著者
岩元 辰篤 白井 達 森本 昌宏 岩崎 昌平 南 奈穂子 中尾 慎一
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.559-562, 2016 (Released:2016-11-04)
参考文献数
10

プレガバリン(PGB)を長期間継続投与中で,治療効果が不明瞭な症例において,投与中止が可能であるかにつき調査した.PGBを6カ月以上投与している11症例を対象とし,続行によってもさらなる改善がないと判断した場合,受診ごとに投与量を半減し,痛みが増強した場合には元の投与量に戻すこととして,25 mg/日まで減量が可能となった時点で中止とした.この結果,7例では減量後も痛みの程度に変化はなく中止が可能であったが,4例では減量あるいは中止により痛みが増強したために投与を継続した.以上,治療効果判定が不十分なままPGBを漫然と投与している症例があることが判明した.今後は,長期間投与を行っている症例では,漸減・中止を考慮すべきと考えられた.
著者
白井 達也 金子 真
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.385-394, 1993-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

Power transmission systems with timing belt are often used in various machines because of their simple mechanism and easy treatment. However, the diagnosis for those transmission system has not fully established. This paper discusses self-failure diagnosis for a timing belt transmission system using tension-differential-type torque sensor (TDT sensor). A tension pulley is usually incorporated into a part of the transmission system, so that the system can maintain a proper tension during operation. Since such a tension pulley receives force directly from the timing belt, it is expected that the diagnosis of the timing belt can be done with much high S/N ratio and thus with high reliability. Based on this idea, the authors designed a TDT sensor available for a timing belt application, and explored a diagnosis algorithm detectable not only for a timing belt with V-crack but also for a timing belt with blinding at a tooth. Through a number of experiments, we verified the effectiveness of the proposed algorithm and also found an interesting behavior of the sensor signals which is not expected.
著者
前川 紀雅 森本 昌宏 森本 充男 打田 智久 白井 達 吉岡 愛 森本 悦司 古賀 義久
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.148-152, 2009-05-25 (Released:2011-09-01)
参考文献数
10

脳脊髄液減少症は起立性頭痛を特徴とし,脳脊髄液の減少により生じる.これに対する治療法として,硬膜外自家血注入法(自家血注入)が広く用いられているが,硬膜外生理食塩液注入法(生食注入)が診断法の1つとして推奨されている.筆者らは,2カ月から30年間脳脊髄液減少症に罹患していた10症例(外傷性8症例,特発性1症例,脊麻後頭痛1症例)の治療としてX線透視下に生食注入(造影剤との混合注入)を行い,その有効性について検討した.これらのうち6例では自家血注入の既往があり,RI脳槽シンチグラムで4症例で髄液の漏出,5症例で早期膀胱内集積があった.生食注入により起立性頭痛,視機能異常や耳鳴りなどの症状はすべての症例(7症例では1回,3症例では2回の施行)で改善した.以上より,脳脊髄液減少症に対して保存的療法が奏効しないときには,生食注入は試みてよい治療法の1つであると考えられた.
著者
白井 達也 金子 真 原田 研介 辻 敏夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.57-64, 2002-01-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Through grasp experiments by human achieving an enveloping grasp for a small cylindrical object placed on a table, we found an interesting grasping motion, where human changes the finger posture from upright to curved ones after each finger makes contact with the object. During this motion, the object is automatically lifted up through either rolling or sliding motion between the finger tip and the object. A series of this motion is called as Detaching Assist Motion (DAM) . An advantage of DAM is that most of grasping motions can be done on the table instead of in the air. Therefore, we can avoid the worst scenario where the object falls down to the table. We first discuss the basic mechanism of DAM by human experiments. We then apply the DAM to a grasping motion by a multi-fingered robot hand. We show that the DAM can be explained by using Self-Posture Changing Motion. We also show some simulation and experimental results to confirm that a small object can be grasped easily by applying the DAM.
著者
萩谷 功一 安宅 倭 河原 孝吉 後藤 裕作 鈴木 三義 白井 達夫 渥美 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.345-351, 2004 (Released:2006-07-26)
参考文献数
17
被引用文献数
8 8

