- 著者
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渡邉 英徳
- 出版者
- 首都大学東京
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
これまでのデジタルアース・アーカイブの研究成果を活かして,インド洋大津波のデータ,企業ビッグデータのデジタルアーカイブを作成し,公開した。加えて,ニューラルネットワークを用いた自動色付け技術を用いて,マスメディア(朝日新聞社,沖縄タイムス,岩手日報社)の所蔵する災害アーカイブなどの資料をカラー化し,取材・時代考証を踏まえた補正を加えたものを,ソーシャルメディア(Twitter,Facebook)で発信する実験を行なった。毎日,その日付に起きた出来事にまつわる画像をアーカイブから選定し,カラー化したものを発信した。各々の着彩写真は数千〜数百回リツイート・シェアされ,年度内のインプレッション数は合計6000万回となった。カラー化写真に対して,ユーザからは多数のリプライ・引用リツイートがあり,写真への感想,時代考証,撮影地の特定など,さまざまなコミュニケーションが創発した。その結果,写真の撮影地や被写体の詳細が判明するなど,資料内容の特定への寄与もみられた。さらに,カラー化した写真をもとにして,若者たちと災害の当事者が語り合い,交流を深めるワークショップを,広島原爆・東日本大震災をテーマとして開催した。このことにより,ローカルなコミュニティ形成に貢献した。カラー化写真およびワークショップは,朝日新聞朝刊一面(6/23)をはじめとするTV・新聞などのマスメディアで多数取り上げられ,年度内に34件の報道があった。こうした反響を受け,カラー化した写真を,日本新聞協会主催の展覧会「よみがえる沖縄1935」などで展示した。