著者
橋本 崇史 宮脇 美千代 齊藤 華奈実 石川 一志 甲斐 宜貴 杉尾 賢二
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.741-747, 2014-09-15 (Released:2014-10-03)
参考文献数
13
被引用文献数
1

頭皮原発血管肉腫の肺転移は,続発性気胸を高率に引き起こすことが知られている.症例は83歳,男性.80歳時,頭皮原発血管肉腫の診断にて皮膚科で手術療法,放射線療法,化学療法をうけ,寛解したが,20ヵ月後に薄壁空洞型の肺転移を認めた.その数日後に左気胸をきたし,当科へ紹介となった.胸腔ドレーンを留置したが,エアリークの改善なく,胸腔鏡補助下左上葉切除術を施行した.免疫組織化学的にCD31陽性であり,頭皮原発血管肉腫の肺転移巣と診断された.短期間で気胸の再発を認め,エアリークが持続したため,2回目の手術を行った.残存する左下葉に多発する薄壁の小嚢胞性病変を認め,その数ヵ所よりエアリークを認めた.小嚢胞を一部楔状切除し,被覆術を行った.小嚢胞も病理学的に頭皮原発血管肉腫の肺転移と診断された.気胸は治癒したが,原病の進行による呼吸不全のため術後36日に死亡した.本疾患の肺転移による気胸は難治性であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
石川 一
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:21865590)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.148(1)-184(37), 0000

The waka poems in this collection were selected by Monk Jaku-en< 寂延> in 1233. Allthe authors of these poems are related to Ise Country in some way and most of the works in this collection are associated with Ise Jingu Shrine. Although this collection originally consists of 20 volumes and more than 1,000 poems are included in total, more than a half of them have been lost. Now we have only 497 poems carried in seven volumes (three spring volumes, one summer volume, and three fall volumes). Jaku-en is a Shinto priest and his lay name is Naganobu ARAKIDA<荒木田長延>. He is a son of Sei-cho ARAKIDA<荒木田成長>, the first priest of Ise Jingu Shrine. The source of the poems annotated here is the oldest copy kept in Tenri Library.
著者
塩入 隆行 秋重 成孝 石川 一郎 宮川 英祐 福井 美代子 有澤 康 高島 己千雄
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.955-966, 1983-12-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

今回の試験は, 歯周疾患患者24例を対象として, クロルヘキシジングルコネート含有 Tooth Paste の有効性を Active Control を対照として二重盲検クロスオーバー法より評価した。薬剤使用開始直前および2週後の薬剤を交換する時点で, スケーリングを実換し, 歯垢抑制, 歯肉の炎症の改善度を評価し, また薬剤使用開始と薬剤交換時には, 細菌検査用ブラケットを上顎前歯部に装着した。その結果1. 歯垢抑制効果については, 上顎では両薬剤間に差はなかったが, 下顎では2週後で有意な差を認め, LS-5 群がOTCAC群に比べ抑制効果が著しく認められた。2. 歯肉炎症の消退に対する効果および歯周ポケット3mm以下正常数率では, 上顎については両薬剤間に差は認められなかったが, 下顎では2週後, 歯肉の炎症の緩和の効果および歯周ポケットの正常数率で, LS-5群がOTCAC群に比べ有意に高かった。3. T. A. C. フィルム片に沈着した2週後の細菌数については, 嫌気性菌の増殖批制効果に関しては, 両薬剤間に差を認めなかった。好気性菌の増殖抑制効果に関してはLS-5群がOTCAC群に比べ高いと考えられた。4. 走査電顕像を撮影し, 評価した結果では, 両薬剤間に差は認められなかった。5. 有用性評価の有用率はLS-5群75.0%, OTCAC群50.0%で両薬剤の比較は, p=0.041で有意な差を認めた。6. 副作用は全例に認められなかった。
著者
井上 豪 中村 努 石川 一彦 甲斐 泰 松村 浩由
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

超好熱始原菌Aeropyrum pernix K1株由来のペルオキシレドキシン(Prx)であるThioredoxin Peroxidase(ApTPx)は、チオール依存型のペルオキシダーゼであり、過酸化水素H_2O_2やalkylperoxideを水やアルコールに還元する働きを持つ。ApTPxは、子量20万の10量体蛋白質であり、プロトマー1分子中に3つのシステイン残基(C50,C207,及びC213)を持ち、たとえば、過酸化水素を水に還元する反応を行う。これまでの研究から、ApTPxのアミノ酸配列は1-CysのPrxと相同性が高いのに対し、その反応機構は2-CysのPrxと同様に2つのシステイン残基(C50及びC213)が反応に必須であることが報告されている。本研究課題では、変異体C50S,C20,7S,C213Sの結晶中で過酸化水素と反応させ、中間体構造を低温でトラップしてX線構造解析を行う方法で、ApTPxによるH_2O_2の還元機構の詳細の解明を目指した。その結果、C50SおよびC213SについてX線回折強度データの収集を行い構造精密化中で反応機構に関する知見はまだ得られていないが、C207S変異体からは、Cys50がCys-SHから、Cystein sulfenic acid (Cys-SOH)の状態へと酸化され、S-OH中間体を形成し、配位子数4の硫黄原子(10-S-4)を持つ超原子価構造をとることが判明した(Proceedings of the NattionalAcademy of Sciences USA(PNAS),in press)。
著者
樹下 文隆 秋山 伸隆 石川 一 大知 徳子 五條 小枝子 菅原 範夫 西本 寮子 松井 輝昭 菅原 範夫 西本 寮子
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

関ヶ原戦役後、毛利氏の支配を離れた芸備地域では毛利氏の文化遺産を継承していた。戦国毛利氏の後継である江戸期の萩藩も毛利氏の文化遺産の顕彰を行っていた。毛利元就・隆元・輝元時代の文芸資料は各地に伝播し、芸備では厳島関連の文芸資料、芸備以外では毛利元就関連の資料に特徴がある。江戸期の防長二国や芸備各藩では戦国毛利氏の文化政策を継承した収書活動が確認できた。戦国毛利氏の存在は、以後の芸備地域の文芸活動に大きな影響を与えたといえる。
著者
石川 一憲 石川 明男 加藤 弘昭 大森 俊一
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.17-21, 1993-03-01

ブドウ欧州種の数品種を用い, 果粒の肥大, 発育及び品質に及ぼすフルメット液剤処理の効果を検討した.果粒肥大及び果実重に及ぼすフルメット処理濃度の影響は, 品種で異なっていた.果粒肥大と品質の関係から, 果粒の肥大は良いが, 甘味比の低下がみられた品種は'モヌッカ'及び'リザマット'であった.果粒肥大が良く, 甘味比の低下のみられない品種は'ユニコン', 'マリオ', 'ネヘレスコール'並びに'バラデイ'であった.