ホルスタイン種における月1回の検定記録から乳期全体の記録を予測する方法について比較検討した.データは,1990年から2002年までに独立行政法人家畜改良センターの4つの牧場で飼養されたホルスタイン種における771個体からの232,337の初産次の乳量における検定日記録である.乳期あたりの乳量は,分直後から分後305日までの乳量(以下,305日乳量)の合計とした.分析では,検定日間隔(Test Interval ; 以下,TI)法,最良予測(Best Prediction ; 以下,BP)法および多形質予測(Multiple Trait Prediction ; 以下,MTP)法からの推定値と真の305日乳量を比較検討した.MTP法における泌乳曲線の説明には,WoodまたはWilminkのモデルを採用した.TI法およびBP法を比較した場合,泌乳初期から中期の検定日記録に対してBP法が優れており,泌乳末期の検定日記録に対してTI法が適していた. MTP法は,Wilminkのモデルを採用した場合に,Woodのモデルを採用した場合よりも乳期全体において推定精度が高かった.Wilminkのモデルを採用したMTP法の推定精度は,泌乳初期から中期にかけてBP法と同程度であり,泌乳末期で他との比較において真の値にもっとも近似した.このことより,Wilminkのモデルを採用したMTP法は,乳期全体を通じて優れた推定法であることが示唆された.
著者
白井 達也 金子 真 辻 敏夫
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.567-576, 1999-05-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

This paper discusses the scale-dependent grasp. Suppose that an object is initially placed on a table without touching by human hand and, then he (or she) finally achieves an enveloping grasp after an appropriate approach phase. Under such initial and final conditions, human unconsciously changes the grasp strategy according to the size of object, even though they have similar geometry. We call the grasp planning the scale-dependent grasp. Focusing on column objects, we first classified the grasp patterns into a couple of grasps and extracted the essential motions so that we can apply the scale-dependent grasp to multi-fingered robot hands. We found that the grasp patterns should be also changed according to the surface friction and the geometry of cross section of object in addition to the scale. The basic strategies were verified by experiments. Finally, we considered how each strategy should be switched from one to another.
著者
立山 暢人 鳥居 祥二 白井 達也 平良 俊雄
出版者
神奈川大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

宇宙線中の一次反陽子の存在量の測定は、宇宙線の銀河中伝播及び、原始反物貭の存在を知る上で極めて重要である。特に100〜300MeVのエネルギ-領域の反陽子は運動学的理由により二次粒子としては殆んど生成されない為に、その観測結果が宇宙論のモデル等に与える意義は大きい。この低エネルギ-領域では、4つのグル-プにより結果が報告されているが、さらに今後の研究が待されている。本研究は原子核乾板を用い、原子核乳剤の中で静止した反陽子を観測する。この方法は(1)荷電粒子の飛跡を0.1μm精度で精密に測定できる(2)粒子の放出角・運動量等の精密の精密測定ができる(3)長期保存が可能で再現性がある。等の特長がある。本研究では(A)顕微鏡画像を画像解析システムにとり込み、反陽子相互作用を自動的に検出するシステムを開発すること。(B)一次反陽子の観測をすること、を目的とした。結果(A)250倍視野の顕微鏡画像を焦点探度を変え、一視野にフレ-ムをとり込む。この画像について背影雑音をとり除き、2値化画像にする。この画像を、ミニコンで荷電粒子飛跡のみの画像に再現する。荷電粒子飛跡を解析し相互作用を検出するシステムを開発した。 この方法は、背影雑音の除去の段でさらに検討してゆく必要がある。(B)一次反陽子の観測は1.18cm^3について完了し、二次粒子分布及び反陽子静止パタンに似たインベントの分布を得た。シミュレ-ションとの比較から、原子核乾板のスキャンが完了した時点での反陽子/陽子比の予想値を得た。この値は現存信用でき得る他の結果と同程度のフラックス値であり、精度はまさるものと考えられる。