科医が本疾患に遭遇する機会はあり,忘れてはならない疾患の1つである.痙攣発作後に持続する低酸素血症の際には,NPPEを鑑別の1つとして挙げるべきである.
著者
北島 宣 山本 雅史 伊藤 謙 米森 敬三 深尾 葉子 安冨 歩 中崎 鉄也 山崎 安津 清水 徳朗 中野 道治 岳 修平 林 維真 鐘 國芳 中野 道治 長田 俊樹 渡邉 和男 河瀬 真琴 山下 満智子 前山 和範 中村 彰宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ウンシュウミカン、カボス、などの両親が明らかとなり、多くの日本在来カンキツは、キシュウミカン、ユズ、タチバナに起源していることが明らかとなった。キシュウミカンは中国江西省の「南豊蜜橘」に由来することが示された。タチバナは台湾に起源し、沖縄を経て本土に伝播したと考えられ、タチバナの沖縄系統はシークワーサーとの交雑によって生じたことが示唆された。田中長三郎のカンキツ標本を整理してデジタル入力を行い、検索機能も付加してアーカイブ化を行った。田中長三郎の自筆スケッチなどの資料を蒐集・整理してデジタル化を行うとともに、和歌山県橘本神社のカンキツ博物館「常世館」に展示し、広く一般に公開した。
著者
宮園 知奈 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.17, pp.71-74, 2018

音響のみで構成されるオーディオドラマのサウンドデザインを対象とした研究は行われてこなかった.本研究では,Chion らが伝統的に行ってきた映像音楽・音響研究分野の手法を援用する.「私たちに語りかけている」 ようなオーディオドラマを「『主観ショット型』オーディオドラマ」と命名した.映画音楽の narrative 機能の基盤である二分法をもとに,Neumeyer は「5 つの双対」を提唱した.自身の過去の研究に,Neumeyer の 5 つの双対から「前景/後景」を加えてタイムライン分析を実施した.この過程で,声と効果音の中間にあたるような音が,映画に比べて多数付与されていることが分かった.特に,本研究で提案した「Mouth Noise」は重要な演出手法になり得ることが判明した.

1 0 0 0 OA 植學略解

著者
伊藤謙 著
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1874
著者
坂井 一夫 伊藤 謙三 南 芳樹 鈴木 勝己
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-3, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

A rare case of intratendinous ossifications of the bilateral patellar tendons was reported. A fourteen-year-old boy, who was a superior short runner, visited our office, complaining of pain in both knees after running. Physical examination revealed hard masses in bilateral patellar tendons and tenderness of those. No other abnormalities were noted. Roentgenograms of both knees showed ossification in the area of the patellar tendon. Of course, those were extra-articular, arthrographically. Differential diagnosis was made from patella biprtita, Osgood-Schlatter disease and others. Conservative therapies consisting of anti-inflamatory drugs, local injection and others were effective, but the symptom arose repeatedly because he trained hard. We are planning to resect the ossifications after the running seasen.
著者
武田 賢 角谷 倫之 佐藤 清和 土橋 卓 伊藤 謙吾 千葉 瑞己
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ヒト頭頸部模型をCT撮像したデータをソフトウェア上で加工し、3次元(3D)プリンターに転送して頭頸部固定具を作製した。比較対照として、放射線治療用固定具として実用化されている熱可塑性素材を用いて従来法(手作業)により頭頸部固定具を作成した。3Dプリンターで作製した頭頸部ファントムの固定具は、固定精度と線量特性の点で、従来法で作成した固定具と同等の性能を示し、臨床上、実用化できる可能性が示唆された。然しながら、CT撮像からデータを加工する迄に約2時間、3Dプリンターで出力するまでに約100時間程度の時間を要しており、今後の課題として、固定具の作成過程を効率的に短縮する必要があることが分かった。
著者
伊藤 謙 伊藤 美千穂 高橋 京子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.71-75, 2012-08-01
被引用文献数
1

補完代替医療のひとつに,香りを吸入することで精油成分のもつ薬理作用を利用し,心身の疾病予防や治療に応用するアロマテラピーがある.揮発性の高い化合物を気化状態で吸入すると,体内に吸収され,非侵襲的に生物活性を表すとされるが,天産物由来の成分探索や多様な効能に対する科学的なエビデンスの蓄積に乏しい.そこで,著者らは医療としての「アロマテラピー」の可能性を探るべく,記憶の影響を最小限にしたマウスの行動観察が可能な実験系を構築した.本評価系はオープンフィールドテストによるマウス運動量変化を観察するものであり,アロマテラピー材料の吸入による効果を簡便に検討することができる.次いで,香道に用いられる薫香生薬類の吸入効果について行動薬理学的に評価し,鎮静作用があることを報告した.さらに,得られた化合物群の構造活性相関研究に関する成果として,化合物中の二重結合の位置および官能基の有無によって鎮静作用が著しく変化することがわかり,活性発現に重要な構造を見出した.本成果は我が国古来の香道の有用性を示唆するだけでなく,経験知に基づく薫香生薬類の多くから新たな創薬シーズの発見が期待できる.