著者
小林 博人 田辺 俊英 鈴木 薫 石崎 宏 井上 久美子 中島 啓雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.240-244, 1990 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10

症例1: 52歳, 女性。瘢痕性類天疱瘡。ニコチン酸アミド800mg/日4週間で口腔粘膜疹は消失, 56日間投与。その後の1年間に粘膜疹の出現なし。症例2: 66歳, 女性。水疱性類天疱瘡。ベタメタゾン3mg/日で水疱は消失。ベタメタゾン1mg/日に減量時よりニコチン酸アミド1000mg/日の併用を開始した。ベタメタゾンを6カ月間で中止, ニコチン酸アミドをステロイド離脱後6カ月間投与した。ニコチン酸アミド中止後の6カ月間に水疱の出現なし。両症例においてニコチン酸アミドによる副作用はみられず, 本療法は両疾患に対して有用な治療法と思われた。
著者
北村 清隆 熊谷 武夫 西部 武嗣 小西 喜朗 石崎 宏 金原 武司
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.519-522, 1967-04-01

K-4249-O軟膏は,K-4249(科研化学株式会社開発)を主剤とした軟膏である(処方別記)。K-4249は下記の組成をもつた黄色油状物質で,かなり強い抗真菌作用(星芒状白癬菌に対する最小発育阻止濃度は5μg/ml) IC≡C・(CH2)8COO(記号省略) C17H21O2I Phenyl−11—iodo−10—undecynoate 処方 K-4249………0.5% 水溶性基剤………99.5%をもつといわれる1)。われわれ2)はさきに,本物質を主成分としたチンキ剤による白癬の治療成績を報告したが,今回はK-4249-O軟膏による成績を述べる。
著者
佐藤 衆介 瀬尾 哲也 植竹 勝治 安部 直重 深沢 充 石崎 宏 藤田 正範 小迫 孝実 假屋 喜弘
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.行動変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発:ドイツ語文化圏で使用されている家畜福祉総合評価法であるANI(Animal Needs Index)法を我が国の酪農及び肉牛生産に適用した。そして本法は、放飼・放牧期間に偏重していることを明らかにした。さらに、(1)改良ANI(Animal Needs Index)法並びに家畜福祉の基本原則である5フリーダムスに基づいた飼育基準を作成した。(2)評価法改良のため、身繕い行動並びに人との関係の指標である逃走距離に関する基本的知見を収集した。(3)福祉評価においては、動物の情動評価も重要であることから、ウマを使い、快・不快に関する行動的指標を明らかにし、それは飼育方式評価に有効であった。2.生理変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発:ニワトリの脳内生理活性物質のうちエンドルフィン(ED)が快情動の変化を捉えるのに適していること、またEDがMu受容体を介してストレス反応の調節にも関与することを明らかとした。また、輸送時の福祉レベルを反映する免疫指標を検索し、末梢血のNK細胞数やConA刺激全血培養上清中のIFN-γ産生量が有用であった。3.家畜福祉輸送総合評価法の開発:RSPCAの福祉標準に基づき、我が国の家畜市場に来場する家畜運搬車輌を対象に、福祉性評価を実施した。また、国内における子牛の長距離輸送および肥育牛の屠畜場への輸送について、行動・生理・生産指標に基づくストレス評価を行った。RSPCAの標準に基づく評価では、国内の運搬車輌は概ね福祉的要件を満たしていたが、一部、積込路の傾斜角度とそこからの落下防止策に改善の余地のあることが明らかになった。国内輸送時のストレス評価では、明確な四季を有する我が国では、季節により牛に対して負荷されるストレス要因が異なることが確認され、季節に応じた福祉的配慮が必要であることが示された。
著者
望月 隆 田邉 洋 若狭 麻子 河崎 昌子 安澤 数史 石崎 宏
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 = Japanese journal of medical mycology (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.57-61, 2006-04-30
被引用文献数
3 7

<i>Trichophyton</i> (<i>T</i>.) <i>tonsurans</i> 感染症の集団発生例への対処法として近年ブラシ検査を用いた診断・治療のガイドラインが作成され, 本症に対する対応が効果的に行われるようになってきた. このブラシ検査に影響があると考えられる要素のいくつかについて, 高等学校柔道部員を対象に検討した. その結果, ブラシ検査は十分な指導のもとに行うこと, 練習後は付着による偽陽性者が出るので練習前に行うこと, ブラシ検査は抗真菌剤の外用直後は陰性化していることが明らかになった. また, 練習前の抗真菌剤外用による菌の付着の防止効果は約3時間の練習に対しては不十分であることも判明した.<br>分子疫学的検討では, 当科に保存してあった全国各地からの臨床分離株198株についてNTS領域のPCR-RFLP分析を行った. その結果, 格闘技由来株に2つの分子型が認められ, 流行が2つの分子型の菌に起因することが明らかになった.